関東周辺の温泉入湯レポや御朱印情報をご紹介しています。対象エリアは、関東、甲信越、東海、南東北。
関東温泉紀行 / 関東御朱印紀行
■ 箱根湯本温泉 「大和館」 〔 Pick Up温泉 〕
箱根湯本温泉 「大和館」
住 所 :神奈川県足柄下郡箱根町湯本655
電 話 :0460-85-5746
時 間 :10:00~(要時間確認)
料 金 :600円
■ 紹介ページ (楽天トラベル)
■ 紹介ページ (るるぶトラベル)
■ 紹介ページ (箱根温泉旅館協同組合)
■ 紹介ページ (神奈川の温泉宿248軒 /(株)求人ジャーナルHP)
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。
2006/06入湯(2006/07/18レポ/2009/12/21UP)後、一度入っていますが、2012/11の一郷一会のオフで全浴槽制覇したので、これを加えてリニューアルUPです。
箱根湯本温泉のハイライト、湯場(温泉場)への道すじは、「箱根湯本温泉郷」のアーチをくぐり、湯本橋を渡ると左手に自然薯蕎麦で有名な「はつ花」、正面に重厚な構えをみせる老舗「萬寿福」(入湯済未レポ)。
このあたりは湯本でもいちばん絵になるところです。
【写真 上(左)】 湯場(温泉場)地区入口
【写真 下(右)】 熊野神社参道 (2012年)
「萬寿福」前を右に折れると、右手にかの有名な「萬翠楼福住」。
ここからさらに進んで路地を抜けると、これから塔之沢にさしかかる国道1号(東海道)に戻るのですが、この路地には渋~い老舗宿がいくつかあります。
土曜の夕方、時間が空いたので攻めてみました。
【写真 上(左)】 熊野神社参道 (2006年)
【写真 下(右)】 発祥の地の石碑
まずは福住はす向かいの「住吉旅館」にいきましたが、あっさりと断られ、「やっぱり湯本の旅館で土曜夕方はマズいか?、湯蔵か和泉しかないか?」となかばあきらめながら突入すると、快く応じてくれました。しかも貸し切りOK。
今回(2012.11)も紅葉まっさかりの土曜午前中でしたが、快く入湯受け入れしていただけました。(またも貸し切りOK)
ちなみに「住吉旅館」は現在休業中のようです。
ここは老舗「萬翠楼 福住」のうら手にある湯宿で、由緒正しい湯場共同泉(湯本第7号・9号・41号混合泉)をつかっています。
このうち、熊野神社の下で湧く湯本第9号は「惣湯」とよばれ、箱根最古の源泉として知られています。
明治中期までの湯本の泉源はほとんどこの「惣湯」に頼っており、関係者19戸のあいだで「共有温泉盟約」という惣湯利用についての取り決めが交わされていました。
【写真 上(左)】 路地に面してひっそりとあります
【写真 下(右)】 大浴室
いまは素泊まり専門で営業しているここは江戸時代から続く老舗で、さして特徴のない外観ながらどことなく老舗宿特有の味があります。
なお、宿の袖看板は「大和旅館」でしたが「大和館」で載っている資料が多いのでここでも「大和館」とします。
浴室は大(2.3人)、中(1人)、小(1人)の3つあり、状況により貸し切りも可とのこと。
この日は大を貸し切りにしてくれました。(入館したときは3つとも空いていて、出るときは小に入浴客がいました。)
【大浴室】(2006/06入湯時レポ)
おくの突き当たりで脱衣所もいちばんたっぷりとしています。
扉を開けると、さほど広くない浴室には甘い石膏系の温泉臭が立ちこめています。
白壁のシンプルな浴室に青タイル貼の浴槽が映えて、いい味を出しています。
湯口はなく、底の孔から注入(41℃を10L/min程度か?)、浴槽ふちからさわさわとかけ流し、身を沈めるとザコザコあふれ出し内床が洪水状態になります。
カラン2、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
【写真 上(左)】 大浴場の浴槽
【写真 下(右)】 洪水状態の内床
絶妙なぬる湯は無色透明で、黒褐色の浮遊物がただよいます。
味不明で甘い石膏臭、とろみがあって、やわらかくやさしく包み込まれるようなすばらしい湯ざわり。
よく温まりますが、浴後は充実した爽快感とともに肌がしっとり落ちついて、石膏泉の味わいゆたか。
湯本はこのところけっこうまわりましたが、そのなかでも最上級のお湯かと思います。
【写真 上(左)】 中浴室
【写真 下(右)】 中浴室の浴槽
【中浴室】(2012/11入湯時レポ)
中間の浴室。脱衣所は広くなく、浴室の窓はちいさな高窓でやや暗め。
白いタイル貼の内床、白壁の浴室に石枠水色役物タイル仕立ての味のある浴槽は1人入れば一杯です。
奥のライオン湯口からのぬる湯少量投入と側面からの間欠熱湯注入で、槽内排湯なしのオーバーフローはかけ流しでしょう。
【写真 上(左)】 ライオンの湯口
【写真 下(右)】 石膏の析出
ライオン湯口のまわりには白い石膏の析出がでていました。
湯温は適温~ややぬるで変動。よわい芒硝石膏味に石膏臭。ライオン湯口のぬる湯は湯船のお湯よりとろみがつよくやわらかい感じがしました。
また、側面注入が止まっていたときは、湯温が下がりお湯がこころなしかやわらかくなるような感じがしました。
【写真 上(左)】 小浴室
【写真 下(右)】 小浴室の浴槽
【小浴室】(2012/11入湯時レポ)
いちばん帳場よりの浴室。小浴室といっても浴室は中浴室とさほどかわらない大きさです。
脱衣所は中よりもさらに狭いもの。浴室の窓はちいさいながら2面とられ、中浴室より明るい感じ。
浴室、浴槽の構成とも中浴室とさしてかわらないですが、こちらは投入湯口はなく、熱湯の側面注入のみ。
槽内排湯なくオーバーフローでこちらもかけ流しとみました。
ほぼ適温のお湯は味臭は中浴室に似ているものの、中浴室よりやや硬めの湯ざわりで、とろみもきもちよわく別源泉のようにも思えました。
【使用源泉について(推測)】
大浴室には2回入っていますが、最初に入ったとき(↑のレポ)はとろみがあって、やわらかくやさしく包み込まれるようなすばらしい湯ざわり。2回目は湯温が高くきもち硬質な感じの湯ざわりでした。
それと今回の浴感をふまえて、勝手に使用源泉を推測してみました。(ちがうかもしれません(笑))
「住吉旅館」での確認によると、湯場共同泉(湯本第7号・9号・41号混合泉)のうち、41号は単独配湯され、7号・9号は混合配湯されている可能性があります。
41号は54.5℃と高温なので、7号・9号混合泉(36.7℃)の加温用に量を加減してつかわれているのかも。
これでタイミングにより湯温と浴感が変わる説明がつきます。
ぬるめでやわらかくとろみもつよいのが7号・9号混合泉、高温でやわらかさ、とろみとも前者にきもち及ばないのが41号泉という前提とすると、
・大浴室は、41号単独と7号・9号混合の交互注入もしくは混合注入。
・中浴室は、ライオン湯口から7号・9号混合の投入で側面から41号の単独注入。
・小浴室は、41号の単独使用。(2012.11入湯時)
こんなところでどうでしょうか?
また加温用41号使用でやわらかさやとろみがよわまるとしたら、夏場のほうがお湯がやわらかくなる可能性も・・・。
ただ、悪モノっぽく書かれている(笑) 41号でも実力は相当なもので、7号・9号との差はさほどありません。(ちなみに住吉旅館のレポでは41号のほうがやわらかく、7号・9号の方が軽めで格調高く甲乙つけがたしと表現しています。それほど微妙な差です。ただ、個人的にはこのお湯はぬる湯でじっくり楽しみたいと思っています。)
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浴後、女将さんとすこし話をしました。(2006年)
お湯は熊野神社のよこから湧いていて、共同配湯なので他にも使っている旅館がある。
湯温は季節でかなり変動する。保健所などの指導をクリアするためにいろいろと手数がかかるが、消毒するとお湯がダメになってしまうので、なんとか非消毒のかけ流しをつづけている・・・。などなど。
たしかに、えらくデリケートなお湯なので、消毒したら1発でおじゃんではないかと・・・。
こんなすばらしいお湯に箱根、それも湯本で600円で入れるとはおどろき。台数は少ないながらPもあるので、温泉好きにはおすすめの一湯かと思います。
【写真 上(左)】 神湯源泉
【写真 下(右)】 「湯場共有温泉」(熊野神社境内)
浴後、涼みがてら熊野権現に詣でました。
参道脇には「神湯源泉」の扁額がかかった泉源施設らしきものがあり、傍らには「箱根温泉発祥之地」の石碑が建っていました。
なお、やませみさんの情報によるとこの神湯泉源地にあるのは9号(神湯)と41号(神湯新)。7号は平賀敬美術館の裏手にある横穴源泉のようです。
〔 源泉名:湯本第7.9.41号混合泉 〕 <H16.12.7分析>
アルカリ性単純温泉 36.0℃、pH=9.1、湧出量不明、成分総計=0.332g/kg、Na^+=83.1mg/kg、Cl^-=84.1、SO_4^2-=71.0、HCO_3^-=21.1、メタけい酸=40.1、メタほう酸=2.75
<参考>(住吉旅館)
〔 源泉名:湯本41号混合泉 〕 <H16.4.2分析>
アルカリ性単純温泉 54.5℃、pH=9.0、湧出量不明、成分総計=0.793g/kg、Na^+=231mg/kg、Ca^2+=28.6、Cl^-=288、SO_4^2-=151、HCO_3^-=33.0、メタけい酸=30.4、メタほう酸=12.0
〔 源泉名:湯本7.9号混合泉 〕 <H16.4.2分析>
アルカリ性単純温泉 36.7℃、pH=8.6、湧出量不明、成分総計=0.456g/kg、Na^+=108mg/kg、Ca^2+=23.8、Cl^-=123、SO_4^2-=105、HCO_3^-=32.1、メタけい酸=49.1、メタほう酸=4.99
○ 一郷一会100名湯
〔 2013/03/30改訂再UP (2012/11入湯 /2006/07/18レポ (2006/06入湯)) 〕
E139.6.9.570N35.13.42.080
【 BGM 】
ちとゴスペル系のやつを・・・。
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女神系歌姫_Part-2 【 Angel Voice列伝 】
※音楽関連記事は序々に別ブログ「C's-music」に移行します。動画更新などはそちらでおこないますので、そちらをみてね。( → この記事)
「女神系歌姫」(Angel Voice列伝)の第2弾です。
第1弾はこちら。
※ 女神系歌姫とは? →こちら
01.西野カナ - By Your side ft. WISE
この分野でもっともメジャーな1人。安定したハイトーンヴォイスをもつ実力派で佳曲を多数もつ。
こういったArtistがふつうに売れるのはいまのJ-POPのレベルの高さの証明か?
人気抜群で、こういう存在が次世代の才能を育てるのだと思う。
02.霜月はるか - Ruri no Tori
同人系のマルチArtistで作詞・作曲、編曲も多才にこなす。
PCゲーム系の作品が多く、プログレ的な複雑な曲調にやわらかでフェミニンなヴォーカルを乗せる。
03.KOKIA - 大丈夫 だいじょうぶ
国際的に幅広い分野で活動する個性派Artist。クラシックをベースにもち(公式Web)、クラシカルかつメッセージ性の高い佳曲を多数もつ。
安定感のあるヒーリングヴォイス。J-POPのレベルの高さを世界に発信できる逸材。
04.山本千夏?(管野よう子) - 地球少女アルジュナ / cloe
才人、管野よう子の作品にいくつかVocal参加しているが詳細不明。
非常に透明感の高いエンジェルヴォイスが魅力。
05.May J. - Destiny feat.Steve Hoang
神奈川県出身のバイリンガルArtistでけっこうメジャー。
声質に優れ、歌唱力も。ビジュアルばっちりで天が二物を与えた逸材か。
06.みとせのりこ - illorstris exsistentia
PCゲームの主題歌をメインに活動するArtist。繊細かつ難解な曲調を澄んだ美声で唱いこなす独特な個性。
07.藤田麻衣子 - Shunkan (瞬間)
名古屋出身のシンガソングライターでゲーム主題歌も多数手がける。
作曲・アレンジに天才的なキレをもち、小柄な体型からは想像できない歌唱力も。
ドラマティックかつエモーショナルな佳曲多数。
08.Lia - Aozora
東京都出身、渡米経験のあるArtistで澄み切ったクリスタル・ヴォイスに定評。
活動は多彩でゲームやアニメのテーマソングヴォーカリストとしても知られている。
LIVEパフォーマンスにも定評がある模様。
09.吉岡亜衣加 - 消えない虹
静岡県出身のArtistでPCゲーム系のテーマソングも多数手がける。高い声域と透明感あふれるすぐれた声質をもつ。
10.荒牧陽子 - いろいろ
逸材!、ものまねの域を完璧に超えています。
ひたすら聴きつづけたくなる声質。おそらく1/fゆらぎ持ってると思う。
スター☆ドラフト会議
2011年7月バラエティ番組「スター☆ドラフト会議」で圧倒的な歌唱力を披露。出演者のどぎもを抜く。
(それまでスタジオミュージシャン(ガイドボーカル/ゲーム系など)としてその才能は一部で知られていたらしい。)
現在、喉の調子を整えるため休業中。
Narcissu ~Moshi mo ashita ga aru nara~ Vocal Album - 世界がせつなかった日に
ブレーク前のPCゲーム系。声に力がありすぎてゲーム系らしくない?
以前紹介した復帰後の小室哲也氏の手になる北乃きい「花束」のバックコーラスにも参画、安定したサポートを披露している。(収録ALBUM「心」は2011/04のOn Sale)
(小室氏のハイトーンを要求する難曲は、荒牧さんと相性がいいかも・・・)
J-Wave HelloWorld (2012/05/24放送)
1曲目の「また君に恋してる」は通しで唱うといかに凄いかがわかる名唱。
2曲目(Christina Aguilera 「Ain't No Other Man」)はしっかりR&Bマナーを身につけている証。
3曲目は自作オリジナル曲「Only Love」で作曲力も相当なもの。
ラストのトークは「話し声も唱っている」好例かと・・・。
絶好調時の映像(2012.2.10)。2:53~3:36はものまね放棄して地声で唄ってるかも・・・。でもすこぶる美声。
復帰が待たれます。(ゆっくり休んで、できれば実力派プロデューサーとタッグを組んだオリジナルで!)
このたぐい稀と思われる才能についてはいろいろ思うところがありますが、いまいち整理がつかない部分もあるので、
復帰を待って一気に書いてみたいと思います。
-------------------------------------
追加です。ちとさわりだけ書いてみます。(敬称略で「荒牧」と略記しています。)
(ものまね編)
~ 聴き手の反応 ~
荒牧の唄をはじめて聴いた出演者の反応は興味ぶかい。
「似ている~。」という声も多いが、「お~!(歓声)」「スゴイ」「スゲー」「すごい歌唱力」「声がいいねぇ」「たいしたもんだ」などの感嘆詞がより目立つ。
それではなにが「凄くて」なにが「たいしたもの」なのか。
「似ている」「いろいろな声が出せる」あるいは「唄が巧い」ということに対する驚きもあるだろう。
ただ、驚きの本質はそこにはないような気がする。
荒牧の歌声への反応に「鳥肌が立つ」というものがある。じっさい両腕をさすりながら寒そうに聴いていたタレントが何人もいる。
口をポカンとあけたまま自我喪失状態で聴き入っていた人もいる。そして例外なしのスタンディングオベーション。
鳥肌が立ったり、自我喪失したりということはすぐれたLIVEパフォーマンスで稀に経験するが、そうそうあることではない。
また、番組のなかで「もっと聴きたい!」というリアクションが異常に目立つ。
やはり、荒牧の歌声には、聴く人の心を揺さぶらずにはおかないなにかがあるのではないか。
(声質編)
~ 1/fゆらぎか? ~
1/fゆらぎ。バズワードのひとつともされ、はっきりと定義づけされていないが、音楽でいうと「聴く人に心地よさやヒーリング感を抱かせる音や声」ということになるらしい。
規則的な音と無秩序な音の中間的な音とされ、「ここちよくゆらぐ音(声)」のイメージがある。
1/fゆらぎをもつとされる歌い手をみると、しっかりとした声質に特徴的なビブラートをもつ人が多い気がする。
ビブラート=ゆらぎに通ずるところがあるのかもしれない。ただ、硬質な声質の人もいるのでやわらかな声質というのは要素ではないような気がする。
1/fゆらぎをもつものは接していて疲れない、また飽きないとされる。たとえば小川のせせらぎ、そよかぜの音、木の葉のざわめき、木漏れ日、ろうそくの炎など・・・。
「いつまでも聴いていたくなる」荒牧の声もまた、つよい1/fゆらぎをもっているのではないか。
~ 荒牧の声質5つの特徴 ~
ここで荒牧の声質を特徴づけているものを考えてみた。
1.艶
とにかく声に艶がある。艶があるのでハードな曲でも決して破綻しない安定感がある。
これに↓の特徴が加わって、一音一音があざやかに粒立ってきこえる。
2.重層ビブラート
荒牧の好調時の歌声をじっくり聴いてみると、ほぼ全パートにわたり微妙でこまかなビブラートがかかっていることがわかる。(むろんまっすぐに唱うこともできるが・・・)
歌声だけでなく話す声もそうだ。これが↑の艶とあいまって繊細かつたおやかな耳ざわりとなる。聴いていて心地よく、いつまでも聴いていたくなる声だ。
ふつう、ビブラートやこぶしはヤマや小節の〆などに”聴き場”として意識して盛り込まれる。(波長の長い音程のビブラート)
荒牧の場合、ベースの繊細なビブラートの上に波長の長いそれが乗り、本つづれ織りのような深みを創り出している。
これはおそらく天性の才能に鍛錬が重なってはじめてできるワザでは・・・?。
そして、ビブラート=ゆらぎに通ずるところがあるとすれば、荒牧の声は1/fゆらぎのかたまりということになるのではないか。
■ ビブラートばりばりの例
とくに2:50~と4:30~。MC(曲間のトーク)も唱っているよう。
(1:20~は意識してビブラートを抑え、まっすぐに唱っている。)
3.オクターブ
とにかく声域が広い。4オクターブともいわれ、これだけ出せるだけでも凄いがしかも安定している。
そのうえ低音から高音への駆け上がり(下がり)が速くて滑らかなので縦横無尽な唄いぶりに聞こえる。これは声質というよりテクニックによるところが大きいのでは。
プロ歌手でも唱える人は少ないとされる超高音フラジオレットをマスターしているかどうかは定かでないが、たぶんつかえると思う。
(MISIAの「つつみ込むように...」の頭やラストでつかわれているという説あり。タイナカ彩智もつかえるのでは?(第1弾08「最高の片想い」の4:26~))
MISIA - つつみ込むように...
4.瞬発力
荒牧の歌声を聴いたタレントがいみじくも「一気にドーンと出る」「パッと出る」などと表現したように、声に瞬発力があって立ち上がりが速い。
だからものまねでいきなりサビから苦もなくベストの状態で入っていけるのかと。(とくに”シャッフルものまね”でよくわかる。)
正直、声量や声じたいの力感という点からすると、ドリカムの吉田美和やMISIAには及ばないような気もするが、それをカバーできる切れのある瞬発力をもっていると思う。
荒牧はリズムやピッチのコントロールも優れているが、瞬発力はこれに依って立つものでは。
この瞬発力とほかの特徴が合わさって、荒牧の唄はすこぶるキレのあるものとなっている。
(↑の世界1のショータイム第5弾のMISIAや浜崎あゆみで出てると思う。)
5.高音への跳ね
これはあまり指摘されていないが、とくに演歌系やハイトーン曲を唱うときに出る。
一瞬、ごくごく微妙に声が裏返って高音側に跳ね、ビブラートに裏声が乗ってすこぶる繊細な節回しになる。
これはおそらく原曲の楽譜にはない音で、ビブラートやこぶしを連続的に重ねていくときにでやすいようだ。
荒牧の場合、↑2.重層ビブラートとこれが合わさって、調子が乗れば乗るほど歌詞がききとりにくくなる傾向があるが、その時点では聴き手はほとんどトリップ&鳥肌状態になっているので全然問題なしか・・・(笑)
ここらへんがオリジナル曲でコンスタントに出せれば個性として定着していくのではないか。
(↑J-Wave HelloWorld の「また君に恋してる」や「世界がせつなかった日に」の4:14くらいから出てると思う。)
なお、荒牧の声は倖田來未に似ているという人がいるが、倖田來未はビブラートと高音への跳ねは確実にもっているので、そのせいもあるかと思う。
「女神系歌姫」(Angel Voice列伝)の第2弾です。
第1弾はこちら。
※ 女神系歌姫とは? →こちら
01.西野カナ - By Your side ft. WISE
この分野でもっともメジャーな1人。安定したハイトーンヴォイスをもつ実力派で佳曲を多数もつ。
こういったArtistがふつうに売れるのはいまのJ-POPのレベルの高さの証明か?
人気抜群で、こういう存在が次世代の才能を育てるのだと思う。
02.霜月はるか - Ruri no Tori
同人系のマルチArtistで作詞・作曲、編曲も多才にこなす。
PCゲーム系の作品が多く、プログレ的な複雑な曲調にやわらかでフェミニンなヴォーカルを乗せる。
03.KOKIA - 大丈夫 だいじょうぶ
国際的に幅広い分野で活動する個性派Artist。クラシックをベースにもち(公式Web)、クラシカルかつメッセージ性の高い佳曲を多数もつ。
安定感のあるヒーリングヴォイス。J-POPのレベルの高さを世界に発信できる逸材。
04.山本千夏?(管野よう子) - 地球少女アルジュナ / cloe
才人、管野よう子の作品にいくつかVocal参加しているが詳細不明。
非常に透明感の高いエンジェルヴォイスが魅力。
05.May J. - Destiny feat.Steve Hoang
神奈川県出身のバイリンガルArtistでけっこうメジャー。
声質に優れ、歌唱力も。ビジュアルばっちりで天が二物を与えた逸材か。
06.みとせのりこ - illorstris exsistentia
PCゲームの主題歌をメインに活動するArtist。繊細かつ難解な曲調を澄んだ美声で唱いこなす独特な個性。
07.藤田麻衣子 - Shunkan (瞬間)
名古屋出身のシンガソングライターでゲーム主題歌も多数手がける。
作曲・アレンジに天才的なキレをもち、小柄な体型からは想像できない歌唱力も。
ドラマティックかつエモーショナルな佳曲多数。
08.Lia - Aozora
東京都出身、渡米経験のあるArtistで澄み切ったクリスタル・ヴォイスに定評。
活動は多彩でゲームやアニメのテーマソングヴォーカリストとしても知られている。
LIVEパフォーマンスにも定評がある模様。
09.吉岡亜衣加 - 消えない虹
静岡県出身のArtistでPCゲーム系のテーマソングも多数手がける。高い声域と透明感あふれるすぐれた声質をもつ。
10.荒牧陽子 - いろいろ
逸材!、ものまねの域を完璧に超えています。
ひたすら聴きつづけたくなる声質。おそらく1/fゆらぎ持ってると思う。
スター☆ドラフト会議
2011年7月バラエティ番組「スター☆ドラフト会議」で圧倒的な歌唱力を披露。出演者のどぎもを抜く。
(それまでスタジオミュージシャン(ガイドボーカル/ゲーム系など)としてその才能は一部で知られていたらしい。)
現在、喉の調子を整えるため休業中。
Narcissu ~Moshi mo ashita ga aru nara~ Vocal Album - 世界がせつなかった日に
ブレーク前のPCゲーム系。声に力がありすぎてゲーム系らしくない?
以前紹介した復帰後の小室哲也氏の手になる北乃きい「花束」のバックコーラスにも参画、安定したサポートを披露している。(収録ALBUM「心」は2011/04のOn Sale)
(小室氏のハイトーンを要求する難曲は、荒牧さんと相性がいいかも・・・)
J-Wave HelloWorld (2012/05/24放送)
1曲目の「また君に恋してる」は通しで唱うといかに凄いかがわかる名唱。
2曲目(Christina Aguilera 「Ain't No Other Man」)はしっかりR&Bマナーを身につけている証。
3曲目は自作オリジナル曲「Only Love」で作曲力も相当なもの。
ラストのトークは「話し声も唱っている」好例かと・・・。
絶好調時の映像(2012.2.10)。2:53~3:36はものまね放棄して地声で唄ってるかも・・・。でもすこぶる美声。
復帰が待たれます。(ゆっくり休んで、できれば実力派プロデューサーとタッグを組んだオリジナルで!)
このたぐい稀と思われる才能についてはいろいろ思うところがありますが、いまいち整理がつかない部分もあるので、
復帰を待って一気に書いてみたいと思います。
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追加です。ちとさわりだけ書いてみます。(敬称略で「荒牧」と略記しています。)
(ものまね編)
~ 聴き手の反応 ~
荒牧の唄をはじめて聴いた出演者の反応は興味ぶかい。
「似ている~。」という声も多いが、「お~!(歓声)」「スゴイ」「スゲー」「すごい歌唱力」「声がいいねぇ」「たいしたもんだ」などの感嘆詞がより目立つ。
それではなにが「凄くて」なにが「たいしたもの」なのか。
「似ている」「いろいろな声が出せる」あるいは「唄が巧い」ということに対する驚きもあるだろう。
ただ、驚きの本質はそこにはないような気がする。
荒牧の歌声への反応に「鳥肌が立つ」というものがある。じっさい両腕をさすりながら寒そうに聴いていたタレントが何人もいる。
口をポカンとあけたまま自我喪失状態で聴き入っていた人もいる。そして例外なしのスタンディングオベーション。
鳥肌が立ったり、自我喪失したりということはすぐれたLIVEパフォーマンスで稀に経験するが、そうそうあることではない。
また、番組のなかで「もっと聴きたい!」というリアクションが異常に目立つ。
やはり、荒牧の歌声には、聴く人の心を揺さぶらずにはおかないなにかがあるのではないか。
(声質編)
~ 1/fゆらぎか? ~
1/fゆらぎ。バズワードのひとつともされ、はっきりと定義づけされていないが、音楽でいうと「聴く人に心地よさやヒーリング感を抱かせる音や声」ということになるらしい。
規則的な音と無秩序な音の中間的な音とされ、「ここちよくゆらぐ音(声)」のイメージがある。
1/fゆらぎをもつとされる歌い手をみると、しっかりとした声質に特徴的なビブラートをもつ人が多い気がする。
ビブラート=ゆらぎに通ずるところがあるのかもしれない。ただ、硬質な声質の人もいるのでやわらかな声質というのは要素ではないような気がする。
1/fゆらぎをもつものは接していて疲れない、また飽きないとされる。たとえば小川のせせらぎ、そよかぜの音、木の葉のざわめき、木漏れ日、ろうそくの炎など・・・。
「いつまでも聴いていたくなる」荒牧の声もまた、つよい1/fゆらぎをもっているのではないか。
~ 荒牧の声質5つの特徴 ~
ここで荒牧の声質を特徴づけているものを考えてみた。
1.艶
とにかく声に艶がある。艶があるのでハードな曲でも決して破綻しない安定感がある。
これに↓の特徴が加わって、一音一音があざやかに粒立ってきこえる。
2.重層ビブラート
荒牧の好調時の歌声をじっくり聴いてみると、ほぼ全パートにわたり微妙でこまかなビブラートがかかっていることがわかる。(むろんまっすぐに唱うこともできるが・・・)
歌声だけでなく話す声もそうだ。これが↑の艶とあいまって繊細かつたおやかな耳ざわりとなる。聴いていて心地よく、いつまでも聴いていたくなる声だ。
ふつう、ビブラートやこぶしはヤマや小節の〆などに”聴き場”として意識して盛り込まれる。(波長の長い音程のビブラート)
荒牧の場合、ベースの繊細なビブラートの上に波長の長いそれが乗り、本つづれ織りのような深みを創り出している。
これはおそらく天性の才能に鍛錬が重なってはじめてできるワザでは・・・?。
そして、ビブラート=ゆらぎに通ずるところがあるとすれば、荒牧の声は1/fゆらぎのかたまりということになるのではないか。
■ ビブラートばりばりの例
とくに2:50~と4:30~。MC(曲間のトーク)も唱っているよう。
(1:20~は意識してビブラートを抑え、まっすぐに唱っている。)
3.オクターブ
とにかく声域が広い。4オクターブともいわれ、これだけ出せるだけでも凄いがしかも安定している。
そのうえ低音から高音への駆け上がり(下がり)が速くて滑らかなので縦横無尽な唄いぶりに聞こえる。これは声質というよりテクニックによるところが大きいのでは。
プロ歌手でも唱える人は少ないとされる超高音フラジオレットをマスターしているかどうかは定かでないが、たぶんつかえると思う。
(MISIAの「つつみ込むように...」の頭やラストでつかわれているという説あり。タイナカ彩智もつかえるのでは?(第1弾08「最高の片想い」の4:26~))
MISIA - つつみ込むように...
4.瞬発力
荒牧の歌声を聴いたタレントがいみじくも「一気にドーンと出る」「パッと出る」などと表現したように、声に瞬発力があって立ち上がりが速い。
だからものまねでいきなりサビから苦もなくベストの状態で入っていけるのかと。(とくに”シャッフルものまね”でよくわかる。)
正直、声量や声じたいの力感という点からすると、ドリカムの吉田美和やMISIAには及ばないような気もするが、それをカバーできる切れのある瞬発力をもっていると思う。
荒牧はリズムやピッチのコントロールも優れているが、瞬発力はこれに依って立つものでは。
この瞬発力とほかの特徴が合わさって、荒牧の唄はすこぶるキレのあるものとなっている。
(↑の世界1のショータイム第5弾のMISIAや浜崎あゆみで出てると思う。)
5.高音への跳ね
これはあまり指摘されていないが、とくに演歌系やハイトーン曲を唱うときに出る。
一瞬、ごくごく微妙に声が裏返って高音側に跳ね、ビブラートに裏声が乗ってすこぶる繊細な節回しになる。
これはおそらく原曲の楽譜にはない音で、ビブラートやこぶしを連続的に重ねていくときにでやすいようだ。
荒牧の場合、↑2.重層ビブラートとこれが合わさって、調子が乗れば乗るほど歌詞がききとりにくくなる傾向があるが、その時点では聴き手はほとんどトリップ&鳥肌状態になっているので全然問題なしか・・・(笑)
ここらへんがオリジナル曲でコンスタントに出せれば個性として定着していくのではないか。
(↑J-Wave HelloWorld の「また君に恋してる」や「世界がせつなかった日に」の4:14くらいから出てると思う。)
なお、荒牧の声は倖田來未に似ているという人がいるが、倖田來未はビブラートと高音への跳ねは確実にもっているので、そのせいもあるかと思う。
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