小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

長い二学期の授業をスタートするにあたり

2012-09-08 11:28:53 | 授業中の攻略法

前回の記事に紹介した応援団長の話。

紹介したとおりの方法で一人が決定され,他の四人は悔しい表情ももちろん見せていましたが,文句をたれる子もおらず,納得の表情を見せていました。

その四人には

「きみたちは,応援団長にはなれなかったけど,応援団長になろうと名乗り出る勇気と頼もしさのある6年生であることは変わりない。そのことを,自分の自信としてずっともっていなさい。」

と声をかけました。

さて

話は変わり授業について。

2学期の開始とともに,各教科の授業もスタートしました。

単元の前半って密度の濃い,教師としても体力を使う授業がいっぱいですよね。

単元の後半になれば,子どもたちがよく動くようになったり,じっくり習熟の時間をとったりするから,教師の体力をセーブできる場面もでてくるのですが。

一斉に単元がスタートする今の時期はふんばりどころです。

どの教科も「学期の1時間目」というときに,私が必ずしていることは

その学期にどんな学習をするのか,全て紹介し子どもたちにも見通しをもたせる!

ことです。

教師として,学期,のみならず年間の学習の全てを把握し,見通しをもって指導することは当たり前のことですが,これをぜひ子どもたちとも共有したいと思っています。

「子どもたちは目の前の学習で精一杯。そこだけに集中して」

なんていうふうに思う必要はありません。

子どもたちだって,この2学期に国語でどんな学習をするのか知っておいて悪いことはありません。

家庭科で今学期は調理実習があるのか,とても気になるところでしょう。

大好きなバスケットボール,体育で何月ごろにあるのか知りたいはずです。

学習はすべて連続性,系統性をもっています。

教科書通りに進めていけばそれをなぞることになるのですが,大事なことはその連続性,系統性の意識を子どもたち自信にもたせることです。

子どもたちの中でそれぞれの学習がぶつぎれになっている状態では,学習の効果も落ちてしまいます。

賢い子は先の学習まで紹介してもらうだけで,頭の中でリンクができあがっていくものです。

そうでない子も,「へぇ~そんなことするんだ」って思うだけで,それが漠然とした見通しになり,それは2学期の学習にのぞむ上で,これからの期待にもつながります。

どちらかというと高学年に適した話題ですが,低学年にだってしてもいいことだと思います。


応援団長,4人の立候補から1人を決める方法

2012-09-05 22:25:07 | 学級生活の攻略法

2学期が始まり,一気に運動会モードです。

本校は秋の運動会開催。

「来年あたり春の実施に移行しないか?」

なんて声が出始めていますが。

さて

我が6年生クラス。

「小学校最後の」運動会を迎えるわけで,私も担任として子どもたちの思いをできるだけ高めたいと思っています。

さっそく,応援団員の決定です。

なりたい子がいなくて,じゃんけんなんかで負けた子がするようなネガティブな形になってしまうと大変残念ですが,うれしいことに,積極的に手を挙げてくれる子たちがいっぱいでした。

そして,花形「応援団長」の決定をするときがきました。

これにも,何人の子が手を挙げるか,どの子が手を挙げるか,私もどきどきしながら待っていたところ…

4人の子が「応援団長になりたいです。」と声を上げてくれました。

これはうれしかったですね。

頼もしかったです。

真っ先にその子たちを「えらい!」とほめてあげました。

心情としては全員団長にしてあげたいところですが,そうもいきません。

なれるのは1人。

3人はなれません。

うれしい気持ちのあとに,すぐに

(おい,どうやって決めようか)

というところにやってきました。

できるだけ全員に平等で,全員が納得いく形で決定をしたい。

最初,私はこの子たちの主体性に任せてみようと思って

「どうやって決定するかも自分たちで決めなさい。運に任せてじゃんけんか,くじ引きか,4人の間で討論するか,それともクラスの前で所信表明演説という方法もあるぞ。」

この私の投げかけに,子どもたちは意見が割れました。

熱い気持ちを語って,周りの人に決めてほしいという子。

あっさりじゃんけんのほうが,負けてもくやしさが残らないという子。

うーん。

任せてみようと思いましたが,スムーズにはいかないものです。

さて,どうしたものか。

私が一声で方法を決めることもできるのですが,この5人のそれぞれの個性も知っている手前,全員にぴったりと思われる方法もすぐには浮かびません。

なかなか張り詰めた時間がしばらく経ちました。

子どもたちの表情も真剣そのものです。

そして,ある子がひらめきました。

「トータルで決めよう!」

「え?」

じゃんけん,くじ引き,所信表明演説,全部やってトータルポイントが一番高い人を団長にしよう!

「・・・・・お~!」

「それいい!」

私(…ほぉ)

4人が決めたのは

○じゃんけんで,1番の子に5ポイント,順に4・3・2ポイント与える。

○くじ引きも同様に,1番の子に5ポイント,順に4・3・2ポイント与える。

○演説は大事だから,1番の子に8ポイント,順に6・4・2ポイント与える。

○その3つのトータルポイントで一番高かった人が,文句なし,団長!

これだと,じゃんけんやくじ引きの「運」に任せる平等性もあり,演説で思いを伝える機会もつくることができ,納得がいくというわけです。

おもしろいことを考えたものだと思いました。

もし他の子たちがいたら,その子たちにとってもこれがベストな方法だと必ずしもいえるかというと,そうではないかもしれませんが,あーだ,こーだいろいろと考えたこの子たちにとっては,

「これしかない!」

と言えるくらいの方法になったようです。

1つの方法に頼らず,いろんな要素を集める。

決着を一瞬でつけるのではなく,時間をかけてする。

団長に名乗りを上げた子どもたちなりの精一杯の方法です。

うん,なかなかな思考力というか,発想力というか,柔軟性というか。

この決定にもうれしかったですね。

明日,団長が決まります。


始業式の日,クルクル丸めて持ってこないで!

2012-09-03 22:02:39 | 教師の仕事術の攻略法

2学期がスタートしました!

この日に感じた,とってもとっても細かな,マイナーな話をします。

子どもたちは夏休みの宿題をたくさんもってやってきました。

漢字も作文もプリントも,提出率は立派なもので,感心しました。

まず先生たちがしなくてはいけないのは,この夏休みの宿題の処理です。

その中でも優先順位一番に来るのが,コンクールに出す作品の処理です。

子どもたちは図工の絵をたくさん描いてきました。

課題帳には,コンクールをたくさん紹介していて,

「ぜひ出品しよう」

としていたので,大小様々なサイズの,色んなテーマの絵があります。

さて,締切日が近いものもあるので,子どもたちが帰った午後,早速全員の作品をチェックします。

提出された絵を,一枚一枚見たいのだが・・・・

ん~

あ~

も~!

絵はクルクル丸めずに開いて持ってきて!もしくは,丸めて持ってきたのは開いて提出して!

って心から言いたくなりました。

子どもたちは自分の描いた絵の方を内側にして,クルクルと丸めて輪ゴムで小さくして提出しています。

これを先生は一枚一枚開いて,逆方向に巻き直してもう元に戻らないようにしなくてはいけません。

はっきり言ってこれがめんどくさい!

宿題は山ほどあって,早くチェックしていきたいのに,この作業が手間取って手間取って!

もう何回も夏休み明けの宿題チェックをしているのに,なんで

「開いて持ってきて!」

「丸めたやつは開いて出して!」

の一言が言えないかな~

自分に腹が立ちますね(笑)

1学期の終業式は,きっとこれから夏休みに突入するという開放モードになりきってしまっていて,40日後に控えているこんな細かなところまで気が回らないんでしょうね。。。。

来年は絶対に言ってやるぞ~

以上,大変小さなネタでした。

が,実際今日は,日本中の多くの担任がこの「クルクル戻し」をしているんじゃないかな~


「いい授業」するだけが研究授業のねらいじゃない

2012-09-02 07:12:42 | 教師力UPの攻略法

夏休み最後の日。

明日から始まる怒涛の日々(おおげさ?)への覚悟を決めないといけませんねぇ。

私としては6年生の学級,学年経営。

それに秋の大きな学校行事の連続。

そしてなにより研究公開。

これらが主な仕事です。

がんばります。

さて

研究授業のことをしばらく考えてきました。

研究授業というと,絶対に「いい授業」をしなくちゃいけないというのが授業者の心理にあります。

この「いい授業」の定義が問題ですが,「つっこみどころがないくらい完璧な授業」という意味の「いい授業」で,必ずしもある必要はないということです。

大事なのはその研究授業の「ねらい」です。

研究授業は,主に「提案する」授業,「検証する」授業,「総括する」授業の,ねらいを明確に!

大きく3つの種類に分けます。

1.提案授業

→研究のスタートの段階です。「こういう指導法を試みます」という提案をします。

この場合,「提案」ですから,何か新しいことへの挑戦です。見る人によってはそこに問題を感じる人がいるかもしれませんが,それもおおいに結構。よくも悪くも話題をつくれる提案がおもしろいということです。

2.検証授業

→研究の中間段階です。進めてきた研究の成果を検証します。

この場合,「授業という場を利用して」研究の良し悪しをはかるものですから,おおげさに言えば成功も失敗もありえます。失敗の場面が見られたとしても,それも結構なこと。研究としてはそういうこともありえます。

3.総括授業

→研究の最終段階。研究で生まれた成果がよく現れる授業をします。

これは,いわゆる「いい授業」であってほしい授業。この授業がいいということは,ここまで進めてきた研究がいいとういことにつながります。

以上です。

まずは,研究授業には上の3つの種類があることを認識することからです。

そして,自分が実施する授業はどれに当てはまるのかを明確にすること。

それは,授業者の自分だけでなく,参観するメンバーにも認識してもらわなくては,研究として実りが少なくなります。

研究授業がすべて「総括授業」なのではありません。

提案や検証の目的で行われる,つっこみどころの多い授業もあるわけで,それは研究の推進という大きなねらいのもと,必要なものなんです。