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エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

自分の悩みを、人様のために役立てる生き方

2015-10-14 07:12:45 | エリクソンの発達臨床心理

 

 このあたりを読んでますとね、日本が、これだけ社会全体が狂ってきているのと、たくさんの人の心が病になっているのは、共通する背景がある、ということが分かります。その背景は、人間関係が真実なものではなくなっちゃって、ウソとゴマカシだらけ、したがって、我慢と不満と嘲笑だらけになっちゃってるからですね。

 The lie cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』p.82の11行目途中から。

 

 

 

 

 

しかし、私どもは社会科学に頼らなくてはなりません。それは、その社会科学は、エリートだけじゃなくて、指導的なひとりびとりやいろんな圧力団体が、ある社会、ある時代において、生産したり、政治をしたりする生活をする際に、「人類皆兄弟」といった人品を、いかに保ち、あるいは、取り戻し、あるいは、他のものに取り換えるように努めるのか、説明してくれますから。あるいは、大人たちの中に、次世代を育み育てる力を、いかに支援してくれるのか、子どもたちが成長発達するための備えを支援してくれるのかを説明してくれますから。私の仕事においては、宗教的・政治的指導者、すなわち、マルティン・ルターとモハンダス・ガンディー(1958; 1969)の人生と、2人の人生の中で抜き差しならなかったいくつかの時期を、研究することだけです。この2人は、自分がうまく折り合いがつけられずに困っていたことを、同じ時代を生きた人々の人生に役立てるために、みんなが分かる言葉にして見せた人たちです。

 

 

 

 

 

 エリクソンが人の心を研究した目的は、こういうところを読めば、一目瞭然でしょ。ルターやガンディーが、うまく生きられずに困っていたことを、同時代の人さまのために役立てたことを研究してたわけですからね。それは、人々が、その人ならではの人生を生きて、納得して、満足して、イキイキ・ピチピチと生きられるように、そのお手伝いをするためですよね。

 それは、エリクソン自身が息詰まっていたことを人々のために役立てたのと、同じです。

 

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