エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

自分を確かにする恵み

2015-02-18 14:52:05 | アイデンティティの根源

 アウグスティヌスは、絶対的な破滅も、実在が神に限ったことだとも認めませんでした。

 Young Man Luther 『青年ルター』のp183の第2パラグラフ下から9行目途中から。

 

 

 

 

 

アウグスティヌスは、言います。「物事は、実在すると同時に実在しない。物事が実在するのは、物事が神から実在を引き出せるからです。物事が実在しないのは、物事が実在を得ているだけで、物事が実在しているわけではないからです。物事すべてが同時に実在するわけではなくて、消滅し、あるいは、継続することによって、物事は共に、世界を完成させるのです。物事は世界の一部なのです」と。人は、恵みがなければ、個性を持ち得ないのは明らかです。人も死にます。恵みがなければ、人が自分を確かにする道も、人々の跡目を継ぐだけになります。しかしながら、神は人に心と記憶をお与えになることで、自分を確かにする道の基礎をお与えになります。

 

 

 

 

 心と記憶、それが自分を確かにする道の基礎、基になります。それは神が恵みとしてお与えになるものだ、というのが、アウグスティヌスの主張です。

 

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