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■ 岩塙鉱泉 「井筒屋」

しばらく休廃業したお湯のレポのリニューアルUPをつづけます。

「関東周辺 立ち寄り温泉みしゅらん」様の特集に掲載いただいていますが、追記&画像を追加してリニューアルUPします。

※ この施設はWeb情報によると、平成24年(2012年)12月に閉館しています。
営業データは入湯時(2003年11月)のものです。




岩塙鉱泉 「井筒屋」
住 所 :茨城県北茨城市関本町福田1481
電 話 :0293-46-3270
時 間 :時間要問合せ
定休日 :不明
料 金 :600円

すでに閉館していますが、以前の情報や雰囲気を記録するため極力以前のレポの内容を手を加えずに残しています。
入湯・レポともに2003年11月。今回2021年1月に加筆および画像を追加しました。

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湯巡りをつづけていると、ときおり強烈な印象を受けるお湯に巡り会うことがあります。
このお湯もそんな一湯です。
北茨城やいわきにはこの手のお湯が多いのですが、ここのインパクトは「カンチ山鉱泉」と双璧だと思います。

北茨城の山あいに潜むナゾの鉱泉で、「いわはな」と読みます。
位置的にはJR常磐線「大津港」駅の600mほど西側のところです。

相当に鄙び入っているという事前情報があり、気合いを入れて(笑)突入しましたが、どうにも場所がわからずTELするとおばちゃんが出ました。

「岩塙山荘」というのはさっき発見できましたが、どうやらその手前にあるらしい。
「でも、レジャーとかで入るところじゃなくて、湯治につかうようなところだけど・・・」
前ふりが入りました。これは相当なもんみたいです (^^;


【写真 上(左)】 庭先に廃材
【写真 下(右)】 浴場棟

さきほど通った道を再度進撃すると、庭先に廃材を積み上げた民家が・・・。
ここかぁ。
どうりでわからなかったハズです、入口はおろか玄関にも看板も何もありません。

手前右手に母屋、おくの別棟が浴場等で、どちらも瓦屋根がかけられているので、建物にB級感はありません。
背後に紅葉した斜面を背負い、里山の秘湯の雰囲気をまとっています。

「井筒屋」の屋号をもつ湯宿ですが、母屋にその雰囲気はなく、いまは立ち寄り湯に絞っての営業かもしれません。

奥の浴場棟の裏手からは青い煙りが立ち昇り、覗いてみると薪を焚いていました。
母屋から出てきたおばちゃんに料金を払って浴場へ。


【写真 上(左)】 浴場棟入口
【写真 下(右)】 脱衣所

とにかく、なにもかにもが鄙びきっています。

浴室はふたつありますが、ひとつは使っている気配がありません。
左側の浴室に案内されました。
脱衣所は緑色の壁面、せまいアルミの開き戸。床は歩くとミシミシと鳴り、B級入っています。

アルミの開き戸を開けると浴室。
土曜15時で先客がひとりいたので、浴室全体の写真は撮れていませんが、左手(女湯?)との仕切りは上が空いており声がとおります。
晩秋11月の入湯でしたが、天高があるので湯気のこもりはありませんでした。
全体に暗めで脱衣所よりさらに低くなっているので穴ぐらのような感じですが、かえって落ち着いて入れます。

細長の浴室で、手前が洗い場ソーン、おくの浴槽はタイル貼扇型1-2人のこぢんまりとしたもの。
カラン・シャワー・シャンプー・ドライヤーなどすべてなし。


【写真 上(左)】 薪焚きです
【写真 下(右)】 源泉カラン

浴槽に溜められたお湯、これが熱い。おそらく44℃くらいはあったかと思います。
おもわず先客のご年配に「熱いですねぇ」と言うと、「今日はぬるいほうだよ、さっききた●●さんなんか、ぬるくて入れね~って帰ってったよ」・・・。
共同浴場ではよくあるパターンですが・・・ ~~;)。

まぁ、熱湯は嫌いじゃないし、入れないほどでもないのですこし湯もみをしてそのまま入りました。

湯口はなく側面から熱いお湯が出て、もうひとつ穴(吸湯はしていない)があってオーバーフローはないので、薪焚きによる追い焚きの溜め湯方式かと。

浴槽の上、塩ビ管で引かれた先にカランがあってこれはおそらく源泉カランです。
しぶ焦げイオウ臭にたまご味+金気臭を帯びた、特徴のある冷たい水が出ます。
カランよこにコップも置いてあります。
溜め湯の冷鉱泉でも、源泉に触れられるのはありがたいですね。

薄コーヒー色のうす目の黒湯は味不明無臭でややツルすべがあり、薪焚きらしいやわらかなお湯はじわりじわりと染みてくるような深みのある浴感。
分析表はありませんでしたが、イオウと重曹が頑張っている感じのお湯でなかなか個性的。

料金600円はいささか高い感じもしますが、薪焚きを考えるとやむを得ないかと。
出ようとするともう一人入ってきたので、地元では意外と人気があるのかもしれません。

鄙び湯、B級湯は好物なので (^^;、個人的にはハマリでしたが、佇まいといい、湯温といい、ふつうの人(笑)にはハードル激高かと・・・。
お湯もなかなか、なにより鄙び加減が絶妙なので、機会があったらまた訪れたいと思います。

泉質などの掲示はありませんでしたが、県観光物産課のWebによると、「硫黄泉(硫化水素型)」とのこと。
また、やませみさんからご提供いただいたデータは、「単純S冷鉱泉? 17℃ pH=7.1 〔自家源泉〕」となっています。

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東日本大震災の翌年、平成24年(2012年)12月に閉館となっているようです。
Web上で震災後に入湯したレポがみつかるので、震災でも大きな被害は受けなかったようですが、やはり何らかのかたちで震災の影響はあったのかもしれません。

〔 2003年11月入湯・レポに加筆(最新UP2021/01/24) 〕


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【 BGM 】
■Anymore - BRICK(1982)

記事内容とえらくミスマッチですが(笑)
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■ 里美温泉 「ぬく森の湯」

 

里美温泉 「ぬく森の湯」
住 所 :茨城県常陸太田市大中町2076-6 (旧 久慈郡里美村)
電 話 :0294-82-3366
時 間 :10:00~20:00 / 第2・第4木、年末年始休
料 金 :700円(土日祝 1,000円、16時~ 500円)
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (じゃらんnet)
紹介ページ (観光いばらぎ)
紹介ページ (常陸太田市観光物産協会Web)
紹介ページ (常陸太田市Web)
紹介ページ (温泉みしゅらん)
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。

福島県との県境、旧里美村にある日帰り温泉。奥久慈、里川筋にいくつか点在するお湯のなかでももっとも北(上流)に位置するものです。
ふるさと創生事業で開発した源泉をベースに1995年開設された比較的古株の公共系温泉施設。

 
【写真 上(左)】 温泉スタンド
【写真 下(右)】 外観

小高い丘の上にある施設で、敷地内に温泉スタンドもあります。
立派な建物で、館内も盛況です。
広いロビー、大広間、食事処、売店などをそなえています。
山をモチーフにしたロビー壁面の意匠が印象的です。

 
【写真 上(左)】 エントランス
【写真 下(右)】 浴場入口

ロビー脇に浴場入口、ロビーよりが女湯、おくが男湯でした。
脱衣所はそれなりに広いですが、人も多くごった返し。

浴場に入って左手に寝湯×2と、そのおくに打たせ湯(休止中)。
右手に内湯(石枠平石敷12人以上、ジェット×4付)と右手扉の向こうに露天(岩枠鉄平石敷5-6人)があります。

浴場は窓が広くて開放的、派手さはないですがなかなかいい浴場です。
露天は軒下タイプながら、林の斜面に面して雰囲気はよく休憩用のベンチもおいてあります。(塀に囲まれ展望はなし)

カラン7、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
土曜夕方で盛況でしたが、暗くなるにつれ次第に空いていきました。

内湯は石の湯口から投入+ジェット注入で、槽内排湯不明ながらオーバーフローがあります。
露天は岩の湯口から投入で、槽内注排湯不明ながらこちらもオーバーフローあり。
寝湯は側面注入でオーバーフローあり。
内湯と露天の湯口は、おそらく加温源泉かと思います。

寝湯は槽内排湯みあたらずかけ流しかと思いましたが、カルキ臭つよくほとんど入らず。
内湯と露天では露天のほうがお湯がいいので、ほとんど露天のレポです。

やや熱めでほぼ無色透明のお湯には白い気泡と湯中にこまかな気泡。
露天ではかなりのアワつきがあり、湯中の指先がよわく青白に発光しています。

湯口にあるよわい甘イオウ臭が湯面でもかすかに香るか? 内湯ではカルキ臭を感じました。
よわいたまご味+弱重曹味。かなり強烈なヌルすべに、とろみも感じられます。
露天ではこれにアワつきのぬるが加わって、相当なぬるぬる湯となっていて、pH=10.3の高アルカリ泉の面目躍如か。
浴後は肌がつるつるになり、爽快感が出ます。これは「美人の湯」をうたっても偽りなしかと・・・。

なお、この源泉のアルカリ性の高さ(pH=10.3)は県の公式Webでも堂々1位にランキングされています。
館内には「お肌すべすべなめらかpH 値10.3は県内1位、全国3位」の掲示がありました。これ(温泉の化学の「図5-6-2 pHと溶存成分量の相関」)をみると、どうやら「全国3位」ということはなさそうですが、それでも関東周辺では屈指の高アルカリ泉であることは間違いありません。

さすがにこのくらいの高アルカリになると、炭酸水素イオン(HCO_3^)はほとんど姿を消し、炭酸イオン(CO_3^2-)の数値が高くなっています(54.6mg/kg (49.86mval%))。
強烈なヌルすべは炭酸イオン、とろみはメタけい酸によるものではないかと思います。

ただ、単純なイオウ重曹だけでなく、硫酸塩泉的なおくのふかい浴感も感じられるかなりのクセモノ湯、これは実力のある源泉とみました。
茨城のセンター系と侮っていくと、いい意味で予想を裏切られます。

奥久慈のお湯は、大子を通って流れ下る久慈川筋と、東に山並みを隔てた里川筋に多く分布していますが、どちらかというと里川筋のほうがイオウ気がつよい印象です。

都心からだとなかなか行きにくいところにありますが、温泉好きならば入る価値があるのでは。
ただ、ここに限らず茨城の公共温泉は週末1,000円になるところが多いですが、ここはサウナも水風呂もないのに、いささか高い感じも。
お湯だけを味わうならば、16時からの夜間料金500円を狙うのがいいかもしれません。

〔 源泉名:里美温泉1号井 〕 <H13.3.7分析>
単純硫黄泉(硫化水素型)(Na-(CO3)・Cl型) 34.6℃、pH=10.3、160L/min(掘削揚湯)、成分総計=274.6mg/kg
Na^+=81.1mg/kg (97.51mval%)
F^-=8.4 (12.5)、Cl^-=40.0 (30.96)、OH^-=1.2、HS^-=記載なし、SO_4^2-=9.1 (5.21)、HCO_3^-=0.0 (0.00)、CO_3^2-=54.6 (49.86)
陽イオン計=83.4 (3.62mval)、陰イオン計=113.3 (3.65mval)、メタけい酸=75.2、硫化水素=2.7

■ブランドグルメ
〔 里美ヨーグルト 〕
標高600~800mの高原にある里美エリアには関東最大級の規模を誇る里美牧場があります。ここの生乳をつかったのむヨーグルト「里美ヨーグルト」は、乳酸菌にもこだわり、その味のよさから里美の特産品として知られています。同じく里美牧場の生乳をつかった里美ジェラートも人気があります。
地元の道の駅、直売所などで入手できるほか、通販でも販売されています。

〔 2014/02/04UP (2007/05入湯) 〕


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【 BGM 】
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■ 大子温泉 「玉屋旅館」

 

大子温泉 「玉屋旅館」
住 所 :茨城県久慈郡大子町大子718
電 話 :0295-72-0123
時 間 :11:30~15:00 (要事前確認)
料 金 :500円 (300円かも?)
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
紹介ページ (ぐるなび)
紹介ページ (食べログ)
紹介ページ (観光いばらぎ(茨城県観光物産協会))
紹介ページ (大子町観光協会)
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。

奥久慈の中心地、大子町の街なかで温泉に入れることはあまり知られていませんが、数軒の旅館で日帰り入浴を受け付けています。
JR水郡線「常陸大子」駅前にある奥久慈しゃも料理で有名な旅館は、大子温泉を引いていて日帰り入浴にも対応しています。

 
【写真 上(左)】 常陸大子駅
【写真 下(右)】 駅周辺の住宅地図

元祖「奥久慈しゃも料理」と目されるこのお宿は奥久慈しゃも弁当もつくっていて、「常陸大子」駅よこのコンビニで販売されています。
ネット検索してもグルメ系がメインで温泉関連はあまり見あたりません。
ただ。日帰り対応は手なれたものだったので、駅前につき温泉で一風呂浴びて帰途につく人もそれなりにいるのかもしれません。

 
【写真 上(左)】 Pサイン
【写真 下(右)】 帳場前

駅前ながら、ロータリー前に5~6台ほどPが用意されています。
年季入ってこぢんまりとした玄関まわり。
おくの壁には色紙がたくさん貼ってあり、やはり奥久慈しゃも料理の名店として知られているのでは?

 
【写真 上(左)】 色紙
【写真 下(右)】 張り出されていたしゃも料理の記事

暖簾のおくに扉もなく棚もないシンプルな脱衣所。そのおくが浴場です。
他にポリ浴槽の浴室もありましたが、湯貼りしていませんでした。

暗めの浴室はややこもり気味で、大理石&石&岩枠タイル貼3-4人の味のある浴槽がひとつ。
入ったときは木板でフタがしてありました。

 
【写真 上(左)】 浴槽
【写真 下(右)】 味のあるつくり

カラン1、シャワー・シャンプーあり、ドライヤーなし。
土曜15時で独占。

浴槽脇の石に埋め込まれたパイプから熱湯源泉?を吹き上げて浴槽に流し込み。他に透明チューブからの投入もあったかと思います。
他に何本かあった槽内パイプは吹きも引きも感じられず槽内排湯は不明ですが、切欠からの常時上面排湯と若干のオーバーフローあり。

 
【写真 上(左)】 湯口
【写真 下(右)】 槽内パイプ

かなり熱めのお湯はほぼ無色透明で、よわい芒硝臭or弱カルキ臭。(どちらか判断つかず。)
味はほぼ無味か?
清澄なクセのないお湯ながら、よわいツルすべと温泉らしいあたたまりがあり、なにより湯ざわりがやわらかいので温泉を感じます。
とくにあたたまり感は、単なる熱湯のせいだけではない力強いものがあります。
浴後も適度なぬくもりと爽快感が残るなかなかのもの。

お湯はさほどインパクトのあるものではないですが、なにげに渋い雰囲気のお宿で、奥久慈しゃも料理(要予約)とあわせて味わえば満足度は高いような気がしました。

〔 源泉名:大子温泉御免沢源泉(大子町営御免沢1号泉、2号泉混合槽) 〕 <H10.5.7分析>
Na-硫酸塩・塩化物泉 31.6℃、pH=8.7、湧出量 1号泉400L/min揚湯、2号泉510L/min揚湯、成分総計=1.009g/kg
Na^+=300mg/kg (88.53mval%)、Ca^2+=33 (11.19)、Fe^2+・Fe^3+計=0.05
F^-=5.5、Cl^-=150 (28.14)、SO_4^2-=460 (63.74)、HCO_3^-=26、CO_3^2-=15
陽イオン計=335.3 (14.74mval)、陰イオン計=656.5 (15.03mval)

 
【写真 上(左)】 奥久慈しゃも弁当-1
【写真 下(右)】 奥久慈しゃも弁当-2

■ブランドグルメ
〔 奥久慈しゃも 〕
全国特種鶏(地鶏)味の求評会で第1位に選ばれたというブランドしゃも。
闘鶏品種のしゃも(軍鶏)は肉・卵ともに味がよいものの気性が荒く、群れで飼うのは難しいとされていましたが、繁殖・飼育しやすいように改良を加えられたのが「奥久慈しゃも」です。
肉は身が締まって歯ごたえよく、独特の滋味をもちます。脂肪分が少ないのでヘルシーな肉としても注目されています。ブロイラーにくらべ2~3倍もの日数をかけて育てられ、しゃも鍋、しゃも丼、しゃも弁当などが人気アイテムです。
(「大子町HP」などを参考。)

〔 2012/08/25UP (2007/04入湯) 〕

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■ さしま寺久の湯 「さしま健康交流センター 遊楽里」

 

さしま寺久の湯 「さしま健康交流センター 遊楽里」
住 所 :茨城県坂東市寺久1290 (旧 猿島郡猿島町)
電 話 :0297-20-9822
時 間 :10:00~21:00 / 月休
料 金 :500円
オフィシャルHP
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。

※ 館内撮影禁止につき館内写真はありません。こちらをご覧ください。

温泉のすくない茨城県南部に2010/03/14オープンした公共系日帰り温泉。
「さしまクリーンセンター寺久」の廃熱をつかい自家源泉を加温利用しています。

新設施設のわりに情報がすくない施設。
旧猿島(さしま)町はさしたる観光地もなく、高速からも行きにくいのでなじみがうすい土地かもしれません。
ここは主要道から外れているのでとくにわかりにくいです。
で、場所は↓の地図を参照ください。
さすがに公共施設、そばまで行くと公道上に見やすい標識がいくつかでてくるので迷うことはなさそうです。

 
【写真 上(左)】 公道上の標識
【写真 下(右)】 サインも無機質

公共施設が集まっているエリア、グレーの外観は非常に無機質で、温泉施設らしい華やぎがまったく感じられません。
サイン類がほとんどなく、後付けのカッティングシート貼りで「天然温泉」と掲示していますが、これがなければ、ここで天然温泉に入れるとわかる人はまずいないかと・・・。

施設じたいは金がかかっているので、道の駅か農産物直売所でも併設すれば来訪客の利用も見込めるのになんだかもったいない感じ。

館内も公共スポーツ施設的で、よくいえば清潔、わるくいうと無機質。
おくにある食事処「寺久庵」だけが妙に力入った環境演出をしていて逆に浮いています。

 
【写真 上(左)】 後付けの「天然温泉」
【写真 下(右)】 オレンジ色をつかいたくなる気持ちがわかります(笑)

施設右手にはプール、トレーニングジム、公共施設お約束の多目的スタジオなどが併設されています。
施設なかほどのポーチのおく、手前左が女湯、おくの右手に男湯。
この日の男湯が洋風、女湯が洋風で週替わり交替制のようです。

脱衣所は広いですが、島式脱衣ロッカーが妙に低すぎてつかい勝手いまいち。
ふつうはもう一段分上にカサ上げするかと。

浴場もゆったり広く、明るいものですが、天井が低くてこもり気味。
内床のスペースのわりに浴槽が妙に小さく、配置も何となく変。
床の排水勾配がうまくとれていない感じで、内床に溜まった排水をスタッフがモップで流していました。

内湯ゾーン入った手前に唐突にFRPのジャグジー槽。
正面窓際に内湯(木枠石タイル貼10人位)と右手窓際に10人弱の炭酸泉。ミストサウナもあります。
女湯(和風)はドライサウナで水風呂もありますが炭酸泉はありません。
連れによると女湯の水風呂はかなりよかったらしいので、男湯にもほしいところ。
これだけの規模の日帰り施設で掛け湯がないのもどうかな?

扉の外の露天ゾーンに軒下タイプの露天(黒みかげ石枠石タイル貼4-5人)がひとつ。
露天ゾーンは広めですが、塀が高すぎて開放感はいまひとつ。

露天まわりの意匠がなかなかに見ものです(^^)
白いタイル貼の内床、コンクリ打ち放しの見切りの上に白い吹きつけ塗装の柱で、その柱に支えられた軒下の天井は木貼り。
その外側に黒石で設えた波々の意匠&ガーデニングにつかう枕木風古木材。
花壇の先の目隠し塀はH型鋼に木材が填められたもの。
内床におかれたベンチも色のちがうものがふたつ。

ここまでチグハグなつくりは、あえて意図しなければそうそうつくれるものではありません。

いろいろ見るにつけ、なんとなく、温泉施設のつくりに慣れていないような・・・。
ただ、セパレート式の洗い場のつくりだけは、洗面台の高さ・奥行き、ブースの幅取りなどすべてにおいて完璧でした。

 
【写真 上(左)】 敷地内の泉源?
【写真 下(右)】 エントランス

カランセパレート式12、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
土曜16時で5~10人くらいと空いていて、客層は地元のお年寄りがメイン。

洋風浴場のうち温泉使用槽はたぶん内湯と露天のふたつ。
炭酸泉はおそらく井水使用で、湯中の指先が青白く発光し、弱とろみとなめらかな湯ざわり。ぬるめで入りごこちいいものの、炭酸はあまりつよくありません。

内湯、露天ともに槽内注吸湯の循環仕様でオーバーフローなし。温泉槽に湯口がないのはなんとなく締まりません。

お湯は露天で熱め、内湯で適温でお湯のイメージに大差ありません。
うすく緑がかったお湯にはわずかに白い浮遊物。
湯口ないので味不明。消毒臭+よわい墨臭(源泉起源か消毒によるものかは不明)。
ひっかかるような湯ざわりの硬めのお湯ですが、あたたまりはかなりつよく、水分をもっていかれる感じがあります。
イメージ的には山梨の「つむぎの湯」にちかい感じかな。

クセもの系の源泉が、去勢されておとなしくなってしまったようなお湯。
源泉じたいはかなり個性的なものかと思うので、源泉槽がほしいところ。
泉温39.8℃なので非加温でもいけるのでは?

現況、なんとなく温泉はオマケのような感じの施設ですが、スペースはたっぷりあるし、源泉の質も面白そうなので、今後の手の入れ方によっては化けるかもしれません。

〔 源泉名:寺久の湯 〕 <H20.5.9分析>
Na-塩化物温泉 39.8℃、pH=7.6、37L/min掘削揚湯、成分総計=7.092g/kg
Na^+=2514mg/kg (91.79mval%)、NH4^+=8.1、Mg^2+=41.5、Ca^2+=103.0、Fe^2+=3.1、Cl^-=4031 (96.02)、Br^-=13.7、I^-=2.2、SO_4^2-=12.5、HCO_3^-=253.8 (3.51)
陽イオン計=2696 (119.2mval)、陰イオン計=4315 (118.4mval)、メタけい酸=53.1、メタほう酸=23.3

■ブランドグルメ
〔 猿島茶 〕
日本で初めて海外に輸出されたとされる、歴史ある銘茶。
お茶の経済的栽培地の北限にちかい位置にありながら、江戸時代に宇治茶の技法を導入するなど、先人の努力により高い品質を誇る関東有数の銘茶として知られています。
(「いばらきもの知り博士」などを参考。)

〔 2012/06/03UP (2011/01入湯) 〕


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■ あそう温泉 「白帆の湯」 〔 Pick Up温泉 〕



あそう温泉 「白帆の湯」
住 所 :茨城県行方市麻生421-3 (旧 行方郡麻生町)
電 話 :0299-80-6622
時 間 :10:00~21:00 22:00まで延長になるという情報あり / 水休
料 金 :500円(17時~ 500円)
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (じゃらん観光ガイド)
紹介ページ (茨城県観光物産協会)
紹介ページ (行方市商工会)

茨城・鹿行エリア、霞ヶ浦、北浦周辺のお湯のひとつ
ながらく”温泉不毛の地”といわれたこのエリアも温泉開発がすすみ、ここも源泉掘削してつくられたセンター系施設です。
場所は霞ヶ浦の東岸、行方市役所麻生庁舎にも近いですが、公共交通機関ではなかなか行きにくいところです。

不定期ながら(株)ラクスマリーナ(旧 水郷汽船)がホワイトアイリス号をつかった、「白帆の湯」&霞ヶ浦クルーズを企画することがあり、これは土浦から運行されるので、開催日にあわせ遊覧かたがた入浴するのも面白いかも。


【写真 上(左)】 サイン
【写真 下(右)】 エントランス

芦が生い茂る霞ヶ浦東岸の脇にコンクリ造の無骨な建物。
でも館内は公共系らしくよくメンテされてきれいです。

料金700円はセンター系としてはやや高めですが、このエリアではやむなしか?
3階の浴場は左が「富士の湯」、右手が「筑波の湯」で、この日の男湯は「筑波の湯」、浴場は第1・3水曜日ごとの男女交替制です。
脱衣所・浴室ともにさして広くはないですが、浴場は窓が広いので圧迫感はありません。


【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 薬湯

浴場左手の扉の外にある露天は軒下タイプ。これもこぢんまりとした造りながら風はよく通ります。
なんといっても白眉は、霞ヶ浦を見渡す展望でしょう。
筑波山も望めるらしいですが、この日はうす曇りではっきりとは見えませんでした。
西向きで霞ヶ浦のむこうに筑波を望む構図なので、冬場の夕暮れなど、さぞや絶景かと・・・。


【写真 上(左)】 内湯
【写真 下(右)】 霞ヶ浦のながめ


内湯ゾーンに手前からサウナ、薬湯槽、水風呂と窓側に内湯(赤みかげ石枠タイル敷10人以上、寝湯×2付)。
露天ゾーンにみかげ石枠タイル貼3-4人の露天。

水風呂は18℃くらいの入りごろで、白い浮遊物ととろみがあり、井水か源泉では?
ここはカルキを感じずすこぶる入りごこちがいいのですが、小ぶりなうえにけっこう人気があるので落ちついて入れなかったのは残念。

カラン14、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
土曜16時で7~10人程度。

内湯は石の湯口から投入し、底面吸湯でオーバーフローはほとんどなし。槽内注入はよくわかりませんでした。

露天はみかげ石の湯口からの投入でかなりのオーバーフロー+底面吸湯。
カルキは露天のほうがつよめでしたが、お湯の鮮度じたいは露天のほうがよかったと思います。


【写真 上(左)】 露天の浴槽
【写真 下(右)】 湯口&湯色

お湯は内湯で適温~ややぬる、露天はやや熱。
うすく茶色がかってうす茶の浮遊物を浮かべるお湯は、湯口でよわい苦味と土っぽい臭い。
湯面はカルキ臭がありましたが、湯口では感じられなかったので、薬剤を注入しているのかもしれません。(薬湯のみ湯口でよわいカルキ臭あり)
浴槽まわりが鉄分で赤茶に変色しているので鉄分の味臭があるかと思いましたが、これは感じませんでした。

肌に引っかかる感じの湯ざわりで、つよめのあたたまり感。
メタけい酸の規定泉のわりにはフックのある浴感で、これはMg・Na・Ca-SO4・HCO3型(含土類-正苦味泉系)という通ごのみの源泉スペックが効いているためか。
湯色はモール泉系ながら複雑なニュアンスのお湯です。

場所柄、重曹ベースのヌルすべモール泉を想定していましたが、アニオンの主成分が硫酸塩、さらに湧出量390L/minとはおそれいりました。
メタけい規定泉という先入観とカルキ臭で、ぞんざいに入ると評価が低くなりそうですが、なかなかどうして本質はおくのふかいお湯とみました。

〔 源泉名:不明(分析書未記載) 〕
低張性-中性-冷鉱泉(掲示分析書記載/筆者註:規定泉(メタけい酸(Mg・Na・Ca-SO4・HCO3型)) 16.4℃、pH=6.6、390L/min掘削揚湯、成分総計=0.776g/kg
Na^+=78.4mg/kg (35.62mval%)、Mg^2+=43.2 (36.86)、Ca^2+=43.3 (22.43)、総鉄イオン=0.7、Cl^-=38.0 (11.10)、SO_4^2-=285.5 (61.62)、HCO_3^-=160.5 (27.28)、陽イオン計=183.8 (9.63mval)、陰イオン計=484.0 (9.64mval)、メタけい酸=80.7、メタほう酸=0.2、遊離炭酸=27.5 <H14.6.21分析>

<温泉利用掲示>
加水:なし 加温:あり 循環ろ過装置使用:あり 塩素系薬剤使用:あり
※ 放流・循環併用式
浴槽給湯口から流れ出るお湯は新しいお湯です。
循環利用は浴槽内のみで、溢れたお湯の循環利用は行っておりません。

■ブランドグルメ
〔 行方(麻生)のべにまさり 〕
茨城県は全国有数のかんしょ(さつまいも)の産地で、なかでも旧麻生町はかんしょ栽培の盛んなところとして知られてきました。
栽培品種は人気の「ベニアズマ」(紅こがね)、紫いも「パープルスイートロード」、在来種の「紅赤」などですが、注目株は平成14年にJAなめがたが全国に先駆けて導入し、全国有数の産地になっている「べにまさり」。
比較的栽培難しいとされているこの品種をいちはやく定着させてしまうところは、さすがにかんしょの名産地。
県外に出回るのはまれなので食べたことはないですが、上品な甘さとしっとりとした食感を兼ね備えている品種とのこと。
茨城県農業総合センターのHPには「『べにまさり』の焼き芋を1度食べると熱烈なファンになる人が多い」とあるので、やはりよっぽど美味しいのでしょう。
(「茨城県農業総合センター」HPなどを参考。)

〔 2011/10/01UP (2009/05入湯) 〕


E140.28.41.835N35.59.2.582
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■ 川中子温泉 「極楽荘」 〔 Pick Up温泉 〕



川中子温泉 「極楽荘」
住 所 :茨城県常陸太田市小目町751
電 話 :0294-74-4126
時 間 :9:00~15:30 / 毎月9.19.29休(震災後営業時間・休不明、要事前確認)
料 金 :600円(土日祝 800円) / 14時~ 500円
紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
紹介ページ (るるぶ.com)
紹介ページ (いばらぎ冬ナビ)
紹介ページ (常陸太田まるごとマガジン)

常陸太田にいくつかある自家源泉宿のひとつが日帰り対応するもの。
2005年3月末に廃線となった日立電鉄、旧「川中子」駅のそばにあります。


【写真 上(左)】 旧日立電鉄の線路
【写真 下(右)】 旧日立電鉄(館内掲示)

屋号は「極楽荘」ですが、温泉好きのあいだでは川中子(かわなかご)温泉といったほうが通りがいいかも。
場所は常磐道「日立南太田IC」の北西2kmほど、けっこうわかりにくいので↓の地図をご覧ください。


【写真 上(左)】 バスもあります
【写真 下(右)】 玄関

玄関前に「海水浴帰りの御客様の入場はご遠慮願います」という断り書きがありましたが、現在の対応は不明。
緑屋根の渋い建物。浴場に向かう廊下に沿った休憩室には浴客がごろごろと寝ていました。


【写真 上(左)】 館内
【写真 下(右)】 浴場入口

手前が男湯、おくが女湯。
板張りのゆったりとした脱衣所で木製ロッカーがいい味をだしています。


【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 浴室

ややくらめの浴室に石組みタイル貼6-7人の内湯をシンプルに配置。
カラン1、シャワー・シャンプーあり、ドライヤーなし。
土曜13時でタイミングよく独占でした。


【写真 上(左)】 湯口
【写真 下(右)】 湯口の落とし口

岩の湯口から適温湯を50L/min以上も大量投入で、側面吸湯+よわいオーバーフロー。
べつに熱湯カラン(出ず)と冷水カランがあって、大量に吐水する冷水カランは湯の香があったので源泉かと思います。


【写真 上(左)】 源泉カラン
【写真 下(右)】 ケロリン桶

紅茶色のお湯はやや熱め。浴場裏に薪が積んであったので、泉温15.4℃の源泉を薪焚きかも。
冷水カランで重曹味+僅微塩味にアンモニア臭+モール臭+微イオウ臭+微金気臭。
湯面では明瞭な有機肥料臭でカルキ気は感じませんでした。

かなりつよめのツルすべととろみがあって重曹泉の浴感豊か。
よくあたたまり、ときおり水浴びしながらの入湯となりました。


【写真 上(左)】 効能書き
【写真 下(右)】 裏手から

よくある黒湯だと思って油断してると意外にガツンとくるお湯で、房総御宿あたりのイメージにちかいかな?
浴後に分析書を確認すると、なるほど総計=2487mg/kgのけっこう濃いめの食塩重曹泉でした。

このあたりではキャラの立ったお湯で、湯づかいもわるくないので湯めぐり時にはマストかと思います。

〔 源泉名:川中子温泉 〕
含食塩-重曹泉(筆者註:Na-炭酸水素塩・塩化物泉) 15.4℃、pH=7.30、21L/min揚湯、成分総計=2487mg/kg
Na^+=670.0mg/kg (94.82mval%)、Ca^2+=13.27、Fe^2+=0.300、Cl^-=382.5 (36.46)、HS^-=--、SO_4^2-=16.00、HCO_3^-=1124 (62.23)、CO_3^2-=1.326、陽イオン計=717.4 (30.72mval)、陰イオン計=1524 (29.60mval)、メタけい酸=97.13、メタほう酸=10.06、遊離炭酸=134.9、硫化水素=0.300 <S44.11.5作成>

<温泉利用掲示>
加水:なし 加温:あり 循環ろ過装置使用:あり 塩素系薬剤使用:あり

〔 館内掲示 〕
当温泉は二百メートル地下より湧出する不老長寿の泉です。

■ブランドグルメ
〔 常陸太田巨峰 〕
昭和36年に3本の巨峰苗木から始まった「常陸太田巨峰」の栽培。
阿武隈山地南端の水はけのよい丘陵とミネラル豊富な土質が育むブドウは、味のよさで知られています。
平成22年度現在、常陸太田市内では計73名が巨峰の栽培を行っているそうで、観光農園や直売所などで購入できます。(→ ぶどう園マップ
「常陸青龍」や「赤嶺」などのレア品種も栽培されています。
(「茨城県農林水産部販売流通課」資料などを参考。)

〔 2011/08/16UP (2007/08入湯) 〕


E140.34.21.172N36.30.56.492
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■ 瑞竜温泉 「黄門の湯」 〔 Pick Up温泉 〕



瑞竜温泉 「黄門の湯」
住 所 :茨城県常陸太田市瑞竜町51
電 話 :0294-70-1126
時 間 :10:00 (平日17:00~?)~21:00 (11~3月 10:00~20:00) / 水休
料 金 :500円 (土日祝1000円(17時~ 500円))
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
紹介ページ (るるぶ.com)

R349号線沿いにある日帰り入浴施設。
”瑞竜”というおめでたい名前は、このあたりの地名にちなむもの。
平日は17時~という情報があり、HPでもページにより「全日10時~」と「平日17~」の記載が混在しているので要注意。
国道に面したドライブイン的ロケ。裏手のPよこには泉源施設らしきものがありました。
地元客メインの雰囲気、食事処と兼用の110畳の大広間もあります。
接客はとても親切でした。


【写真 上(左)】 サイン
【写真 下(右)】 浴場入口

内湯はややこもり気味。
手前にぬる湯槽(檜枠4-5人)とおくの窓際に内湯(同 12人以上)の2槽。

扉の外に石組み石敷き10人ほどの露天。
竜をモチーフとしていて、飾り岩や竜の石像、盆栽風の松などが配された一風変わった名物露天です。
右手の小屋にはサウナと水風呂もあります。


【写真 上(左)】 露天
【写真 下(右)】 露天の湯口

カラン7(温泉かも?)、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
土曜17時で8~15人となかなかの盛況。ただ、あちこちに分散しているので混雑感はさほどありません。

ぬる湯槽は、木の湯口から冷たい水(非加温源泉?)を投入+ジェット状注入、槽内排湯不明でよわいオーバーフローあり。
内湯は、木の湯口から冷たい水(非加温源泉?)を投入で、注入は未確認ですが湯温からしてあるでしょう。槽内排湯不明でオーバーフローなし。
露天は、竜の壁画にはめ込まれた竜の湯口から加温湯を大量投入で、槽内注排湯不明でオーバーフローなし。

湯温はぬる湯槽でややぬる、内湯は適温、露天はややぬる。
ごくうすく懸濁したお湯にはわずかに白い浮遊物がただよい、湯中の指先が青白く発光しています。
芒硝塩味で芒硝味が卓越、カルキ臭はぬる湯槽でわずか、内湯でよわめ、露天はほとんど感じられずここではむしろ甘い石膏臭を感じました。

硫酸塩泉系のきしきしとヌルすべに明瞭なとろみをまじえた湯ざわりで独特なあと曳き感もあります。
よくあたたまるお湯で水風呂直行可。
浴後もあたたまりが持続し、肌に張りがでる硫酸塩泉系の湯あがり感。


【写真 上(左)】 竜がモチーフ
【写真 下(右)】 水風呂

水風呂は20℃ほどで明瞭なとろみと甘い石膏臭を感じます。
非常にやわらかな水で、ひょっとしてこれは非加温の源泉かも・・・。

分析書は掲示なく、フロントにもなかったので詳細不明。
ただ、Na-塩化物・硫酸塩泉 21℃という掲示はあったので、塩類泉の冷鉱泉だと思われます。

それにしても、このエリアでここまで石膏気のつよいお湯に出会えるとは正直びっくり。
竜の露天のキワもの的イメージからして、お湯にほとんど期待はしていませんでしたが、思わぬ収穫となりました。

詳細スペック不明
Na-塩化物・硫酸塩温泉 21℃

■ブランドグルメ
〔 常陸太田の醤油 〕
徳川御三家のひとつ水戸藩の穀倉・台所として発展した常陸太田には、歴史ある醸造製品があります。
内堀町にあるヨネビシ醤油は、寛政十二(1800)年創業の老舗醤油醸造元で、水戸藩の御用蔵としての歴史をもつそうです。
県産小麦や大豆のを用い昔ながらの木桶に仕込む製法で、長期熟成二段仕込み醤油が製造されています。
(「常陸太田まるごとマガジン」「ヨネビシ醤油(株)HP」等を参考。)

〔 2011/08/02UP (2008/11入湯) 〕


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■ 湯の網温泉「鹿の湯松屋」 〔 Pick Up温泉 〕



湯の網温泉「鹿の湯松屋」
住 所 :茨城県北茨城市関南町神岡下1435
電 話 :0293-46-1086
時 間 :10:00~16:00(要事前確認)
料 金 :500円
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (楽天トラベル)
紹介ページ (ぐるなびトラベル)
紹介ページ (るるぶ.com)
紹介ページ (じゃらんnet)
紹介ページ (温泉みしゅらん)

北茨城の山あいにある一軒宿で、古くから“心の病”に効くお湯として名を馳せていたようです。
最後は細い未舗装の道を少し走りますが、看板がしっかりしているのでわりと楽に到達できます。
”日本の山里”といった感じのしっとり落ち着いた佇まいが好ましげで、館内も新しくはないものの手入れが行き届いています。


【写真 上(左)】 サイン
【写真 下(右)】 玄関

浴室は大小ふたつあって、大は家族で入浴中だったので小に入りました。(お湯は同じ)
おくにある小浴室はステンレス製1.2人の小さな浴槽がひとつ。
家の風呂のように狭いですが、1人でゆったりと入れるので逆に贅沢かも・・・。


【写真 上(左)】 渋~い柱時計
【写真 下(右)】 浴室入口

洗い場の壁にはタイル絵が填め込まれ、窓も広くていい感じの空間。
源泉?カランと水カランがありますがどちらも出ておらず溜め湯状態。


【写真 上(左)】 小浴室の浴槽
【写真 下(右)】 小浴室のタイル絵

スイッチで追い炊きができるシステムで、源泉?カランをしばらく投入しているとーバーフローが始まります。
カラン1、シャワー・シャンプーあり、ドライヤーなし。
土曜14時で独占。


【写真 上(左)】 小浴室のカラン
【写真 下(右)】 小浴槽の湯色

ややぬるめのお湯は、透明度約40cmのこげ茶色のにごり湯で赤茶色の青のり状の細かな浮遊物が目立ちます。
味不明(源泉?カランは無味)で漢方薬を思わせる苦っぽいような独特な薬臭。
源泉?カランは明らかに真水ではないですが、桶に溜めてしばらく置いてみても濁りが全く入りませんでした。浴槽のお湯と違うのかな?

ややぬめりがあって肌に染み込むようなおだやかな浴感があるいいお湯です。
しばらく浸かっていると汗がポタポタと出てきますがほてりはなく、いつまでも入っていたいようなやさしいお湯で浴後には爽快感が広がります。
なんとも効きそうなお湯で、固定客が多いのもなるほどうなづけます。


【写真 上(左)】 大浴室の浴槽
【写真 下(右)】 大浴室のタイル絵

出てきたら大浴室があいていたので偵察しました。
こちらはFRP浴槽2-3人ほどのものですが、洗い場が広いです。
側面注入あるもののオーバーフローはなく、こちらの方がきもちにごりが薄いような感じ。ふたつあるカランはいずれも止まっていました。

派手な宿ではないですがこの日は満室とのことで、やはり固定客を掴んでいそう。
喧噪とは無縁の立地なので、ゆっくりと湯治をするにはいい宿かと思います。
平潟港で揚がった魚料理も自慢のようで、詳しい紹介が載ったページもあります。

■分析表は2種類ありました。
〔 源泉名:鹿の湯 〕
単純炭酸鉄泉((Fe2)-Mg・Ca-HCO3・SO4型) 15.0℃、pH=6.20、約1.2L/min揚湯、総計=357.6mg/kg
Na^+=18.50mg/kg (18.64mval%)、Ca^2+=24.73 (28.49)、Mg^2+=15.67 (29.82)、Fe^2+=26.70 (22.15)、Cl^-=13.95 (9.43)、SO_4^2-=59.00 (29.49)、HCO_3^-=155.0 (61.03)、陽イオン計=87.10 (4.316mval)、陰イオン計=228.0 (4.162mval) <S43.9.10決定>

〔 源泉名:鹿の湯2号泉 〕
規定泉(重炭酸そうだ含有) 19.0℃、pH=8.0、湧出量不明、総計=548.2mg/kg
Na^+=50.00mg/kg (40.55mval%)、Ca^2+=70.96 (54.66)、Cl^-=14.18 (6.10)、SO_4^2-=42.80 (12.60)、HCO_3^-=320.70 (80.20)、陽イオン計=128.0 (6.478mval)、陰イオン計=377.70 (6.542mval) <S33.11.30分析>

〔 由来書より 〕
古老よりの云伝いによれば、創業は古く文明年間の創業と云う。当時一匹の大鹿が猟師に追れ傷つき此の地に来る。身にうけた矢数の傷を、湧き出ずる霊泉にひたり歩行困難なりしを数時間で全治し、何れかに立ち去りけんと。
それを見た里人達はすばらしきお湯の効能に驚き、人呼んで鹿の湯と名告げたりと。

幾人の病をいやす 湯のいずみ
これぞ宝の わくと言うらん

○ 元レポは「みしゅらん掲示板 特集クチコミ情報」でもご紹介いただいています。

■ブランドグルメ
〔 北茨城のキンキ(キチジ) 〕
キンキ(キチジ)は主に北日本の太平洋側で漁獲されるいわゆる「赤もの」で、その白身は美味で高級魚とされるもの。
北茨城、平潟漁港でも水揚げされ、「鹿の湯松屋」ではキンキの塩焼きが名物料理となっています。

〔 2011/06/26内容補強のうえUP (2003/12/13レポ (2003/12入湯)) 〕


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■ 湯小屋温泉 「湯小屋泉荘」 〔 Pick Up温泉 〕



湯小屋温泉 「湯小屋泉荘」
住 所 :茨城県水戸市下入野町2192
電 話 :029-269-2422
時 間 :(時間不明、要事前確認)
料 金 :350円

水戸市の南端、涸沼あたりに燦然と輝く温泉マークと「湯小屋」の文字。
地図を見るたびに気になっていたお湯ですが、県の温泉資料に記載がなく、最新情報もほとんどとれず(いまはWeb検索で数件ヒットします・・・)、勝手に廃業してしまったものと決めつけていました。
(昭文社の地図にはマイナー温泉がけっこう載っているのですが、すでに廃湯となってしまったものもかなりあります。)
ところが、一郷一会のメンバーさんが突入&ゲットという情報を得て、たまらず追っかけ(笑)。

場所のわかりにくさはハンパではありません。
地図では県道179中石崎水戸線の中石崎にある「東立製作所」がある工業団地の南から東に入る小径が最短経路に見えたので突入すると途中で道は水たまりに水没。
づぎに反対側の個沼サイドからアプローチするも、途中で畦道になり道が消滅してNG。
たまらず、道ばたで農作業していたおばちゃんに訊ねると、近くまで来ている(笑)、もう少し行くと電柱に看板があるけど、入口がわかりにくいとの由。
じつは道を訊いた場所がわからないので(^^;)、入口も曖昧なのですが、たぶん、広浦小学校の西、神塚神社西の交差点の1本西の路地(たしか電柱看板あり)を北に入るかと思います。


【写真 上(左)】 電柱看板
【写真 下(右)】 アプローチ

民家の庭先のような路地に入り、しばらく走ると唐突に(たしか電柱)看板が出てくるのでここを左折します。(ここも普通の感覚だと左折するような感じではない)
しばらく道なりに田圃のなかの道を走ると、だんだん路面が荒れてきて、ついに舗装がとぎれ「絶対道まちがってる」モード入ります。
Uターンする場所を探すうち、右手に廃バスが置いてある広場が見えてきて、そのおくに民家があるのでした。
”秘湯”といわれる山奥の一軒宿などはふつう黙っててもあっさりたどり着いてしまいますが、このロケは筋金入りの秘湯。
到達難易度からすると、これまで入ったなかで文句なく五指に入ります。

いま写真で確認すると玄関上に看板が掛かっているようですが、このときは動転(笑)していて気づかず。
でも、手前に浴室らしきものがあるし、看板からここまで1軒も建物がなかったのでここだと確信、玄関先から声をかけるも反応なし。
ふつうならここで、携帯からTELするところですが電話番号不明。よしんばあったとしても圏外の可能性大。


【写真 上(左)】 外観
【写真 下(右)】 館内

ここまできてむざむざ帰るのはあまりに切ないので、ひつこく(^^;;)玄関先で叫んでいると、あっさり女将さん?が出てきました。
予想に反して日帰り対応は手慣れたものでした。

館内はほとんど民家ですが、B級入った外観にくらべ意外に綺麗で、しっかりジュースの自販機があり、お土産用の漬物などが売られているのにはびっくり。
右手廊下のおくに男女別の浴室、手前が男湯、おくが女湯です。
脱衣所はまあまあ広めで、木製の棚のうえにはマイお風呂セットが並んでいます。


【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 脱衣所棚

ここはおそらく地元の銭湯としてつかわれているのでしょう。
自販機の脇にビールの空き瓶ケースが積み重ねられているのをみると、宴会場としても機能しているかも・・・。


【写真 上(左)】 女湯の浴室
【写真 下(右)】 女湯の浴槽

男湯と女湯はほぼシンメトリ、男女湯の仕切の上は抜けているので声が通ります。


【写真 上(左)】 男湯の浴室
【写真 下(右)】 男湯の浴槽

タイル貼りのすっきりとした浴室に、黒みかげ石枠水色タイル貼5-6人の浴槽がひとつ。
たっぷりふかめで入りごこちのいい浴槽です。
カラン3、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
土曜16時で独占で男女湯とも独占。


【写真 上(左)】 男湯の湯口
【写真 下(右)】 女湯の湯口

みごとなライオン湯口は、その右側にある湯&水カランをひねると吐水するしくみ。
かなりの量を投入でき、どちらも源泉かと思います。
お湯はややぬるめでしたが、お湯投入ですぐに適温に調整可。
側面のジェットは稼働なく、おそらく随時投入式の加温かけ流しかと思います。
湯口まわりは鉄分で赤茶に色づき、浴槽まわりには石膏の析出もでています。


【写真 上(左)】 湯口&カラン
【写真 下(右)】 石膏の析出

わずかに懸濁したお湯は浮遊物なし。
無味か、ごくかすかに薬味。ほぼ無臭か、わずかにやわらかな湯の香。
カルキ気はほとんど感じませんでした。


【写真 上(左)】 湯色
【写真 下(右)】 渋いタイル浴槽

よわいヌルすべととろみがあって、あきらかに水道水とはちがう湯ざわり。
なにげにフックのあるお湯で、よくあたたまり、浴後は肌がしっとりと落ちつきます。
イメージ的には、Na-SO4・HCO3系の泉質かと思います。

女将さんの話しによると、このあたりはどこも湧水が湧いていて、浴室の下の池も源泉とのこと。
玄関先の湧水は綺麗に澄んで、クレソンが群生していました。


【写真 上(左)】 クレソンの群生
【写真 下(右)】 浴室下の池も源泉

帰りしな、Pに軽トラが停まり、地元の人らしき4人組みがわいわいとおりてきました。
なるほど、こういうお客がこのかくれたような湯宿を支えているのだと思います。

このエリアで加温かけ流しは貴重。ロケといい浴場の佇まいといい、秘湯マニアは見逃せない一湯では?

温泉登録はされておらず、分析書の掲示もありません。

■ブランドグルメ
〔 茨城町の栗 〕
茨城県は栗の生産量全国一で、茨城町の特産品にも数えられています。
このあたりでは、農家のつくるおにぎりにも栗が入り、「栗五目おにぎり」が賞味されているそうです。

〔 2011/05/30UP (2009/10入湯) 〕


E140.30.46.773N36.18.6.613
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■ 大渕鉱泉 「秘湯 ぶんぶくの湯」 〔 Pick Up温泉 〕



大渕鉱泉 「秘湯 ぶんぶくの湯」
住 所 :茨城県笠間市大渕532
電 話 :0296-72-6295
時 間 :10:00~17:00 / 月休
料 金 :500円
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (Yahoo!地域情報)
紹介ページ (楽天トラベル)
紹介ページ (ぐるなびトラベル)
紹介ページ (じゃらんnet)

茨城の秘湯として知られる自家源泉のお湯。メインは日帰り対応ですが、1日1組限定で宿泊も受け入れているようです。
笠間は焼き物を買いに何度か来ていますが、温泉は初めて・・・(笑)

もともと好き者のあいだでは知られていたお湯ですが、「自遊人パスポ」に参加して一気に知名度が上がったのでは?
場所は笠間市街の北側、わかりにくいので↓の地図を参照ください。
たしか要所に看板がでていたので、素直にしたがっていくと到達できます。
大渕鉱泉ともいわれ、一時は「民宿 ふくふく荘」と称していたようですが、いまは「秘湯 ぶんぶくの湯」の通りがいいようです。


【写真 上(左)】 看板
【写真 下(右)】 庭先の鶏舎

笠間市街からさほど離れていないのに、あたりはまったくの山中で秘湯の趣。
建物はほとんど農家で、庭先にはニワトリやカモが歩きまわっています。
このあたりのイメージは、千葉館山の正木温泉に似ているかな?


【写真 上(左)】 入口
【写真 下(右)】 いい味?を出してる館内

入口もかなり気合い入ったB級感、この手の雰囲気に慣れてない人は尻込み必至か?


【写真 上(左)】 休憩所&食堂
【写真 下(右)】 木蓋が掛けられた浴槽

廊下のおく、右手手前が女湯、おくが男湯。
浴場はけっこうまともで、丸石タイル貼の内床のうえに、檜張3-4人の浴槽が据えられています。
タイル細工はかなり気合いが入っていて、浴槽側面には笠間名物の菊が精緻にあしらわれています。


【写真 上(左)】 細かな意匠が効いてます
【写真 下(右)】 洗い場

保温用の木板のフタを外して入ります。
壁から突き出たゲキ熱カランからの随時投入で、別に冷水カランもあります。
槽内注排湯は見あたらず、オーバーフローは加温かけ流しかと・・・。


【写真 上(左)】 シャンプー入れ
【写真 下(右)】 浴槽

カラン3、シャワー・シャンプーあり、ドライヤーなし。
土曜10時で独占。


【写真 上(左)】 カラン
【写真 下(右)】 湯色

ややぬるめのお湯はわずかに懸濁し、白い浮遊物とこまかな気泡が舞っています。
湯中の指先がよわく青白に発光しています。
ゲキ熱すぎて味見できず味不明。水カランはごくよわい収斂味。
いわきの鉱泉にあるような苦っぽい温泉臭で効きそう。カルキはまったく感じませんでした。
きしきしととろみをまじえた当たりのやわらかなお湯で、あたたまりはさほどつよくないものの、浴後は爽快感とあたたまり感が絶妙に継続します。
肌がしっとり落ちつき、なるほど皮膚病に効きそうな感じ。

温泉法上の温泉には該当しておらず、つよい個性はないものの、なにか独特なフックのある面白いお湯ではないでしょうか。

〔 源泉名:不明 〕
泉質不明 泉温不明、pH=7.45、湧出量不明、固形物総量=95.0mg/L
ヒドロ炭酸=73.2mg/L、鉄=0.03、Cl^-=6.0、SO_4^2-=4.8、Ca=12.3、塩化ナトリウム=9.9
 <分析日不明>

〔 HP掲載 〕
秘湯 ぶんぶくの湯は昭和58年に開店、手打ちそばの美味しい日帰り入浴の店として、皆様に親しまれています。
ぶんぶくの湯の源泉は、弘法大師が関東ご巡錫の折に発見されたと言われる湧水で、ぶくぶくと湧き出る様子から『ぶんぶくの湯』と呼ばれています。
これを沸かした湯は古くから胃腸病や皮膚病に良いと言われ、江戸時代の古文書にも記録が残っています。

■ブランドグルメ
〔 笠間自然薯 〕
「笠間自然薯研究会」のメンバーで栽培される笠間の名物、自然薯。
有機肥料100%にこだわり、出来る限り“自然”に近いかたちで栽培、「種芋」となる自然薯を専用の畑で栽培するなど、安定して提供する体制を整えているそうです。

〔 2011/05/07UP (2007/12入湯) 〕


E140.17.6.947N36.23.41.299
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■ 出羽の湯 「宝来館」 〔 Pick Up温泉 〕



出羽の湯 「宝来館」
住 所 :茨城県常陸太田市棚谷1950 (旧 久慈郡水府村)
電 話 :0278-50-1500
時 間 :10:00~22:00(要事前確認) / 不定休
料 金 :500円
紹介ページ ((社)茨城県観光物産協会)
紹介ページ ((財)グリーンふるさと振興機構)

茨城の地味な温泉宿のひとつで日帰り入浴も受け付けています。
場所は常陸太田市街から大子へ向かう県道33常陸太田大子線と山方へ向かう県道29常陸太田烏山線が分岐する「松平」交差点のそばで、観光客はあまり通らないところ。

創業大正十二年(1923年)の老舗宿で山を背景に落ちついたたたずまい。
ここは地粉で打つ二八そばが絶品といわれ、そばだけを目当てに来るお客もいるようです。


【写真 上(左)】 サイン
【写真 下(右)】 館内

廊下を進むと正面に小浴室と右手おくに大浴室。
この日は大浴室に貸切で入れました。
(小浴室のほうがジェットがなく、落ちついて入れるような気も・・・。)


【写真 上(左)】 小浴室
【写真 下(右)】 小浴室の浴槽

大浴室といってもごぢんまりとしたもので、ややくらめの浴室に黒タイル貼2-3人の浴槽ひとつとシンプル。
窓の向こうに泉源らしきものが見えます。


【写真 上(左)】 大浴室
【写真 下(右)】 泉源?

カラン4、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
土曜10時で貸切。


【写真 上(左)】 大浴室の浴槽
【写真 下(右)】 渋いタイル細工

ジェット×2、オーバーフローはなく基本的にはため湯のようですが、浴槽のうえにカランがあって、そこからでるお湯は源泉かと思います。(水は微妙)
お湯の出はチョロチョロですが、水は大量に出ます。

ほぼ適温のお湯は無色透明で浮遊物なし。
微重曹味にほぼ無臭でカルキはほとんど感じられず。
かなりはっきりとしたツル(ヌル)すべがあり、よわいとろみもあってよくあたたまる浴感はあきらかに真湯のものではありません。


【写真 上(左)】 大浴室のカラン
【写真 下(右)】 お湯カランの石膏の析出

思いのほか個性あるお湯にびっくり。
温泉分析書はみあたりませんでしたが、重曹含みで高pHの美人の湯系の泉質だと思います。

やませみさんのデータ(「温泉みしゅらん」より)によるとスペックは下記のとおり。
■ 水府鉱泉(出羽の湯) 規定泉(NaHCO3) 14.9℃、pH=9.0、TSM(溶存物質計)=0.58g/kg

■ブランドグルメ
〔 水府天下野の凍みこんにゃく 〕
全国で唯一、旧水府村周辺だけで生産されているといわれる幻の「凍みこんにゃく」。
江戸期の明和八年(1771年)、蝦夷を調査した木村謙次氏により旧 水府村天下野に伝えられたといわれる「凍みこんにゃく」は農閑期の冬、田畑に藁を敷きつめた上にハガキ状に切ったこんにゃくを並べてつくられます。
こんにゃくは夜間の冷え込みで凍り、昼間の日光で解凍。水をかけてまた夜間に凍らせ昼間に溶かすという工程を20日ほども繰り返すうちに水分が抜けて「凍みこんにゃく」となります。
凍み系の加工品の多い諏訪地方と同様、夜間の冷え込みが厳しく、しかも空気が乾燥しているというこの地の風土ならではの逸品とされますが、非常に手間がかかるため生産量は少ないようです。
“煮しめ”で食べるととくに味が引き立つそうです。

〔 2011/02/22UP (2007/05入湯) 〕


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■ 美和温泉 「ささの湯」 〔 Pick Up温泉 〕



美和温泉 「ささの湯」
住 所 :茨城県常陸大宮市氷之沢3139 (旧 那珂郡美和村)
電 話 :0295-58-2682
時 間 :10:00~21:00 / 月休
料 金 :500円(17時~ 300円)
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (るるぶ,com)
紹介ページ (じゃらん観光ガイド)
紹介ページ ((財)グリーンふるさと振興機構)

※ 大混雑につき浴場の写真はありません。

茨城県那珂郡にあった美和村は、2004年10月16日、同郡山方町、美和村、緒川村、東茨城郡御前山村とともに那珂郡大宮町に編入合併のうえ改称・市制施行されて、常陸大宮市となりました。
もともと温泉地としては無名のエリアでしたが、「ふるさと創生事業」を契機に旧町村が競ってセンター系温泉施設を開設し、ここもそのひとつです。

ここは道の駅「みわ★ふるさと館北斗星」とともに美和エリアの観光拠点となっている人気施設。
この源泉は竹下内閣のもと、1988年から1989年にかけて通称「ふるさと創生事業」で交付された資金1億円で開発されたもの。

以前も書きましたが、この事業は一部で”バラマキ”と揶揄され、村営キャバレーや金塊購入など、トホホ的つかわれ方をされた例もあって”税金ムダ使いの典型”と酷評する有識者もいましたが、特産品振興や観光開発など、いまにつながる布石となったものも多く、個人的にはけっこう面白い事業だったように思います。
すくなくとも、各自治体が自分たちの地域の資源を見直すきっかけになったし、キャバレー建てたり、金塊買うのもなんらかの経済波及効果はあるワケで、財政破綻ぎりぎりの状況で虎の子の数兆円の巨費を投じたあげく、その4割以上が貯金されてしまったという”子ども手当”にくらべれば”費用対効果”はあったような気もします。

交付金としては異例ともいえる使途制限されていない予算で、これについての「『何でも使ってください。その代わりいい事業をやったところは評価されるでしょうし、ろくなことをやらなかったところは笑われるでしょうね』という以外には自治省としては言いようが無い」、「ただせっかくみんなに1億配っているから『大いに議論して楽しんでください』とお願いしているだけ」(wikipediaより引用*)という自治省のコメントもなかなかふるっています。(*原典:野平匡邦(述)「『ふるさと創生』事業の考え方と具体策について」, 地域社会計画センター, 1989.3, p.9)
それに、正式事業名「自ら考え自ら行う地域づくり事業」、いいですね~。
予算に縛られ、官も民もあまりにギスギスとしているいま、こういうおおらかな考え方に一旦立ち帰ってみるのもひとつの切り口かも・・・。

おっと、ハナシが逸れました・・・。
場所は、緒川に沿って走る県道163号下檜沢上小瀬線沿い、この県道はこのエリアの主要ルート、R118の枝線のそのまた枝線のような道で、観光客はふつう通りません。
「道の駅」からも数kmはなれています。


【写真 上(左)】 近くに”風車の弥七”の墓がありました
【写真 下(右)】 全景

95年3月開設のこぢんまり建物は、2003年4月にリニューアルされ大がかりな施設になりました。
すこしくはなれたところに温スタ(このときは行きませんでした。)もあります。
旧美和村は、星がよく見える天体観測の村として知られ、この施設内にも宇宙にちなんだ名前がつけられています。
直売所は「一番星」、食事処は「天の川」、個室は「宇宙(おおぞら)」と「銀河」、男湯が「ひこ星」で女湯が「おり姫」。
中庭のとられたゆったりとしたロビーのおくに浴場。右が男湯「ひこ星」、左が女湯「おり姫」で、地方のセンター系らしく全体によくメンテされています。


【写真 上(左)】 サイン
【写真 下(右)】 ロビー

ともに八角形の浴場でベースは左右シンメトリですが、左が立ち湯式流水浴で露天は岩風呂、右が腰掛け式流水浴で露天は檜風呂なので男女週替わりとなっています。
この日の男湯は右でした。


【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 源泉施設?

窓の広いあかるい浴室。
左から時計回りに、小浴槽(3-4人、適温)、メイン槽(黒みかげ石造20人以上)、露天(檜枠石貼5-6人)、腰掛け式流水浴槽(FRP造、3-4人)にサウナで、なぜか水風呂がありません。(小浴槽を水風呂にした方がいいかも・・・?)
この流水浴槽は、全国でも珍しい船と同じスクリューを使って流れを起こしているそうです。(それがなにか・・・?? っつう気がしないでもないが・・・ 笑 )
カラン18位、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
地味な立地で空いているかと思いきや、館内はどこも人であふれかえっていました。(週末の昼ごろ)

露天は厳密にいうと半露天ですが、眼下を逆S字状に流れる緒川にせり出すようにつくられていて、抜群の眺望をもっています。
この露天のロケーションは茨城では屈指かと・・・。

人気はこの露天と腰掛け式流水浴槽に集中し、なかなか入ることができません(^^;)
湯口はどれも金属&プラスティックの覆いがけがされていて、近寄ることができません。
これはおそらく湯口を打たせ湯とする客対策でしょう。(茨城にはこれやる客けっこう多い ^^; )。

混雑につき槽内注排湯はほとんど確認していませんが、お湯の感じからして循環でしょう。
(露天は↑の覆い付檜の湯口から大量投入で上面排湯あり。メイン浴槽&小浴槽でよわいオーバーフロー。)

お湯は、メイン浴槽&小浴槽が適温で露天はややぬる。
無色透明で浮遊物はなく、味不明で、腰掛け式流水浴槽は強烈カルキ臭、露天でカルキ臭、メイン浴槽&小浴槽は紙パルプ臭。
ごくわずかですが、湯中の指先が青白く発光しています。

重曹泉型のアル単ですが、なぜかヌルすべはほとんど感じられず硬めの浴感。
なまった感じはないものの、いまいち面白みにかけるお湯です。

わたしは混雑した浴場は苦手で、お湯もこんな感じなので早々に退散してしまいました。
ただ、設備は充実しているし露天のロケもいいので、お湯にこだわらない向きにはいい施設かと思います。

〔 源泉名:美和温泉 ささの湯 〕
アルカリ性単純温泉(Na-HCO3型) 25.3℃、pH不明、320L/min、成分総計=0.2513g/kg
Na^+=51.00mg/kg (76.29mval%)、Ca^2+=7.4 (12.71)、Fe^2+=0.05、Cl^-=4.00 (3.73)、SO_4^2-=8.70 (6.10)、HCO_3^-=140.00 (77.63)、CO_3^2-=11.00、陽イオン計=63.64 (2.91mval)、陰イオン計=163.70 (2.95mval)、メタけい酸=24.00、硫化水素=0.40 <分析日不明>
※ 泉温25.3℃、規定成分量なし、きわどいですね・・・。

■ブランドグルメ
〔 玉野屋さんのパン 〕
村域の約82%を山林が占める旧美和村。
もともと特産品情報がすくないところでしたが、常陸大宮市に編入されてからはますます情報がとれなくなりました。
シイタケの栽培が盛んで近年はブルーベリーも売り出し中ですが、ここでは「道の駅」紹介ページで取りあげられている地元産のパンを紹介します。
道の駅「みわ★ふるさと館北斗星」に水曜日と金曜日の1:30頃しか入荷しないというレアもので、当然食べたことはありません。
ただWeb検索するととくに”カステラパン”が逸品で、すぐに売り切れてしまうらしい。
パン好きは買える機会があったらマストでは?

〔 2011/01/30UP (2008/02入湯) 〕


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■ 筑波山温泉(双神の湯) 「つくば湯」 〔 Pick Up温泉 〕



筑波山温泉(双神の湯) 「つくば湯」
住 所 :茨城県つくば市筑波64-9
電 話 :029-866-2983
時 間 :10:00~22:00 / 原則無休
料 金 :1,050円(土日祝1,260円)
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (ぐるなびトラベル)
紹介ページ (るるぶ.com)
紹介ページ (じゃらん観光ガイド)

茨城の名山、筑波山周辺にはいくつかの温泉施設があります。
ここは筑波山の山腹にある宿「彩香の宿 一望」が併設する日帰り温泉施設。

東京方面からだと、ほんとうは常磐道「土浦北IC」~表筑波スカイラインが最短ですが、表筑波スカイライン(610円)の課金を回避するため、R125~北条市街~県道139筑波山公園線経由でアプローチしました。
ところがこの筑波山公園線、県道とは名ばかりの延々とつづく急坂と仕舞いには路面がうねりだすもの凄い道で、運転に不慣れな人にはまったくおすすめできません。
「基本的に自動車で走ることを前提とした設計になっておらず、狭隘区間・推定25%以上の急坂が連続する。スリップを防ぐため段差付きのコンクリート舗装がなされているが、民家の入り口などで大きく路面が波打っていて、まさに階段の踊り場のようになっており、車高の低い車・パワーのない車では極めて危険である。」(wikipediaより)というほどのもの・・・(笑)
(その凄さはこちらをご覧ください。)


【写真 上(左)】 こんな道です
【写真 下(右)】 北条から筑波山

ただ、筑波山神社への参道「つくば道」だったすこぶる風情のある道なので、運転好きには走り甲斐があるかも・・・。
ちなみに、あとで調べてみると表筑波スカイラインは2004年10月1日から無料開放されていたのでした(orz)

筑波山の山腹を走る県道42沿いにありすぐわかります。
料金1,050円(土日祝1,260円)とお高いですが、Web割チケ利用で105円引になります。(それでも高いが・・・)
館内には浴場のほか飲食処、売店、卓球ルーム、ゲームコーナー、カラオケ、タイ古式マッサージなどがあります。


【写真 上(左)】 看板
【写真 下(右)】 外観&筑波山

階段をおりた階下が浴場。左が女湯「椿の湯」、右が男湯「萩の湯」。
べつに家族風呂(貸切露天風呂、2,000円/45分)あり。
HPの写真を見るかぎりけっこうよさげで、人数割り増しもないようなので、家族づれなど奮発して入ってしまうのも手か?

脱衣所はかなり狭めでごったがえしています。
内湯もこぢんまりとしていますが、露天のスペースはそこそこ広め。
ここからのぞむ筑波山の眺めはすばらしいもので、これだけの絶景をもつ露天はなかなかありません。
それだけにベンチがほしいところ。
(ただし、男湯の浴槽からは眺められず、端の方まで行ってはじめて見えます。女湯露天はさらに絶景で、パワースポット的ないわれもあるらしい・・・。)

内湯ゾーンに内湯(みかげ石枠タイル貼10人位、適温)、ジャグジー槽ととなりあって水風呂とサウナ。
露天ゾーンに露天(みかげ石枠石敷10人弱、ぬるめ)という構成。
露天は茨城名物(?)の多角型です。

カラン8、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
土曜14時で20人ほどもいる盛況。
湯なれていない客が多く、洗い場などアワだらけ・・。


【写真 上(左)】 内湯
【写真 下(右)】 露天

内湯は塩ビパイプからの投入&ジェット×2からの注入で底面吸湯でオーバーフローなし。
湯口に「循環湯」とありました。
露天は岩組みから突き出た塩ビパイプからの投入でオーバーフローなく切欠からの上面排湯と槽内排湯?。

お湯は露天のほうがぜんぜんいいのでこちらのレポです。
無色透明のお湯にはこまかな気泡とわずかに白い浮遊物。
味不明でよわいながら秩父あたりのお湯によくある紙パルプ臭を感じ、おそれていたカルキはほとんど感じませんでした。
よわいきしきしと湯中の指先の青白発光があって、なかなかに滋味のあるお湯です。
相当な鮮度感があり、源泉起源じゃないと思いますが湯口そばではよわいアワつきもありました。
絶妙なぬる湯なので入っていてきもちがいいです。

pH=10.1という高アルカリ泉ながらヌルすべが感じられないのは、成分濃度が総計=0.126g/kgとうすいことと、SO4、土類をそれなりに含んでいるためか??。
微妙にフックのある浴感で、このあたりは↓の面白い泉質によるものかもしれません。

pH=10.1はかなりの高アルカリ泉。
これを受けてメタけい酸はすべてメタけい酸水素イオンとして算定、しかもこれが陰イオンの主成分をなしています。
(陰イオンでこれだけmval%が分散している分析書はちょっと記憶にない。)
-----------------------------------------
鉱泉分析法指針(環境省)によると、
メタけい酸は、
pH値9.7未満のとき H_2Sio_3(メタけい酸)
pH値9.7以上11.7未満のとき HSio_3^-(メタけい酸水素イオン)
pH値11.7以上のとき Sio_3^2-(メタけい酸イオン)
として定量値から計算しイオン表に記入することとされています。
(8-4 弱電解質の計算)
-----------------------------------------

特殊成分を比較的多く含み、F^-=3.3mg/kgとRn=7.31M.E.(マッヘ単位/kg)は温泉法規定を上回っています。
なので、仮に泉温25.7℃が25℃未満に低下したとしても、ふっ素(2.0mg/kg以上)と放射能(ラドン5.5マッヘ単位/kg以上)で規定に乗るので温泉の地位にゆるぎはありません。
とくにこのあたりで放射能の規定泉というのはなかなかに貴重です。
HS^-=0.8mg/kgもあと0.2mg/kgあれば総硫黄で規定泉。
というほどの面白い泉質です。(うすいですけど・・・ ^^; )
さすがに霊峰、筑波山お膝元のお湯というべきか・・・。


【写真 上(左)】 内湯の湯口
【写真 下(右)】 水風呂

水風呂はカランから投入で槽内注排湯なし。
カランがタオルで固定されていて、ザンザンオーバーフローのかけ流し状態になっていました(^^)
この水風呂がすぐれものです。
無色透明、わずかに芒硝薬味を感じ臭いはほとんどなし。
鮮度感抜群でよわいきしきしも感じられます。
オーバーフローを受ける内床の排水口まわりに石膏&石灰華の析出らしきものがあるので、相当量の成分を含む井水かと思われます。

露天のお湯もなかなかですが、この水風呂はさらによかったので、じっさいのところここにいちばん入りました(^^;)

調べた範囲では筑波南麓には筑波温泉(「筑波温泉ホテル」(入湯済未レポ)の自家源泉?)と筑波山温泉(双神(ふたがみ)の湯)の2源泉があります。
(財)茨城県中小企業振興公社の公式HPによると、双神の湯は、山腹の4つの宿(筑波山ホテル青木屋、筑波山江戸屋、つくばグランドホテル、ホテル一望)が協同で設立した筑波山温泉供給(株)が、平成12年3月、地下1700mまで掘削して掘り当てたもの。
なお、「双神の湯」の名は、筑波山の両峰「男体山」「女体山」にちなむものらしい。(筑波山は山そのものが神格化されている。)


【写真 上(左)】 水風呂の析出
【写真 下(右)】 タンクローリー

「現在は、最大で1日約40トンのお湯を汲み上げ、受水槽にためている。まだ配管設備が整っていないため、汲み上げたお湯はタンクローリーでホテルなどに運んでいる。」とのこと。
泉源は筑波山神社脇(字宮脇)にあるらしく、「つくば湯」のよこにタンクローリーが停まっていたので、ひょっとしてローリー利用かもしれません。
また、28L/minを4軒で分湯とすると加水が考えられるところですが、水風呂の水質からすると希釈水じたいがすこぶる良質なものなので、仮に加水があったとしてもこれだけの湯質を保っているのかもしれません。

コストパフォーマンスを考えると評価のわかれるお湯だと思いますが、筑波山観光の帰りなど、利用してみるのも面白いかも・・・。

〔 源泉名:筑波山温泉 〕
アルカリ性単純温泉(Na-(HSiO3)型) 25.7℃、pH=10.1、28L/min掘削揚湯、成分総計=0.126g/kg
Na^+=34.9mg/kg (88.89mval%)、Al^3+=0.6 (4.09)、Ca^2+=1.8 (5.26)、F^-=3.3 (9.83)、Cl^-=4.5 (7.51)、OH^-=2.2 (7.51)、HS^-=0.8 (1.16)、SO_4^2-=6.7 (8.09)、HCO_3^-=17.7 (16.76)、CO_3^2-=8.7 (16.76)、HSiO_3^-=43.5 (32.37)、陽イオン計=38.5 (1.71mval)、陰イオン計=87.5 (1.73mval)、メタけい酸=-、メタほう酸=-、Rn=7.31M.E.(マッヘ単位/kg) <H13.2.27分析>

■ブランドグルメ
〔 筑波山の御神木・つくばうむ 〕
つくばの有名菓子工房「コートダジュール」のオーナーシェフ中山満男氏と筑波山旅館組合青年部のコラボレーションで生まれたつくば限定のオリジナルバームクーヘン。
厳選素材で作られているとのことで、きっと美味しいでしょう。(筑波山の温泉旅館6軒と筑波山神社周辺の売店で限定販売とのことで、なんとなく売り切れのことが多そう・・・)

〔 2010/12/26UP (2009/08入湯) 〕


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■ 御前山温泉 「ごぜんやま温泉保養センター 四季彩館」 〔 Pick Up温泉 〕



御前山温泉 「ごぜんやま温泉保養センター 四季彩館」
住 所 :茨城県常陸大宮市長倉407-2(旧 東茨城郡御前山村)
電 話 :0295-55-2626
時 間 :10:00~21:00 / 木休
料 金 :800円(土日祝 1,000円、16時~ 全日500円)
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (るるぶ.com)
紹介ページ (じゃらん観光ガイド)
紹介ページ (Yahoo!トラベル)
紹介ページ (温泉みしゅらん)

御前山は那珂川の清流と御前山をのぞむ風光明媚なところで、御前山と那珂川大橋のたたずまいが京都の嵐山に似ていることから、「関東の嵐山」とも呼ばれています。
「四季彩館」は御前山地区にある自家源泉の大規模センター系施設。(旧御前山村営)
ここはず~と以前にいちど入湯したとき、強烈な湯当たりに見舞われた記憶があります。
その理由がず~と気になっていたので、再訪してみました。


【写真 上(左)】 看板
【写真 下(右)】 温スタ

小高い丘の上にあるバリバリセンター系モードの建物、入口前の巨大円形モニュメントを見ただけで正当派温泉マニア(^^)はふつうにパスるのでは・・・?
でも、本館裏側に温泉スタンド(100円/50L)があって、豊富な湯量をうかがわせます。


【写真 上(左)】 案内板
【写真 下(右)】 エントランス

館内も絵に描いたようなセンター系ながら、この手の施設にはめずらしくリラクルームもある豪華版。
土日休1,000円とお高い入浴料が、16時以降は500円になるので夕方突入。
当然、これを目当てにくる客も多く、P、館内とも満杯の大盛況。


【写真 上(左)】 ロビー
【写真 下(右)】 内湯

ロビーわきが浴室で左が「那珂川の湯」右が「三玉の湯」。おそらく男女交替制で、この日の男湯は「三玉の湯」でした。
ふたつの浴場はシンメトリではないですが、ほぼ同じアイテム構成。

脱衣所はさして広くなく人いきれでムンムン。
大きなロッカーはすこししかないので、下段まで満杯でした。
どちらかというと古株の温泉施設なので、どうしてもこういうところにひずみがでてきてしまいます。

内湯は左手にサウナ、右手にかけ湯、水風呂と洗い場10(すくなすぎ)、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
日曜17時で30人以上もいる大盛況。
それにしても茨城のセンター系温泉はどこも混んでいますね。

窓ぎわに内湯(赤みかげ石枠石貼20人以上、一部機能浴槽、適温)、右手に源泉槽(赤みかげ石造4-5人、ややぬる)、窓側に薬湯(温泉+竹炭エキス)という多彩な構成。
天井はさして高くなく場内はややこもり気味で、浴槽まわりの濃ピンク色の壁面がややチープ。

扉の外、露天ゾーンに露天(岩組み鉄平石貼12人以上、一部屋根付)と、となりあって打たせ湯×2。
高台にあって風とおしよく、御前山の眺めがいい展望露天です。

湯づかいは、内湯が石の湯口からの大量投入+側面注入でオーバーフローなし、源泉槽が赤みかげ石の湯口からの投入でかなりのオーバーフロー。
薬湯は石の湯口からの投入で底面吸湯、露天は赤茶に色づいた石の湯口からの投入+熱湯側面注入でオーバーフローなく排湯不明。
源泉槽以外はオーバーフローなく、槽内排湯があるかと思いますが、混雑&にごり湯につき詳細確認できず。掲示によると非加水・加温循環のようです。


【写真 上(左)】 源泉槽の湯口
【写真 下(右)】 露天

お湯のイメージは、A.源泉槽、露天、B.内湯、薬湯でちがいます。
Aは濾過がよわいようで茶色のにごり湯(透明度50-60cm)。
Bは濾過がつよく、ほぼ透明。
お湯はAのほうがぜんぜんいいので、源泉槽と露天のレポです。
(ただ、濃度感はどの浴槽でも感じられたので、おそらく掲示どおり非加水かと・・・。)

水風呂は間欠投入で流し出すかけ流しで、カルキは感じずほてりさましとカルキ流しに最適。

明瞭な芒硝味+弱塩味で露天では消毒臭が湯口でもあります。
源泉槽は消毒をほとんど感じませんでしたが、ここでも湯の香はほとんど感じなかったので、もともと温泉臭のよわい泉質なのだろうと思います。
硫酸塩泉系のきしきしととろみ、浴後は湯切れよく肌がしっとりと落ちつく美人の湯系のお湯です。
お湯はやはり源泉槽がよく、湯ざわりのやわらかさもここがベスト。(お湯じたいはかけ湯槽がいちばんいい。)

さしてあたたまりはないものの、お湯じたいの力感がつよく、しばらく入っていると汗がポタポタとしたたり落ちてきて浴槽から追い出されます。
浴槽まわりにはトドが大量発生。

ピュアで濃度のある芒硝泉によくあるビシビシと責め立ててくるスパルタ的なお湯で、中伊豆あたりの芒硝泉に通じるものがあります。
SO_4^2-=3456.0mg/kgという濃度はそうはお目にかかれるシロモノではなく、しかも非加水利用ですから、なるほど浴感がつよい理由もわかろうというもの。
以前、青かったときに湯当たりしたワケがわかりました。

わたしはピュアで濃い芒硝泉はどちらかというと苦手なのですが、ここはイオウを含んでいるせいか、妙なあと曳き感があって、食堂で夕食をとったあと再度突入(^^)

茨城のセンター系のお湯は、バリ循カルキのうえ土日祝昼間で1,000円という掟やぶりの高料金のところが多いので、温泉好きは敬遠しがちですが、このような個性あふれる源泉をもっているところも多いので、個人的には「もっと評価されてもいいのでは?」と感じています。

〔 源泉名:ごぜんやま温泉 〕
Na-硫酸塩泉 26.0℃、pH=7.8、130L/min掘削揚湯、成分総計=5.775g/kg
Na^+=1467.0mg/kg (77.74mval%)、NH4^+=1.2、Mg^2+=67.0 (6.71)、Ca^2+=236.6 (14.39)、Fe^2+=1.8、Sr^2+=5.1、Cl^-=215.4 (7.36)、SO_4^2-=3456.0 (87.07)、HCO_3^-=277.7 (5.51)、陽イオン計=1804 (82.08mval)、陰イオン計=3950 (82.65mval)、メタほう酸=5.3、硫化水素=0.4 <H16.10.18分析> 

<温泉利用掲示> 加水:なし 加温:あり 循環ろ過装置使用:あり 電気分解による塩素生成注入:あり

■ブランドグルメ
〔 ごぜんやまゆずヨーグルト 〕
御前山は柚子の産地で旧御前山村の村の木も柚子が指定されていました。
加工品も開発されていて、有名なのは「ごぜんやまゆずヨーグルト」。
シンプルな柚子カラーのパッケージがそそります。
ヨーグルトと柚子の酸味が意外に調和したすっきりおいしいヨーグルトで、このところマスコミで紹介されて知名度があがり、都内でも売っているところがあります。
四季彩館や道の駅で売っていて、スイーツ好きにはマストアイテムかと・・・。

〔 2010/11/28UP (2008/02入湯) 〕


E140.17.18.612N36.33.53.879
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■ 伝正寺温泉 「桜井館」 〔 Pick Up温泉 〕



伝正寺温泉 「桜井館」
住 所 :茨城県桜川市真壁町桜井1074-26 (旧 真壁郡真壁町)
電 話 :0296-55-2131
時 間 :10:00~16:00 / 不定休
料 金 :500円
オフィシャルHP
紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
紹介ページ (るるぶ.com)

芥川龍之介や室生犀星も投宿している慶応三年創業のこの老舗宿は、筑波山の北側にひっそりとある鄙びの佇まい。
「伝正寺」というのは、目の前にある曹洞宗の古刹に由来するもの。
この寺は「どっこい真壁の伝正寺」という言葉で有名だそうで、ちょっと興味が湧いたのでWebで調べてみましたが、意味も由来も曖昧模糊としています。
これは伝正寺由来の漢詩
「一上山弄風光 帰来応天目道場 放身覚了無一物 咄是真壁平四郎」
によるものとされています。

真壁の殿様時幹の家来、真壁平四郎は、雪の日に時幹の草履を胸元で暖めていたにもかかわらず、暖かい草履を履いた時幹は、「わが草履を尻の下に敷いていた」と平四郎を責め立てました。
平四郎は真壁を離れ、一念発起し宋に渡って出家後、修行を積んで帰国、亀山天皇から「法身国師」の号を送られ松島瑞巌寺を開くほどの高僧となりました。
高僧となった平四郎が真壁に帰ると、時幹はかつての非礼を詫び、照明寺を建立寄進してこれがのちに伝正寺となりました。
”咄是”というのは、”えっ!”という感嘆詞らしく、”この偉いお坊様があの平四郎?!”というほどの意味ではないかとされています。

本来は「どっこい真壁の平四郎」だったものが、語呂がいいためか、いつしか「どっこい真壁の伝正寺」に変化したようなのです。
『その手は桑名の焼き蛤』や『恐れ入谷の鬼子母神』などとおなじく、江戸っ子がしゃれっ気まじりでつかったのかもしれません。


【写真 上(左)】 玄関
【写真 下(右)】 玄関の酒樽

場所は県道41つくば益子線と県道7石岡下館線が交わる「真壁署前」交差点から県道41を北上して2つ目の「伝正寺入口」信号を右折し、道なりに1.5kmほど走って山道にさしかかった右手。(正面が伝正寺)
ゆったりとした玄関は、老舗宿としての歴史を感じさせます。
玄関には真壁の銘酒、「公明」「花の井」「正気」の酒樽が積まれていました。
ものごしやわらかな女将さんはとても親切で、湯上がりにお茶を出してくださいました。


【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 女湯

かなり年季の入った館内、階段を降りていくと男女別の浴室があります。
男湯は、石造り3人の浴槽がひとつ。
これはHPによると「日本三大名石の真壁の御影石のお風呂」だそうです。
青味がかって斑のはっきりとした浴槽石は、たしかにふつうのみかげ石とは違う質感がありました。
(真壁石(真壁小目石/常陸小御影)は関東を代表する花崗岩石材で、この宿のまわりにも石材工場がいくつかあります。)


【写真 上(左)】 蓋がしてあります
【写真 下(右)】 真壁石の浴槽

窓はないですが、天井は高く壁に筑波連峰の絵図があって、なんとなく年季の入った銭湯のような雰囲気が秀。
浴槽には保温用の木のフタがしてあり、自分で外して入ります。


【写真 上(左)】 筑波山
【写真 下(右)】 洗い場

浴槽は溜め湯式で、熱湯と水の塩ビパイプのコックで投入量を加減でき、しばらく投入しているとオーバーフローが始まります。
槽内注排湯はないので非循環でしょう。
カラン4、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。祝日11時で独占でした。


【写真 上(左)】 男湯の浴槽
【写真 下(右)】 カラン

お湯は無色透明無味無臭ですが、やさしい湯ざわりがあってあたたまります。
総鉄イオン=35mg/kgとかなり濃い鉄泉のようですが、お湯からはなぜか鉄の気配は感じられず。でも、浴室のところどころは鉄分で赤く変色しています。
明治23年時点では5本の源泉があり、鉄分が少ないものもあるので(下記)、現在でも何本か使い回ししているのかも?


【写真 上(左)】 内湯
【写真 下(右)】 鉄分で変色した内床

このときはまだ青くて、ガシガシの鉄泉を期待していたので正直あまりインパクトは感じられませんでしたが、いま入るとなにか感じるものがあるような気もします。
昔日にタイムスリップしたような体験ができる貴重なお宿なので、「どっこい真壁の伝正寺」の語源辿りをかねて、再訪してみたい1湯です。

単純鉄(2)泉(炭酸水素塩型) 11.6℃、pH=6.1、5L/min自然湧出、成分総計=0.2739g/kg、Na^+=13mg/kg (18.60mval%)、Mg^2+=5.7 (15.40)、Ca^2+=9.2 (15.00)、総鉄イオン=35 (40.80)、Mn^2+=6.3、Cl^-=11 (10.20)、HCO_3^-=160 (86.18)、陽イオン計=70.89 (3.06mval)、陰イオン計=176.1 (3.04mval) <H7.1.19分析>

〔 参考:明治23年の鉱泉分析報告(=廊下に掲示)から抜粋 〕
第一号泉/微黄色ニシテ弱アルカリ性の反應ヲ呈シ多量ノ鉄及ヒ炭酸塩ヲ含有ス
第二号泉/白濁半透明ニシテ中性の反應ヲ呈シ鉄ノ痕跡ヲ認ム
第三号泉/梢ヤ白濁ヲ帯ヒ中性反應ヲ呈シ最モ多量ノ炭酸塩ヲ含有スルモ鉄ヲ存セス
第四号泉/透明無色ニシテ中性反應ヲ呈シ微量ノ炭酸塩ヲ含有スルモ鉄ヲ存セス
第五号泉/透明無色ニシテ多量ナル黒褐色ノ沈殿ヲ生シ炭酸塩及ヒ鉄ノ少量ヲ含有ス

〔 HP掲載 〕
掛け流しで循環式ではありません。

■ブランドグルメ
〔 真壁の清酒 〕
江戸時代、笠間藩の陣屋があり商業地として栄えた真壁は、良質の米と真壁石に代表される花崗岩層を通って湧き出る筑波山系の伏流水に恵まれ、酒どころとして知られてきました。
「花の井」(西岡本店)、「公明」(村井醸造)、 「正気」(軽部酒造店)が主要銘柄で、茨城県で開発された酒造好適米『ひたち錦』をつかった酒も醸されています。

〔 2010/11/01内容補強のうえ再UP (2003/11/04レポ (2003/11入湯)) 〕

E140.7.15.337N36.16.12.292
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