エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

日毎に真実の関係で生きること =個人と社会を結び付けるもの

2015-10-13 07:22:16 | エリクソンの発達臨床心理

 

 人の心には、人様の真実がなくてはなりませんね。

 The lie cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』p.81の最後の行から。

 

 

 

 

 

 こういったことすべてを見てくると、私どもは、ここまでは見て来なかった、もう1つの現代的な研究の最前線を見ることになります。それは、町の政治に役立つ「制度システムと制度の活用法」を含むことでしょう。私どもは、毎日真実の関係の中に生きる、という毎日の礼拝について、説明しようとしてきたのは、本当です。毎日の真実の関係の中で生きる、という日毎の礼拝は、ひとりびとりが発達することと、社会の構造を結びつけます。ですから、人々の「駆け引き」は、親密な人と人のやり取りを記録したケース記録を研究したり、事例研究をしたら、すぐに分かります。ついでに申し上げれば、信頼と希望から生まれる特別な人間力と宗教を結び付けてきましたし、困難があっても、人とのやり取りの中で自分の感じを行動する際の指針とするオートノミーと意志を、ルールに結び付けてきましたし、困難があっても、人とのやり取りの中で自分の感じから行動を始める自主性と目的を、芸術に結び付けてきましたし、困難があっても自分の感じをやり取りの中で、キチンと示すことができることと有能感を、科学技術に、自分を確かにする感じと忠誠心を、価値の秩序に、それぞれ結び付けてきたところです。

 

 

 

 

 

 ひとりびとりが発達することは、社会の仕組みができていくことと、結び付いています。ひとりびとりが発達しないと、社会の仕組みがおかしくなって、さまざまな社会病理が生じるのと同じです。

 

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