
最初の景観は耳取峠からの眺めだった。枕崎市街、東シナ海上から凛とした開聞岳。天気のいい日は大隈半島の佐多岬も見えるらしい。ここは南さつま海道八景のひとつになっていると説明看板にあった。そこから坊津へと向かう。山に張り付いたような狭い断崖道路から見える入り組んだ海岸は昔の伊豆の西海岸に似ている。道路問題が世情うるさくなっているが、こんな道も国道。入り江の坊津の町の狭い道脇に、密貿易=抜け荷で富を築いた写真の商人館「倉浜荘」があった。突然外から踏み込まれても、いいように忍者屋敷風に中はなっているらしいが、家主がいないので中を覗くことができなかった。坊津はこじんまりした入り江にある、暫く滞在してみたい小路で出来上がった町だ。市長は町の道路を拡張を訴えているみたいだが、そうなれば観光資源が失せてしまう。
当時はもうこの辺りまで来ただけで満足したというか、もう一箇所の資料館を見て指宿に戻った記憶がある。
この密貿易商人の家(屋敷と呼ぶには小さい)は余り変わって居ないようで何処か懐かしい木造の作り。民宿で営業中とのことだが、学生なんかだったら良い体験になるだろう。
まだウオッシュレットは付いてそうも無いし、痔病持ちの貧乏労人は宿泊するのはチョッとゴメン被りたい感じだ。