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「首相など誰がなっても同じ‥」ではいけない

2011年08月18日 | 日記
前回も書きましたが、日本では、政権交代しても、巨大な官僚組織は手付かずのままで何も変わらない制度になっています。

しかし、アメリカや西欧諸国では、規模こそ違っても、「政治任用」により大統領や首相が省庁のトップを入れ替えることが出来る制度が歴史的に保証されています。

日本とアメリカとの比較はここ

欧米諸国での制度の比較はこことかここで紹介されています。

上記の資料で書かれているように、アメリカでは、大統領就任と同時に3,000から3,500人の高級官僚のポストが入れ替えられます。
大統領は、自分の政策や信条に合った人材を広く登用できるようになっているわけです。
もちろん人材の選定には時間と労力がかかりますが、投票日前から、本選挙で勝利した候補には政府から資金と事務所が提供されて、政府高官の任命に向けた準備作業が出来るように制度が整備されています。「政権移行法」というそうです。

というわけで、アメリカでは局長以上の高級官僚は大統領が任命するので、連邦公務員350万人という巨大な官僚組織でも、コントロールすることはそれほど困難ではないでしょうね。
そして、法律で定められた4年間の大統領の任期によって定期的にスタッフを入れ替えられるので、前政権時代の政策の誤りについても、絶えず新スタッフのもとで検証可能となります。
なので、日本のように政策破綻が明白になってもいつまでも事業継続になる(ダムや干拓事業、核燃料サイクル等々)などということは起こり得ない仕組みになっていると思います。
むしろ、前政権の悪を積極的に暴露することがその政権のポイントとなるので、日本のようにどれほど政策の失敗を重ねても一切責任を取らず、一生居座り続ける高級官僚といった例はおこらないでしょうね。

日本では、官僚機構が最大・最強の政治組織です。

歴代の首相もそれには全く手がつけられず、民主党政権誕生後の経過でもわかるように、少しでも手をつけようとすると、逆に一体となって襲いかかり、政治生命さえ断とうとします。

原発事故を巡る対応であきらかなように、この官僚機構には司法やマスコミ、教育機関までが応援団になっています。

戦後の平均でわずか2年、最近では1年も持たない短命の日本の内閣では、いくら公約で立派なことを掲げても、官僚が意図的にサボれば時間切れ、なにも実現しませんね。
先に書いたようにアメリカは4年、イギリスではサッチャーやブレアが10年以上・平均でも5年です。

実際、首相の周辺にホワイトハウスのように直属の部下やスタッフがおらず、政策や法案の立案・作成は官僚依存、その官僚は外部から手を付けることが出来ない「万世一系」の体制では、「だれが首相になっても同じ」なのは当たり前の話です。

このような、世界でも特異な「官僚独裁」を放置する限り、政治はその「イチジクの葉っぱ」でしかなく、議会制民主主義など絵にかいた餅、茶番にしか過ぎないことは当然です。

震災の復興や原発事故の収束が進まない今、このへんで、国民みんなが、日本という国のあり方そのものについて、リアルで客観的な視点で総点検して変えていかないと、どうにもならなくなる臨界点が迫ってきていると思います。

地殻が不安定で、巨大地震の発生が強く危惧されている現在の日本で、こんな国家の体制のままで再び原発の運転を容認していけば、第二のフクシマの発生は不可避と思います。


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