明鏡   

鏡のごとく

「雲のうえ」

2015-11-23 08:44:32 | 詩小説


10月31日に78歳で亡くなった直木賞作家の佐木隆三さんが自身の青春時代を振り返って書いた原稿が、今月20日付発行の無料情報誌「雲のうえ」に掲載された。佐木さんの秘書によると、入院前の9月に北九州市門司区の自宅で執筆したもので、最後の手記になるという。

 原稿は「私の青春」との題で約1600字。高校卒業後に製鉄所に就職し、仕事をしながら岩下俊作や松本清張ら地元の作家と交流したことや、母の反対を押し切って製鉄所を退職し、作家活動に専念したことなどを振り返った。

 「あの頃が一番良い時代だったように思います」「もう、あの、あたたかな中に戻れませんが、私のぼけてゆく頭の中に、たゆたゆと光を放っているのです」「次の世も、同じ人生を繰り返すでしょうが、どうか宜しくお願いいたします」などと記した。