<巻き添え女性、愛犬助け逃げ遅れか…調布小型機墜落事故> スポーツ報知7月28日(火)7時2分配信より一部引用
東京都調布市の住宅街に小型機が墜落、炎上し8人が死傷した事故で、墜落した住宅で巻き添えになって死亡したとみられる鈴木希望(のぞみ)さん(34)は、炎の中から愛犬を助け出し、自らは力尽きた可能性がある。近隣住民によると、飼っていた9匹のうち、助かった犬は回復後、鈴木さんの母親が引き取るという。
「助かった犬は、(鈴木さんが)上から投げ出したのだと思う」。鈴木さんが住んでいた墜落現場の近くに住む男性は、当時の様子を振り返った。
地区の自治会長らによると、鈴木さんは母親と1週間ほど前に引っ越してきたばかりだった。犬が好きで、仕事はトリマーやブリーダーをしており、自宅でも9匹の犬を飼っていたという。
事故直後の模様を見た近所の女性によると、鈴木さんは小型機の後部が落ちた駐車場の上の住宅2階にいた。炎が燃えさかる中、大窓のところで、ピンク色の服を着て、トイプードルのような犬を抱いていたという。炎は鈴木さんのすぐ近くまで迫っていた。
近くからは「飛び降りろ!」と逃げるよう促す声も飛んでいたという。鈴木さんが、窓から下に向かって犬を投げようとしていたという証言もある。家の前で、鈴木さんの母親と思われる女性が、助け出されたとみられる犬を抱き、「娘が中にいる!」などと叫んでいる姿も見られていた。
鈴木さんは、その後、力尽きたとみられる。
ワンコ好きとしては我が身に置き換えて考え、胸が苦しくなる話である。
「人を導くもの」、「犬と人の愛情物語」、「岐路に立ち向かう叡智」、「命をつなぐ夢」などで人と犬の愛情を書いてきたが、災害・山岳救助犬を例にとることが多く、ワンコが人を助けてくれる本についてを記してきた。が、この事故は逆のケース。
迫りくる火の手を物ともせず犬の命を救おうとした勇敢さと優しさに畏敬の念を覚えているところに、考えさせられる番組を見た。
プロフェッショナル仕事の流儀~7月27日NHK放送
「小さき命に、無限大の力を注ぐ~獣医師・蓮岡元一」
「くまなく見て、じっくり触り、鋭く察する」
日本では今、全世帯の3割がペットを家族として生活している。
人の側で暮らし医療の高度化によりペットの寿命も格段に伸びているが、それに伴う諸々のアレコレも生じてくる。
ペットに医療保険がないことによる金銭的負担も大きな問題だが、それ以上にペットロスの問題も大きいと感じている。
番組では、老化あるいは脳腫瘍を原因としてペットを看取る二組の家族と、家族の心のケアまで心がける蓮岡動物病院の医療関係者を追っていた。
それは、今まさに老犬の(準)介護をしている我が家にも通じる大きな問題だった。
我がワンコは、夜泣きや多少の体重減少という老犬特有の症状はあるものの、疾患という点では悪い所はないので、ひたすら長生きしておくれと祈りつつ世話をする日々だが、ペット仲間が口々にいう「ペットロス」のキツさを考えると、到底その覚悟はできていない。
番組のなかで、ペットを喪う家族のペットロスを少しでも和らげるのは、
「十分に愛した。出来るうる限りのことは精一杯注いだという気持ちが、(※出会えて)ありがとう、に繋がり(※納得した)さようなら、に繋がるようにすることだ」(※は話の筋から私が受け取ったニュアンス)と
蓮岡医師は語っておられた。
ペット仲間からすら、ペットロスのキツさを心配される我が家なので、
「十分に愛した」
「出来うる限りのことは精一杯した」
の二つは肝に銘じたが、ここで気になることを思い出した。
知り合いの医療関係者が考え込んでいた、末期がん患者の介護をする家族の話。
仮に一人をAさんとする。
Aさんは、Aさん自身が倒れかねないと思うほど熱心に誠心誠意看護に務め、周囲の人間は頭が下がる思いだったという。
Aさんの夫も、気持ちが通じたのか(医療者からみれば)穏やかな最期を迎えられたのだが、夫亡き後もAさんを病院で見かける、何故か?
「もっと何かしてあげることがあったのではないか」と思うと夜も眠れないと、心を病んでしまわれた。
仮にもう一人をBさんとする。
Bさんは完全看護を額面通り(以上に)受け留め、周囲の人間からすれば必要最低限の看護しかしなかった。
完全看護を基本とする現在のシステムでは、家族に出来ることは多くはないが、優しさ労わりが感じられない必要最低限の看護のまま、夫は逝った。
それから時を置かずして、知人はBさんと偶然出会う。
「あれが片付くまでは、旅行もお預けだったけれど、これからは楽しむわ」と元気なBさんと出くわしたのは、旅行案内所。
愛情の尺度も、これで十分という感覚も人それぞれ。
極端な例を同時に見た知人は憤慨したり悩んだりしていて、それは当然だと思うが、一般に家庭のなかのことは分からない。むしろ語られないところにこそ真実や重いものがあったりするものだ。Bさんは単に情の薄い人だったのかもそれないが、それぞれの長い時間のなかでの関係性は傍からは分からないので、目の前に見えていることだけで判断することは出来はしない。
だから、本を読む。
まだまだ私は修行不足だ。
語られない思いを汲むことも、精一杯尽くすことの''精一杯''の尺度を測ることも難しい。
まして、愛情だけを溢れんばかりに与えてくれるワンコに精一杯尽くす、の''精一杯''など分からない。
だから、私なりの精一杯を日々頑張り、この精一杯は全き''精一杯''なのかと反省するため、本を読む。
蓮岡医師の番組の最後の言葉
「プロフェッショナルとは、一日一日Maxで仕事をし、また次の日もMaxで仕事をする。その繰り返し」
航空機事故で犠牲となられた女性は愛犬家であっただけでなく、犬に関わる仕事に就いておられたという。
最後の最期までMaxで仕事をし、愛情を注ぎ、精一杯出来うる限りのことをしてくれたことに、
犬たちは「ありがとう、さようなら」とお礼を言っているはず。
そして、愛情あふれる虹の橋の向こうで皆が再開されるよう祈っている。
東京都調布市の住宅街に小型機が墜落、炎上し8人が死傷した事故で、墜落した住宅で巻き添えになって死亡したとみられる鈴木希望(のぞみ)さん(34)は、炎の中から愛犬を助け出し、自らは力尽きた可能性がある。近隣住民によると、飼っていた9匹のうち、助かった犬は回復後、鈴木さんの母親が引き取るという。
「助かった犬は、(鈴木さんが)上から投げ出したのだと思う」。鈴木さんが住んでいた墜落現場の近くに住む男性は、当時の様子を振り返った。
地区の自治会長らによると、鈴木さんは母親と1週間ほど前に引っ越してきたばかりだった。犬が好きで、仕事はトリマーやブリーダーをしており、自宅でも9匹の犬を飼っていたという。
事故直後の模様を見た近所の女性によると、鈴木さんは小型機の後部が落ちた駐車場の上の住宅2階にいた。炎が燃えさかる中、大窓のところで、ピンク色の服を着て、トイプードルのような犬を抱いていたという。炎は鈴木さんのすぐ近くまで迫っていた。
近くからは「飛び降りろ!」と逃げるよう促す声も飛んでいたという。鈴木さんが、窓から下に向かって犬を投げようとしていたという証言もある。家の前で、鈴木さんの母親と思われる女性が、助け出されたとみられる犬を抱き、「娘が中にいる!」などと叫んでいる姿も見られていた。
鈴木さんは、その後、力尽きたとみられる。
ワンコ好きとしては我が身に置き換えて考え、胸が苦しくなる話である。
「人を導くもの」、「犬と人の愛情物語」、「岐路に立ち向かう叡智」、「命をつなぐ夢」などで人と犬の愛情を書いてきたが、災害・山岳救助犬を例にとることが多く、ワンコが人を助けてくれる本についてを記してきた。が、この事故は逆のケース。
迫りくる火の手を物ともせず犬の命を救おうとした勇敢さと優しさに畏敬の念を覚えているところに、考えさせられる番組を見た。
プロフェッショナル仕事の流儀~7月27日NHK放送
「小さき命に、無限大の力を注ぐ~獣医師・蓮岡元一」
「くまなく見て、じっくり触り、鋭く察する」
日本では今、全世帯の3割がペットを家族として生活している。
人の側で暮らし医療の高度化によりペットの寿命も格段に伸びているが、それに伴う諸々のアレコレも生じてくる。
ペットに医療保険がないことによる金銭的負担も大きな問題だが、それ以上にペットロスの問題も大きいと感じている。
番組では、老化あるいは脳腫瘍を原因としてペットを看取る二組の家族と、家族の心のケアまで心がける蓮岡動物病院の医療関係者を追っていた。
それは、今まさに老犬の(準)介護をしている我が家にも通じる大きな問題だった。
我がワンコは、夜泣きや多少の体重減少という老犬特有の症状はあるものの、疾患という点では悪い所はないので、ひたすら長生きしておくれと祈りつつ世話をする日々だが、ペット仲間が口々にいう「ペットロス」のキツさを考えると、到底その覚悟はできていない。
番組のなかで、ペットを喪う家族のペットロスを少しでも和らげるのは、
「十分に愛した。出来るうる限りのことは精一杯注いだという気持ちが、(※出会えて)ありがとう、に繋がり(※納得した)さようなら、に繋がるようにすることだ」(※は話の筋から私が受け取ったニュアンス)と
蓮岡医師は語っておられた。
ペット仲間からすら、ペットロスのキツさを心配される我が家なので、
「十分に愛した」
「出来うる限りのことは精一杯した」
の二つは肝に銘じたが、ここで気になることを思い出した。
知り合いの医療関係者が考え込んでいた、末期がん患者の介護をする家族の話。
仮に一人をAさんとする。
Aさんは、Aさん自身が倒れかねないと思うほど熱心に誠心誠意看護に務め、周囲の人間は頭が下がる思いだったという。
Aさんの夫も、気持ちが通じたのか(医療者からみれば)穏やかな最期を迎えられたのだが、夫亡き後もAさんを病院で見かける、何故か?
「もっと何かしてあげることがあったのではないか」と思うと夜も眠れないと、心を病んでしまわれた。
仮にもう一人をBさんとする。
Bさんは完全看護を額面通り(以上に)受け留め、周囲の人間からすれば必要最低限の看護しかしなかった。
完全看護を基本とする現在のシステムでは、家族に出来ることは多くはないが、優しさ労わりが感じられない必要最低限の看護のまま、夫は逝った。
それから時を置かずして、知人はBさんと偶然出会う。
「あれが片付くまでは、旅行もお預けだったけれど、これからは楽しむわ」と元気なBさんと出くわしたのは、旅行案内所。
愛情の尺度も、これで十分という感覚も人それぞれ。
極端な例を同時に見た知人は憤慨したり悩んだりしていて、それは当然だと思うが、一般に家庭のなかのことは分からない。むしろ語られないところにこそ真実や重いものがあったりするものだ。Bさんは単に情の薄い人だったのかもそれないが、それぞれの長い時間のなかでの関係性は傍からは分からないので、目の前に見えていることだけで判断することは出来はしない。
だから、本を読む。
まだまだ私は修行不足だ。
語られない思いを汲むことも、精一杯尽くすことの''精一杯''の尺度を測ることも難しい。
まして、愛情だけを溢れんばかりに与えてくれるワンコに精一杯尽くす、の''精一杯''など分からない。
だから、私なりの精一杯を日々頑張り、この精一杯は全き''精一杯''なのかと反省するため、本を読む。
蓮岡医師の番組の最後の言葉
「プロフェッショナルとは、一日一日Maxで仕事をし、また次の日もMaxで仕事をする。その繰り返し」
航空機事故で犠牲となられた女性は愛犬家であっただけでなく、犬に関わる仕事に就いておられたという。
最後の最期までMaxで仕事をし、愛情を注ぎ、精一杯出来うる限りのことをしてくれたことに、
犬たちは「ありがとう、さようなら」とお礼を言っているはず。
そして、愛情あふれる虹の橋の向こうで皆が再開されるよう祈っている。