アウグスティヌスは、絶対的な破滅も、実在が神に限ったことだとも認めませんでした。
Young Man Luther 『青年ルター』のp183の第2パラグラフ下から9行目途中から。
アウグスティヌスは、言います。「物事は、実在すると同時に実在しない。物事が実在するのは、物事が神から実在を引き出せるからです。物事が実在しないのは、物事が実在を得ているだけで、物事が実在しているわけではないからです。物事すべてが同時に実在するわけではなくて、消滅し、あるいは、継続することによって、物事は共に、世界を完成させるのです。物事は世界の一部なのです」と。人は、恵みがなければ、個性を持ち得ないのは明らかです。人も死にます。恵みがなければ、人が自分を確かにする道も、人々の跡目を継ぐだけになります。しかしながら、神は人に心と記憶をお与えになることで、自分を確かにする道の基礎をお与えになります。
心と記憶、それが自分を確かにする道の基礎、基になります。それは神が恵みとしてお与えになるものだ、というのが、アウグスティヌスの主張です。
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