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□ エリア別総覧 山梨-3 (甲府周辺)

続編です。

■ 山梨-3 (甲府周辺)  → 【 レポのリスト 】

甲府は市内に数多くの温泉施設をもつ温泉都市。周辺の甲斐市、昭和町などとともに湯量豊富な源泉が集中している。山梨の温泉の大御所(?)、大月短大の田中収教授によると、「甲府盆地の地底には巨大な地下湖があって温泉の水源になっている」との由。そういわれると豊富な湯量も納得がいく。
このエリアのお湯は温泉銭湯とビジホがメインで、どういうわけかB級入ったものが多い。突入するにはそれなりの”場慣れ”や”気合い”(笑)がいるので、その意味では通向けのエリアといえるかも・・・。
なお、例外もあるが、このエリアは総じて南にいくほど塩分が強まる傾向がある。



甲府北部のお湯はおおむねCl/SO4系で、Cl/HCO3系のモール泉とはイメージが異なる。古湯湯村はほぼすべての湯宿が自家源泉をもつと思われる実力派でここもCl/SO4系。温泉好きには「ホテル吉野」「旅館明治」の評価が高い。

甲府東部~中心部では温泉銭湯とシティホテルがメイン。自家源泉の施設が多くあるが、お湯に定評のあるものはわりにすくない。

甲府市内の温泉のメッカはなんといっても南部と西部。
このあたりから、旧竜王町、昭和町にかけては甲府モール泉の本丸で、「モール臭」「ツルすべ」「アワつき」の3拍子そろえた名湯がメジロおしだ。
「黄金温泉」「国母温泉」「碇温泉」「信玄温泉」「トータス温泉」など、あげていくとキリがないほど。



旧竜王町には甲府モール泉の代表格「山口温泉」やザンザコかけ流しで名を馳せる「玉川温泉」がある。



昭和町も負けず劣らず、アワつき湯で有名な「フカサワ温泉」や力感あふれる「国母駅前温泉」、鮮度感炸裂の「カアナパリ」など、名うての強豪をそろえている。

さらに南にくだった玉穂町には「湯殿館」玉穂町温泉。後者は老人福祉センターだが、絶妙のぬるめアワつき湯をかけ流し、温泉マニアの間では”中老”の略称で広く知られている。

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□ エリア別総覧 山梨-2 (東山梨・東八代)




続編です。

■ 山梨-2 (東山梨・東八代)  → 【 レポのリスト 】

御坂・一宮周辺から、石和・塩山~笛吹川上流の牧丘・三富あたりまでのエリア。
もともと大きな温泉地はなかったが近年石和温泉が発展し、春日居地区も巻き込んで県内有数の温泉観光エリアとなっている。桃やブドウなどフルーツ栽培の本場で、フルーツ刈り&温泉プラン組み放題。典型的センター系がいくつもあって観光客を集めているが、湯づかいに定評のあるお湯はすくない。
このエリアでいいお湯を楽しもうとすると、小規模な旅館の日帰りか地場の日帰り施設がメインとなる。

南部の旧増富村の「豊富村健康福祉センター」は、純度の高い強アルカリ硫酸塩泉だが湯づかいいまいち。旧中道町の「中道町立YLO会館」は甲府盆地らしいモール系だが土日祝休で入浴難易度が高い。

石和は歓楽温泉のイメージ強く温泉好きのあいだでは人気薄だが、自家源泉かけ流しの施設がけっこうあってあなどれない。硫酸塩含みの高温単純温泉がメインで、モール気は弱いものの思いがけずイオウを感じさせる源泉がある。「サンベール石和」「弘玉園」、「旅館 笛吹川」などがおすすめ。



春日居では「旅館 加茂川」が出色。自家源泉をいい湯づかいで提供する「旅館 日の出温泉」や「笛声旅館」もなかなか。


山梨市には、ぬるぬるうなぎ湯の正徳寺「初花」、展望露天の、ほったらかし温泉の二大人気施設と甲州屈指の古湯「岩下温泉旅館」がある。山梨ちどり温泉も源泉はかなりの実力派ながら湯づかいはいまひとつ生彩に欠ける。



東にとんで日川沿いの旧大和村には、やまと天目山温泉田野鉱泉がある。どちらもうすめで強アルカリ、イオウを含むツルすべ美人の湯。塩山周辺にも強アルカリのアル単がいくつかあって「笹本屋旅館」など、ぬる湯源泉槽をもつ宿もすくなくない。



旧牧丘町では「はやぶさ温泉」が甘いイオウ臭香る湯量豊かな源泉をかけ流し、飲泉もできるので人気が高い。特異な泉質で知られた奥秩父山麓、乙女高原の「金峰泉」はダム建設により移転、営業再開したが源泉槽は健在。バリバリの明礬緑礬泉を楽しめる。「花かげの湯」は期待薄げな典型的センター系ながら意外に湯づかいがいい。
甲州最奥の旧三富村もpH高めのアル単がメインだが、さりげに硫酸塩を含んでいるのであたたまりが強い。ここでは1250L/minという圧倒的湯量を誇る川浦「山県館」が「信玄公の隠し湯」としても有名だが、料金高いので未湯(泣)。
「白龍閣」の岩風呂は上毛チックな自家の高温硫酸塩泉を豪快にかけ流す名湯。カランも源泉で甘い石膏臭が立ちのぼるのはとても贅沢だ。

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□ エリア別総覧 山梨-1 (東部・富士五湖)



従来、有名な温泉地は下部、湯村、石和、増富ラジウムくらいしかなかった山梨県ですが、じつは数多くの源泉を擁します。とくに甲府盆地周辺はモール泉のメッカで、甲府市は堂々たる温泉都市です。
エリアごとに泉質が異なるのが特徴で、概括すると、東部・富士五湖エリアのグリーンタフ系硫酸塩泉、東山梨の単純硫黄泉、石和~甲府盆地のモール泉、峡南の硫酸塩系単純硫黄泉、早川筋の硫酸塩泉、峡北の重曹泉・重炭酸土類泉となるでしょうか。
湯づかいのレベルは西高東低で、甲府盆地周辺は豊富な湯量を活かしたかけ流し施設が多くみられるのに対し、東部や富士五湖エリアは循環施設がメインとなっています。
順にみていきます。

■ 山梨-1 (東部・富士五湖)  → 【 レポのリスト 】
大きく桂川沿い・北都留エリア、秋山・道志エリア、郡内(都留)エリア、富士五湖エリアに分かれる。

<桂川沿い・北都留エリア>
桂川沿いや山際に小規模な冷鉱泉が点在しハイカーなどに利用されているが、お湯に定評のある施設はすくなく、情報もすくない。北都留では丹波山の「のめこい湯」と小菅村「小菅の湯」の2大センター系が有名。「のめこい湯」はイオウ気のある良泉で仮設時はイオウ臭ぷんぷんのお湯で温泉マニアの話題をさらったが、いまはセンター系的湯づかいに落ちついている。
奥秩父飛龍山の山中にある「三条の湯」は、ふるくから山の秘湯として有名。

<秋山・道志エリア>
このエリアも有名な温泉地はないが、近年掘削により開発された施設がいくつかあって、いずれも日帰りメイン。泉質はおおむねグリーンタフ系の硫酸塩泉で、意外に入りごたえのあるお湯がある。旧秋山村の「秋山温泉NESPA」は総計=0.5g台の硫酸塩泉系のアル単ながら内湯の湯づかいがよく、ゆったりとやさしいぬる湯が楽しめる。道志村の「紅椿の湯」は比較的湯量が多く、飲泉所もある本格派で、循環ベースながらなかなかに力のあるお湯が味わえる。
ただしこのエリアはキャンプ場のメッカで、シーズン週末の夕方は殺人的に混む。



<郡内(都留)エリア>
大月市や都留市には意外にたくさんの源泉があるが、詳細不明のものが多い。そのなかで強烈な赤茶鉄泉の鄙び宿「笹子鉱泉」とセンター系ながらぬる湯の源泉槽をもつ「芭蕉月待ちの湯」が白眉。ただし後者は週末混む。



<富士五湖エリア>
「富士山のみえるところに温泉は湧かない」といわれ、ながらく温泉不毛の地だった富士五湖エリアにも源泉が開発されている。山中湖周辺はうすめのアル単で個性に欠けるが、富士河口湖温泉郷の5つの源泉はいずれも硫酸塩-塩化物泉系の塩類泉で源泉じたいの力はある。温泉の歴史が浅いうえに利用施設が多いので、管理が容易な循環主体となるのはやむを得ないところだが、そのなかでは小浴槽ぬる湯かけ流しの「麗峰の湯」と石油臭香る源泉冷浴槽をもつ「「野天風呂天水」」がおすすめ。「天水」には温泉スタンドもある。
最新、5番目の源泉”秀麗の湯”をつかう「丸弥荘」のお湯は、このエリアでは珍しい赤茶のにごり湯。この源泉は利用施設がすくないので日帰りで入れるここは貴重。
富士吉田周辺では、最近富士急ハイランドが「ふじやま温泉」をオープン。Mg・Ca・Na-HCO3・SO4・Clのストレートフラッシュ温泉だが、いまのところお湯についての評価はきかない。杓子山のふもとには「不動湯」があり、湯治客を集めている。もちかえり自由の霊水は大人気。

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□ エリア別総覧 埼玉-3 (秩父)

■ 埼玉-3 (秩父)  → 【 レポのリスト 】



秩父地方にはふるくから”たまご水”といわれるイオウ臭香るヌルすべ冷鉱泉が湧く。全体に湧出量がすくないので循環施設がメインだが、両神温泉「両神荘」新木鉱泉は貴重なかけ流し槽をもっている。柴原鉱泉「菅沼館」にもかけ流し槽があり、イオウ臭ぷんぷんの良泉として知られるが湯治専門宿で日帰り不可。

秩父の奥からお湯のいい施設をたどっていくと、まずは、旧大滝村の中津川温泉「中津川村キャンプ場」。規定泉ながら秩父ではめずらしい鉄分の強い赤茶のにごり湯でインパクトがある。総計=5.35gの秩父屈指の濃度をもつ食塩泉、大滝温泉は「遊湯館」などで入れるが、かけ流し利用がないのが残念。

旧荒川村では日野温泉郷「鳩の湯」、イオウ臭香る源泉カランがあるがいまは日帰り不可となっているようだ。
秩父西部の旧吉田町、小鹿野町、旧両神村はアルカリヌルすべ硫黄泉のメッカ。湯量の細い源泉がメインだが、客が少ないので比較的お湯のコンディションがいい。千鹿谷鉱泉かおる鉱泉両神温泉(すすきの湯)「国民宿舎両神荘」などがおすすめ。小鹿野の三田川大竜寺源泉はローリー利用している施設が多いが、薄めの規定泉なので特徴に欠けるるのはいたしかたないところか。
全体にうすめの源泉が多いなか、秩父吉田温泉(星音の湯)「ばいえる」は総計=3.91g/kgの秩父では濃いめの含重曹食塩泉。下津谷木温泉「クアパレスおがの」も総計=1.31g/kgと比較的濃く、総硫黄が13.2g/kgもある。このところ湯づかいがよくなってきているのでおすすめ。

旧秩父市内では、非加温源泉槽をもつ新木鉱泉がピカ一。浴室の雰囲気もよくなごめる。秩父川端温泉「凡の湯」も循環ながら強力な源泉カランをもち、なかなかに楽しめる。
皆野町には有名な秩父温泉(満願の湯)がある。「満願の湯」「水と緑のふれあい館」で入れるがどちらも混む。
秩父の入口、寄居には金山温泉「かんぽの宿寄居」があり、間欠ながらときおりイオウ臭香る源泉を注ぎ込みあなどれない。
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□ エリア別総覧 埼玉-2 (中部)

■ 埼玉-2 (中部)  → 【 レポのリスト 】



荒川の西側、中部エリア北部には埼玉屈指の名湯、かんな川温泉「湯郷 白寿」がある。36.33g/kgの強食塩泉だが、重曹や硫酸塩の含有が多く、西毛的なクセモノ湯だ。
旧児玉町のこだま温泉「こだま温泉ファミリープラザ」も強食塩泉だが、それほどの迫力は感じられない。

さらに南下すると四季(とき)の湯温泉「ホテルヘリテイジ」(総計=11.99g/kg)や蔵の湯東松山温泉「蔵の湯東松山店」(総計=17.11g/kg)などの食塩泉群があるが、全体に東部より成分濃度はうすい。
和光温泉自然の湯「極楽湯 和光店」は高張性食塩泉だが循環&ゲキ混みが難。

熊谷温泉「熊谷温泉 湯楽の里」嵐山渓谷温泉「健康センター平成楼」おがわ温泉「花和楽の湯」玉川スプリングス温泉「玉川温泉保養所」などは重曹系の単純温泉~規定泉。「花和楽の湯」や「玉川温泉保養所」は硫黄がまじり秩父のお湯のイメージに近い。

成分濃度2~3g/kg台の中濃度食塩泉が多いのも埼玉中部の特徴。東松山のもののふ温泉(温泉スタンド)、坂戸ふるさとの湯「ふるさとの湯」蔵の湯鶴ヶ島温泉「野天風呂 蔵の湯 鶴ヶ島店」狭山やまと温泉「狭山やまとの湯」王様温泉(志木の湯)「おふろの王様 志木店」などがある。この手の源泉は湯づかいが悪いとボヤけたお湯になりがちだが、源泉槽をもつ「野天風呂 蔵の湯 鶴ヶ島店」や「おふろの王様 志木店」はなかなかにいいお湯が楽しめる。

5g/kg超のお湯では都幾の湯温泉「四季彩館」サイボク天然温泉「まきばの湯」など。ともにアブラ臭香る良泉だが前者はローリーで湯づかいいまいちなのが残念。泉源地にある温泉スタンドは大人気。「まきばの湯」は埼玉中部を代表する湯づかいのいい施設。
小江戸はつかり温泉も総計=5.77g/kgの食塩泉だが、温まりはさほどなく、どちらかというとモール泉的なイメージがある。
所沢温泉「湯楽の里 所沢店」はナゾ。スペックはTSM(溶存)=9.55g/kgの等張性土類食塩泉だが、むしろ重曹鉄泉系のイメージがある。日によってコンディションの変化が大きいのが難だが、コゲ臭をともなう平地のお湯らしからぬ癒し系のお湯が楽しめるので個人的には好み。
同じ所沢市にオープンした埼玉スポーツセンター内のみずほ温泉「むさし野温泉 彩ゆ記」はうすめながらモール臭とアワつきが楽しめる新鮮湯。上質感のある施設のわりに料金リーズナブルでおすすめ。

県南部にはにいざ温泉「彩泉楼」武蔵野火止温泉「バーデ ホフ クベレ」(休業中)、真名井温泉「真名井の湯」などの黒湯系もある。
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□ エリア別総覧 埼玉-1 (東部)

長年にわたり”温泉不毛県”といわれてきた埼玉県。かつては平野部の日帰り温泉施設はかすかべ温泉、玉川温泉保養所くらいしかなく、秩父のいくつかの鉱泉宿がかろうじて知られていたにすぎません。'90年代以降、県内各地で深深度掘削による日帰り温泉施設ができ、秩父にもいくつかの施設が開発されて、いまでは関東屈指の日帰り温泉激戦県として知られるようになりました。なので平野部は民営の温泉スパ銭がメイン業態となっています。
埼玉は他県にくらべ湯づかいにかかわる規制が穏やかといわれ、新設温泉スパ銭でも意外に湯づかいがいい施設があります。
泉質は、東部の強食塩泉、中部の(重曹)食塩泉、南部の黒湯重曹泉、秩父のアルカリ硫黄泉に概括されますが、エリア内でもかなりのバリエーションがあります。
順にみていきます。

■ 埼玉-1 (東部)  → 【 レポのリスト 】



県北、行田には湯づかいがいいことで知られる行田天然温泉「古代蓮物語」と大露天風呂を新設した行田天然温泉(茂美の湯)「湯本健康ランド」がある。スペック的には後者のほうが強力だが、お湯は露天増設前のほうがよかったような気がする。北本の北本天然温泉「楽市楽湯」の湯口では含重曹食塩泉のなかなかにすぐれものの源泉が楽しめる。
温泉とは無縁の地だった羽生にも近年お湯のいい施設がデビューしている。江間忠神戸温泉「天然温泉 羽生湯ったり苑」羽生(華のゆ)温泉「スーパー健康ランド 華のゆ」で、いずれも40℃台の重曹食塩泉系の源泉をかけ流している。後者は源泉直引きらしく、天然ガス臭とアワつきが楽しめる。3つめの源泉、羽生温泉は桶川市の健康ランド「ゆ~ワールド桶川」でローリー使用されていたが、現在は中止されている。

利根川沿いの大利根町には46.1℃、総計9.80g/kgの食塩泉が湧出、童謡のふる里おおとね温泉「100(とね)の湯」でかけ流し利用されている。
東北本線沿線では、もはや老舗となった「東鷲宮百観音温泉」の人気が高い。総計18g/kgのアブラ臭香る強力な強食塩泉。周辺にはスパ銭系の幸手温泉「極楽湯 幸手店(自然の湯)」久喜和みの里温泉「森のせせらぎ なごみ」があって一大温泉エリアとなっている。

東武伊勢崎線沿線は比較的数は少ないものの強力な2湯がある。春日部温泉「春日部温泉 湯楽の里」は総計16g/kgの強食塩泉をかけ流し、越谷天然温泉「ゆの華」は総計=2.2g/kgの含重曹食塩泉で複雑な温泉臭と浴感が楽しめ、「埼玉一」と推す温泉好きもいるほどの名湯。
かつて海だった低地部、吉川、三郷方面は利根川に沿って湧出する化石海水型強食塩泉のメッカで、よしかわ天然温泉「ゆあみ」(総計=21.69g/kg)、早稲田天然温泉「めぐみの湯」(総計=24.44g/kg)などが代表格。なかでも「めぐみの湯」はかけ流し浴槽が充実し、すばらしいお湯が楽しめる。

さいたま市内にも新顔が増えてきた、仮設浴場の強アワつきで温泉マニアのドギモを抜いた清河寺温泉は「さいたま清河寺温泉」として正式オープン、ぬる湯源泉槽を設けるなど温泉好きにPRする戦略で人気を集めている。
宮の湯天然温泉「小さな旅 むさしの湯」もなかなかに力のある食塩泉。さいたま市内は食塩泉系が多いが、岩槻の彩の月温泉「真名井の湯 岩槻店」は黒湯系のヌルすべ湯で異彩を放っている。

県南の川口、蕨エリアは重曹系の黒湯となり、川口天然温泉「ゆの郷の湯Spa Nusa Dua」「やまとの湯蕨店」などで楽しめる。戸田の天然戸田温泉「彩香の湯」は総計19g/kgの強食塩泉をかけ流す源泉槽があるが日によってコンディションの差が大きい。
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□ エリア別総覧 群馬-4 (平野部・東毛)



■ 群馬-4 (平野部・東毛)  → 【 レポのリスト 】

渋川以南の平野部に入ると一気に成分濃度があがり、たいてい3g/kg超の成分濃度をもつ。
食塩と重曹が増え、アブラ臭食塩泉(渋川前橋クアイ會乃山ゆ~ゆ)、モール系(高崎中尾天神湯都里群馬やすらぎ)などがメインになる。有数の日帰り温泉激戦区でセンター系、スパ銭が主流のエリアながら、湯づかいのレベルはすこぶる高い。
施設もととのっているので、北毛や吾妻の湯巡りの帰りについつい捕まってしまう(笑)。

”温泉不毛の地”といわれた東毛でも、古くからある鉄泉系の伊勢崎五色、重曹泉系の藪塚などのほか、近年深深度掘削により多くの温泉が開発されている。成分の濃い化石海水系食塩泉とうすめ単純温泉の2系統がある。前者でかけ流しの施設もあるが浴感は何となく深みに欠ける。そのなかで、源泉直引きでかけ流す伊勢崎湯楽の里は健闘していると思う。
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□ エリア別総覧 群馬-3 (西毛)



■ 群馬-3 (西毛)  → 【 レポのリスト 】

群馬でも特異なエリアでクセモノ湯のメッカ。
霧積は北毛系の格調高い石膏泉だが、南下すると成分バランスが崩れ、一気に成分濃度が増す。単に濃いだけでなく重曹やサブ成分も多いのが特徴。新源泉恵みの湯の”含銅・鉄(2)-Na-塩化物・炭酸水素塩強塩温泉”という泉質名がそのクセモノぶりを如実に物語っている。
成分総計=41.57g/kg、HCO_3^-=22271mg/kgという本邦屈指の成分濃度をもつ妙義長寿の湯吉井牛伏鮎川金井など、どれも重曹のきいた濃いめ食塩泉で入り応えがある。
八塩は濃い重曹食塩泉だが、湯温が低く湯量も少ないので加水循環が残念。それでも源泉にふれられる施設がいくつかあって、超個性的なその素性を確認できる。
西毛最奥の南牧村には個性的なスペックのお湯がいくつかあるが(塩の沢、向屋、野栗沢)、どれも湯づかいいまいちなのが残念。そのなかで、伝説の名湯、浜平源泉をつかう新施設「しおじの湯」は良質。とくに最近、浜平源泉の単独槽ができたらしいので、これは注目。他に星尾、勧能など、個性的スペックのお湯があるが入浴施設はない。
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□ エリア別総覧 群馬-2 (吾妻)



■ 群馬-2 (吾妻)
【 レポのリスト (吾妻/草津・万座・六合・嬬恋) 】
【 レポのリスト (吾妻) 】

2-A.嬬恋・北軽
群馬では特異な1グループを形成。泉質は多彩でリゾート地なのにナゾのお湯が多いのは、那須高久あたりの状況に似ている。未湯が多いのであまり書けず(^^;)近年開湯したあさまの湯は、アブラ臭香る力強い高温泉。

2-B.万座・草津
万座と草津はお湯のニュアンスがちがう。
万座は硫黄成分豊富で土類を多く含む成分複雑な酸性のお湯。苦味走った味と芳醇な硫化水素泉をともなう奥がふかい名湯で、北関東の代表的な白濁硫化水素泉。
草津はにごり湯もあるが、総じて硫黄成分は少なく、酸性でAlとSO4が卓越する明礬泉系。ただし源泉が多いのでバラエティも豊か。近年、民間人(笑)に人気が高いが、本来は”なおし湯”が必要なほど強いお湯。

2-C.六合
草津のカゲに隠れて地味なエリアだが、尻焼の河原野湯は有名。尻焼から上にもガラン谷温泉などの野湯があるが、到達難易度ゲキ高で一般人が入るのはまず無理。尻焼、花敷は湯量豊富な硫酸塩泉。通ごのみの良泉だが個性はうすい。湯の平は川原湯に似た独特の温泉臭をもつ温まりの湯。すぐそばの応徳は石膏・芒硝ベースにしっかりとしたイオウが絡みやたらあとをひくお湯で、吾妻屈指の名湯だと思う。ただし混むのが難。

2-D.万座・鹿沢口周辺
観光の通過点ながらさりげに名湯が多い。重炭酸土類泉の名湯、鹿沢を筆頭に、アワつきぬる湯の嬬恋大前平治。アブラ臭の奥嬬恋、伊香保似のにごり湯つま恋貴乃湯、バランス系の半出来など個性派揃い。



2-E.吾妻本流沿い
さらに下っても吾妻川沿いの地底人の威力(^^)は衰えず、イオウ混じりのバランス系川原湯は独特の温泉臭とあいまって、これも吾妻屈指の名湯。周辺に点在するいわゆる八ッ場4湯はどれもレベルが高いが、なかでも強アブラ臭のとバランス系の吾妻峡天狗が有名。日本三大美人の湯で名を馳せる川中も、やはりぬる湯硫酸塩泉の名湯。
四万はどれも似たようなお湯にみえるが、それぞれ微妙にちがう。とくに金気が入る新湯・河原の湯、清澄な新鮮湯の奥四万・こしきの湯(湯の泉)はキャラが立っている。石膏のきいた日向見・中生館のお湯も逸品。
沢渡はイオウ混じり、絶妙な成分バランスの名湯。四万のあとに寄るとその凄さがわかる。
さらに、いやし系ぬる湯の根古屋、メタけい酸けいのとろみのきいたあづま桔梗、重曹泉系ツルすべの小野上、金気のきいたにごり湯金島ときて、名湯、伊香保に至る。
伊香保の上、榛名湖温泉は地味だが正苦味泉的イメージがある実力派。



2-F.浅間隠・倉渕・松井田
エリア的に地味だが、ここも侮れないお湯がある。
浅間隠温泉郷(鳩ノ湯薬師温川)はどれもハイレベル。なかでも重炭酸土類泉系と思われる鳩ノ湯は佳品。倉渕は露天のお湯は個性に欠けるが食塩泉の内湯がいい。くらぶち相間川はこのあたりでは特異な強食塩泉で鉱物系アブラ臭と赤茶の濃いにごり湯が特徴。異常にあたたまり、浴後眠くなるので要注意。上増田砦の湯は目立たないところにあるが、モール泉系のイメージとアワつき新鮮湯で人気が高い。
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□ エリア別総覧 群馬-1 (北毛)

先日、北毛、内房と2週つづけてまわってみました。北毛は落ちついた硫酸塩泉、房総はモール系黒湯のクセモノ湯。同じ湯巡りでもまったく印象が違います。温泉はエリアによって特徴があり、それは泉質やロケーション、入浴施設の性格によるところが大。
そこで今回は、「エリア別お湯総覧」と称して、泉質に的をしぼってエリア別に俯瞰してみました。
( )内は代表例、湯巡りのポイントについてもふれています。
ボリュームがあるので、まずはナワバリ(^^)の群馬からです。



■ 群馬-1 (北毛) 
【 レポのリスト (北毛・新治) 】
【 レポのリスト (尾瀬・赤城) 】

水上より北の奥利根エリアは、おおむね単純温泉。湯量豊富な高温泉がこんこんと湧いています。だいたいが硫酸塩泉(Na・(Ca)-SO4)型でいぶし銀の通ごのみのお湯(湯の小屋、宝川湯檜曽谷川)。重曹泉系の上の原温泉(水上高原プリンス)は異色。このエリアは遠いし、料金水準がわりに高いので湯巡りに金がかかるのが難点。

水上、上牧はやや成分濃度があがって、Na、Ca、SO4、Clのバランスのいい硫酸塩泉はとろみを帯びた味わい深いお湯。諏訪峡は北毛を代表する石膏泉。
旧新治エリアは硫酸塩泉系の名湯がメジロおし。川古、法師猿ヶ京湯宿など格調高い石膏・芒硝泉が味わえる。おおむね高温泉で硫酸塩泉らしい温まりが強いので、夏場の湯巡りはほとんど耐久レース、ダイエットに最適(笑)。多くの湯宿が日帰りに積極的で料金も安めなので湯巡りしやすい。

片品・尾瀬方面のお湯は総じてうすめ。
戸倉・片品はpHの高い重曹系のお湯。甘いイオウ臭香るツルすべ湯は地味ながら良質。小規模な宿がメインで客数少ないので日帰り難易度は高い。
丸沼方面では丸沼(座禅)がやや濃度の濃い個性派。白根鎌田などは高温で湯量豊富な硫酸塩泉型の単純温泉。鮮度のよさが身上。
花咲と背嶺峠を越えた武尊・川場エリアのお湯はやや個性に欠ける。

さらに下ると老神。源泉数の多い実力派の温泉地で、とくに片品川東岸の旧穴原地区のお湯は硫黄が強くて入り応えがある。硫酸塩と塩分を含む薄めの単純温泉がメイン。フッ素を含み湯上がり爽快。一山越えた南の旧利根村にある南郷しゃくなげの湯も同系。ここは施設のできがよく人気が高い。

沼田周辺のお湯はやや弱いが、そのなかでは塩河原「渓山荘」白沢高原「初穂の湯」が出色。ともにうすめながら湯づかいがよく、硫黄がクリアに出ている。

月夜野~渋川の利根川沿いは、硫酸塩泉~重曹泉型の単純温泉。地味ながら味わいふかいお湯で根強い固定ファンをもつ。(月夜野三峰の湯敷島ふれあいの家



新治と吾妻の境、高山村あたりには地味ながら質のよいお湯がある。
うすめぬる湯ファンの多い奥平、大塚新中之条。毛色のちがう高山いぶきの湯は濃度の高い食塩泉でここのアブラ臭は絶品。

赤城西~南麓にかけてはおおむね通好みの金気の強い重炭酸土類泉で、多量の析出と炭酸分をともなう。(赤城、滝沢、梨木)。なかでも貴重な高温泉の赤城は名湯。すべてが山中のしずかな宿で趣ふかい。
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