ダニフル先生のルターに対する見方は、ずいぶん厳しいですね。今日もダニフル先生の見方が続きます。
ダニフル先生はルター伝をカトリックで研究する学派の、非常に極端な唯一の代表です。この学派を代表する者たちは、自分たちとダニフル先生の方法とを区別しようと一生懸命です。ただし、ルターの人格には、巨大な倫理的欠陥が1つある、という根っこの前提は皆に共通でした。イエズス会のグリザールは、研究法において、ずっと理性的ですし、詳細に調べています。しかし、彼も、ルターには「自己中心の自己欺瞞」がある、と見ますし、「ルターが自己中心なのは、ルターの病歴と関係がある」とそれとなく仄めかします。このようにしてグリザールは、あの聖職者ダニフル先生とあの精神科医スミス教授との中間に自分を位置付けます。
もう1人、グリザールの見方が紹介されました。でも、ルターが自己中心なのは、昔「心の病気」だったからだ、と見る点で、ダニフル先生と同じです。