あまぐりころころ

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時に旅行記等も交えながらの、のんびりのほほんブログ。

『食戟のソーマ』アニメ感想(8) ~発想と創造の協奏曲~

2015-06-04 23:55:00 | アニメ感想

 いや~最高としか言えなかったアニメ第7話でしたが、あまりにも出来が良かったので、手掛けてくださった制作スタッフさんを確認してみたところ・・・。
 作画・演出が第1話と同じ方でしたか・・・!

 

ど お り で ・・・ ! ! ! ! !

 

 凄まじく納得です。
 第1話も大変秀逸な出来でしたからね~。
 お色気描写以外は(大苦笑)。





 さて、では早速アニメ第8話の感想に入りたいと思います。

 が・・・。

 ・・・。

 ・・・・・。(-"-)

 すみません。今回の感想は前回と真逆です。







 不満点は後半で述べさせてもらうとして、まずはそれ以外の感想から。

 さて、いよいよ今回から始まった「地獄の合宿編」!!
 ここから創真達は本格的な遠月学園の競争教育に晒されていくことになるわけですね。

 アニメでは、原作第14話【恵の庭】の冒頭と後半を繋ぎ合わせ、合宿に関わる部分だけに纏めたシーンからスタートとなっています。
 ここでも原作を改変し、極星陣が皆集まって合宿クリアを約束し合っているのが良いですよね。(^^)
 死亡フラグな三人衆には何とも言いようがありませんでしたが(苦笑)。



 合宿所に到着し、早速卒業生達の紹介&超厳しい裁量を見せつけられる創真達。
 その厳しさの“象徴”になっていた四宮。
 初登場時から、彼の印象はマイナスでした。
 言ってることは正しくはあるものの、注意勧告だけで済まさず即排除という非情さが、ね。

 ちなみに卒業生達の声は大体イメージに合っていたかな、と。(まだ水原や関守は分かりませんが)
 う~ん、ただ、乾の声は私的にはちょっと・・・。
 高音でありながら、マイペースさとおっとりさ、そして確かな「大人」を感じさせる声でしたね。
 ただ、この根底的な「大人っぽさ」は、乾のキャラにはあまり合わないかも。
 最初期の頃ならともかく、乾は卒業生陣の中でも最も表情豊かで子どもっぽい“動き”のあるキャラクターなので、この声でそれを果たして表現できるのかとちょっと疑問に思ってしまいました。
 まあ、そこらはプロの声優さんですし、頑張って務めてくださるでしょうが。(上から目線でゴメンナサイ)



 そして・・・。

 

 

 

 

なにすんねん(激怒)。

 

 

 

 



 

 それが私の、タクミへの第一印象でした。

 だって邂逅一番に思いっきり足を踏んづけるって・・・!!!

 創真は何もしてないのにこんな嫌がらせ!!
 サイッテー!!!(><#)



 それと同時に舌を巻いたのが、創真の肝の据わりっぷり。
 グリグリと足を踏まれ続けられているというのに、微塵も動じず、果ては踏まれていた時間をしっかりカウントしているとは・・・ひえええええ。(><;;;)
 あまつさえ笑みを浮かべるときたもんだ。
 それでいて眼は全く笑っていないというね。
 ヤバいくらいにカッコイイ。
 ヤバイくらいにコワイ。
 創真だけは絶対に敵に回したくない。
 そう心から思います。


 そして、「は?」のシーン。

わーお☆
原作を超えちゃったぜ☆☆☆
\(^0^)/

 


 個人的にベストシーンですよ。ここの創真は。
 本っ当に創真って悪人面が似合いますよね~~~。(※褒めてます)
 原作よりマイルドな印象に改変されている描写が多いアニメ版創真ですが、明らかに相手に非がある場合は是非今回のように思いっきり突き抜けて描いて欲しいです。

 少年漫画の主人公としてはかなり珍しい部類だと思われる、創真のこういうどっしり構えたダークネスさ。
 彼のこういう面はこれからどんどん“魅力”として磨かれていくので、創真とドSさの形状がバッチリ同じな私としては本当に堪らないものがあります♪



 そういうわけで。

タクミの空回りを突っつく創真が至極快感♪♪♪



 足を踏まれたお返しですね、分かります。
 タクミが原作通りに赤面してくれたら更に快感でした。(←本物め・・・)

 「厳正なる審査を---!」と更に突っつく創真さんが原作以上にクローズアップ☆
 創真も活き活きしてましたが、きっと制作スタッフさん達も活き活きと作ってくださったに違いない(笑)。
 私?
 勿論痛快に笑わさせて頂きました♪♪♪



 そんな残念なタクミはここまで。
 誰も思いつかなかった合鴨を手に入れ、調理に入ろうとします。
 その際に肩を掴まれ、創真は気付くわけです。
 タクミが「現場を知っている者」だということを。
 ここは私としては、タクミより創真の方に感心させられた覚えがあります。
 「よく分かったなあ~」と。
 一瞬触れられたその手の感触だけで察するとは。
 生意気な発言が目立つ創真ですが、料理の腕前だけでなく慧眼さも自身の発言を裏付けているんだなあ、と思わされました。

 そして創真の察知の通り、「現場で店を守ってきた料理人」だったタクミ。
 ここは原作では、見開きでお互いの店の名を晒しあう構図が大変格好良いシーンでした♪
 アニメでは残念ながら、そういった構図は展開上不可能。
 そのため、原作では背中で見せていた創真のゆきひらロゴを胸の方のロゴに代えて見せてくれていました。
 うん、これはナイスアレンジ♪
 でも欲を言えば、タクミが自分の店名を晒す際、刺繍を見せるため服を引っ張る仕草をワンカット入れて欲しかったです。

 そしてメッザルーナが持ち出され、一時的にバトルアニメに(大笑)。

 品が完成。料理アニメに戻ります(笑)。
 原作では「和風サルサ・ヴェルデ」に大葉と葱を用いていましたが、アニメでは改変され、大葉と浅葱[アサツキ]に。
 ここは地味ながらも大事な変更点だったと思います。
 原作を読んだ時、「あれ?葱って野生で生えてたっけ?」と思ったものでしたから。

 アルディーニ兄弟は見事合格し、創真の活躍は次回へ。

 

 

 それはいいとして。

 

 

 

 

 

エピローグ無理に入れる必要あったの?????

 

 
 
   
 

 


 

 

 ・・・さて、では今回を視聴して、私個人が感じた不満点を述べさせて頂きたいと思います。
 遠慮無しに辛口ですので、今回の内容に満足なされている方はここで引き返すのが賢明と思われます。





 今回は・・・ね。
 脚本や音楽には不満は一切無かったんです。作画にも。

 では何が不満だったかというと。

 背景の扱い方。

 そして、


 創真のキャラクター描写。

 これらに大きな不満を抱いてしまいました。



 以前から感じてはいました。
 「このアニメって、単純背景の使用が多いなあ・・・」とは。
 今回はそれが特に目立っていたように思えました。
 でも、その用いられ方が的確だったならば、全然気にはしませんでした。
 なのに。
 その用い方も下手・・・というより雑。
 ど素人である私が思ってしまうのですから、これは相当なものだと思うんです。

 特に目についたのが、豪華な宿泊施設である「遠月離宮」に泊まれるとテンションを上げる吉野に、伊武崎が冷静なツッコミを入れるシーン。
 あそこは伊武崎が言い終わった直後に背景を切り替えるべきだったと思います。
 無駄に長くシャボン玉背景だったことが理解できません。
 数秒のタイミングですが、リアルタイムで展開が流れていく「アニメ」において、その一秒の差が大きな差になると私は思っています。

 あとはタクミが最初の空回りをかまし、イサミが失笑するシーン。
 ここも背景に違和感を覚えましたね。
 このシーンにあの背景はちょっとミスマッチだと思うのですが。
 恵と創真の内心ツッコみのこともありますし、ちょっとフワフワしすぎなイメージ背景だったかと。
 ここらは個人個人による感じ方の違いだと思いますが、私としては今回は全体的に単純背景(イメージ背景)の扱われ方に違和感を感じてばかりでした。



 「背景の扱い方」に関しては、これも製作者の感性のひとつと見て受容することは可能でした。

 ですが、如何とも受容出来なかったのが「創真のキャラクター描写」だったんです。

 それは前半部分。
 いざ合宿に出発する際、どういうわけか「なにがあっても驚かねーぞ」とアニメオリジナルのセリフを言っていた創真。
 そう言っていたにも関わらず、到着後の遠月リゾートの規模の大きさに驚かされることに。
 だというのに、「おどろかねーぞ」と一点張り。
 冷汗ダラダラで、目を血走らせてまで。
 ここが個人的にとてつもない違和感でした。
 創真は基本的に動じない子です。
 でも一般庶民だけあって、遠月学園の高級さや現実離れしたスケールの大きさには普通に驚かされるんですよね。
 これが原作通りの運びで、最後に恵のツッコミが入っていたならばごく自然に受け入れられました。
 実際私もそう思いましたし(笑)。

 ですが、創真は自身の驚きや関心を意地になって抑えるような子ではありません。

 素直なんです。とても。

 そのため、アニメスタッフが何故創真にわざわざ「驚かない」と釘を刺させたのか、そして創真に無理矢理平静さを装わせたのか、その意図が全く理解できませんでした。


 そしてその違和感はもう一ヶ所。
 それは、堂島先輩のクビ(退学)発言に創真が喉を鳴らした所。

これは違うだろ!!!


 日常的な面ではごく稀に動揺する創真ですが、創真は真剣な場では決して臆さない子です。
 ましてや、それが料理人として試される場なら尚更。

 実際、これから待ち受けている展開がそれを如実に証明しています。

 目の前で同級生の退学を見せつけられたばかりだったとしても。堂島先輩の威圧が凄かったとしても。
 創真のこの動作には、あまりにも説得力が足りなさすぎました。

 単行本第一巻感想や本編感想でも度々述べていますが、創真は物凄く“絶妙”な子です。
 少なくとも、私がこれまで出会ってきた主人公の中では、一番。
 熱さと冷静さ。
 大胆さと繊細さ。
 真っ直ぐさと思慮深さ。
 天然的思考と計算的思考。
 飄々さと誠実さ。
 優しさと厳しさ。

 相反する多くの要素を絶妙なバランスで内包している、それが『幸平 創真』。




 これは、『ソーマ』がアニメ化されると知った時から私が最も懸念していた事でした。
 果たしてアニメ制作スタッフの方々は、創真のキャラクターを理解してくださるだろうかという事を。
 前述した通り、大変絶妙なバランスで成り立っている創真のキャラクター性。
 だからこそ、ほんの少しでも下手に創真に手を加えたら、大きくそのバランスが崩れてしまうと思うんです。
 ましてや創真は主人公。
 この作品の中心であり、世界観そのものです。

 このアニメは
キャラクターが本当に大切に扱われていて、毎回とても感謝しながら視聴しています。
 これほど素晴らしいアニメにしてもらえて、とっても幸せな事だとも。

 でも、御免なさい。


 


創真には
手を出さないでください。

 

 

 


 少なくとも、絶対的な自信を持って「これが幸平創真だ!!」と断言できない限りは。










 ちなみに、
今回の絵コンテは第3話の方が手掛けてくださった模様。
 あ゛~~~~~。どおりで。