友人から「ことしも栗がやられゆう。へんしも(急いで)ワナをかけに来てくれ」というSOSがはいりました。

栗は「銀寄」という品種で美味しい大型の栗です。

おとなのイノシシの足跡です。

こちらは今年生まれた子供のイノシシの足跡。どうやら親子で栗を食べに来ているようです。

イノシシは見事に鬼皮を剥いて食べます。イガに収まったままの栗もすべて取り出して食べています。

やったぞ。ワナをしかけてから3日目に捕まえました。やはり、乳房のふくらんだ母イノシシでした。そろそろ乳離れが始まっているのかそれほど乳房は張っていませんでした。これなら子供たちは自立して生きていけるかもしれないと自分を納得させます。あまり小さい子だと少しおセンチになるのです。

足をくくったワイヤーを大きなカズラにぐるぐると巻き付けて身動きできなくなっていました。

ぐるぐると巻き付けて、それでも巻き付けて暴れたので、人間でいえば右手の肘の関節がちょん切れて、腱と皮だけで繋がっていました。
これが危ないのです。人を見ると大暴れをしますので、こんな状態だと足が切れて、そのまま人に向かってくることが度々あります。

首からナイフを入れて止めをしてから、傷んだ足を見るとすでに蠅が卵をべったりと産み付けていました。野生の生き物は仕事が早いですね。
すぐに孵化するので、動き出すとたまらないと切り外しました。
この母イノシシを捕まえてから、栗の被害はぱたっと止まりました。子供たちも危険だと悟ったようです。
友人には4つ割りしたイノシシの前4分の1を「これを食べて腹の虫を収めや」と進呈しました。