「穂高の木ワンコの木 その壱」より (参照、「奇蹟を呼ぶ男 ワンコ」)
ワンコ
「欅の木」(井上靖)は、井上靖氏が日々思うところを、57歳の建設会社の社長・旗一朗の口を借りて語っている作品で、心の中で亡き友と語らうこともあれば、連載中の新聞コラムで世の風潮を嘆くこともあるんだよ。
新聞コラムに書いた「頼まれ仲人廃止論」とか「私は酒も煙草も飲む」などの反響も大きかったけれど、何と言っても「欅の木を一本たりとも切ってはならぬという内容は、賛否両論巻き起こし大騒動になるんだけれど、その双方の言い分は兎も角、旗一朗がこの騒動をきっかけに出会った老人と穂高神社を訪問する場面に、私は心躍り惹かれたんだよ。
寝ても覚めても欅が頭から離れないケヤキ老人は、旗一朗の「けやきの木を一本も切ってはならぬ」のコラムに我が意を得たりと、旗一朗に連絡してくる。
このケヤキ老人の案内で都内の欅めぐりをすることになった旗一朗は、そこで若い欅、年老いた欅、ただ一本堂々とたっている欅、欅並木と、あらゆる欅を見るのだが、ケヤキ老人はまだまだ紹介し足りないような気持ちを持っていた。
そんなケヤキ老人が、ある日夢をみたという。
「穂高神社の欅が、今若芽を吹き出そうとしているから、ぜひ見に来てくれ」と夢で語りかけたという。
この老人の欅旅行に付き合い、旗一朗が出会うのが、穂高神社の’’欅の木’’だ。 (『 』「欅の木」より引用)
『二の鳥居をくぐり二人が立っているすぐ前には神楽殿があり、本殿のまえに出るには、その神楽殿の横手を回っていかねばならない。老人が眼を向けているのは、神楽殿の右手の方である。境内の一番隅の方に、なるほど、みごとなけやきの巨木が一本、大きな若葉の傘を広げている』
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ワンコ
野球帽の御大がくぐろうとしているのが二の鳥居、その向こうの新しい建造物が神楽殿で、この神楽殿の右にワンコが鎮座している’’欅の木’’があるんだよ。
私の下手な写真はさておき、この話「欅の木」、何かに似ていると思わないかい? ワンコ
そうだよ、「ブラックジャック」(手塚治虫)に同じような話があったはずだね ワンコ
たしか、大地震で家族全てを喪った男がケヤキに一生を捧げるという話だったよ。
この男は大地震の時、欅の木に掴まっていたために家族のなかで一人だけ命拾いしたことから、欅の木を命の恩人として大切にするんだよ。
寝ても覚めても欅けやき、朝から晩まで欅けやき
子供を育てるように孫を可愛がるように、恩人のけやきを守り続けるのだけど、マンション建設ために欅が伐り倒されることになる。
いよいよ明日は伐採の日という夜、欅の木の下で欅と語り合いながら酒盛りし、そうして枝に紐をかけて欅と死をともにしようとするんだよ。
それを察知していたブラックジャックが間一髪のところで、助けるのだけど、助けたところで又自殺しかねないと危惧していると、手術後目が覚めた老人が言うんだよ。
「西の峠に連れて行ってくれ。今夢に けやきが現れ、西の峠に自分の子供が生えているから、これからはその木を自分だと思って大切に育ててほしい」と。
ねっ ワンコ
枝葉末節こまかい事をいえば違うところもあるけれど、「欅の木」と似てるだろう ワンコ
周りから気がふれていると思われるほど入れ込んでいる男の夢に現れるというあたり、しかもその木が欅だというあたり、似てると思わないかい?
だからワンコ
ワンコも夢に現れておくれよ ワンコ
最近お身限りなのは、天上界の住み心地が良いからかもしれないけれど、オリオン座の流星群にのって、私の元に舞い降りて来ておくれよ ワンコ (参照、「それでも 逢いたい」 「星の宝物 ワンコ」)
なかなか姿を現してくれなくて寂しいけれど、ワンコのおかげで必死に本書を探し、心に残る良い言葉に出会えたことは、本当に感謝しているよ ワンコ・・・感謝のしるしに大好物のチーズとササミを用意しておくからさ ワンコ
でも、本書を通じてワンコは大切なことを伝えてくれたね。
最近、人にとって幸せとは何かと考えることが多かった私に、ワンコからのプレゼントだと喜んでいるよ。
『幸福というものは、ひどく平凡なことの中にある。
静かな眼、おだやかな心、健やかな体、平穏な日々、そうした状態以外の何ものでもないらしい。
幸福は求めないほうがいい。
求めない眼に、求めない心に、求めない体に、求めない日々に、人間の幸福はあるようだ。』
ま-あれだ、ワンコ
この年になるとそこそこ枯れてきて、自分自身の幸福に固執することは少なくなってきたんだけれど、心から応援したいと思う人はいるんだよ ワンコ
でも、他の人の幸福を願う場合、それが果たしてその人が願う幸福かどうかは分からないさ ワンコ
仮にその人も同じ幸福を願っていたとしても、それが本当に良い結果になるかは、分からないさ ワンコ
願いが空回りしても、それが自分のことなら、自分で始末をしければいいけれど、人の幸福を祈る場合、その結果の責任は誰が持つんだろう?
そんな事ばかり考えて臆病になっていたから、本書の言葉は有難かったよ ワンコ
私は諦めの悪い人間だから、応援する人の幸福を願わずにはいられないけれど、絶対こうであるべきという幸福は、求めないようにするよ ワンコ
そんなことを感じさせてくれた、「欅の木」と穂高の木に、心から感謝しているよ ワンコ
感謝して、美味しいものを用意して待っているから、18歳の誕生日あたりにシッカリ顔を見せておくれよ ワンコ
もしかすると続く
♪答えは風に吹かれている
ワンコ
「欅の木」(井上靖)は、井上靖氏が日々思うところを、57歳の建設会社の社長・旗一朗の口を借りて語っている作品で、心の中で亡き友と語らうこともあれば、連載中の新聞コラムで世の風潮を嘆くこともあるんだよ。
新聞コラムに書いた「頼まれ仲人廃止論」とか「私は酒も煙草も飲む」などの反響も大きかったけれど、何と言っても「欅の木を一本たりとも切ってはならぬという内容は、賛否両論巻き起こし大騒動になるんだけれど、その双方の言い分は兎も角、旗一朗がこの騒動をきっかけに出会った老人と穂高神社を訪問する場面に、私は心躍り惹かれたんだよ。
寝ても覚めても欅が頭から離れないケヤキ老人は、旗一朗の「けやきの木を一本も切ってはならぬ」のコラムに我が意を得たりと、旗一朗に連絡してくる。
このケヤキ老人の案内で都内の欅めぐりをすることになった旗一朗は、そこで若い欅、年老いた欅、ただ一本堂々とたっている欅、欅並木と、あらゆる欅を見るのだが、ケヤキ老人はまだまだ紹介し足りないような気持ちを持っていた。
そんなケヤキ老人が、ある日夢をみたという。
「穂高神社の欅が、今若芽を吹き出そうとしているから、ぜひ見に来てくれ」と夢で語りかけたという。
この老人の欅旅行に付き合い、旗一朗が出会うのが、穂高神社の’’欅の木’’だ。 (『 』「欅の木」より引用)
『二の鳥居をくぐり二人が立っているすぐ前には神楽殿があり、本殿のまえに出るには、その神楽殿の横手を回っていかねばならない。老人が眼を向けているのは、神楽殿の右手の方である。境内の一番隅の方に、なるほど、みごとなけやきの巨木が一本、大きな若葉の傘を広げている』
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ワンコ
野球帽の御大がくぐろうとしているのが二の鳥居、その向こうの新しい建造物が神楽殿で、この神楽殿の右にワンコが鎮座している’’欅の木’’があるんだよ。
私の下手な写真はさておき、この話「欅の木」、何かに似ていると思わないかい? ワンコ
そうだよ、「ブラックジャック」(手塚治虫)に同じような話があったはずだね ワンコ
たしか、大地震で家族全てを喪った男がケヤキに一生を捧げるという話だったよ。
この男は大地震の時、欅の木に掴まっていたために家族のなかで一人だけ命拾いしたことから、欅の木を命の恩人として大切にするんだよ。
寝ても覚めても欅けやき、朝から晩まで欅けやき
子供を育てるように孫を可愛がるように、恩人のけやきを守り続けるのだけど、マンション建設ために欅が伐り倒されることになる。
いよいよ明日は伐採の日という夜、欅の木の下で欅と語り合いながら酒盛りし、そうして枝に紐をかけて欅と死をともにしようとするんだよ。
それを察知していたブラックジャックが間一髪のところで、助けるのだけど、助けたところで又自殺しかねないと危惧していると、手術後目が覚めた老人が言うんだよ。
「西の峠に連れて行ってくれ。今夢に けやきが現れ、西の峠に自分の子供が生えているから、これからはその木を自分だと思って大切に育ててほしい」と。
ねっ ワンコ
枝葉末節こまかい事をいえば違うところもあるけれど、「欅の木」と似てるだろう ワンコ
周りから気がふれていると思われるほど入れ込んでいる男の夢に現れるというあたり、しかもその木が欅だというあたり、似てると思わないかい?
だからワンコ
ワンコも夢に現れておくれよ ワンコ
最近お身限りなのは、天上界の住み心地が良いからかもしれないけれど、オリオン座の流星群にのって、私の元に舞い降りて来ておくれよ ワンコ (参照、「それでも 逢いたい」 「星の宝物 ワンコ」)
なかなか姿を現してくれなくて寂しいけれど、ワンコのおかげで必死に本書を探し、心に残る良い言葉に出会えたことは、本当に感謝しているよ ワンコ・・・感謝のしるしに大好物のチーズとササミを用意しておくからさ ワンコ
でも、本書を通じてワンコは大切なことを伝えてくれたね。
最近、人にとって幸せとは何かと考えることが多かった私に、ワンコからのプレゼントだと喜んでいるよ。
『幸福というものは、ひどく平凡なことの中にある。
静かな眼、おだやかな心、健やかな体、平穏な日々、そうした状態以外の何ものでもないらしい。
幸福は求めないほうがいい。
求めない眼に、求めない心に、求めない体に、求めない日々に、人間の幸福はあるようだ。』
ま-あれだ、ワンコ
この年になるとそこそこ枯れてきて、自分自身の幸福に固執することは少なくなってきたんだけれど、心から応援したいと思う人はいるんだよ ワンコ
でも、他の人の幸福を願う場合、それが果たしてその人が願う幸福かどうかは分からないさ ワンコ
仮にその人も同じ幸福を願っていたとしても、それが本当に良い結果になるかは、分からないさ ワンコ
願いが空回りしても、それが自分のことなら、自分で始末をしければいいけれど、人の幸福を祈る場合、その結果の責任は誰が持つんだろう?
そんな事ばかり考えて臆病になっていたから、本書の言葉は有難かったよ ワンコ
私は諦めの悪い人間だから、応援する人の幸福を願わずにはいられないけれど、絶対こうであるべきという幸福は、求めないようにするよ ワンコ
そんなことを感じさせてくれた、「欅の木」と穂高の木に、心から感謝しているよ ワンコ
感謝して、美味しいものを用意して待っているから、18歳の誕生日あたりにシッカリ顔を見せておくれよ ワンコ
感謝の気持ちを込めて 穂高神社の’’欅の木’
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もしかすると続く
♪答えは風に吹かれている