昨日は台風の影響で東京も雨が断続的に激しく降りました。中国・吉林省の吉林電視台クルーを「第731部隊」関連の史跡を案内しました。その時には鬼怒川が決壊して住民に行方不明者が出るような被大害が発生していたことを帰宅後知りました。安倍首相は国民の「安全」優先のために直ちに国会を休会にしてその対策に当たるべきです。今、宮城県でも河川が決壊したとテレビが報道しています。来年度防衛費予算の増額どころではありません。一級河川で堤防改修が急がれる場所が多く、その予算を増額することが求められています。
公明党太田国土交通大臣!安保法案に賛成しないで、自分の職責を全うしなさい!
さて、午後一時に地下鉄曙橋駅前で待ち合わせをしてから、第731部隊長石井四郎の墓がある「月桂寺」正面、石井式濾水機を製造した「日本特殊工業」跡地、「石四郎自宅」跡地、「陸軍東京第一病院」だった国立国際医療研究センター、「陸軍軍医学校」跡地から発見された「遺骨」保管場所がある国立感染症研究所、「陸軍防疫研究所」建物があった新宿区多目的運動広場を案内して午後五時に終了しました。
日本特殊工業について記述している文献を彼らに提供しました。
新潮社発刊「731」青木冨貴子著 212頁
『総司令部に石井部隊についての情報を伝えたのは、共産党ばかりでははなかった。厚木飛行場に進駐して以来、マッカーサーは民間の投書活動を奨励した。これに答えて、市民は切々とした訴えをマッヵーサーに送った。その数は一ヶ月に一〇〇〇通を数えたといわれる。なかには石井部隊に関するものも含まれた。
対敵諜報部隊の「シロウ・イシイ」ファイルには、民間から送られた告発文が含まれている。一九四五年十二月十五日に届いたイマジ・セツという告発者の手紙がそのひとつだつた。イマジは内部情報に通じていて、石井が初期のころは実名を隠し、東郷一と名乗っ
ていたこと、研究には動物ではなく、人間を使ったことが石井部隊のもつとも残虐な行為だつたことを記している。
「犠牲者の大半は、犯罪者であったが、なかには罪もない農民や、中国共産党兵士、女性、子どもも含まれていた。鼻疽菌やペスト菌、そのほか強力毒物実験のため、千人以上が犠牲になつた」
イマジは石井の経歴にも触れている。石井の妻が京都帝国大学の総長、荒木寅三郎の娘であること、石井が開発した有名な濾水機は、政府から独占権を与えられた日本特殊工業で製造され、「石井や部隊員は別名で株主となり、配当金で多額の利益を得た」ことに言及している。
日本特殊工業の社長、宮本光一は石井四郎に特別の便宜を図っていた。石井四郎のお蔭で「石井式濾水機」の製造を任され、陸軍から大量注文を受け取っていたからである。日本特殊工業は濾水機ばかりでなく、石井部隊の研究資材の発送なども行っていた。平房の研究施設完成が近づくと、日本特殊工業から派遣された技術者が機材の組立、取付けなどを行っていた、と萩原英夫の供述書にもある。
それだけ関係の深かった日本特殊工業から石井ほか幹部が金銭的な便宜まで図ってもらっていたことを知るイマジという人物は、明らかに部隊員のひとり、恐らくは軍医であり、偽名を使っての告発だろう。』
石井四郎自宅跡
私道は現在でも石井四郎名義となっている。
「彰古館」の展示
父親が日本特殊工業に勤務していた長男の手記(「人骨の会」ニュース)
(了)