関東周辺の温泉入湯レポや御朱印情報をご紹介しています。対象エリアは、関東、甲信越、東海、南東北。
関東温泉紀行 / 関東御朱印紀行
■ 塩原(新湯)温泉 「むじなの湯」
<塩原(新湯)温泉「むじなの湯」> (那須塩原市(旧 塩原町)湯本塩原新湯 、7:00~18:00(冬期8:00~17:00)、無休、300円、0287-32-4000(塩原温泉観光協会))
紹介サイト(@nifty温泉)
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。
塩原11湯のうち、奥の2湯、新湯(あらゆ)と元湯は硫黄泉にごり湯で人気があります。
塩原と鬼怒川・川治をむすぶ「日塩もみじライン」沿いにある新湯には3つの共同浴場があって、それぞれ源泉がちがいます。
なかでも温泉好きの評価が高いのがここ「むじなの湯」です。
【写真 上(左)】 階段の下り口
【写真 下(右)】 階段から
貴重な塩原産湯の花が買える「赤井商店」のよこの急な階段をおりていきます。
Pはすこし山側の道路沿いにスペースがありますが、ひょっとして駐禁かもしれないので、爆裂火口跡よこ(温泉神社下)のPに停めて歩いていくのがベターかも。
(ただし、ここは風向きによってはすごい硫化水素臭地帯となるので車が硫化するかも・・・ ^^; )
階段の途中から、湯抜きをそなえたがっしりとした湯屋が見えてきます。
下り切ると建物前。右が男湯、左が女湯で、扉のよこにある料金箱に料金300円を入れます。
塩原屈指の人気浴場なので、週末の午後に浴客がいないことはほとんどありません。
さらに夕方は浴衣すがたの宿泊客が大挙して押しよせ、大混雑修羅場状態となるので夕方は避けたほうが無難。
【写真 上(左)】 正面
【写真 下(右)】 脱衣所
さして広くない脱衣所から一段ひくく浴室。ここは以前は混浴でしたが、いまはふたつに仕切られ男女別になっています。
埋め水用ホースのみでアメニティ類いっさいなし。
たとえば土曜15時で2人~8人!。たいていは湯船に浸かっている客よりまわりでトドっている客のほうが多いので、浴室内はよけいにごったがえしています。
暗めの浴場に木造り4-5人の湯船がひとつ。手前が木板底、奥の一角だけが岩盤底になっていて、岩盤の割れ目から熱めの源泉が湧出しています。
女湯のほうが湧出量が多いという説がありますが、男湯でもそれなりの湧出量があります。
【写真 上(左)】 浴槽-1
【写真 下(右)】 浴槽-2
お湯は全体にかなり熱めで、とくに奥の岩盤部分は熱く、優に45℃はあるかと思います。
ここは頭の上に木板がせりだしていて、そこにからだをはめこむようにして入るのですが、一番人気で混雑時はなかなか入れません。
たまにホース加水でぬるくなっているときもあります。
ここは熱湯や濃厚な源泉を楽しみにくる人も多いので、なるべくホース加水しないで入るのがマナーかと・・・。
青灰色にささにごったお湯に黒い浮遊物。
味不明、しぶ焦げイオウ臭にかなり強めのアブラ臭がまじります。
このアブラ臭はかなり重たいもので、なんとなく新潟の「新津温泉」を思い浮かべました。
酸性泉系のヌルヌルにメタけい酸系の強いとろみをまじえた独特な湯ざわり。
やたらと強い浴感のうえに熱湯で温まりも強いので長湯はきびしく、その上あとを曳くお湯なのでついついトドと化してしまいます(^^;)
湯質といい、雰囲気といい、やはり塩原屈指の名湯で、運よく空いていれば最高の湯浴みを楽しめるすばらしい共同浴場だと思います。
酸性・含硫黄-Al-硫酸塩温泉(硫化水素型) 59.2℃、pH=2.4、自然湧出(湧出量不明)、成分総計=1792mg/kg、H^+=4.0mg/kg、Na^+=40.8、Ca^2+=79.1、Mg^2+=31.4、Al^3+=90.0、Fe^2+=8.2、Cl^-=6.5、HSO_4^-=136.3、SO_4^2-=1016.6、陽イオン計=265.7、陰イオン計=1159.6、メタけい酸=327.6、硫化水素=36.3 <H5.7.20分析> (源泉名:むじなの湯)
○ 一郷一会100名湯 (記事 by takayamaさん)
〔 2009年5月29日レポ (2006年12月 他 何度か入湯) 〕
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■ 湯河原温泉 「伊豆屋旅館」 〔 Pick Up温泉 〕
<湯河原温泉(温泉場)「伊豆屋旅館」> (神奈川県足柄下郡湯河原町宮上615、9:00~18:00?(時間確認要)、1,000円、0465-62-3151)
紹介HP(じゃらんnet)
紹介HP(神奈川の温泉宿/求人ジャーナルネット)
湯河原温泉の中心、”温泉場”にある自家源泉をもつ老舗和風旅館。
温泉場の目抜き通りは、かつてバスが走っていたのが信じられないほど狭いうえに、この宿のPもはっきりわかりません。
で、万葉公園あたりのPに停めて、散策がてら歩いていくのがベターかと。
【写真 上(左)】 風格ある玄関-1
【写真 下(右)】 風格ある玄関-2
重厚な破風屋根が印象ぶかい純和風の旅館で、左手に階段を配した広い帳場も風格あふれるもの。
外観の敷居の高さからすると、とても日帰り入浴できそうにないですが、10時すぎにTELもせずに行ったのに入浴OK。
さすがに豊富な自家源泉をかけ流す老舗です。
【写真 上(左)】 落ちついた和風の館内
【写真 下(右)】 泉源?
浴場は男女別の内湯と混浴露天がありますが、混浴露天が空いていたのでこちらに案内してくれました。
入り組んだ館内、廊下を抜けて露天風呂に向かいます。
年季の入った建物ですが館内は見事にメンテされていていごこちがよさそう。老舗温泉宿の風情にあふれています。
【写真 上(左)】 小粋なつくりの脱衣所
【写真 下(右)】 露天
廊下を渡って(たしか)階段をのぼったところに露天があります。
総木造のこぢんまりとした男女別の脱衣所は、造作がほどこされ趣のあるもの。
その向こうに広い露天が鎮座しています。
脱衣所から露天下の階段をおりたところに泉源らしきものがあって、シュボシュボという湧出音?と湯気をあげています。
【写真 上(左)】 見上げると竹林
【写真 下(右)】 露天から脱衣所
山の斜面の下、うっそうとした竹林にかこまれ、暗めながら落ちついた雰囲気のあるいい露天です。
水カランのみ、シャンプーあり、シャワー・ドライヤーなし。土曜10時で贅沢にも独占でした。
数十人は入れるおおぶりの露天は石枠タイル貼りの屋根なしで、手前左手が浅く、半身浴&寝湯ができるようになっています。
水色のタイル細工のでき映えは芸術的なもので、ふち石のまわりは湯河原お約束の石膏の析出で白く色づいています。
【写真 上(左)】 湯口
【写真 下(右)】 寝湯?
塩ビパイプからゲキ熱湯を30L/minほども投入でオーバーフロー、槽内注排湯はなくかけ流しでしょう。
当然、湯口そばはかなりの熱湯、はなれるとだんだんに温くなり、位置で好みの湯温を選ぶことができます。温くなるといっても、いちばん湯口から遠いところでもかなりの湯温が保たれています。
ふつう、これだけの広さの露天だと、全体の湯温を保とうとすると湯口そばは熱くて入れないくらいになりますが、ここは湯口そばでもなんとか入れます。
よほど温度もちのいい泉質か、槽内の湯まわしのよい浴槽なのだと思います。
無色透明のお湯にはうす茶の湯の花がうかび、湯中の指先が硫酸塩で青白く発光しています。
石膏芒硝塩味にほこほことした石膏臭。
キシキシとヌルすべが入りまじる湯ざわりで、かなりのとろみもあるので加水はあってもすくないと思います。
おだやかでやさしいイメージながら、じつは力のこもったお湯で温まりも強く、苦もなく水カランを浴びられます。
派手さはないものの、いかにも湯河原らしい、しみじみといいお湯で格調の高さが感じられるもの。
歴史ある湯場にいくと、番号の古い源泉のお湯のよさにはっとさせられることがありますが、ここもそう。湯河原7号泉はダテではありません。
しずかな露天で湧きたての自家源泉がさわさわとかけ流されていきます。
いまごろ、「ままねの湯」は浴客でいっぱいでしょう。それにひきかえ、こんな贅沢な露天を独占とは・・・。
【写真 上(左)】 内湯
【写真 下(右)】 個室風呂
露天のほかに、内湯(ラッキー風呂 ^^; )と個室風呂もあります。
誰もいなかったので、見学させてもらいました。
すべて老舗旅館ならではの雰囲気あふれるつくりで、露天と同じ源泉を露天と同様の湯づかいでつかっています。
なお、日帰り入浴は露天か内湯どちらかで、いずれも1時間程度のようです。
【写真 上(左)】 男湯
【写真 下(右)】 女湯
お湯といい、雰囲気といい、料金1,000円とはいえ、それだけの価値のある日帰り入浴だと思いました。
Na・Ca-塩化物・硫酸塩泉 66.8℃、pH=8.2、湧出量不明、成分総計=1424mg/kg、Na^+=323mg/kg、Ca^2+=113、Cl^-=393、SO_4^2-=408、メタけい酸=87.1、メタほう酸=5.90 <H7.7.21分析> (源泉名:湯河原町 温第7号泉)
<温泉利用掲示> 加水:あり 加温:なし 循環装置等の使用:なし 消毒処理:なし
〔 2009年5月25日レポ(2008年11月入浴) 〕
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■ 四万温泉 「積善館本館」 〔 Pick Up温泉 〕
<四万温泉(新湯)「積善館本館」> (群馬県吾妻郡中之条町四万温泉、10:00~17:00、1,000円/4h、0279-64-2101)
オフィシャルHP
創業元禄七年の四万を代表する老舗宿。
湯量豊富な老舗らしく多彩な浴場をもっていますが、日帰りで入れるのは、「元禄の湯」と混浴「岩風呂」です。(大広間での休憩も可。)
アプローチはせまく建物そばにはPもないので、新湯手前の四万川沿いの共同Pに停め、散策がてら歩いていくのがベターです。
新湯川にかかる赤い橋を渡ってのアプローチは、老舗の温泉地らしい風情にあふれています。
【写真 上(左)】 橋の手前にある旧本館
【写真 下(右)】 橋から浴場棟
【写真 上(左)】 浴場棟外観
【写真 下(右)】 玄関
風格ある純和風の木造建物で、重厚な玄関の奥に帳場。
帳場のすぐよこ、新湯川に面して別棟の浴場「元禄の湯」。
そのよこには飲泉所もあります。
【写真 上(左)】 帳場
【写真 下(右)】 格調高い館内
【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 飲泉所
浴場の扉を開けると、いきなり脱衣所と一体の大浴場が眼前に展開します。
(貴重品預りもロッカーもないので、貴重品の持ち込み要注意)
【写真 上(左)】 浴場-1
【写真 下(右)】 浴場-2
アールデコ調の半円窓、白壁のレトロなつくりは国登録文化財の貫禄十分。
窓が開け放たれ天井も高いので、風とおしがよく居ごこちは抜群。
新湯川の澄みきった清流に面し、高く瀬音がきこえます。
【写真 上(左)】 雰囲気あふれる浴場
【写真 下(右)】 レトロな外窓
温泉熱を利用した蒸湯は1人用で、強烈に蒸すので早々に退散。
脱衣所の床も温泉熱利用の床暖房とのことであたたかいです。
建物見物にくる人はやたら多いですが、入浴する人は意外に少なく土曜15時で超贅沢にも独占~2人。
浴槽は中浴槽(石造4人)×1と小浴槽(同 2人)×4の計5でどれも熱め。
ほかに壁側に蒸湯×2。
シャワー+カラン1。シャンプーあり、ドライヤーなし。
【写真 上(左)】 浴場から脱衣所
【写真 下(右)】 蒸湯
全ての浴槽は底面からの注湯で、浴槽のふちからさわさわとあふれ出ています。
石膏&緑青で緑白色に変色した浴槽カランからは高温の源泉が出ます。
すこぶる入り心地のよい浴槽は文句なしのかけ流しで、入るたびに大量のオ―バ―フロ―はなんとも贅沢。
【写真 上(左)】 石膏&緑青まみれの湯口
【写真 下(右)】 ざんざこのオーバーフロー
澄み切った無色透明のお湯には、微塩味石膏味と石膏臭、硫酸塩泉特有のきしきしとした湯ざわりにとろみをまじえる質感の高いお湯。
やさしい湯ざわりながら、思いのほか湯疲れ感が出るのはさすが硫酸塩泉。
浴後はとても温まりますが、すぐに充実した爽快感が出てきます。
【写真 上(左)】 水槽
【写真 下(右)】 泉源?
川側の窓の下にはめ込まれた水槽で泳いでいる、金魚たちと遊びながら川風に吹かれるゆったりとした時間。
雰囲気もお湯も申し分なく、法師や沢渡まるほんと並ぶ上州屈指の癒し系浴場としておすすめです。
含砒素-Na・Ca-塩化物・硫酸塩泉 78℃、pH・湧出量不明、成分総計=2143.383mg/kg、Na^+=480.0mg/kg (65.96mval%)、Ca^2+=179.0 (28.22)、Fe^2+=0.18、Cl^-=754.9 (69.68)、SO_4^2-=385.0 (26.23)、陽イオン計=728.383 (31.655mval)、陰イオン計=1216.2 (30.559mval)、メタほう酸=135.5、遊離炭酸=19.8、砒素=1.57 <S54.4.11分析> (源泉名:明治の湯)
「積善館の源泉は、自家所有温泉(自然湧出泉)です。本館の赤い橋の下を流れる新湯川(あらゆがわ)という川の川底にあります。場所は橋から100メートルぐらい上流です。水面からは見えないのですが、川底にコンクリートの部屋があり温泉をためています。そこから湧き出す温泉の量は毎分約900リットルを超えます。(中略)源泉の温度が高いため、熱交換・冷却加水・自然冷却等をし、適温にまでさまして、全てのお風呂に注ぎ込んでいます。特に元禄の湯は、源泉そのものを加水せずに冷却し、もとの源泉に混ぜることによって温度を適温にしています。(以下略)」(オフィシャルHPより)
〔 2002年11月30日レポに加筆修正・画像補強 〕
※この浴場は現在撮影禁止になっています。当レポの画像はすべて2002年11月撮影のものです。
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■ 四万温泉 「河原の湯」 〔 Pick Up温泉 〕
<四万温泉(新湯)「河原の湯」> (群馬県吾妻郡中之条町四万温泉、9:00~15:00(外来者入浴可能時間)、原則無休、寸志、0279-64-2321(四万温泉協会))
紹介ページ(四万温泉協会)
「四万の病悩を治する霊泉」とうたわれる上州の名湯、四万(しま)温泉。
四万の中心、新湯地区、四万川の河原にある共同浴場はその名も「河原の湯」。
四万川支流新湯川に架かる萩橋のたもとににどっしりと構える外観は存在感を放ち、橋のうえから撮影する観光客もちらほら。
【写真 上(左)】 下流から遠望(背景は四万グランドホテル)
【写真 下(右)】 案内板
地区の共同浴場ですが、9:00~15:00は好意で外来者へも開放されています。
橋を渡りすぐ右手の階段をおりてのアプローチ。左が男湯、右手奥が女湯。
「河原の湯」の屋上は休憩所になっていてベンチもあります。
また、建物前の河原には泉源らしきものがあります。
【写真 上(左)】 泉源?
【写真 下(右)】 泉源?と祠
入ってすぐが脱衣所。かなりせまくて、これをみただけで入浴をあきらめる観光客もいるほど。
入口わきに善意の箱(清掃協力金)があるので、ここに寸志を入れるのがマナー。
【写真 上(左)】 橋の上から
【写真 下(右)】 善意の箱
浴場の扉をあけると数段ひくく石造3-4人の端正な浴槽。天井高く湯気抜き、浴槽の奥は岩盤の趣ある浴場です。
カラン(水のみ?)あり、シャワー・シャンプー・ドライヤーなし。
ここはけっこう人気があって、入浴時間も限られているので、コンスタントに入浴客がいます。わりに空いている午前中が狙い目かと。
鉄分で赤茶に色づいた石の湯口から40L/minほども熱湯を大量投入で、別に岩盤の下から湧き出る(自然湧出?)お湯をこちらも赤茶に色づいた流路から少量投入。
湯口そばには舛がおいてあります。
両方ともかなり熱いので、ふつうは浴槽よこのカランから水(山の水か水道水のどちらか)を投入し温度調整しています。
槽内注排湯はみあたらず、ざんざこオーバーフローのかけ流し。
このかけ流し量は四万でも屈指でしょう。
【写真 上(左)】 湯口
【写真 下(右)】 ざんざこオーバーフロー
ほぼ無色透明のお湯は、金気味+石膏味+微塩味。金気臭+石膏臭+焦げ臭の複雑な味臭。
四万らしい硫酸塩まじりの食塩泉ですが、四万のほかのお湯にくらべ鉄分が多いのが特徴で、味臭も鉄分が存在を主張したものになっています。
きもちとろみがあり、弱きしきしと弱ヌルすべがいりまじる絶妙な湯ざわりで、どちらかというと硬めでハードな力強い浴感。
いかにも四万らしいビシっとした熱湯で、鉄分のパワーも加わってつよい温まりがあります。夏場は水でからだを冷やしながら入らないとかなりきついです。
水を浴びても長湯できないし、長湯するお湯でもないと思います。
四万で湯めぐりをしていて、ビシっと変化がほしくなったときについつい入りにきてしまうインパクトのあるお湯で、名湯ぞろいの四万でもおすすめの1湯です。
Na・Ca-塩化物・硫酸塩温泉 53.7℃、pH=6.6、湧出量不明、蒸発残留物=1.76g/kg、Na^+=355mg/kg、Ca^2+=144、Fe^2+=0.03、Cl^-=573、SO_4^2-=372、HCO_3^-=45.8、陽イオン計=545.23、陰イオン計=991.54、メタけい酸=119 <H2.7.13分析> (源泉名:四万温泉 河原の湯)
<温泉利用掲示> 加水:あり 加温:なし 循環ろ過:なし 消毒:なし
○ 一郷一会100名湯(記事 by よしかさん)
〔 2009年5月18日レポ(2006年から数回入湯) 〕
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■ やぶ塚温泉 「湯元 藪塚館」 〔 Pick Up温泉 〕
<やぶ塚温泉「湯元 藪塚館」>(群馬県太田市(旧 藪塚本町)薮塚211、11:00~16:00?(時間要問合せ/要予約)、800円、0277-78-2518)
紹介HP(求人ジャーナル社「群馬の温泉宿」)
東毛の古湯、やぶ塚温泉にある創業80余年の老舗宿。
メイン道路からやや奥まった16室のこの湯宿は、玄関の前景にかたちのいい松を配した和風のつくりで老舗らしい落ちつきがあります。
【写真 上(左)】 帳場
【写真 下(右)】 タイル貼りの渋い洗面所
要予約ということを知らずに突入。玄関で声をかけるも反応なし。
車にもどって携帯からTELするとつながって入浴OK。日帰り客のすくない宿だとこういうことがよくあります。
【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 いい味を出しています
廊下の奥に男女別の浴室、手前が女湯、奥が男湯。となりあっていて上部が開放されているので声がとおります。
タイル貼4.5人の舟形浴槽(女湯はひとまわり小さい)ひとつとシンプル。
壁面のタイル画がいい味をだしていて、浴槽まわりには少量ながら石灰華も出ています。
【写真 上(左)】 男湯
【写真 下(右)】 女湯
【写真 上(左)】 男湯の浴槽
【写真 下(右)】 女湯の浴槽
岩の湯口から熱湯を投入でオーバーフローなしで側面吸湯の循環仕様。
手前にカランがあり捻ると冷水が出ます。これは味臭からして源泉かと思います。
カラン3、シャワー・シャンプーあり、ドライヤーなし。3つあるカランのうち一番奥のは源泉かもしれません。土曜11時で男女湯とも独占でした。
【写真 上(左)】 男湯の湯口
【写真 下(右)】 女湯の湯口
ほぼ適温のお湯はやや茶色がかった透明で茶色の湯の花と細かな気泡が舞っています。湯底には茶色の沈殿物がうっすらとつもっています。
鉄サビ味+あぶらっぽい味+微重曹味に鉄サビ臭+ガス系の特有な臭い+僅微イオウ臭+微アンモニア臭のデリケートな味臭。
塩素系薬剤の投入がなく源泉のよさが残っているのがなにより。
重曹系のツルすべと金気のギシギシが入り混じる複雑な湯ざわりで、かなり強い温まりがあります。
【写真 上(左)】 源泉?カラン
【写真 下(右)】 湯色
正直いってやぶ塚のお湯にあまり期待はしていませんでしたが、いい意味で予想を裏切る入り応えのあるお湯でした。
【写真 上(左)】 浴槽まわりの石灰華
【写真 下(右)】 お約束のケロリン桶
冷鉱泉の湧かし湯なので、原則要予約です。
湯巡りではなかなかいかないエリアですが、スペック以上に個性の感じられるお湯なので、近くにいったときには攻めてみるのもいいかも。
なお、このお宿は野鳥料理で有名ですが、食事つき日帰りプランがあるかどうかは不明です。
規定泉(メタけい酸)(Na-HCO3型) 16.3℃、pH=7.3、湧出量不明、成分総計=0.45638g/kg)、Na^+=70.6mg/kg、Mg^2+=48、Ca^2+=21.2、Fe^2+=0.72、Cl^-=18.0、SO_4^2-=52.3、HCO_3^-=189、メタけい酸=86.2 <H2.2.9分析> (源泉名:藪塚温泉)
※「藪塚館の湯」ともいわれる自家源泉です。
<温泉利用掲示> 加水:なし 加温:あり 循環ろ過:あり 消毒処理:なし
〔 2009年5月14日レポ(2006年12月11日レポに追補) 〕
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■ 鹿教湯(かけゆ)温泉 「町・高梨共同浴場」 〔 Pick Up温泉 〕
<鹿教湯(かけゆ)温泉「町・高梨共同浴場」> (長野県上田市(旧 丸子町)西内885-1、7:00頃~21:00頃、原則無休、200円、0268-44-2331(鹿教湯温泉観光協会))
紹介ページ(鹿教湯温泉旅館協同組合)
信州上田から西側に広がる盆地を塩田平といいます。
数々の史跡が点在するこの地は”信州の鎌倉”ともいわれ、多くの観光客を集めています。
塩田平にある別所、北側の浦野川沿いにある田沢、沓掛、そして南側にひと山こえた内村川沿いの鹿教湯、大塩、霊泉寺などの温泉は、塩田平の観光拠点だけでなく、お湯のよさから温泉好きにも広く知られています。
鹿教湯、大塩、霊泉寺は旧丸子町にあるため丸子温泉郷といわれ、なかでも規模の大きいのが鹿教湯温泉です。
鹿教湯の共同浴場は「文殊の湯」が有名ですが、温泉街の入口にあるこの浴場は、お湯のよさと通受けするたたずまいから温泉好きに人気があります。
この共同浴場は町・高梨(まち・たかなし)地区にあるのでその名前がついていますが、最新の鹿教湯温泉旅館協同組合の公式HPでは「まちの共同浴場」と紹介されています。
【写真 上(左)】 温泉街
【写真 下(右)】 外観
コンクリ造の建物、飾り気のないタイル貼の浴場に6人くらいの水色タイル貼浴槽ひとつとシンプル。
石膏の析出の出たライオンの湯口から投入、槽内注排湯はみあたらず、切欠からの上面排湯はかけ流しでしょう。
カラン2、シャワー・シャンプー・ドライヤーなし。土曜13時で3名~独占。
【写真 上(左)】 入口
【写真 下(右)】 浴室
無色透明のお湯にはこまかな白い浮遊物とこまかな気泡が舞っていて、湯口のそばでは少量ながらアワつきもあります。
ほこほことした石膏味にやわらかな石膏臭。きもち甘い香りがまじりますが、これが石膏臭によるものかイオウによるものかは判別できず。
【写真 上(左)】 湯口
【写真 下(右)】 湯色
味臭はおだやかですが、きしきしの裏にけっこう硬めの湯ざわりがあり、予想以上に力感のあるお湯なので長湯注意。硫酸塩泉系のあたたまりもかなりのものです。
石膏だけでなく、塩分や重曹が裏で微妙にきいているデリケートなお湯で、これが浴感に奥ぶかさを加えているのかもしれません。
実際、霊泉寺のお湯にくらべると塩分や重曹の構成比が高くなっています。
スペック的にはなんということもないお湯ですが、力づよさとデリケートな浴感を兼ね備えたお湯は、やはり丸子温泉郷を代表する名湯だと思います。
なお、地元の方優先の共同浴場なので、入浴にあたっては十分な配慮が必要です。
単純温泉(Ca・Na-SO4型) 47.9℃、pH=7.87、湧出量不明、蒸発残留物=495mg/kg、Na^+=79.1mg/kg、Ca^2+=66.5、Cl^-=50.9、SO_4^2-=236.2、HCO_3^-=31.3 <H5.1.25分析> (源泉名:鹿教湯2.3.4.5.6号混合泉源泉(集中管理・共同配湯))
■鹿教湯の他の施設(「天竜閣」をのぞく)とおなじく集中管理・共同配湯泉をつかっています。なお、5号泉は大塩温泉からの引湯という情報もありますが詳細不明。
○ 一郷一会100名湯(記事 by takayamaさん)
〔 2009年5月13日レポ(2005年10月入湯) 〕
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■ 仙石原温泉(大湧谷造成泉) 「万寿屋」 〔 Pick Up温泉 〕
<仙石原温泉(大湧谷造成泉)「万寿屋」> (神奈川県箱根町仙石原160、10:00~16:00(時間要問合せ)、700円、0460-84-8057)
オフィシャルHP
仙石原にある大湧谷造成泉をつかう湯宿。
日帰り可で湯づかいがいいという情報があったのでいってみました。
場所は、R138「仙石原」T字路を強羅方面(ラリック美術館のほう)へ入り、早川にかかる大川橋手前の細い路地を左折し、さらに道なりに左折したすぐ左手(→このあたり)。民家風で目立たないので要注意。Pは数台分あります。
【写真 上(左)】 小浴室
【写真 下(右)】 大浴室
8室のこぢんまりとした湯宿で、玄関で声をかけると人あたりのいいご主人がでてきました。
浴室は大小がとなりあってふたつ。この日は女性客の団体が入っていたので、手前の小のほうの貸切となりました。(どうやら貸切が基本のようです)
脱衣所・浴室ともにこぢんまり。浴室の外はうっそうとした竹林で暗めですが、それがかえって落ちついた雰囲気を出しています。
【写真 上(左)】 小浴室の浴槽
【写真 下(右)】 小浴室の浴槽の湯口
浴槽は赤みかげ石造2人のこぶりなもの。クリーム色の析出のでた赤みかげ石の湯口から数L/minの絞り投入で切欠からの上面排湯。
投入量はさして多くないものの、浴槽がちいさいのでお湯の回転はかなり早いです。
カラン1、シャワー・シャンプーあり、ドライヤーなし。日曜16時で貸切。
【写真 上(左)】 湯口の析出
【写真 下(右)】 入るとかなりのオーバーフロー
やや熱めのお湯は透明度20cmの乳白色にごり湯で、クリーム色の湯の花が盛大に舞っています。
濃厚なレモン味+弱甘味+微苦味+渋&収斂味。しぶ焦げイオウ臭+焦げ臭+酸っぱい臭い。
【写真 上(左)】 湯色-1
【写真 下(右)】 湯色-2
濃度感ばっちりで酸性泉特有のぬるぬるも明瞭なのでたぶん非加水でしょう。染みてくるような浴感で温まりが強く、カランの冷水を浴びながらの温冷交互浴がすこぶる快感。
【写真 上(左)】 大浴室の浴槽
【写真 下(右)】 大浴室の浴槽の湯口
「花月園」でも感じたのですが、仙石原の大湧谷造成泉は、強羅あたりのそれにくらべるとまったりと熟成され、角がとれているようなイメージがあって個人的にはけっこう好み。
このお湯を、かけ流しの貸切でしっぽりと味わえる穴場の湯宿だと思います。
箱根温泉供給(株) 供給温泉(大湧谷温泉) 湧出形態:造成温泉
酸性-Ca・Mg-硫酸塩・塩化物泉 64.7℃、pH=2.9、成分総計=1013mg/kg、H^+=1.27、Na^+=43.1mg/kg、Mg^2+=39.0、Ca^2+=104、Fe^2+=7.07、Al^3+=5.66、Cl^-=124、SO_4^2-=447、HSO_4^-=18.6、陽イオン計=206、陰イオン計=590、メタけい酸=213 <H11.9.17分析>
<温泉利用掲示> 加水:なし 加温:なし 循環装置等の使用:なし 消毒処理:なし
別に仙石原温泉の分析書が掲示されていたので、参考までに・・・
仙石原温泉(第2.3号泉)
石膏泉 69.6℃、pH=3.10、成分総計=1527mg/kg、H^+=0.800、Na^+=80.5mg/kg、Mg^2+=44.9、Ca^2+=182、Fe^2+=18.6、Al^3+=16.0、Cl^-=42.61、SO_4^2-=882、HSO_4^-=18.8、陽イオン計=356、陰イオン計=944、メタけい酸=227.1 <S44.10.29決定>
〔 2007年11月27日レポに加筆・画像追加 〕
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■ やしお温泉 「恩沢の湯」 〔 Pick Up温泉 〕
<やしお温泉「恩沢の湯」>(栃木県那須塩原市(旧 塩原町)上横林404-140、9:00~20:00、木休、500円(土日祝600円)/1回入浴、0287-35-2220)
紹介ページ(MAPPLE観光ガイド)
ここはず~とむかしにミニレポ(下記)していますが、先日再訪、お湯のよさを再認識したのでレポします。
【写真 上(左)】 右折分岐の看板
【写真 下(右)】 アプローチ
場所はえらくわかりにくいです。
県道259を北上し、東北道のガードをくぐって1kmほどいった看板を斜め左に入ります。
しばらく走った看板のあるY字路を斜め右の未舗装路に入り、すこし走るとちいさな右折の案内看板があるのでそれを折れてジャリ道を走ってすぐ(→ここ)。
夜の初訪はかなりきびしいかも・・・。
Pはひろびろ、よこに泉源らしき櫓が立っています。
【写真 上(左)】 玄関
【写真 下(右)】 泉源?
那須野が原の一画、「塩原温泉カントリーキャンプ」に併設されている浴場です。
キャンプ場のセンターハウスで、物腰やわらかな受付のお姉さまに料金を払いました。
ロビーに面して手前が女湯、奥が男湯。
脱衣所は殺風景ながら広々としてつかい勝手のいいもの。
【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 浴場
浴場は手前の内湯(黒みかげ石枠タイル貼12人位、深めで入りごこちよし)と奥に広い露天。
【写真 上(左)】 露天
【写真 下(右)】 高温槽と手前が中温槽
露天はコンクリ造で温度のことなる3槽に仕切られています。(高-40℃位(7-8人、屋根付)、中-38℃位(3人)、低-36℃位(20人以上))
露天のまわりは一面の林、無造作なブロック塀で囲まれているものの、開放感はあります。
カラン4、シャワーあり、シャンプー・ドライヤーなし。土曜10時で独占~2人とゲキ空き。
【写真 上(左)】 内湯
【写真 下(右)】 内湯の湯口
浴室に入ったとたんに、独特の高貴系(^^)モール臭が出迎えてくれます。
内湯は底面から湯面が盛り上がるほどの大量注入で、全量をざこざこにオーバーフロー。
ここは42~43℃の熱湯です。
露天は金属パイプから高温槽にゲキ熱源泉を注入で各槽への流し出し。たぶん全量を切欠からの流し出し。
【写真 上(左)】 内湯の湯色
【写真 下(右)】 露天の湯色
お湯は内湯と露天でほぼ同じイメージ。
きれいな紅茶色透明のお湯にはうす茶の浮遊物がわずかに浮かびます。湯口そばではこまかな気泡がただよい、内湯 > 高温槽 > 中温槽の順でアワつきがあります。
味不明(湯口ゲキ熱で味見できず ^^; )、えもいわれぬ高貴なモール臭が湯面からも芳醇に香ります。
(以前のレポで”石油臭”と表現していますが、あきらかにモール臭です。そのころは未熟で濃厚モールとアブラの嗅ぎわけができなかったか、泉質がかわったかのいずれかでしょうが、たぶん前者でしょう(^^;;) )
【写真 上(左)】 露天高温槽の湯口
【写真 下(右)】 高温槽から低温槽
重曹系のツルすべにアワつきのぬるが加わるかなりのヌル(ツル)すべ湯ですが、SO_4^2-が効いているためか、どこか奥ぶかい浴感があります。
お湯の鮮度が高く温まりが強いですが、浴後爽快感と適度な湯づかれがでて、あとを曳きまくる上質なお湯です。
モール臭もさることながら、軽い浴感なのに妙にフックを秘めているお湯は、やはり那須野が原屈指の名湯だと思います。
Na-塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉 59.0℃、pH=8.8、成分総計=1218mg/kg、Na^+ =352.3、F^-=25.7、Cl^-=222.0、SO_4^2-=171.9、HCO_3^-=251.6、CO_3^2-=29.8、陽イオン計=360.6、陰イオン計=701.2、メタけい酸=122.3、メタほう酸=34.0 <H3.7.25分析> (源泉名:恩沢の湯)
「当施設では、健康への影響が懸念されている循環器を使用しておりません。100%天然温泉です。」(館内掲示より)
■ここは「一郷一会・関東周辺100名湯プロジェクト」で、以前100名湯入りしていたお湯(記事 by takayamaさん)です。(お湯が悪くなったのではなく、さらに強力なお湯がリストされたため泣く泣くリスト外へ・・・。)
〔 2007年11月6日レポに加筆 〕
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〔 2001年11月13日レポ 〕
那須野ケ原の一画、奥まったキャンプ場内にあり、内風呂と露天のシンプルな構成。
露天は3つに仕切られ、それぞれ温度が違います。
高-44度位:すごく熱い、中-41度位:適温、低-37度位:一番広くて30人は入れるが冬場はキツイかも・・・。
周囲は一面の林ですが、露天まわりはブロック塀で囲まれておりちょっと残念。
日曜12時で男湯4~6人とすいてました。
お湯は薄茶色透明で弱石油臭。群馬の渋川温泉(スカイテルメ)と同系ですがやや弱いです。
かなりのツルすべ感あり。
内湯は底から注湯されており、露天よりオーバーフロー量も多くより新鮮な感じです。
とても温まるいいお湯でした。
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■ 鹿沢温泉 「紅葉館」 〔 Pick Up温泉 〕
<鹿沢温泉「紅葉館」> (群馬県吾妻郡嬬恋村大字田代681 、10:00~16:00(要問合せ)、500円、0279-98-0421)
オフィシャルHP
元禄年間からの歴史をもつ上州の名湯。
かつては外湯もあって湯治場として賑わったようですが大正七年の大火で消失し、いまは「紅葉館」のみの一軒宿(「日本秘湯を守る会」会員宿)となっています。
下の新鹿沢温泉には多くの宿があって、鹿沢温泉からの引湯とされていますが実態はナゾ。
かつては信州方面からの湯治客が多く、信州の滋野から地蔵峠を越える道端に観音像がおかれて、「紅葉館」でちょうど百番を数えます。ふるくから登山基地として知られ「雪山賛歌」誕生の地ともいわれています。
【写真 上(左)】 玄関
【写真 下(右)】 年季入った木造の建物
【写真 上(左)】 温泉犬
【写真 下(右)】 帳場前
「紅葉館」は、明治二年(1869年)創業の老舗宿。
玄関は県道沿いですが、館内は別世界。重厚な調度類、ぎしぎしと音をたてる狭い廊下、木枠のガラス窓など湯宿の風情にあふれています。
階段を下っていく浴場へのアプローチや共同浴場のような渋い佇まいの脱衣所も好ましげで、なにもかにもがお湯への期待を高めてくれます。
【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 脱衣所
「雲井の湯」の額が掲げられた浴場は男女別。
窓は小さく場内は暗めですが、それがかえって風情を高めています。
木造り5-6人の年季入りまくりの湯船とそのよこに打たせ湯。
カランはなく、打たせ湯からお湯を汲みます。
【写真 上(左)】 打たせ湯-1
【写真 下(右)】 打たせ湯-2
打たせ湯のお湯は「龍宮の湯」といい、湯船とは別の35℃の源泉です。
その横には冷水槽があり冷たい水(湧水、6.2℃)が注がれています。
湯船の湯口のうえのファイヤーダンス?の壁画が不思議な雰囲気をかもし出しています。
岩からつき出た金属パイプから20L/minほどを投入で、槽内注排湯はなく、湯船ふちから静かにあふれ出る源泉かけ流し。
カランなし、シャワー・シャンプー・ドライヤーなし。土曜14時で独占~3人。
【写真 上(左)】 浴槽
【写真 下(右)】 壁画
適温のお湯は青緑味がかったうす茶色のうすにごりで、光線の加減で青や緑に変化します。金気味+弱苦味+α味(たぶん旨味だと思う/後日追補)、金気臭+焦げ臭にドクダミを思わせる特異な温泉臭がまじります。
【写真 上(左)】 湯口
【写真 下(右)】 湯色
弱いキシキシととろみのあるお湯は、肌に染み込んでくるような絶妙な浴感があってよくあたたまり、浴後は肌に張りがでて、焦げ系の残り香かおるすばらしいお湯。
(はじめて入ったこのとき(このレポ時)は、まだ青くて重炭酸土類泉の特徴をよくはつかんでいませんでしたが、やはり当時からはげしく好みのお湯だったようです(笑)。)
風情ある建物とふかみのあるお湯が見事に調和した屈指の名湯だと思います。
手入れはたいへんかと思いますが、このようなすばらしい宿をいつまでも続けていってほしいと思いました。
Mg・Na-炭酸水素塩泉 44.5℃、pH=7.0、37L/min自然湧出、成分総計=1.39g/kg、Na^+=127mg/kg (39.21mval%)、Mg^2+=69.8 (40.74)、Ca^2+=53.7 (18.99)、Fe^2+=1.62、Cl^-=35.6 (7.18)、HCO_3^-=790 (92.47)、陽イオン計=256 (14.1mval)、陰イオン計=827 (14.0mval)、メタけい酸=226、メタほう酸=6.0、遊離炭酸=79.7 <H9.10.31分析> (源泉名:雲井の湯)
<温泉利用掲示>
(HPより) 加水:なし 加温:なし 源泉かけ流し
(浴場入口の天然温泉利用証) 全項目適正(二重黒丸) 完全放流式 加水なし 加温なし
※ 予約すれば大阪、堂島の「喜庵」よりのれん分けした蕎麦処「上州喜庵 雨過山坊」で手打ち蕎麦を食べられるようです。
○ 元レポは「みしゅらん掲示板 特集クチコミ情報」でも紹介いただいています。
○ 一郷一会100名湯(takayamaさん)
〔 2009年5月1日UP (2003年11月入湯・レポに加筆・修正)〕
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■ 松之山温泉(鷹の湯) 「ひなの宿 千歳」 〔 Pick Up温泉 〕
<松之山温泉(鷹の湯)「ひなの宿 千歳」> (新潟県十日町市(旧 松之山町)松之山湯本49-1、10:00~15:00(時間要問合せ)、700円、025-596-2525)
■ オフィシャルHP
雪ぶかい越後、妻有の地に湧く松之山温泉は、新潟を代表する名湯です。
2004年2月、「千歳」に泊まったときのレポに追補&写真増強で再UPです。
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その後津南に戻り、豊原トンネルを抜けて松之山入りです。
天気は冬型に戻ったらしく、なまり色の空からはらはらと雪が降りはじめました。
今年はついに念願の「千歳」に泊まりました。
ここは松之山きっての高級宿でなかなか手が出ないのですが、ほっこり温泉案内所(じゃらん)で平日13,500円(1室2名)のプランがあったので予約しました。
【写真 上(左)】 松之山温泉入口
【写真 下(右)】 鬼瓦に雪
松之山を代表する老舗「千歳」は、「鷹の湯」のはす向かい、温泉街のほぼまん中にあります。
館内はさすがにゆったりとしていて、越後らしい端正な調度類が各所にあしらわれています。
【写真 上(左)】 館内のあしらい
【写真 下(右)】 地酒のメニュー
浴場は男女別の大浴場「ほんやらの湯」(内湯・露天)、男女交替制の露天「月見の湯」と貸切の古代檜家族風呂の4つ。もちろんすべて入りました。
【写真 上(左)】 内湯
【写真 下(右)】 内湯の湯口
<大浴場「ほんやらの湯」>
内湯(みかげ石枠石貼7-8人、適温)と露天(岩枠石貼3-4人、ぬるめ)の2槽。
内湯は石の湯口(飲泉用桝あり)から投入、槽内注入+底面吸湯があってオーバーフローはなくたぶん循環かと・・・(最新HPでは「新湯注入循環方式、塩素殺菌なしの紫外線殺菌」となっています)。
少しなまった感じのお湯で松之山臭も弱いです。
カラン8位、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
【写真 上(左)】 内湯
【写真 下(右)】 露天の湯口
露天は茶色+白に複雑に変色した岩の湯口から投入で、浴槽端の排湯口からの排湯。
お湯はぬるめに調整されていて長湯できますが、どうも松之山のぬる湯はしっくりときません。
【写真 上(左)】 豪雪に埋もれた月見の湯
【写真 下(右)】 月見の湯-1
<露天「月見の湯」>
「千歳」の名物風呂で男女交替制。
階段をのぼった檜舞台のようなところに木枠(側底面の仕上げは失念)の湯船が据えられています。
高台にありますが、目の前にうずたかく積みあがった雪のかべがあるので展望はききませんでした。
よこに桝が置いてある木の湯口から10L/min程度を投入で、槽内注排湯はなく端の切欠から流し出しの源泉かけ流しですが、浴槽の大きさのわりにかけ流し量が少ないのは残念。松之山の源泉はとても熱いので、加水しなければかけ流し量を絞らなくてはなりません。
湯口と浴槽のはしではかなりの温度差があり、湯もみ板も置いてありました。
【写真 上(左)】 月見の湯-2
【写真 下(右)】 月見の湯の湯口
お湯は青味がかったうす茶濁。
強鹹味+苦味の松之山味に墨を思わせる臭素&イオウがかったアブラ臭の松之山臭。
浴後も肌に松之山臭が残ってうれしくなります。
夕方と朝入りましたが、ぬるめの夕方にくらべて朝はビシッとくる熱さで鮮度感も高いすぐれもの。
瀟洒な佇まいのなか、名湯、松之山の湯を非加水かけ流しで味わえる贅沢な浴場だと思います。
<貸切古代檜風呂>
ここはノーマークでしたが、なんと源泉かけ流しの贅沢な風呂で、予約制ではないので空いていればいつでも入れます。
はやくも脱衣所から松之山臭が香り期待が高まります。
狭くて湯気のこもった浴室に古代檜枠石貼3-4人の浴槽がひとつ。目隠しがあって展望はききません。
カラン2、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
白いゼラチン状の湯の花の出た石の湯口から数L/minを投入で、槽内注排湯なしのオーバーフローは完璧なかけ流し。湯口はえらく熱いので非加水でしょう。
ややにごりのある(色不明)熱めのお湯には灰褐色の湯の花がたくさん。
ゲキ熱でさわれず味不明(^^;)ですが、たぶん強烈な鹹味+苦味でしょう。
オイリーな感じの強烈な松之山臭。
【写真 上(左)】 湯気もうもうの家族風呂
【写真 下(右)】 家族風呂の湯口
お湯の濃度感が半端じゃなく、攻めてくる感じの強烈な浴感。
浴室内にこもる松之山臭とあいまって、ヘロヘロになりとても長湯できません。
濃厚松之山湯におもわず悶絶 (^^; これは松之山でも最も凶暴なお湯では??
で、お湯のよさは、貸切 > 月見の湯 > 大浴場露天 > 同内湯 の順かと思います。
部屋は12畳+掘りごたつにウォシュレットWC付のゆったりとしたもの。
「山里会席料理」と銘打たれた料理みためも味もよく、越後お約束の地酒も豊富に取り揃えています。
小千谷市高の井酒造の「越の初梅」を選びました。
やはり旅館の格、お湯ともに一級品の松之山を代表する宿で、一度は泊まってみるのもいいかも・・・。
なお、日帰り入浴もできますが、絶品の貸切風呂に入れるかどうかは不明です。
<松之山温泉1号泉>
Na・Ca-塩化物温泉 84.0℃、pH=7.3、60L/min掘削自噴、成分総計=14.75g/kg、Na^+=3412mg/kg (58.20mval%)、Ca^2+=2013 (39.37)、Fe^2+=0.5、F^-=2.3、Cl^-=8656 (98.73)、Br^-=25.7、I^-=4.4、陽イオン計=5565 (255.0mval)、陰イオン計=8832 (247.3mval)、メタけい酸=79.3、メタほう酸=242.0、遊離炭酸=36.0 <S57.11.30分析>
<松之山温泉2号泉>
Na・Ca-塩化物温泉 92.4℃、pH=7.6、93L/min掘削自噴、成分総計=15.71g/kg、Na^+=3496mg/kg (57.65mval%)、Ca^2+=2097 (39.65)、Fe^2+=0.2、F^-=2.8、Cl^-=9367 (98.89)、Br^-=27.5、I^-=3.3、陽イオン計=5752 (263.6mval)、陰イオン計=9534 (267.1mval)、メタけい酸=67.6、メタほう酸=349.5、遊離炭酸=3.2 <S57.11.30分析>
*昨年泊まった「野本旅館」、一昨年泊まった「和泉屋」と同じデータです。
○ 元レポは「みしゅらん掲示板 特集クチコミ情報」でも紹介いただいています。
〔 2009年5月1日UP (2004年2月入湯・レポに加筆・修正)〕
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