土佐レッドアイ

アカメ釣りのパイオニアクラブ

最初期pixie

2010-12-31 08:58:00 | 狩猟とナイフ
 最初期ピキシーをご紹介します。

  ピキシーのプロトタイプで大珍品です。





 上三点の画像:マーフィー型ハンドル(1950年以前)の試作品です。


 画像:上からマーフィーピキシー、2番目はガーバー社製造の1951年(初年度)ピキシー・同年製造ベークライトハンドルピキシー。

●ブレード材:マーフィー型は帯鋸用工具鋼、ガーバー製造ピキシーはハイス鋼です。



 マーフィー型のプロトタイプは論外ですが、ハンドルがベークライト(Bakelite :数あるプラスチックのなかでもっとも歴史の古いもので、1908年ベルギー生まれのアメリカ人、ベークランドが開発したフェノール樹脂の商品名)のピキシーも大珍品です。

 1950年勃発した朝鮮戦争でアルミニューム不足のため急遽ハンドルがアルミニウムからベークライトにかえられたものですがすぐに元のアルミに変わります。この合成樹脂製のハンドルは当時のガーバー社のキッチンナイフ・ハンティングナイフの一部に使われますが、一連のハンドルを「ジェットハンドル」と呼んでいます。『ガーバー社が朝鮮戦争協力のためアルミハンドルから合成樹脂のハンドルに換え、アルミニウムがジェット機を作る材料として使われた為そう呼ばれます。』赤字の部分はこれまで私が勝手に憶測して書いていたものです。一人合点とは恐ろしいものです。恥ずかしい。
 ジェットハンドルと呼ばれるのは、宝石のジェットに似ているから、ジェットハンドルと呼ばれていたのです。
いつもお世話になっている友人に教えてもらいました。

 そのジェットという宝石について
ジェットは褐炭(かったん)と関連のある化石化した木で、よどんだ水の化学作用により、その結果大きな圧力によって平らになった流木に由来します。ジェットは密度が1.10~1.40 比重が1.30と非常に軽い宝石で水晶類の約半分の重さしかありません。水晶で12mm丸玉ネックレスですとさすがに重く、長時間すると肩が凝ってきますが、ジェットの12mm丸玉ネックレスは、重量感を感じずに長時間使用することができます。また、モールス硬度は2.5~4で、真珠のモールス硬度3.5~4と同じぐらいの柔らかさです。屈折率は1.66でジェットは全体的に暖かい感じを受ける宝石です。
 ジェットは「ブラック アーバン」黒い琥珀とも呼ばれていますが、それは琥珀の密度が1.03~1.10 モールス硬度が2~2.5 比重が1.08と非常に似ております。
また、最大の要因は、双方とも擦ると摩擦によりマイナスの静電気を起こる性質があることが「ブラック アーバン」黒い琥珀と呼ばれている由縁です。



ベークライトピキシーのマークとシース












画像:一番下は1952~53年製造。

 1952~53年製造のピキシーは形状が変わってきます。ブレードの幅が広くなります。中期・後期はさらにブレードは広くなります。また、ハンドルは側面の丸みがなく平らになります。このハンドルの側面の形状はこの時期だけで中期・後期は再び丸みをおびるように変わります。
 
 ピキシーはベークライトハンドル以外は全てアルミにブレードを鋳込むという質実剛健のハンドルです。初期の頃は全ての製品にメッキは施されていません。アルミ無垢です。

 ブレードは多くの製品にハイス鋼(ハイスピード・ツール・スチール)が使われ始めた1947年から少しの間メッキなしでしたが、ハイス鋼の材質から錆び易いという欠点があるため、1949年から全ての製品にメッキされるようになりました。
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 しばしば「ハイス」と呼ばれる高速度鋼(こうそくどこう、high-speed steel)は、工具鋼における高温下での耐軟化性の低さを補い、より高速での金属材料の切削を可能にする工具の材料とするべく開発された鋼である。高速度工具鋼(high-speed tool steel)とも呼ばれる。「ハイス」の呼称は、「ハイスピード・スチール」が縮まったもので、また、HSSと略記される。日本国内では、安来鉄鋼合資会社(現、日立金属安来工場)で1913年(大正2年)に坩堝製鋼により初めて高速度鋼の製造に成功している。これは、フレデリック・テイラー(Frederick Winslow Tayior)による1899年のテイラー・ホワイト鋼(高速度鋼)の創製より14年目のことである。その後、1919年(大正8年)に高速度刃物鋼(特許33675号)としてその存在を示したのである。
高速度鋼は、高温下での硬さや耐軟化性を高めるべく、鋼にクロム、タングステン、モリブデン、バナジウムといった金属成分を多量に添加したもので、焼入れ等の熱処理を施した後、研磨により成形して使用される。超硬合金と比較すると、耐摩耗性において劣るが靭性に富み、より高速切削を可能とした粉末冶金法によるこの合金の普及する以前には、金属材料のあらゆる切削に用いられた。
青文字の文章は フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』から引用しました。
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 ハイス鋼を刃に使ったナイフの信奉者の私は古き時代のガーバー社のナイフの虜になっていきます。1950年代の製品全て、キッチンナイフからハンティングナイフまでがハイス鋼のブレードだったのです。なにしろ金属を切断するためにつくられたもの、一般の鋼材よりも高価なものでしたが、よく切れる、へたらない、よくきれる。

 ただそれだけ。
 
 いいではないですか。

 ピキシーの使用目的ですが、狩猟では小型の鳥、釣りでの小型の鱒類用として、また果物ナイフとして製作されました。大きな体格の人が多いアメリカでこんな小さなナイフが実用的なのだろうかと不思議に思ったりしましたが実際果物ナイフとして使ってみるとなかなかすぐれたナイフであることがわかります。現在のアメリカでもオールドガーバーナイフの中でとても人気があるナイフです。

 ピキシーはハンティングナイフの主役マグナムハンター・ビッグハンター・ショウティ・ミニマグナム・フレイヤーなどにカンガルーシースでコンビとして納められもして、よく使われました。これらコンボの製品は人気が高いアイテムです。

初めての皮はぎ処理(イノシシ)

2010-12-16 07:15:00 | 狩猟とナイフ
 さて、いよいよ初めての皮剥ぎ処理開始です。これまで一部皮剥ぎはしてみました。毛抜き処理をしたあと枝肉にしてから身体の1/4だけ皮を剥いだことがあるのです。70キロをこえる大きな♂イノシシの前半分でした。

 これがたいへんでした。ある程度年齢を重ねた♂イノシシは、肩甲骨の周り(肩の部分)が俗によろい(鎧)と呼ばれるようにとても硬くなります。皮膚の下の脂肪がとても硬くなるようなのです。これまでに見たものでは厚いものでは3セン以上あったと思います。この部位は毛抜きでも手こずります。よろいの部分の毛はテコでも抜けないというようにがんこに抵抗します。こうしたイノシシのよろいは、昔、ヒトの合戦の際の防具である鎧と同様のはたらきをするのでしょう。

 繁殖期、我が子孫を残そうと、♂たちのメスをめぐる闘争はなかなか大変で、ものすごい闘いのようです。これまで捕まえたイノシシの♂には、こうした痕跡を残す身体の傷痕がよく見られます。知人の捕った大きな♂は体中傷だらけで、その上、長いキバが体の中に残っていたそうです(厳しい生活)
 ここ「よろい」は毛を抜くのも、皮を剥ぐのもたいへんでした。

 さて、今回のイノシシはまだ青年になりたて。どうなのでしょう。

 身体についた泥や汚れはタワシでごしごしとさらにゴシゴシときれいにしました。

 シカはロープ等で吊るし上げてから、皮を剥ぐのですがイノシシは重すぎます。なにしろ初めてであり、手順も知りません。教えてくれる先輩もいません。

 さて、どうする?

 背中からいくか?腹からいくか?前足からやるか?後ろ足から始めるか?

 放血処理を学ばせていただいた食肉センターでは、確か足から始めていたような気がします。皮剥ぎはあまり縁がないと思っていたのか、放血処理に集中していたので他の処理のときはぼ~っとしていたのか、よく覚えていないのです。ただ、ものすごい早さで足首の切断をしていたこと、皮の処理をやられていたことだけはよく覚えているのですが。

 おぼろげな記憶では、最初に足首を切りはずし、それから足のほうからはじめて、腹部から身体半分ほどまでナイフで処理をして、最後に背中を機械にかけていたと思います。


 習うより馴れろといいます。よし。


足からはじめて腹部は顎下から睾丸まで、真ん中から背中に向かってすすめました。脂肪のすくない足は簡単でした。むずかしいとおもったのは、脂肪がたくさんついている部位です。イノシシは脂がおいしいのです。できるだけ捨てる皮にはつけたくありません。

 

 画像で白い脂肪のなかに所々赤身がでています。これが脂肪が身につかず、皮についてしまったところです。あまり急いで事をすすめるというのはどんなことでもうまくいかないようです。まして、初めての仕事、初体験その上職人技が求められるというような仕事です。 ま、いいか。

 処理用ナイフ
 

 左から、日本刀を切断して再利用したナイフです。このナイフが一番よく切れます。砂鉄から取り出した玉鋼、それを鍛える刀匠の技術のすばらしさが実感できる切れ味です。このナイフが研ぎへって使えなくなったらどうしようと不安になるのです。肉の切り分けに使っています。

 左から2番目、金属切断用の丸鋸(ハイス鋼)から、レーザー光線で切り抜いてもらって作った骨抜き用です。このナイフが一番固くて研ぐのにも苦労します。

 左から3番目、食肉センターで職人用として使われている皮剥ぎナイフです。片刃で薄く、とても使いよいナイフです。

 最後が、ガーバーのナイフ「フレイヤー」です。1966年頃の製品でキャッツタンハンドル、ブレードはハイス鋼、皮剥ぎ専用です。

 

 日本製とアメリカ製の皮剥ぎナイフを並べてみました。長さに違いはあれ、とてもよく似ているでしょう。「肥後守」のように竹を切ったり、鉛筆を削ったりには向いていませんが、動物の皮剥ぎ作業にはこの形状がとても有効です。ナイフの先が丸くなっているのは、皮と肉の間に差し込んでいくという使い方ができるようにしているのです。

 なんとか、すべての皮の処理ができました。慣れたら毛抜きとそれほどかわらない時間で処理ができるようになるかもしれません。何事も修行が必要。これからも若いイノシシを捕まえたら、積極的に皮剥ぎに挑戦してしてみようと思います。

 

飛び道具

2010-12-14 07:07:00 | 狩猟とナイフ
 飛び道具についての話題を2題

 1話:2010年12月のある日、ミカンの収穫に山道を登っているといつもこの周辺で罠猟をしている方と出会いました。道路が狭いためどちらかが道を下がって譲り合いをします。私が下がりました。
 罠の見回りに行っていたようです。

 ミカンのコンテナを満載にしての帰り道、また同じ人と出会いました。ははあ、獲物がかかっていたな。回収に行っているのだと思いました。こんどは彼がかなりの距離を下がって道を譲ってくれました。ミカンの味を見てもらおうと車を降りて「かかちょったかよ?」と話しかけると「おお、太いががかかちょって、ナイフで突いたけんどナイフが折れたきに、こりゃあいかんと思うて、鉄砲をとりにいんじょった」と言います。道路からかなり下の罠に大物がかかっていたそうです。
 彼の家は車で30分以上もかかります。「あいつはまだおるろうか?」
「そりゃあ、一人では出せんろうがよ」といいますと、「連れが来よる」といいます。話しているうちに、軽トラが2台やってきました。

 それから約2時間、再度ミカンを運びだそうと山道を登っているとまたも同じ車と行き会いました。今度は荷台に大きなイノシシを積んでいます。見ると罠で括られていた足が折れ、骨は飛び出し、皮と腱だけでつながっていました。足がちぎれて逃げられる前に鉄砲が間に合ったようです。
 
 私はナイフ一丁で数百頭のイノシシを仕留めてきたのですが、飛び道具が欲しいと切実に思った場面がなんどもありました。しかし、いまさら鉄砲を持つつもりはありません。

 もう1話:数日前のこと、ハウス園芸でナスを作っている友人にミカンのお裾分け。猟の話になりました。
 私と同じ駆除隊所属のグループの一人が罠を見回りに行くと、4頭のイノシシがかかっていたそうです。そこで仲間の鉄砲打ちに「とどめ」を依頼。鉄砲を持って出かけたそうです。山をえっちらおっちら登って現場に着き、ケースから鉄砲をだして組み立てようとすると、なんと、銃身しかはいっていなかったそうです。慌てて出てきたため、引き金のついた銃床は家のロッカーに忘れてきたそうで、みんな絶句。
 結局ナイフで仕留めたそうです。
 友人と話しながら大笑いをしました。
 その友人は解体処理に雇われて「おらあ3頭料理した」と言っていました。

 

2010年ミカン価格表

2010-12-12 08:38:00 | アカメの国農園
 アカメの国農園のミカンをいつもご利用いただきありがとうございます。

 価格表ができました。今年も是非、当園のミカンをご利用ください。



 当園の主力ミカン、中生の南柑20号の出荷が12月からはじまりました。今年も、ミカンの品質、味は上々のできです。しかし、全国的な裏作と猛暑にくわえ鳥獣被害が多く、収穫量が全県で例年の半分以下となっています。そのため例年よりも価格が少し高めとなっています。

 濃さが特長の山北みかんですが、一番おいしいサイズ、実はこれが「SS・SSSサイズ」で、深いコクがあります。
少し皮がむきにくいのが難点ですが
SSサイズは、地元でも一番人気です。土佐の市場ではSサイズが基準サイズで、一番高価で取引されます。もちろん他のサイズもおいしいです。
ご贈答には、見栄えのよく美味しいS~Mサイズが一番のお勧めです。


※1箱(5kg箱)入り数の目安です。
サイズ 大きさ (平均)
SSS 直径4.5cm以下 -
SS 直径約5cm 約70個前後
S 直径約5.5cm 約55個前後
M 直径約6cm 約50個前後
L 直径約6.5cm 約40~45個前後
LL 直径約7~7.5cm 約30個前後
              
 2010年アカメの国*特選ミカンの価格表(5キロ箱入り)

*特選みかん:アカメの国農園が自信をもっておすすめするみかんです

特秀:アカメの国農園の選りぬきのミカンです。少量しかありません。

赤秀:見栄えのよい美味しいミカンです。ご贈答用に最適です。


青秀:外観に少し難がありますが、見栄えもよい美味しいミカンです。



規格外:外観はよくありませんがおいしいみかんです。

 *相場が変動すれば価格が変わることがあります

特秀
M 5,000円
S 5,000円

赤秀 南柑20号
L 2,500円
M 3,800円
S 3,800円
2S 2,500円
3S 1,800円

青秀 南柑20号
L 2,000円
M 2,800円
S 2,800円
2S 2,000円
3S 1,500円

規格外 南柑20号
L 1,200円
M 1,500円
S 1,500円
2S 1,200円

 送料は3箱まで関東以北800円、北海道・沖縄1050円
その他の地域600円(離島は別途料金)。

 ご注文は下記までお願いします。

 山北ミカン JA土佐香美果樹部路地ミカン部会員
             784-0031
               高知県安芸市穴内甲1470
               アカメの国農園 長野博光
               電話・FAX0887-34-3385