アルコール専門病棟退院(一九九五年)に際して初心忘るべからずの意味を込めて書き病棟担当者へ提出する体験談がある。書いたものは病院の機関誌に掲載されるが、書く義務はまるでなくもし書くとしても単なるペンネームであってよい。個人的には書く側を選び機関誌に掲載された体験談が今も本棚の奥に残してある。
その中で酒がらみの失敗のひとつとして「痴漢」と書いています。もちろん嘘です。ではなぜおそらく世間で最も忌み嫌われるような「嘘」をわざわざ選んで書いたのか。全国各地でアルコール依存症からの回復を目指す患者グループ、その家族、身近な人々、専門医に向けて公表される体験談であるにもかかわらずではなく、公表される体験談であるがゆえに、やってもいないしどこをどう探してみても前科一つ出てこないことを書いたのか。正解は主に顔見知りの性暴力加害者たちに対するただ単なる「あてつけ」。
忘れもしない学生時代の忌まわしい記憶とまだ上手く折り合いがつけられず、おそらく今後も折り合いをつけることなどできるわけがない性暴力専門学生らの横行。一九八〇年代後半の大学・大学院および世相(終電含む)とはそういうものだったということをわすれまいと何か言葉を探しているとこれが最も最低だろうと思い当たったところに「痴漢」という熟語があった。
そこで退院を控え、早く世間に「出頭」すればいいものを、する様子ひとつ見せないあの「連中」を念頭にふさわしいと思われる「あてつけ」をひとつばかり体験談の中に放り込んできた。それを今、もう少し丁寧に書き直したものがわすれかけていた以下のエントリということになる。
Blog21・「アンチ全体主義」入門(仮)へ向けて2 - 白鑞金’s 湖庵 アルコール・薬物依存/慢性うつ病
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なかなかわかりにくい文章に見えたようなので注釈として添えておくつもりである。