ルターの遅れてやって来たものイメージの力 イメージ。心理臨床をしていますとね、このイメージの力を感じずにはいられません。河合隼雄先生は、『臨床心理学ノート』(p44)で、こ......
発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.164,第3パラグラフから。
性的虐待された女の子と,そうでない子の長期の比較研究の結果は,ハッキリしたものでしたね。年齢,人種,社会的地位の点で同じ女の子たちと比べて,性的虐待された女の子たちは,いろんな点で,重篤な悪影響に晒されていました。頭が悪くなる,解離が起る,性的非行に走りやすくなる,肥満になりやすい,自己免疫がおかしくなる。高校中退のリスクが上がる,主要な病気になり,病院にかかるリスクも上がります。性的虐待された子たちは,ストレスホルモンの反応にも異常を来たし,思春期が早く訪れ,難しい,一見関係なさそうな,心の病気の診断をいくつも貰うことにもなります。
先日,津久井やまゆり園事件の犯人,植松聖さんの診断名が出ましたでしょ。自己愛性人格障害など,複合的な診断だ,と朝日新聞が報道していましたでしょ。植松聖さんは,性的虐待さていたかは,わかりませんが,虐待とネグレクトをされていた可能性は濃厚です。複数の診断がされている点で,性的虐待された子たちと同じでしょ。
今日のヴァン・デ・コーク教授の話は,性的虐待された子たちの研究についてですが,この話は,他の虐待とネグレクトされた子たちにも,そっくりそのまま当てはまります。