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■ 高幡不動尊の御朱印

追加しました。

日野市にある金剛寺は、高幡不動尊の通称で広く知られる多摩屈指の古刹です。
正式には高幡山明王院金剛寺と号し、真言宗智山派別格本山の格式を有します。

 

開基は大宝年間(701年)以前、あるいは奈良時代、行基菩薩の開基とも伝えられ、平安時代に慈覚大師円仁が清和天皇の勅願により東関鎮護の霊場と定めて不動堂を建立し、不動明王をご安置されたのが始まりとされます。

 
【写真 上(左)】 山門扁額
【写真 下(右)】 手水舎

京王線「高幡不動」駅徒歩5分と交通の便がいいこともあって、参詣の人波が絶えない大寺です。
多摩丘陵が多摩川(浅川)に裾を落とす聖蹟桜ヶ丘から高幡不動にかけては、寺院が点在するところで、なかでも高幡不動尊は別格の規模を誇ります。
関東三大不動のひとつで、古くは「火防の不動尊」、また都内有数の交通安全祈願所であり、新選組副長、土方歳三の菩提寺としても知られるなど、参拝客を集める要素に事欠きません。
駅から門前にかけて、そして山内も賑わいをみせていますが、真言宗関東十一檀林の談義所として歴史を刻み、多摩丘陵の山気が降りてくるパワースポット的立地もあってか、どこか稟とした空気を感じます。

 
【写真 上(左)】 賑わう参道
【写真 下(右)】 土方歳三像

 
【写真 上(左)】 交通安全祈願殿
【写真 下(右)】 五重塔

真言宗の名刹だけに数多くの札所を兼ね、拝受できる御朱印書の種類も多いですが、これまたWeb情報でも内容が錯綜しています。
今回、ほぼ全容が明らかになった感じがするので、これまで3回の参拝で拝受できた御朱印をご紹介してみます。
なお、こちらの授与所は奥殿裏手の寺務局(納経所)1ヶ所で、週末などはすこぶる混雑します。(平日でも番号札制のようです。)

札所として、関東三十六不動尊霊場9番、多摩新四国八十八ヶ所霊場88番、武相二十八不動尊霊場28番、関東百八地蔵尊霊場100番、東国花の寺百ヶ寺霊場7番、日野七福神(弁財天)については御朱印を授与されています。
武玉八十八ヶ所霊場50番札所でもありますが、こちらは古い霊場で多くの札所は多摩新四国八十八ヶ所霊場に継承されている模様なので、おそらくこの霊場での御朱印は授与されていないと思われます。

ちなみに、多摩新四国八十八ヶ所霊場の霊場会とみられる龍華会本部は金剛寺内におかれ、金剛寺が中心的な役割を果たしていることがうかがわれます。
また、他所では入手がむずかしい多摩新四国八十八ヶ所霊場の公式ガイドブック(平成4年8月刊)もこちらの寺務局で入手できました。
このガイドには御本尊が記され、ふつうはこちらが札所本尊(御朱印尊格)となるようですが、金剛寺の「御本尊」欄は、「大日如来・不動明王」という含みのある記載で、拝受した御朱印尊格は不動明王でした。

札所ではない御本尊系の御朱印としては、御本尊大日如来、そして弘法大師の尊格御朱印を拝受できます。

これだけ種類があると、いわゆる「ご朱印ください!オファー」(札所や尊格指定なしで1つだけ拝受希望の場合)の御朱印はどうなるのかと思いますが、Web検索してみると、どうやら多摩新四国八十八ヶ所霊場の御朱印(尊格:不動明王)が授与されているようです。
やはり、ふつうの参拝客は「高幡不動尊にお参り」だと思うので、不動明王の御朱印となるのでしょう。(なぜ関東三十六不動ではなく多摩新四国なのかは不明。お大師様のお参りも忘れずに、ということでしょうか。)

【高幡不動尊の仏堂と御朱印】
仏堂については各種資料に詳しいのでざっくりと。
公式Webの「境内ご案内」
http://www.takahatafudoson.or.jp/?page_id=13

■不動堂
室町時代建立とされる堂々たる仁王門をくぐった正面。こちらはじつに鎌倉時代の建立とされます。お護摩はこちらのお堂で焚かれます。
こちらに御座す新丈六不動三尊は「平成12年から14年にかけて行われた1000年ぶりの修復作業の際、不動明王像不在のため、平安後期の様式を忠実に造立された身代わりの本尊として新たに創られた」(日野市観光協会Web)尊像のようです。

 
【写真 上(左)】 不動堂(武相不動尊霊場御開帳時)
【写真 下(右)】 回向柱と宝輪閣(お札所).

■奥殿
重要文化財の丈六不動三尊の他、数多くの文化財が収蔵されています。
高幡不動尊の札所御朱印は不動明王が尊格のものが多いですが、その札所尊格はこちらの丈六不動三尊と思われます。
不動堂の新丈六不動三尊は「身代わりの(札所)本尊」であり、先(2017年5月)の武相二十八不動尊霊場御開帳では、不動堂前に回向柱が立ち、縁の綱が不動堂内の新丈六不動三尊のお手に繋がり、さらに不動堂後ろ戸から伸びた縁の綱を奥殿向拝正面で受けそこからお手綱が下がっていました。この縁の綱が奥殿の丈六不動三尊のお手に繋がっていた模様です。
ここから拝察するに、やはり、不動堂・奥殿両堂のお不動様にお参りするのが筋のような気がします。

 
【写真 上(左)】 奥殿(武相不動尊霊場御開帳時)
【写真 下(右)】 奥殿の縁の綱

 
【写真 上(左)】 お手綱
【写真 下(右)】 奥殿の扁額

不動明王が御朱印尊格となる御朱印は、関東三十六不動尊霊場9番、多摩新四国八十八ヶ所霊場88番、武相二十八不動尊霊場28番、東国花の寺百ヶ寺霊場7番です。
御本尊が札所本尊となられる例の多い多摩新四国霊場、東国花の寺霊場でも、札所本尊(御朱印尊格)は不動明王でした。
なお、金剛寺の御本尊は大日如来のようです。

〔関東三十六不動尊霊場〕
 
【写真 上(左)】 専用納経帳の御朱印
【写真 下(右)】 御朱印帳揮毫の御朱印

授与御朱印の「不動明王」は、こちらの尊格をあらわす揮毫かと思われます。
中央に種子・不動明王の揮毫と御寶印、左に召請光童子の印と山号と寺院印、右上に関東三十六不動尊霊場第9番の札所印が捺されています。

〔多摩新四国八十八ヶ所霊場(通常)〕

授与御朱印の「不動明王」は、こちらの尊格をあらわす揮毫かと思われます。
中央に種子・不動明王の揮毫と御寶印、左に山号と寺院印、右上に多摩新四国第88番の札所印と「弘法大師御作」が揮毫されています。

〔多摩新四国八十八ヶ所霊場(結願)〕

多摩新四国八十八ヶ所霊場を結願したときの御朱印です。
専用納経帳ではなく、御朱印帳に拝受しています。
中央に不動明王の種子(カン)、「不動明王」の揮毫と御寶印(種子カン/蓮華座+火焔宝珠)、左に山号、寺号と寺院印、右上に多摩新四国第88番の札所印が揮毫されています。
結願で申告したためか、左上に「結願所」の印判とその横に「第八十八番」の揮毫をいただいています。

〔武相二十八不動尊霊場〕

授与御朱印の「厄除不動尊」は、こちらの尊格をあらわす揮毫かと思われます。
中央に種子・厄除不動尊の揮毫と御寶印、左に結願所印、山号、寺号と寺院印、右上に武相不動尊第28番の札所印と酉年開帳の御開帳印が捺されています。

〔東国花の寺百ヶ寺霊場〕

授与御朱印の「不動明王」は、こちらの尊格をあらわす揮毫かと思われます。
中央に種子・不動明王の揮毫と御寶印、左に山号と寺院印、右上に東国花の寺百ヶ寺の札所印と「弘法大師御作」が揮毫されています。

■大日堂
主参道に入り山手に向かうと山門があり、こちらをくぐると高幡山の総本堂、大日堂です。
山門右手には五部権現社が御座します。
金剛寺は正面と向かって左手が小高く、左手の高みは「不動ヶ丘」と呼ばれているようです。

 
【写真 上(左)】 大日堂山門
【写真 下(右)】 五部権現社

御本尊、大日如来が御座します。有名な鳴り龍もこの堂内にありますが、不動堂まわりにくらべると参拝客はすくなく、落ちついたただずまいとなっています。

 
【写真 上(左)】 大日堂
【写真 下(右)】 大日堂向拝

 
【写真 上(左)】 大日堂扁額
【写真 下(右)】 御朱印

授与御朱印の「大日如来」は、こちらの尊格をあらわす揮毫かと思われます。
中央に種子・大日如来の揮毫と三寶印?、左に山号、寺号と寺院印、右上に清和天皇祈願所の印と鳴り龍の揮毫があります。

■大師堂
大日堂から五重塔に向かうと、聖天堂、大師堂、虚空蔵院と並びます。
寺内でも落ちつきのある不動ヶ丘中腹の高台で、じっくりとお参りができます。

 
【写真 上(左)】 大師堂参道
【写真 下(右)】 多摩新四国霊場の札所板

 
【写真 上(左)】 大師堂
【写真 下(右)】 大師堂と聖天堂

弘法大師の御朱印は、こちらの参拝の証とみるべきでしょうか。
大師堂は専用の参道をもち、参道脇には多摩新四国八十八ヶ所霊場88番の札所板が掲げられていました。



 
【写真 上(左)】 御朱印
【写真 下(右)】 ご縁日の御朱印

授与御朱印の「弘法大師」は、こちらの尊格をあらわす揮毫かと思われます。
中央に種子・弘法大師の揮毫と三寶印?、左に山号、寺号と寺院印、右上に山内八十八ヶ所巡拝の印が捺されています。

■千躰地蔵堂
五重塔の地下には無料休憩所があり、その横が千躰地蔵尊のお堂となっています。
目立たないお堂ですが弘法大師像、欄間彫刻など複数の見どころ(お参りどころ)があります。
こちらは関東百八地蔵尊霊場100番の札所となります。
なお、大日堂内にも北条氏ゆかりの延命地蔵尊が御座しますが、関東百八地蔵尊霊場ガイドブックには札所本尊が千躰地蔵尊と書かれ、寺務局でお伺いしても千躰地蔵尊とのお答えがあったので間違いないと思います。

 

授与御朱印の「千体地蔵尊」は、こちらの尊格をあらわす揮毫かと思われます。
中央に種子・千体地蔵尊の揮毫と三寶印?、左に山号、寺号と寺院印、右上に関東百八地蔵尊第100番札所の札所印が捺されています。

■弁天堂
土方歳三像と交通安全祈願殿のあいだに弁天堂があります。弁天池にかかる赤い橋をわたっての参拝です。
こちらの弁天様は日野七福神の札所本尊で、御朱印は通年授与されているようです。

 
【写真 上(左)】 弁天堂
【写真 下(右)】 御朱印

授与御朱印の「昌福弁財天」は、こちらの尊格をあらわす揮毫かと思われます。
中央に昌福弁財天の揮毫と三寶印?、左に山号と寺院印、右上に清和天皇祈願所の印が捺されています。

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