小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

黒板を考える 5 「字を目立たせて,より楽しく書く」

2011-09-18 12:17:14 | 授業中の攻略法

黒板に書く字の中で,目立たせたい,強調したい字があるとき,どのようにして目立たせますか?

例えば

「1とそれ自身の数以外に,約数をもたない数を,素数といいます。」

と書いたとします。

この中では「素数」という文字が大事で,ぜひ目立たせたいと思います。

目立たせることで,子どもたちにも「それは大事なんだ」「覚えなきゃ」と思ってほしい。

そして,それをノートに写す子どもたちにも,同様に他の文字よりも目立つ形で書いてほしいですね。

授業で毎日のようにこういう作業をしている先生だから,そのための技っていうのはいくつか身につけておきたいですよね。

黒板の字を目立たせる方法はいくつかある!

どれも簡単にできることです。

1 色を変える 「素数

2 大きさを変える 「素数

3 太さを変える 「素数

4 下線を引く 「素数

これって,パソコンの文書を作成するときに,ツールとしてついている方法とそっくりですね。

パソコンの場合,他にも「フォントを変える」「マーカーで塗りつぶす」などいった便利な機能もありますが,黒板ではちょっと難しいかな。

基本,使えるのは「色」「大きさ」「太さ」「下線」ではないかと思います。

この中で一番よく見るのは「色を変える」方法じゃないでしょうか。

白で書いていた文の中で,その文字だけ黄色で書くとか。

確かにこれはよく目立ちますね。

でも,それだけじゃないことも知っていたいです。

字の大きさや太さを変えると,ユニークな板書になりますし,下線を引くという方法を組み合わせることで,より強調することもできます。

子どもたちにも,ノートの取り方としてそんな方法があるということを教えることにもつながるでしょう。

板書を上手に,楽しく書く先生の授業って,子どもも「先生みたいに」って,工夫してノートをとるようになって,それが楽しくなる子も多いでしょう。


黒板を考える 4 「こっちからも,そっちからも」

2011-09-15 22:23:36 | 授業中の攻略法

黒板に字を書くときは,子どもの方に顔を向けられません。

先生は黒板と向き合い,子どもを背中にします。

その間の時間って,もどかしいような,不安定な時間にもなりがちです。

先生は黒板を見つめながら,背中越しに子どもたちの雰囲気を感じます。

ちょっとざわついている声が聞こえたり,先生の板書を写している気配を感じられなかったり。

また,時には説明をしながら板書をしたいときもあります。

そんなときも,どうしても口は黒板の方に向けなくてはならず,子どもたちにちゃんと伝わっているか不安です。

こういった黒板のもつネガティブさというものをうまく解消しながら,授業を進めていけるようになるのも,先生の一つの腕前でしょうね。

このことに関して,先生が黒板に書くときの体の使い方というのを考えてみます。

右半身,左半身の両方で黒板を書けるようになりたい!

私はまだできないので,できるようになりたいです。

板書をするとき,子どもたちに全くの背中向きにならないように,「半身(はんみ)」になることは,がんばれば,できます。

右肩を開くようにして書く右半身

左肩を開くようにして書く左半身

の2つがあります。

たいていの先生は,おそらくどちらか一方はできるんじゃないかと思います。

右手でチョークをもつ場合,きっと多いのは左半身じゃないでしょうか。

チョークを持つ右手が黒板に近い方に来て,先生は自分の左側に子どもたちを見ます。

ちなみに私は逆で,右手でチョークを持ちながら,右半身です。

ちょっと窮屈な感じがしますが,なぜかこちらの方が書きやすいです。

これが,黒板のどこに書くか,先生がどこにポジションを置くかによって,どちらの半身もとれるようになるといいでしょうね。

それができると,先生もより自然に黒板と子どもたちの間にポジションを置くことができるようになるし,子どもたちも黒板が見やすくなります。

私もちょくちょく左半身を練習するのですが,どうしても字が下手になります。

本気でできるようになりたければ,もっと練習が必要です。


黒板を考える 3 「少なくとも私にはこれが必要です」

2011-09-13 21:09:48 | 授業中の攻略法

一言に「黒板」といっても,結構な種類があるんですね。

緑の濃いもの・薄いもの

チョークで書いた感じが硬いもの・柔らかいもの

黒板消しでチョークの字がきれいに消えるもの・消えにくく残っちゃうもの

そして

使用する先生の身長に合わせて黒板が上下に可動式なもの

なんてものもあります。

理科室なんかでよく見るのは2枚の黒板が上下に並んでいて,スライドして入れ替えることができるタイプ。

他にも,私が見たことないだけで,いろんな黒板があるのかもしれません。

(ホワイトボードや電子黒板は別として…)

長年先生をしていると,「好みの黒板」って出てきますよね。

自分が字を書くのに,書きやすい黒板です。

そんな教室に当たった年はラッキーです。

さて

どんな黒板を使用するにしろ,少なくとも私には必ず必要とするものがあります。

黒板には罫線を引く!

ことです。

子どもの方眼ノートと同じような罫線が黒板にはほしいです。

私の場合「絶対に」かな。

黒板に罫線が引いてあると

○書く字が曲がらずまっすぐ書けます

○グラフや作図がぐんと書きやすくなります

○字のサイズが調節できます

○子どもに黒板を書かせてもある程度きれいに書けます

これらのメリットは授業づくりの強い味方となります。

一般的に黒板とは,何もしない状態だと,まっさらなものだと思います。

そこに上手に字を書き,図を書ける先生はいいですが,なかなか難しいですよね。

自分の体より大きな面に書くわけですから,先生と言えども,何か手掛かりがなければよがんでしまう場合が多いでしょう。

問題は,その先生が「まぁいいか」と思うか「これじゃいかん」と思うかでしょう。

授業に欠かせないアイテムである黒板には,こだわってもいいんじゃないかと私は思います。

この罫線ですが,丁寧に始めから引いてある黒板もあるようです。

これに当たればラッキーですね。

引いていない黒板でも自分で引くことができます。

黒の水性ペンで引けば,見やすく,さらに時間の経過とともに徐々に薄くなっていき,年度交代のころは必要なら消すこともできます。

とりあえずならえんぴつで引くこともできます。

どんな方法で引くにしろ,まっさらな黒板にするのであれば,一言管理職に断りを入れることをおすすめします。

無断でやったら叱るような人も,たまーにいるかもしれません。。。


黒板について考える 2 「先生の字って…」

2011-09-10 21:18:51 | 授業中の攻略法

字は人それぞれ個性的です。

学校の先生は字がきれいなことが求められる職業ですが,先生の中でも字は様々です。

ほれぼれするほどきれいな字を書く先生。

めちゃくちゃ行書すぎて読みづらい字を書く先生。

女子校生のような丸字を書く先生。

小学生と変わらないほどの字を書く先生。

書いていると文が必ずある方向に曲がっていく先生   ・・・・などなど

先生は子どもたちが読みやすく,手本にできるような字が書けるように努力していくべきだということは,みんなが了解済みだと思います。

ちなみに私。

初任の最初の研究授業。

授業後の検討会で,いろいろと指導をいただく中で,当時の校長先生にこう言われたことを今でも覚えています。

「先生は,字の練習をしなさい。かならず黒板の下の方で曲がってるしね。」

こんな基本的なことを指導受けるとは…

と恥ずかしい思いでしたが,今思えば当然のご指摘です。

そして,今年の夏休み。

校長先生との自己評価の面談がありました。

面談にしては初めて,こう言われました。

「先生は黒板の字がきれいですね~ 習ってたの?」

「いやいやっ とんでもないです。」

意外な言葉に驚きましたが,字をほめていただいたのは素直にうれしかったです。

少なからず,いい字を書けるようになろうと努力してきましたから。

字には全く自信がなかったのですが,今では少し自信がでてきました。

さて

黒板に書く字についてですが,字の形うんぬんの前に

先生の書く字がよく見える(読める)か,子どもに確認する!

年度始めにでもやっておくべきことですね。

普段,自分が書く字で黒板にある程度の文章を書き,

「先生はこれくらいの字を黒板に書こうと思うのですが,みなさんこの先生の字がよく見えますか?」

と,クラス全員の子にたずねます。

視力の弱い子,一番後ろにいる子,そういった子たちも含めて全員が

「大丈夫です」

ということなら,その字でOKですね。

もし一人でも

「ちょっと読みづらいです」

って子がいたら,字の形や大きさを変えなくてはいけません。

子ども側に立った親身な対応の一つですね。

長年教壇に立ち,黒板に字を書いてきた先生だから,今年も同じようにやっていくのが普通ですが,黒板とそれに書く字は授業の命です。

その年々で,自分の字が子どもたちに受け入れられるかを確認しましょう。


黒板について考えてみましょう 1

2011-09-09 06:34:15 | 授業中の攻略法

2学期の授業がスタートしています。

まだ夏休みのゆったり感が子どもたちにも先生にも抜けきらないところですが,そうもいってられません。

また,早速運動会やらの行事に向けた練習や準備にも忙しくなっていますが,それも言いわけにはできません。

とにかく授業はしっかりと先に進めなくては!

リズムが戻ってくるまで,この時期はふんばりどころですね。

さて

久しぶりに授業の中身について考えてみたいと思います。

今回は「黒板」を少しシリーズで考えてみます。

教室に必ずといって存在する黒板。

子どもたちの正面にドカンと向き合います。

無意識かもしれませんが,子どもたちは一日の大半をその黒板を目に入れながら授業,生活することになるんですね。

黒板に何を書くか

黒板にどのように書くか

そういった活用の仕方が大事になってくるのですが,それ以前の基本的なこととして

黒板にはいらぬ情報を書かない・貼らない!

と思っていますがいかがでしょうか。

時折目にする学級では,黒板をあたかも教室の掲示板のように使っていて,黒板の両端にプリントやら時間割やらラミネートされたカードやら,たくさん貼っているところがあります。

中には,子どもたち30人の名前のマグネット式のカードが全部貼ったままの黒板もありました。

子どもたちはいつもこの黒板を目に入れながら授業をするわけです。

そうなると,これらの不要な情報が意図せず目に飛び込んできて,思考の妨げになることも考えられます。

「気が散る」子もいるかもしれません。

集中して学習にのぞむためには,まず環境を整えることが必要なのは言うまでもありません。

黒板はいつもスッキリと,必要な情報のみが見えるものであるといいですね。

特に配慮が必要なのは,学級に6.3%は存在すると言われている,特別な支援を必要とする子たちのことです。

私たちが気にしないそれらの貼り物について,その子たちの中には,情緒的に,もしくは生理的にそれらを嫌がっている子がいることも考えられます。