エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

最悪な事態は、発達トラウマ障害(DTD)の場合も、満たされない悪い"良心"の持ち主の仕業ですから!

2016-09-26 07:38:46 | ブルース・ペリー教授の『犬』


 発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog 「犬として育てられた少年」。p157 の第3パラグラフから。







7歳の子どもの頭蓋骨が砕かれて、脳がひどく損傷を負ってしまいました。かわいそうなボビーは、階段を駆け上がったり、駆け下りたりし続ける事を嫌がったのですが、それは、「両親」がボビーに強制した事でした。その暴行を見ていた兄弟達によれば、大の大人が1人か2人で、ボビーの頭を、頭が「グチャグチャになる」まで、木の床に叩き付けたのでした。さらに事態を悪くしたのは、この子が意識をなくすまで打つのを止めず、すぐに救急車を呼ばないで、助けを呼ぶまで1時間も待って、その間ずっと、この子の顔に、クリーナースプレーの様な変なものを掛けて、上手くいくはずもないのに、生き返らせようとした事でした。






アメリカ式の養育里親になってはならない夫婦が、アメリカ式の養育里親になっていたのでした。発達トラウマ障害(DTD)の人に見られる様な激しい怒りを、この里親達も、心深くに抱えていたのです。
自分自身の課題も解決していない人に限って、同様な課題のある人に関わりたいと思うものですよね。この里親達も、まさにそれだった筈です。その場合、上手くいかないどころか、ボビーちゃんのケースみたいに、最悪な事態になりがちです。
これは、アメリカだけの話ではありません。ニッポンの学校でも、病院でも、児童施設でも、実際に今も起きている事なんですよ!
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