2010年5月15日、密柑山で仕事をしていると、めったに携帯しない携帯電話が鳴ります。見るとカミさんからです。今頃何事だろうと出ますと、「ミツバチが別れて庭の花の鉢へたかっちゅうきに(集団になってとまっているから)早うもどってきて」と言います。
車をとばして帰りました。
見るとキンリョウヘンの鉢に、一群(数千匹)のニホンミツバチが集まってとまっています。
キンリョウヘンとニホンミツバチ
コク(我が家の飼い犬で究極の雑種)の家の、すぐ近くのキンリョウヘンの鉢に群がっていました。母が空家になったミツバチの巣箱を近くに持ってきて様子を見ていました。「周りをぶんぶん飛び回るもんじゃきにコクが閉口しちょった」そうです。「箱(巣箱)へ蜂蜜を塗って置いちゅうけんど入ろうとせん」。
じつは、先の5月5日にも庭先で飼っているミツバチの巣箱から分封(分蜂)がありました。そのとき、20メートルほど離れた場所にある、ミツバチが逃げてしまった巣箱の側へ、キンリョウヘンの鉢を置いてあったのです。その花が咲いた鉢に集まってのち、空の巣箱に勝手に入ってしまったことがあったのです。
今年はニホンミツバチの分封(分蜂)がずいぶん遅れていました。当地では普通4月20日頃が巣別れの最盛期なのです。突然強い寒波がぶりかえすということが続き、雨天も多くへんな気候でした。このことが影響して遅れてしまったと思っています。
5月5日の出来事、今回、そして過去のことも含め、キンリョウヘンの偉力を思い知りました。(キンリョウヘンがどうしてニホンミツバチを集めるのかについて研究した素敵なサイトがあります)。
蜂球に手を突っ込んで母が構えた巣箱に移そうとしました。しかし、すぐに飛んでは元の蜂球にもどってしまうのです。ミツバチは少し気難しいところがあり巣箱が気に入らないと絶対に入ってくれません。手で掬っては移し、元に戻るを5~6回繰り返し、私は諦めました。
こんどは、作っておいた「とっておき」の蜜筒(ミツドウ)を持ってきて用意しました。
椎の木をチェンソーでくり抜きつくった蜜筒
またも、蜂球に指を突っ込み一掴みずつ蜜筒へ移しました。
はじめのうちは、なか々素直には入ってくれませんでしたが、繰り返していると少しずつ入る蜂が増えてきました。何度めだったでしょう、「おお!女王蜂じゃ」、思わず声がでました。
女王蜂が入ってくれたらしめたものです。
ところが入るかと期待して見ていると何とまあ!元の場所へ飛びもどってしまいました。女王蜂は動き回ります。蜂球の表面をぐるぐるめぐっているかと思うとすぐにその中に入り込んでしまいます。
根気よく、掬っては移し、掬い捕っては移しを繰り返していますと、またも女王蜂を掬い捕りました。こんどこそと期待に胸を膨らませ見守りました。こんどは素直にするりと入りました。出てきません。これで一安心です。やれやれ。
もう掬い捕って移すという作業は必要ありません。残った蜂たちはすべてほっといても蜜筒にうつって入ります。
蜂球に指を突っ込むとどんな感触がするか想像できますか?
どんなかといいますと、先ず、ホワっとする暖かさを感じます。ミツバチたちがたくさん集まって発生した暖かさ、その体温が指や手のひらを包みます。うんとやさしいあたたかさです。
それから、蜂たちが一生懸命手足?をつないで塊をつくっていることがよくわかります。掬い捕ろうとすると、それこそ一生懸命繋ぐ手足に力を込め、抵抗します。指先からミツバチたちが、何本もの糸のように連なり、はなされまいと力を合わせます。
やがて残っていたミツバチたちもすっかり蜜筒に収まりました。そして、盛んに外に向かって飛び立ち始めます。新しい生活の始まりです。
いつまで見ていても、ミツバチの活動は見飽きることがありません。それぞれの役割をじつにまじめに果たします。
美味しい蜂蜜をもたらしてくれるだけではない、何かを伝えてくる、私がうんと好きなムシです。
車をとばして帰りました。
見るとキンリョウヘンの鉢に、一群(数千匹)のニホンミツバチが集まってとまっています。
キンリョウヘンとニホンミツバチ
コク(我が家の飼い犬で究極の雑種)の家の、すぐ近くのキンリョウヘンの鉢に群がっていました。母が空家になったミツバチの巣箱を近くに持ってきて様子を見ていました。「周りをぶんぶん飛び回るもんじゃきにコクが閉口しちょった」そうです。「箱(巣箱)へ蜂蜜を塗って置いちゅうけんど入ろうとせん」。
じつは、先の5月5日にも庭先で飼っているミツバチの巣箱から分封(分蜂)がありました。そのとき、20メートルほど離れた場所にある、ミツバチが逃げてしまった巣箱の側へ、キンリョウヘンの鉢を置いてあったのです。その花が咲いた鉢に集まってのち、空の巣箱に勝手に入ってしまったことがあったのです。
今年はニホンミツバチの分封(分蜂)がずいぶん遅れていました。当地では普通4月20日頃が巣別れの最盛期なのです。突然強い寒波がぶりかえすということが続き、雨天も多くへんな気候でした。このことが影響して遅れてしまったと思っています。
5月5日の出来事、今回、そして過去のことも含め、キンリョウヘンの偉力を思い知りました。(キンリョウヘンがどうしてニホンミツバチを集めるのかについて研究した素敵なサイトがあります)。
蜂球に手を突っ込んで母が構えた巣箱に移そうとしました。しかし、すぐに飛んでは元の蜂球にもどってしまうのです。ミツバチは少し気難しいところがあり巣箱が気に入らないと絶対に入ってくれません。手で掬っては移し、元に戻るを5~6回繰り返し、私は諦めました。
こんどは、作っておいた「とっておき」の蜜筒(ミツドウ)を持ってきて用意しました。
椎の木をチェンソーでくり抜きつくった蜜筒
またも、蜂球に指を突っ込み一掴みずつ蜜筒へ移しました。
はじめのうちは、なか々素直には入ってくれませんでしたが、繰り返していると少しずつ入る蜂が増えてきました。何度めだったでしょう、「おお!女王蜂じゃ」、思わず声がでました。
女王蜂が入ってくれたらしめたものです。
ところが入るかと期待して見ていると何とまあ!元の場所へ飛びもどってしまいました。女王蜂は動き回ります。蜂球の表面をぐるぐるめぐっているかと思うとすぐにその中に入り込んでしまいます。
根気よく、掬っては移し、掬い捕っては移しを繰り返していますと、またも女王蜂を掬い捕りました。こんどこそと期待に胸を膨らませ見守りました。こんどは素直にするりと入りました。出てきません。これで一安心です。やれやれ。
もう掬い捕って移すという作業は必要ありません。残った蜂たちはすべてほっといても蜜筒にうつって入ります。
蜂球に指を突っ込むとどんな感触がするか想像できますか?
どんなかといいますと、先ず、ホワっとする暖かさを感じます。ミツバチたちがたくさん集まって発生した暖かさ、その体温が指や手のひらを包みます。うんとやさしいあたたかさです。
それから、蜂たちが一生懸命手足?をつないで塊をつくっていることがよくわかります。掬い捕ろうとすると、それこそ一生懸命繋ぐ手足に力を込め、抵抗します。指先からミツバチたちが、何本もの糸のように連なり、はなされまいと力を合わせます。
やがて残っていたミツバチたちもすっかり蜜筒に収まりました。そして、盛んに外に向かって飛び立ち始めます。新しい生活の始まりです。
いつまで見ていても、ミツバチの活動は見飽きることがありません。それぞれの役割をじつにまじめに果たします。
美味しい蜂蜜をもたらしてくれるだけではない、何かを伝えてくる、私がうんと好きなムシです。