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高崎 「湯都里」さらに絶好調

高崎の「湯都里」がますますよくなっています。
群馬湯巡り(吾妻・北毛)のあとには、「湯都里」「ゆ~ゆ」「天神の湯」のどこかで時間をつぶしてETC夜間割引をゲットするのが定番コースですが、最近は「湯都里」ばっかり。
回数券がどんどん減っていきます(笑)

当初は感心しなかった内湯の湯づかいも最近はかなり改善されていて、十分楽しめます。
これだけ温泉浴槽があってハズレがないのは驚異。

お湯は、大岩湯がすさまじいものになっています。
メタンガス臭と粘土系アブラ臭とアンモニア臭と金気貝汁臭とこげ臭が渾然一体となって匂い立ち、肌をなでるとアワで湯面がはじけてサイダー状態になります。
お湯のイメージは完璧に重炭酸土類泉。

名だたる群馬の名湯に入ったあとでも「やっぱりここのお湯が一番いい」と思うこともしばしば。
関東のスパ銭では1.2位を争う名湯だと思います。
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〔 温泉地巡り 〕 川治温泉

<プロフィール>
川治温泉は五十里湖からの男鹿川と奥鬼怒からの鬼怒川本流が合流するところ、鬼怒川温泉よりひときわ山ぶかい立地にあって、昔から“傷(けが)の川治、やけどの滝(鬼怒川)”といわれて、多くの湯治客を集めてきました。比較的大型の旅館が多いですが、鬼怒川よりはしっとりと落ち着いた雰囲気の温泉地です。
かつての玄関口は東武鬼怒川線「鬼怒川温泉」or「鬼怒川公園」駅。1986年10月、野岩鉄道が開通し「川治温泉」駅が開設されて、さらに鉄道の便もよくなりました。

 
【写真 上(左)】 遊歩道から温泉街
【写真 下(右)】 旧川治橋から下流方向

現在の宿数は約15軒。近年は団体客の集客に苦戦しているようで、旅館のなかには破産手続き進行中(営業は継続)のものもありますが、温泉地をあげて活性化にとり組み、地元農産物をつかった全旅館共通料理(鬼子蔵(きしぞう)汁、とばっちり他)なども企画されています。
男鹿川の河畔にある露天風呂「薬師の湯」は古くから「岩風呂」の名で親しまれ、いまも多くの浴客を迎えます。
歓楽温泉の鬼怒川、秘湯の湯西川に挟まれて、やや個性に乏しい感もありますが、豊富な湯量とおだやかな泉質をもとめて訪れる固定客も多いようです。

*ここは祖父が好きで、子供のころ夏場によく連れてこられたので個人的に思い出ぶかい温泉地です。

鬼怒川・川治温泉観光協会
川治温泉旅館組合


【写真 上(左)】 柏屋付近
【写真 下(右)】 薬師の湯の看板

<歴史>
天和三年(1683)、日光大地震(一説に大風雨)による葛老山の山崩れでできたせき止め湖は、江戸から五十里の距離にあることから五十里湖と呼ばれました。災害による脆い堰堤でてきた湖ゆえ決壊のおそれがあるため、会津藩五十里関筆頭役人高木六左衛門は、困難な自然ダム湖の掘割り工事に挑みましたが成就せず、責を負って切腹しました。40数年後の享保八年(1723)、夏の大雨によりついに五十里湖は決壊し、下流に大洪水を引き起こしました。これが宇都宮でさえ三尺に及ぶ出水を記録したという、歴史に残る五十里洪水です。

川治温泉はその洪水が引いたあと、筏乗りをしていた多平、伝次郎の二人によって発見されたお湯といわれます。会津西街道の脇道である川沿いの道(川路)にあったため「川路」が転じて川治温泉になったと伝えられています。
また、「登隆館」の館内掲示には「享保三年(1718)嵐の夜、五十里湖が大決壊した数ヶ月後、鬼怒川と男鹿川の合流点の沿岸に数しれない蛇の群がりがありました。驚いて近づいてみると温かい水が湧き出ており、それが源泉となっています。」とありました。

ながらく湯治場として栄え、戦後の高度成長期には交通の便を活かして鬼怒川とともに隆盛を迎えましたが、バブル崩壊後は団体客ばなれや足銀の破綻など苦戦がつづきます。
しかし、最近、川治の持ち味である豊富な湯量と湯質やわらかなお湯が次第に見直されつつあるように思います。


【写真 上(左)】 登隆館の浴槽
【写真 下(右)】 蘭綾の露天

<温泉>
温泉好きのあいだでは川治温泉の源泉はナゾが多いとされています。それは分析書に「共同浴場源泉」「共同源泉」という源泉名が多くみられ、では集中管理泉かというとそうでもなさそうで、なにがなにやらわからなくなっていくからでしょう(笑)。また、本家の「薬師の湯」に分析書掲示がないことも一役買っているのでは?

県資料によると、川治温泉には下記4本の源泉が記載されています。(スペック(数値ちがい多数あり代表的なもの)・湧出地は筆者にて付記)

1.温泉ホテルNo.1 (藤原町川治2)
  単純温泉
2.温泉ホテルNo.2 (藤原町川治2)
  単純温泉 47.8℃ pH=7.8 成分総計=0.349g/kg
3.共同源泉 (藤原町川治22)
  単純温泉 45.5(45.9)℃ pH=8.1 成分総計=0.419g/kg
4.共同浴場源泉 (藤原町高原66番地北)
  単純温泉(Na-Cl・HCO3・SO4型) 41.9(36.3)℃ pH=8.0 成分総計=0.30g/kg

うち、1.2は混合泉が蘭綾・明月苑、1の単独使用は如水庵(休業中?)、2の単独使用は山味亭こうわ、3.4はあわせて「川治温泉共同泉」といわれ、3は薬師の湯・一柳閣本館・東山閣・宿屋伝七、4は柏屋・登隆館で使用されている模様です。

「川治地区には、泉温40~50℃の温泉を湧出する横坑式の源泉が4坑あって・・・(中略)・・・横坑源泉は鬼怒川と男鹿川の合流点近くにあって、浅間山と呼ばれる小山地の南麓(男鹿川右岸部)から掘進されている。上流から2,1,3,4号の順で並んでおり、2-4号間の水平距離は約170mである」(中央温泉研究所 高橋保氏「川治温泉の源泉と温泉湧出状況の変化」より引用)という調査があるので、泉源は「薬師の湯」周辺に集中しているものと思われます。
ひょっとすると「薬師の湯」の浴槽奥にある配湯槽?(鍵のかかった扉あり)は横坑泉源のひとつなのかもしれません。

なお、各泉源は自噴と思われ、登隆館館内掲示によると、総湯量は3,400L/minに達するそうです。

 
【写真 上(左)】 宿屋伝七の内湯
【写真 下(右)】 山味亭こうわの浴槽

お湯はおおむね40℃台の単純温泉でCl、SO4、HCO3をバランスよく含みます。pH高めでとろみを帯びた、浴感おだやかな通ごのみのお湯といえそうです。

「温泉地巡り」のリスト
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■ 赤城温泉 「赤城温泉ホテル」 〔 Pick Up温泉 〕



<赤城温泉「赤城温泉ホテル」> (前橋市(旧宮城村)、時間要問合せ、500円、027-283-2619)
オフィシャルHP

赤城温泉の一番手前にあるいちばん大きな宿、といっても全18室ですからこぢんまりとしたものです。「元禄十三年(1700)、『あづまや』として創業」した老舗旅館です。以前より全体に綺麗になっている感じで、フロントのお姉さんの対応も親切なものでした。廊下&階段の奥に男女別の浴室。

 
【写真 上(左)】 男湯内湯
【写真 下(右)】 男湯内湯の湯口

浴室はさほど広くなく、石造5.6人の内湯と石枠石敷3.4人の露天。どちらの浴槽も石灰華の析出で赤茶色にコーティングされ、一部にミニ千枚田もできています。
露天は軒下タイプながら風は通ります。
カラン5、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。土曜11時で男女湯とも独占でした。

 
【写真 上(左)】 女湯内湯
【写真 下(右)】 女湯内湯の湯口

内湯はコテコテに析出の出た石の湯口から15L/minほどを投入で、横に桝がおいてありました。にごり湯なので槽内注排湯は不明ですがたぶんなく、全量を露天寄りの上面排湯口に流し出しのかけ流しでしょう。投入湯温は泉温43.2℃に対してほぼ同温のお湯。脱衣所掲示によると加温なしとのこと。

 
【写真 上(左)】 男湯露天
【写真 下(右)】 男湯露天の析出と湯色

露天は内湯の上面排湯を流し込みで上面排湯+パイプ吸湯?、当然ながらお湯は内湯の方がいいです。湯温は内湯で41℃くらい、露天は37℃くらいのぬる湯。

 
【写真 上(左)】 女湯露天
【写真 下(右)】 女湯露天の湯口

緑がかった黄褐色で透明度40~50cmほどのにごり湯(露天のほうが赤味が強い)は、湯口で微炭酸味+重曹味+うま味、焦げ臭+金気臭+微ドクダミ臭の赤城温泉らしい複雑な味臭。
湯口は炭酸味が残っているので相当に鮮度がいいと思います。
土類+鉄のキシキシぎしぎしとした湯ざわりで、よく温まり身体に染み込んでくるような絶妙な浴感。浴後は肌がつるつるにコーティングされなかなか冷めません。
ひさびさにいきましたが、やはり赤城温泉のお湯はいいですね。

Ca・Mg・Na-炭酸水素塩泉 43.2℃、pH=6.5、87.7L/min掘削自噴、成分総計=3.15g/kg、Na^+=242mg/kg (30.14mval%)、Mg^2+=133 (31.36)、Ca^2+=246 (35.08)、Fe^2+=10.5、Cl^-=247 (19.87)、SO_4^2-=172 (10.23)、HCO_3^-=1492 (69.86)、陽イオン計=664 (35.0mval)、陰イオン計=1911 (35.0mval)、メタけい酸=203、メタほう酸=19.3、遊離炭酸=350、硫化水素=0.2 <H10.5.27分析>(源泉名:新島の湯)
<温泉利用掲示> 加水なし 加温なし 循環なし 消毒剤使用なし

〔 2006年1月15日レポ 〕
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■ 鳩ノ湯温泉 「三鳩楼」 〔 Pick Up温泉 〕



<鳩ノ湯温泉「三鳩楼」>(東吾妻町(旧 吾妻町)、時間要問合せ、800円、0279-69-2421)

上州の名山浅間隠山の北麓、温川本流と支流が合わさるところに浅間隠温泉郷があります。
鳩ノ湯、薬師温川の3つの温泉からなるこの温泉郷は、それぞれ歩けるほどに近接していながら独立した温泉とされ、おのおのが一軒宿となってます。
かつては中山道の裏街道として相応の賑わいをみせたといわれる温川沿いの道(いまのR406)ですが、現在は周辺にこれといった観光地もなく、閑かなたたずまいをみせています。
3つのお湯の泉質はそれぞれちがい、どこもレベルは高いですが、とくに好きなのが鳩ノ湯温泉です。

傷ついた3羽の鳩が傷をいやしていたことから名づけられた鳩ノ湯温泉は、寛政年間開湯の由緒ある湯場で、ここの一軒宿が「三鳩楼」。
純和風の趣ある建物。玄関脇の赤ポストがいい味を出しています。破風屋根の重厚な玄関をくぐると帳場があります。迷路のように曲がりくねった細い廊下をつたって奥の浴室へ。
浴場は有名な総檜づくりの内湯と露天があり、ハダカ移動不可です。当然ながら両方入りました ^^)
連休最終日の14時で男女湯とも独占。シャワー・シャンプーあり、ドライヤーなし。


【写真 上(左)】 男湯露天
【写真 下(右)】 男湯露天の湯口


【写真 上(左)】 女湯露天
【写真 下(右)】 女湯露天の湯口

急な階段を昇ってアプローチする露天は、2人でいっぱいのこぢんまりとした木枠石造りの湯船。
析出のでた石の湯口から間欠的に投入で、脇の排湯口からの排湯は源泉かけ流し?


【写真 上(左)】 男湯内湯
【写真 下(右)】 男湯内湯の渋い天井


【写真 上(左)】 女湯内湯
【写真 下(右)】 女湯内湯の湯口

内湯は温川の渓流を望む天井の高い総檜造りの湯屋で、これは絶品です。
保温用に木のフタがしてあり、好みに応じて適当にハズして入ります。
芸術的に析出がほどこされた竹筒の湯口から複雑に変色した石の貯湯槽に流し込み、湯船縁からオーバーフローのかけ流し。

お湯は間欠的に出てくるので間欠泉説もありますが、湯船からあがると出て入ると止まるので、水位と連動した投入の仕組みがあるようにも思います。
また、足元湧出泉という説もありますが、底はスノコ状のため判別不能でした。


【写真 上(左)】 男湯内湯の湯口(投入時)
【写真 下(右)】 男湯内湯の湯口(投入停止時)

青みがかった緑黄色の濁り湯には薄茶色の浮遊物。ほぼ無味で土気がかったやわらかな温泉臭。
内湯は露天より青みが強く濁りも少なくて新鮮な感じ。深みのある灰青色はすばらしいもので関東では稀少な湯色です。
ぬるめのお湯は、薬師よりも強いキシキシ感があり、からだのすみずみまで染みわたっていくような絶妙な浴感。身体が軽くなったような心地よさに思わず出たくなくなります。
やはり、群馬でも屈指の逸品かと思います。

ただし、宿の人の愛想はいいとはいえず (^^;、日帰り入浴はたしか14時すぎに問答無用で打ち切られるので、昼頃に攻めるのがおすすめかと・・・。

炭酸含有塩類泉* 42℃(パンフより)
帳場の上に掲げられた年代ものの分析表は以下のとおり(単位不明、g/kgか?)

(略)字鳩ノ湯にあり温川の右岸に湧出す、炭酸泉、摂氏43℃、クロルナトリウム1.0315、硫酸ナトリウム0.1401、重炭酸マグネシウム0.1246、硫酸0.1116、遊離炭酸0.0393、硫酸カルシウム1.2655、クロルマグネシウム0.0812、固形分総量3.7938 <内務省衛生試験所分析>
*)Ca・Na-炭酸水素塩・硫酸塩泉という情報もあり。

〔 2002年12月26日レポ 〕

■みしゅらん掲示版でやませみさんより泉質データをいただきました。(2002/12/29)  貴重なデータなので参考までに引用させていただきます。

引用) -------------------------------------------------------------------------

Re:鳩ノ湯温泉 投稿者:やませみ  投稿日:12月29日(日)09時24分05秒
>うつぼさん
 鳩の湯(H9.3分析) Na・Ca-Cl・SO4 pH=6.8
  溶存成分計=3232
  Na=674 (60.0) Ca=358 (36.6)
  Cl=1010 (60.6) SO4=682 (30.2) HCO3=263 (9.16) mg/kg (mval%)
現在は動力揚湯になっており、湧出量もそう多くはないので(20 L/minくらいか?)
「水位と連動した投入の仕組み」が正解だろうと思います。

引用おわり) --------------------------------------------------------------------
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