≪究極的な見通し≫が、人生を左右するのにね高齢者が、「ひどい目にもあったけど、人生は上手く出来てるね」と感じるのか? それとも、「良いこともあったけど、人生に何の望みもありゃしない」と感じるのか? という危機に......
Paul Frewen , Ruth Lanius (2015) , Healing the Traumatized Self consciousness, neuroscience, treatmet 『トラウマを負わされた自分に対する囚われから自由になること 意識、脳科学、治療』の翻訳。 発達トラウマ障害(DTD)のセラピーだけでなくの良し悪しも、セラピストの態度いかんです。
最終章の第7章、p.279の、第2パラグラフの8行目途中から。
このような境界線には、次のことを理解することも含まれます。(1)セラピストの役割と、セラピーの場面以外には、セラピストはクライアントと関わることはできないこと、(2)面接の頻度と期間と、治療機関、(3)危機管理に関するガイドラインで、予定されている面接に必要なもの、です。このような境界線を守ることは、クライアントにとって見通しのある環境になりますし、この見通しのある環境こそが、安心感と信頼感を育む上で欠かせません。安心感と信頼感のある環境を創り出すことが、特に大事になるのは、それまで繰り返しトラウマを負わされ続けて来たクライアントは、自分の暮らしの中でも、人との関係の中でも、見通しのある、という経験を滅多にしたことがないからです。
発達トラウマ障害(DTD)のセラピーで最初にすることは、ですから、見通しのある環境を整えることです。それができれば、ラニウス教授らが指摘するように、安心感と信頼感を、発達トラウマ障害(DTD)の子どもでも育むことができます。