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土佐レッドアイ

アカメ釣りのパイオニアクラブ

シカは驚いた わたしもおどろいた話 その3

2024-08-24 17:00:18 | 狩猟とナイフ

 その2で書きましたが、高知県では年間2万頭前後が殺されています。

  

 2022年6月 ニホンジカメス                  2023年7月 メス

 

 報奨金は自治体によって金額が違っていました。今はどうかな?

極端な例です。サルを殺した証拠を示して補助金を請求するとします。かなり前は本山町では一匹5万円のとき、安芸市では1.5万円でした。この金額の差は、その自治体の対象鳥獣の被害の違いによるものです。

 本山町の現在の報奨金額を見てみました。2024年度はサルは2万円になっています。サルは通年、つまりいつ獲ってもよいことになっています。安芸市では、駆除報奨金は現在も1.5万円で、狩猟期間は獲ってはいけません。

 ニホンジカでは本山町は町単独事業で1万円、国の交付金から上乗せ分が7,000円で合計17,000円。安芸市では市単独事業で8,000円、国の交付金から上乗せ分が7,000円で合計15,000円です。

8月8日付けで安芸市からお知らせとして、「交付金からの上乗せ分は上限に達しました。市独自の報奨金はまだ予算があります。」とありました。

 8月7日時点で、シカは370頭捕獲され報奨金が申請されています。

報奨金を出して捕獲をすすめた効果は?

私の感覚ですが、シカは減ってきているように思います。 今でも庭先に現れて、柿の葉や柑橘類の葉を食べていますが、報奨金制度が始まった頃よりもかなり減ったと感じています。

 つづく


シカは驚いた わたしもおどろいた話 その2

2024-08-19 05:47:45 | 狩猟とナイフ

 シカに対する高知県当局の対応が激変したことを(1)で書きましたが、それはシカが激増して農林業に多大な被害を与えるようになったからです。これは高知県だけの現象ではなく全国的なことのようです。

 一足早く、イノシシの被害のほうが大きく取り上げられていたのですが、あっという間にシカの話題が大きくなり逆転しました。

   

       夏毛のイノシシ                                                                              冬毛のイノシシ

 

 シカの増え方が異常でした。

 シカの発情期は9~11月頃で、妊娠期間は約220日、出産期は5~7月頃で1頭だけ出産します。一回のお産で1頭の子供を産み、生後2〜3年で成獣になり繁殖を始めます。

 秋には山中あちらこちらで雄鹿がメスを呼ぶ甲高い鳴き声が聞こえてきます。昼も夜もです。

 一方、イノシシは多産で普通4〜5頭の子供を産みます。成熟も早く生後1年半ほどで繁殖に参加します。

 こうしてみてみると、算数の苦手な私の頭で計算してもイノシシのほうがはるかに早くたくさん増えるはずなのですが。

 不思議です。

 まあ、素人の私の考えることで思いつくのは、イノシシは雑食の大食いですから、生きていくために必要な面積が広くいるのかもしれません。また、子育てのやり方や、幼獣の生存率なども関係がありそうです。

 シカは植物食いっぽんやりですので、森林面積日本一の高知県では食べ物は山ほどあるでしょう。

 それに、イノシシはギャートルズの時代からヒトにはつけ狙われて、ヒトはヤマクジラなどとごまかしながら殺して食べてきました。一方、シカは神の使いだとかなんだとか(奈良や安芸の宮島)チヤホヤされて、あげくディズニーの漫画ではバンビとかなんだとか可愛さが振りまかれ、シカを殺して食べるなど残虐非道なヤツとみられている。のだろうか、私。

 昨夜食べたシカ肉のハンバーグ(美味かった)

 イノシシの子供は体温調整がうまくできないそうで、繁殖期の梅雨時、あまりに雨が多く強く降ると生き残る数が少ないといいます。シカについては知らないのですが、イノシシの子育て中は巣を作ります。尾根筋の日当たりの良い山中に、そこらあたりのカヤの葉や枯れ草、シダなどをたくさん集めて、かなり分厚くて大きな巣をつくるのです。その中に乳飲み子とともに入って授乳をして過ごします。

 とにかく、あれよあれよという間にシカは山中にあふれるほど(かなり大げさ?)増えました。

 高知県ではシカの捕獲数が2018年で19,873頭です。どうしてこんなに細かく正確に数字が出せるかというと、そうです、報奨金をもらうために、殺した証拠物件の両耳やら尻尾を提出しないとダメだからです。この年の捕獲目標が三万頭。以降、年間2万頭前後が捕獲されています。

 私の住む高知県安芸市の2024年7月末現在の人口は15,710人です。安芸市民を全員殺すよりも、1年間に高知県で殺すシカの数のほうがはるかに多いのです。

 のけぞるような数字でしょう。

 19,873頭のシカを積み上げるとどれだけ大きな山ができるとおもいます?

 

 つづく

 


シカは驚いた わたしもおどろいた話 その1

2024-08-18 21:27:43 | 狩猟とナイフ

 2024年8月18日、ミカン畑の防風林の整枝をしようと出かけました。

 道中、仕掛けてあるくくり罠を見ていくと、小さなシカがかかっていました。

 

 私が免許を取って罠猟を始めた頃は、ニホンジカはかなり保護されていました。高知県の条例で、メスジカを獲ってはダメで、雄鹿も1日1頭までしか獲ってはいけなかったのです。それから数年後、方針の変転は早いものでした。メス鹿の捕獲禁止が取り払われました。1日、オス1頭までしか穫れなかったのがオスでもメスでも取り放題になりました。そして、何となんと、賞金がシカの耳にかかったのでした。

 シカはお尋ね者の賞金首になったのです。

 あまりの変わりようではありませんか。びっくり仰天とはこういうことをいいます。

 以来、それまでは、見つけても撃たずに見逃していた猟師も、それこそ血眼になってドンパチ撃ち殺しだしました。

 賞金をもらうために、捕まえて殺した証拠として、最初はシカの両耳を自治体に持っていくことになりました。

 少しして、おかしな話が聞こえてきました。耳のないシカが高知県の山中を走り回りゆう。というのです。こういうことです。ニホンジカはジビエとしてそれほど重宝されていませんでした。イノシシなどと比べて格段に下のランクでした。鉄砲での巻狩りなどで、追い出したシカが現れても撃たずに見逃すのが普通でした。罠猟では獲物を選んで獲ることはできないので、私のまわりでも、シカを捕まえると、仕留めてから、背身(ロース)だけを現場で取り出して、あとは捨ててくるという人がけっこういました。つまり、ワナにかかってもロース以外の肉はいらないという人もいたわけです。ところが今度は、賞金首になり、金になる耳だけが必要だと、耳を切り取って放す人があらわれたのです。

 耳を疑いましたが、本当のようでした。

 狩猟免許は運転免許のように期限があり、延長するには県主催の講習を受けないといけません。その講習会場で講師から、耳なしシカが高知県の山中を走っている。県は耳を購入するため報奨金をだしているのではない。きちんと殺してから持ってくるように。と、文言は違いますが、こういう内容で話をしました。こちらは吹き出しそうになりましたが、こらえました。

 現在では、殺した証拠物件は尻尾になっています。

 自治体によって報奨金の金額は違いがあるようです。

 

つづく


サルが来たきたさるがきた

2024-08-17 21:02:32 | 狩猟とナイフ

 2024年8月17日、ここ半月ほど前から倉庫の前の柿の木にサルが現れだした。

 「お父さん、山でなにか音がしゆう。変な声もするが聞いたことがない鳴き声」というカミさん。

 私は耳が遠くなり、片耳に補聴器をつけている。9万円もした補聴器だ。それでも、通常のヒトよりもはるかに聴覚が弱いようだ。カミさんに聞こえる音が私には聞こえないということがよくある。

 カミさんの言う声に「そうかえ?」と応えるだけ。これがサルであったことに気付くのは数日後だった。

 次のサルとの遭遇はそれから2日後、洗濯物を干していたカミさんが「なんか居る」という。このときは覗きに行った私にもガサガサと大きな音を立てて慌てて山に上がっていくのを確認した。姿は見えなかった。それらが発する声がシカの発情期のときオスが鳴く声のような気がした。

 シカは庭先でよく食事をしている。

 「シカが慌てて上がっていったがじゃろう」「そうやろか?」

 まだ、サルだとは気が付かなかった。

 サルなんぞ我が山里で遭遇したことがない。我が集落にサルが出たなど、開闢以来聞いたことがないのである。

 ところが、駆け上がった場所を確認しようと近づくと、そこに数本ある甘柿、ジロウガキの枝がバラバラと落ちていて、まだ真っ青い未熟の柿の実が齧られているではないか。カキを食う動物はハクビシン、タヌキがいるが、彼らは熟してから食する。彼らは枝を折ったりしない。

 倉庫の前のジロウガキ

 

 枝を折られて落ちたカキ

 

 近所の人が、集落近くのクリが昨年からサルに食べられてヒトの口に入らなくなったと嘆いていたが、とうとう家の前まで現れ出したのだ。

 それから、連日、サルは現れてカキの枝を折り、食べかすを残していた。

 姿は見ていない。

 昨年のカキは裏年で、甘柿はほとんど生らなかった。今年は表作のはずなのに極端に着果が少ない。おかしい。ここ数年、果物類のなりようがおかしい。

 そのうえ、猿にやられてこのままでは、今年は甘柿が口に入らなくなると対策を考えた。

 私はカキが大好きなのである。

 先ず、はえくすぼった竹や雑木をチェンソーで切り払い見晴らしを良くした。それから、くくり罠をしかけた。サルが繰り返し往復する獣道に一箇所、2本の柿の木の根本に2箇所。

 仕掛けて2日目の朝、ワナを確認に行くと、獣道のワナが空打ちをしていた。

 ざ 残念! くくりそこねた。

 賢いと言われるサルはそれ以来近づいてこない。それでもワナの恐怖のほとぼりがさめると再び現れることだろう。

 今年、4月にここから直線距離で1キロメートルほどはなれたミカン山でサルを一匹、ワナで捕まえた。

  

来るなら覚悟をして来なさいね。

 


8月の罠猟

2024-08-15 19:04:13 | 狩猟とナイフ

 2024年8月、暑い日が続くなか、ワナ猟でも少しだが成果があがっている。

 ミカンの出荷作業が終わった4月から害獣駆除でワナを仕掛けている。総数で10箇所に仕掛けてある。すべて、ミカン畑の周りである。

 8月2日には若いメスのニホンジカがかかっていた。

 

シカの成れの果て、ニホンジカのジャーキー

 

 8月15日は、子どものイノシシのメスがかかっていた。

 

 前回、イノシシの豚熱(旧称豚コレラ)のことを書いたが、今の私の周りの状況は、元気なイノシシが多いように思う。今朝もミカン畑への道中、アスファルト舗装された市道で2匹のウリ坊に出会った。軽トラを見つけるなり走り出したのだが、遠くから見るとネコと見間違えるほど小さなサイズであった。生まれてから一ヶ月も立っていないのだろう。

 2日前には、同じようにニホンジカの大小のメスにであった。シカもイノシシもよく出会うのだけれど、めっきり見なくなったのはカモシカである。カモシカにもたまに出会えていたがここ数年、まったく姿を見なくなった。

 大いに増えたニホンジカに駆逐されてしまったのかもしれない。

 頑張れカモシカ。