AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

My Name Is MCA

2012年05月06日 | ♪音楽総合♪
数年前に癌が発覚したことはなんとなく知ってたけど、昨年アルバムも出したし金持ちだし大丈夫だろうと気にもとめてなかったんだが・・・・

まさか、Beastie Boysのラッパー兼ベーシストであるMCAことアダム・ヤウクの訃報を聞かされることになろうとは夢にも思ってなかった。
だってまだ47歳よ。「人生そのものが遊びだぜ!」みたいな脳天気グループのいちメンバーが死ぬなんて、想像すらできなかった。


正直“Fight for Your Right”が大ヒットしたデビュー当時のビースティには全くといって興味なかったが、劇的な大変身をとげた3rd『Check Your Head』、そして4th『Ill Communication』を聴いて一気にハマってしまった。
それまでのビースティは、ただのお調子ノリのガキどもが、悪ふざけ感覚で黒人のマネごとをしてるだけのまぐれ当たりのアホアホ白人ヒップホップという印象が強かったが、真剣に音楽と向き合い、生楽器を自分達で演奏してそれを絶妙なセンスとヒップホップ感覚でミックスし、もちろんそこにはDJハリケーンやエキセントリックキーボーディストのマーク西田などの介添えもあってのことだが、パンク、ジャズ、レゲエ、ファンクと様々な要素の詰まったモノ凄いゴッタ煮アルバムを完成させてしまったのが傑作3rdアルバム『Check Your Head』。
まぁ、もともと彼らはニューヨークでハードコアパンクバンドをやっていたので、楽器を演奏するという本来の立ち位置に帰ったまでのことで、素人に毛が生えた程度の演奏力ではあるけれども、あざとさとか力みを微塵も感じさせず、実に遊び心に富んでいるというか、もう彼らの研ぎ澄まされたセンスのみだけで創ってしまった感がある。
で、この3rdで確立した音楽性をさらにスタイリッシュに発展させのが4th『Ill Communication』であるかと。



まぁそれがしはヒップホップに関しては門外漢なんで、これら2枚をヒップホップの傑作なんていったら、ZEEBRAあたりを聴いてるこわいお兄さんにヤキ入れられるかもしれないので、これらはオルタナの傑作といっておくほうが無難であるかと。

ヤウク(私はいまだ“ヤウチ”と発音してしまうクセが抜けないが)は、3人の中ではどちらかというとクールさ担当の人で、甲高い声の二人に対してラップも野太くハスキーで渋い。まぁルックスも一番ハンサムだと思う。
20代の頃、ライブやPVでの彼のスタイルや佇まいに少なからず憧れを抱いており、学生時代カンニバル・コープスのゾンビTシャツや、ノビノビのフィッシュボーンのパーカーばっか着ていた私は、少しストリート系のファッションを意識するようになり、それまでファッションセンス評判のすこぶる悪かったバイト仲間たちにその激変振りを見直されたりもした(まぁ現在はまた元に戻った感があるけど)。
その頃はヤウクと同じく自分もスノーボードにハマっていたこともあり、意識的にビースティスタイルに近づこうとしていた自分があったんだと思う。
まぁ夏でもニット帽を被ってるのはおかしいと指摘されはしたが、それでも20代後半、絶望的なまでにファッションに疎かった私が少なからず輝いていた時代があったのは、やはりヤウクのおかげというほかない。

beastie boys - mullethead (instr.version) MCA gets wild!


容姿のクールなヤウクは、演奏スタイルもやっぱクール。ハードコアナンバーでは生々しいブリブリとしたブッ太いベースを奏で、ジャジーなナンバーではウッドベースをシックに弾きこなす。とにかく彼が紡ぎ出すループするフレーズがとてつもなくクールで、ビースティの音楽性を間違いなく格調高いものにしていた。

R.I.P.



今日の1曲:『Pass the Mic』/ Beastie Boys
コメント
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