何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

地球へ架ける愛の橋

2015-07-21 23:35:47 | ニュース
2015年2月17日「愛 つなげ!」で、自由と平等という普遍的価値観を共有する国々の要人が出席したマンデラ元大統領の『追悼式典のVIP席でオバマ大統領とラウル・カストロ議長が握手するという歴史的場面が各国に配信されたが、今現在アメリカとキューバは国交正常化へ向け交渉を加速させている。』と書いたが、今日
7月21日、ついに54年ぶりにアメリカとキューバが国交を回復した。

<米国とキューバが国交回復-54年ぶりに大使館を相互に再開> Bloomberg 2015/7/21 10:57より一部引用
米国とキューバは20日、54年ぶりに国交を回復した。両国は相互に大使館の業務を再開した。国交断絶は冷戦時代を挟み、9人の米大統領がその間在任したが、ようやく正式に終止符が打たれた。
キューバのカストロ国家評議会議長とオバマ米大統領が昨年12月に国交正常化の意向を表明して以後、両国間の障壁は急速に解消している。ジェットブルー・エアウェイズやエアビーアンドビーといった企業が関係改善の機会を捉えようとしているが、人権や民主主義、グアンタナモ米軍基地の将来などの問題をめぐり意見相違も残っている。


人権問題つまり自由や平等といった普遍的価値観の点で双方にはまだ隔たりがあり、アメリカでは諸手をあげて歓迎というわけではなさそうだが、何事にも始があり、今日の歴史的国交回復の第一歩が、ネルソン・マンデラ元大統領の追悼式典での握手から始まっているのだとしたら、その道標はマンデラ元大統領の「自由への長い道」に違いない。
そうであれば、そこには''愛''はあるはずだ。

『あらゆる人間の心の奥底には、慈悲と寛容がある。
 肌の色や育ちや信仰の違う他人を、憎むように生まれついた人間などいない。人は憎むことを学ぶのだ。
 そして、憎むことが学べるのなら、することだって学べるだろう。
 は憎しみよりも、もっと自然に人の心に根づくはずだ。
 人の善良さという炎は、見えなくなることはあっても、消えることはない。』(「自由への長い道」より)

両国の友好関係がさらに前進することを祈っている。

ところで、この国交回復が双方トップの決断だとしても、そこへ至る過程には事務方の一方ならぬ努力があっに違いない。
トップの英断が事務方の不手際で失敗する例も歴史上にはあるだろうが、事務方がどれほど努力をしてもトップや時流の流れに逆らえず外交断絶となる例もまた多い。
そんな外交断絶の瀬戸際で、日米開戦を避けるために太平洋を飛び交った暗号がある。
「マリコ」
これは、アメリカ人女性を妻にする駐米外交官寺崎英成氏の一人娘マリコの名だ。

アメリカ側の態度を示す暗号のマリコ
「<マリコ>ハ病気ダ・・・・・悪クナルバカリダ・・・・・」
マリコの病気は重篤になり、ついに外交断絶開戦にいたるが、終戦後、寺崎氏の妻グエン・寺崎が書いた「太陽に架ける橋」はまさに『私たち平和を信ずるものは、常に'橋''を建設しつづけ、これを強固なものにする努力をしなければなりません』(グエンさんから訳者への手紙より)の信念を体現するものであり、暗号にもなったマリコさんは、1995年女性として初めて日本の名誉総領事として任命され日米の友好のために活躍されている。

今日はアメリカとキューバ国交回復という歴史的な日であり、ニュースは生ものなので今日記しておきたい、というわけで、ニュースから思い出した2冊については曖昧な記憶での記載となるが、
「マリコ」(柳田邦夫)「太陽に架ける橋」(グエン・寺崎)
この2冊は私が外交もしくは外交官家庭を考えるきっかけとなった本であり、いつか再読して感想を書きたいと思っている。


ところで、皇太子妃候補として小和田雅子嬢の名前を知った時、この方に皇太子妃になって頂きたいと強く願ったのは、「マリコ」「太陽に架ける橋」を読んでいたからだと思う。
幼少時を、冷戦下のソビエト連邦とアメリカで過された経験をもつ五か国語に堪能な皇太子妃誕生を夢見たのだ。
皇室と外交官の外交は異なるのはもちろんだが、一番厳しい時期の東西の両方を身をもって知るという稀有な経験を有する皇太子妃・雅子妃殿下は、地政学的にはロシアと、価値観的にはアメリカと繋がっていく日本にとって、真に「太陽に架ける橋」となられると確信したのだ。

現時点では、雅子妃殿下が海外をご訪問される機会は極端に少ない。
しかし、雅子妃殿下と話される海外の方々の充実した笑顔を見るたびに、雅子妃殿下こそ21世紀にふさわしい皇太子妃殿下だという思いは増している。
そして、寺崎英成・グレン夫妻の一人娘「マリコ」が日米友好のために活躍しているように、敬宮愛子内親王も日本を世界へと繋げる大きなお働きをして下さると信じ、心から応援している。