
好天に恵まれて新松田から酒匂川沿いの対岸の松並木を見ながら小田原へ。霞んでいるが富士山が視界に入ってきた。富士を遠くに鳥の群れが編隊を組んで横切っていく景色は晩秋を感じるが気温は25℃は超えたか。川風が心地よく、汗をかかない。水面には鳥が餌を求めて飛び交う。もう少し待てば、渡り鳥の本格的な季節か。健脚の地元の年配者にはドンドン置いていかれるが、季節を感じて歩くのが楽しいから気にならない。小田原に着いて、昼食は魚屋直営の「魚国」と思い、赴いたが、残念ながら休みだった。今話題のアテにならない「老舗」だが、その老舗のだるまへ行くことにした。ここは、昼は込み合う小田原の市民食堂というべき存在だ。建物は文化庁指定の遺産となっている。写真は一番の売れ筋海老丼。城下町、小田原らしい店かも。
なかでも松琴楼は表から見ると昭和30年代を思い出す場末の町の食堂って感じ。今にも倒産するか台風が着たら倒壊しそうな気もしないでもないが…。中に入ると小上がり主体の、内装も昔をしのばせ、天井にはレトロな明かりがなんとなく心落ち着く。
うなぎはハッキリ言って美味くは無いが非常に柔らかいので年寄りには持って来いである。お燗の酒も余り美味しくない(ハッキリ言って不味い)し、オバちゃんの接客もぶっきらぼうで色気も何も無いが、うなぎはグラムで値段が決まるので明朗だし、何故だか売っている塩辛が丁度、酒のつまみにピッタシ。
店は清潔感もイマイチだけど、昭和の二桁はじめの生まれにはこんな店がなんとなく懐かしい。
昭和一桁生まれの先輩諸氏は一度は行ってみることをお勧めします。但し味は不味いとまでは言いませんが保証もいたしません。