新堀川で新堀川界隈ネットワーク主催の生物観察会が開かれました。
毎年この時期に観察会をしてきました。もう10回を数えます。すごいですね。私は毎回ネットを使って生きものを採集してきましたが、ネットを使うたびに高知の自然の豊かさを実感しています。
まさに都市の中のオアシスとの表現がぴったりの情景です
場所は横堀公園の横の新堀川。以前は「大正橋(道路が拡幅され消えました)」までたっぷりネットを使うことができていましたが、いまや残された新堀川はわずかです。
それでも、私たちの税金を数百万円使って移植したはずのコアマモが豊に茂っていますし、同じく捕獲して他の場所へ強制移動させていなくなったはずのシオマネキも棲息しています。
またトビハゼも昨年と比べると大きく成長した個体を見ることもできました。
シオマネキとトビハゼはこの前にも書きましたが、高知県が条例で希少野生動植物保護のため「保護種」に指定しています。
「保護種」であるこの両種は、何人であれ採集することも、移動することもできません。唯一高知県知事の許可を受けた人だけができることになっています。
高知大学名誉教授町田吉彦さん(高知新聞「いきものがかり」担当)は語ります。『シオマネキやトビハゼ、コアマモなどを大切に守ることは重要です。また肝心なことはそうした生き物を育んでいる自然環境そのものを重視して守ることです』
新堀橋から応援している参加者に見守られて、さあ採集をはじめるぞと阪本さん。彼は学生時代の研究テーマが浦戸湾の生物でした。新堀川も馴染みのフィールドです。
アカメの子どもたちがたくさんいました。
採集した生きものは横堀公園の東屋で観察です。
町田先生が魚や甲殻類などの名前を紹介しながら、生態などの解説をしました。
バットに移したアカメの幼魚に初めて触れた子どもたちの目が輝いていました。
観察会には阪本茂雄県議、吉良 富彦県議、細木 良市議も参加していました。
この観察会で採集した生きものは
●アカメ 標準体長16㎜~75㎜ 26尾
●ウナギ 3尾
●ヒイラギ(多数)
●クロサギ(4尾)
●ガンテンイシヨウジ(7尾)
●シマイサキ(多数)
●マハゼ
●ウロハゼ
●クロダイ
●トゲノコギリガザミ
●オキナガレガニ
●ヨシエビ
●ヌマエビ
●シジミ(多数)
アカメは今回が最高の尾数となりました。また、シジミはズブリと足が沈む泥の中にたくさんいました。
人の目からは汚そうに見えるかもしれませんが、これだけたくさんのシジミや他の貝がドロの中にいるということは、決して汚いヘドロではありません。
新堀川の豊かさ、浦戸湾のすごさ、高知県の自然の懐の深さを見せてくれた生きものを元の場所にもどしました。
優れた知事のことですので、高知県民であることの誇りを与えてくれる新堀川の生きものや自然を、殺してタダの道路にするようなことはないでしょう。