宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8日、国連と協定を結び、発展途上国が開発した超小型衛星を国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」から無償で放出する取り組みを始めると発表した。
ISSの日本実験棟きぼうには、独自のエアロックシステムとロボットアームを持っていて、その機能を駆使して超小型衛星を宇宙に放出する独自の能力がある。ロケットを打ち上げる膨大なコストをかけずに済むため、これまでにブラジルやベトナムなど、国内外の大学や企業が開発した超小型人工衛星10基を放出してきた。
協定では、国連宇宙部を介して途上国から広く提案を募り、2018年9月までの3年間、補給船こうのとりや米スペース社のドラゴン補給船などでISSに運び、年1回程度放出する計画。
衛星の大きさは「CubeSat」と呼ばれる10センチ角のサイコロ状のもので、重さ1キロ程度が目安。途上国の技術開発や人材育成を進めるのが狙いで、早ければ2017年から始める予定。日本の宇宙開発技術が国際的に認知を高めるチャンスだ。