土佐レッドアイ

アカメ釣りのパイオニアクラブ

シカを捕まえた

2011-09-27 06:23:00 | 狩猟とナイフ
 2011.9.24 大きなイノシシを捕まえた日、すぐ近くのワナにシカもかかっていました。



 近づくと、足が折れ皮一枚で繋がっている状態でした。急いでワイヤーの輪っかをツノから顎にかけて引きつけ、ツノを掴んで固定し首からナイフを入れて仕留め、血抜き処理をしました。
 30キロほどの牡で一本ツノでした。
どうしてこういう状況になったのかといいますと、ワイヤーが巻き付いた木を同じ方向にぐるぐるとまわり、自分自身で足を締め付け、それでも暴れたため骨折し、折れた骨が皮膚を破って飛び出し、それでも同じ方向にさらにまわったためこうしたひどいことになったものです。

 シカは罠に掛かっても、ヒトを見るとほとんど逃げようと暴れます。シカの方から攻撃しようとして襲われたことはありませんが、油断してはなりません。
 「窮鼠猫を噛む」といいます。
 牡どうしでは繁殖期、ツノを使った壮絶な闘いをします。雌だと足で蹴られることを警戒していればよいのですが、牡はツノという武器を持っています。牡シカの方から向かってきたことはないのですが、追い詰めると頭を下げて、ツノを使って反撃されたことはあります。
 シカの角は恐ろしい武器です。昔、作物の防御ネットにツノを絡ませたシカをかわいそうに思った農家が外してやろうとしていて、角で突かれて死亡した悲劇が報道されたことがあります。
 シカを処理するときにもやはり2点固定し、ツノを使えなくしてから、安全にやることが必要です。
 
 シカはミカンの葉を食害します。これまで何度も罠に掛かっていましたが、そのたびにワイヤーの括りからすっぽ抜けて脱出していました。それでもワナの効果は絶大で、ワナの恐怖からあまり近づかないようになっていました。
 このシカはシカ肉料理セミナーの教材になることになっています。
 解体処理してから味見をしてみたのですが、絶品でした。

こりゃあ太い

2011-09-26 08:39:00 | 狩猟とナイフ
 2011年9月24日、ミカン畑の近くにしかけてあったワナを見回りにいきました。
 山栗が落ち始めましたが、まだ走り、そう多くはありません。イノシシはドングリ類の少ないこの時期、ミミズや山芋、ワラビ根などをよく食べています。ミカン畑の防風林によく山芋のツルがまきついているのですが、この山芋を掘って食べます。段々畑の際を掘られると大変です。山芋は深く深く芋を伸ばしていきますので、大穴を掘ることになります。イノシシは穴掘りは得意です。これがたまるかという大穴を掘ります。埋め戻したり後始末はしてくれませんので、雨などが降ると崩落の原因になるのです。
 そしてミカンが色づいてくると、こんどはミカンを食べます。
 ミカン畑を守るため、周りの山中に数カ所、ワナを設置してあります。

 急傾斜の場所にイノシシが良く通るハシリがありました。そこに仕掛けたワナを覗くとイノシシがかかっていました。おお、捕まえたぞと先ず足やワイヤーの確認のため近づきました。イノシシは頭だけしか見えません。大穴を掘って体をすっぽり隠しているのです。さらに近づくと、ばばっと飛び出して私に向かって攻撃をしようとしますが、前足を括られているため自由にはなりません。歯をカッカッっと打ち鳴らして威嚇します。体を現したときに足とワイヤーを確認できました。異常なしです。ところが全身を現したイノシシの大きいこと、これはとても一人では仕留めても運び出すことは出来ません。
 幸い、お隣のミカン畑では摘果作業をしていました。そこで今回も手伝いを頼むことにしました。
 イノシシがかかっている場所はすぐ近くですので、大声で「おーい、手伝うて~」と声をかけますと、すぐに理解してくれて「一人でえいか~」と声がかえってきました。「一人でえいぜ~」。
 その時は一人でよいと思っていました。


手伝ってもらいながら、鼻を括りました。そうしておいてから、近づき後足をつかんで腹を手前に向かせて、心臓を突いて仕留めました。本当なら、樫の生木の棒などで頭をど突いて気絶させてから、首からナイフを入れて心臓のすぐ上の動脈を切り失血死させるのが最も良い血抜き処理なのですが、足場が悪いのでそんな余裕はありませんでした。


 仕留めてみると、改めて「こりゃあ太い、二人でだせるろうか?」
 この画像では平地に座っているようですが、実はこれはイノシシが掘って平らにしたもので本当は急斜面なのです。このイノシシが掘った穴は大穴で、頭を傾けると私が3人すっぽり入れるほどです。




 この大穴を掘ったために椿の大きな木が一本すっかり掘り起こされていました。私が手を置いているのがその椿です。

 さて、これから道路まで運搬です。仕留めた場所は急斜面、こうした急斜面が15メートルほど続き、それから緩やかな斜面が20メートルほどで道路に出ます。
 二人でそれっとかけ声をかけて引っ張るのですが、穴から出すことさえできません。「こりゃあいかん、もう一人来てもらう」、またも大声で呼んで来てもらいました。来てくれたもう一人は「こんな太いがを獲るがじゃったら、もうちっと出しのえいところへ(ワナを)かけちょいてもらいたい」と言うのですが、太さを選べないのがワナ猟ですのでしかたありません。立木の間をふうふういいながら三人がかりで出して、車に積み込んでもらいました。
 帰って秤に乗せると82キロ(約22貫目)でした。
 でっぷりと太った若い牡シシでした。