AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

初ひろみでっさかいに

2011年11月28日 | コンサート
土曜日は、大阪の堺市民会館という辺鄙なところまで、初に上原ひろみさんのコンサートを観に行ってきました。
アルバム『VOICE』発売にともなう、ザ・トリオ・プロジェクト日本ツアーで、ベーシストにアンソニー・ジャクソン、ドラマーにサイモン・フィリップスという超強力なリズム隊を率いてのライブ。
こんな豪華な組み合わせはめったに見れるもんじゃないと、サイモン好きのツレらと共に車とばして堺市まで駆けつけた次第にございます。
ゆーても私自身サイモンのドラムは、MSGの1st『神』でのプレイしか聴いたことねーんだが。アンソニー・ジャクソンに関しては全く知らん。

堺市は、なんちゅーかピョンヤンみたく殺風景な町で、近くのローソンすらなんとなく荒んでる感じがした。
会館の周辺はいかがわしい店が入居してる雑居ビルが立ち並び、路地にはいかにもヤバそうなオッサンがウロウロしており、車をパーキングに預けるのもなんだか気がひける程だった。



「お、アトムや!」と、無邪気に写真を撮ってた会館の向かいのビルも、よくみたら風俗店の雑居ビルだった。
うう・・・、なんという冒瀆。なんという頽廃。


客層は、普段私が行くライブの客層とはかなり異なっており、私の席の周りをざっと見回してもちょっとした上流者階級風の夫婦とか、母親を連れた育ちのいいお嬢といったところで、当たり前だがおそらくジャズ好きか、上原ひろみそのもののファンがほとんどだったと思われる。
まぁ一部うちの連中みたいに、サイモン・フィリップス目的のロック野郎が10パーセントぐらいは占めてたんじゃないかな。私はもちひろみんが目的だったが。
会場内のBGMは、なぜかツェッペリンのアルバム『聖なる館』が丸ごとリピートされていた。
今回のライブは堺市文化振興財団というのが主催者だったらしく、ライブ前にシラケまくりの堺市長の前説があったりと、なんか「グラミー賞アーティスト招待して、このいかがわしい堺市のイメージを払拭しようぜ!」みたいな町おこし的なノリに、会場内がライブ前とは思えない微妙な空気に包まれていた。まぁそれでもライブ始まったらそんなことは関係ないんやけど。

上原ひろみのライブは、ライブDVD映像観てもわかるようにレコーディングとは比べられないくらいに楽曲がさらにグレードアップし、とにかく上原本人が尋常じゃないくらいにヒートアップしていくその鬼気迫る姿に圧倒されるのだ。
ただ、今回は2階席だったこともあって、ライブ映像ほど上原の熱気が伝わりづらく、オマケに予想以上にサイモン・フィリップスのドラムの生音が突き抜けていて、ロック調の激しくタイトなプレイなもんだから、サイモンのプレイが目立ちすぎて上原さんのピアノプレイにいまいち集中できなかった。
しかし、他の純粋な上原ファンの客はチャイナをシャンシャン打ち鳴らし、ツーバスをドコドコ踏みまくる容赦のないサイモンの豪快なパフォーマンスを観てどういう心境だったのだろうか?
まぁ、プレイに熱が入ると上原さんのフットワークが尋常じゃないくらい激しくなるので、その辺で彼女のヴォルテージの高さを感じとることができたかと。
中央で六弦ベースを抱えて、ヒキガエル神ツァトグアのごとく玉座にデーンとふんぞりかえってるアンソニー・ジャクソンのマイペースな佇まいは非常に微笑ましかった。
上原さんにメンバー紹介されてんのに、気付かずにベースの調子を入念にチェックしてる呑気な姿がとても笑えた。
とにかくメンバーの中で、椅子から動こうとしないこと山のごとしであった。

今回のセットリストは『VOICE』からがほとんどで、初期のナンバーが数曲といった感じ。
“XYZ”、“RETURN OF KUNG-FU WORLD CHAMPION”ぐらいは演るだろうと思っていたのがなかったのでちょっと残念だった。


ツアーパンフ。1500円と、このお手ごろ価格で30ページ以上にわたって、プロフィール、ツアーデート、ディスコグラフィー、インタビュー、見開きページ付きのライブ+レコーディング風景写真が満載された充実の内容。


ライブは8時前くらいに終わったのだが、その後ツレらと堺市のガストのドリンクバーで夜中の1時過ぎまでダベっていたことは言うまでもない。


t

今日の1曲:『Voice』/ 上原ひろみ THE TRIO PROJECT feat.Anthony Jackson & Simon Phillips
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

I'M ONLY SLEEPING

2011年11月16日 | 本わか図書室
片山恭一という作家の『ジョン・レノンを信じるな 青盤』という著書をブックオフの105円コーナーで見つけて読んだ。
別にこの作家のファンというわけでもなければ(どうやら『世界の中心で愛をさけぶ』の著者らしい)、私が特別ジョン・レノン好きだからというわけでもない。
ブックオフの割引券を消化しなければならなかったのと、クトゥルー本を切らしていたためだ。
あとタイトルが洒落てて、作者のあとがきをボーナストラック、解説をライナーノーツとしているところが遊び心が垣間見れてちょっとおもしろそうかなと思ったのがある。

本書はいわゆる青春小説(だから青盤なのかな)で、クトゥルー本と違って会話文も多く、ポップで読みやすい。
夢の中に度々故ジョン・レノンが現れ、問答を繰り広げるうちに自分の生き方に迷い出すロック好きの大学生の話。
正直青春小説というものには昔からあまり関心がなく、別に生活に困ってなさそうな充実した大学生活を送ってるやつの青春記をこの年で読まさされてもなんかめんどくせぇなって。
オッサンの私からしたら、「クソガキが何をウジウジ言うとんのや。四の五のいわずスラッシュメタルでも聴けや!」っていう感じ。
ただ、時代背景的にまだスラッシュメタルは出現してなかったかも。

あと、ビートルズ信者とか、ジョン・レノン信者という人種もなんとなく苦手で、この主人公のビートルズ論、ジョン・レノン論にも別にピンとくるものもなかったし、ひとりのアーティストが死んだからって私生活がこうも左右されるという感覚が理解できない。
まぁビートルズ作品はそれなりに聴いているし、“I AM THE WALRUS”とか“I'M ONLY SLEEPING”とか“RUN FOR YOUR LIFE”など、結構ジョン・レノンが気だるく歌う曲が好きだったりする。
自分は音楽にあまりメッセージ性を求めないし、音楽が世界を変えるとも思わない。
だからアーティストの思想や私生活にまで自分の理想を求めたりもしない。たしかにその言動とかに多少の影響は受けるが、いい楽曲を提供してくれればそれでいいのである。

ジョン・レノンを撃った男が、警官が駆けつけたときJ・D・サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』を読んでいたというのはなんとなく知っていたが、その日のジョンの足取りや、現場状況までは知らなかったので、本書であの日のことを詳しく知ることができたのはまぁよかった。




今日の1曲:『I'm Only Sleeping(STEREO REMASTER)』 / The Beatles
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

茶源郷ワヅカを求めて

2011年11月09日 | 名所ガイド、巡礼記
和束町は京都府の南端に位置する、まぁ京都人にもあまり知られてない因習めいた田舎町で、2006年の木津川市への併合をギリギリ免れた不服従の町。
“茶源郷”と呼ばれるように、緑豊かな山腹に茶畑が広がる宇治茶の主産地。てゆーか町全体が茶畑で構成されていると言っても過言ではない。

チャバタケチャバタケ~♪チャバタケチャバタケ~♪


10月下旬より、茶ゲ&ワヅカの神を祀る“茶源郷まつり”が催される和束運動公園の上の広場にひっそりと立ち並ぶ青の碑。



太古より和束町の民に崇められている卵型旧支配者の壁画。
名状し難きその異形の姿はあまりにもおぞましく、この壁画を見つめている間、正気でいられたのが不思議なくらいだった。



日が沈むと青の碑は邪悪な光をギラつかせはじめた!!
時の彼方にたちこめる闇夜の計り知れない奈落の底と、遥か悠久の太古とに根をおろす暗澹たる茶源郷の恐怖を感じないではいられなかった。



夕刻になると、いったい和束町のどこにこれだけ潜んでいたのか、大勢の和束の民がある場所へとゾロゾロと集まり出した。
ワヅカ秘密教団の集会はビニルハウスみたいなところで密かに執り行われるようだ。
室内には様々な茶畑、茶摘娘たちの冒瀆的な写真が展示されているという。



チャバタケチャバタケ~♪チャバタケチャバタケ~♪


今日の1曲:『一人でお茶を』/ LED ZEPPELIN
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ワヅ・ロック・フェス

2011年11月07日 | コンサート
日曜日は、私の住んでいる木津に一応隣接している和束町という、どこに人が住んでるのかよくわからない田舎町で“茶源郷まつり”というものが開催されていて、そのライブイベントに前々からちょっと興味のあった東京のREBEL7というバンドが出演するということで、今にも雨の降りそうなどんよりとした曇り空の中、久しぶりの木津川沿いの国道163を通って現地へと赴いた。

和束町にさしかかるやいなや、待ち構えてたかのように雨がパラつき出した。
駐車場についても祭りが行われているといった賑やかさはあまりなく、ホンマにやっとるんかいなという不安を募らせつつ、雨の中運動公園の方に向かった。


和束運動公園のグランド第一ステージでは、高校生吹奏楽部による演奏会が始まっていた。
司会者のMCによるとウチの向かい近所の高校の生徒たちではないか。
雨の降る中、パフォーマンスなども交えつつ一生懸命演奏されてるその直向きな姿は、グランド・ファンク・レイルロードの雨の中の後楽園ライブ、あるいは第一回フジロックでのレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのあの嵐の中の伝説のライブを髣髴とさせていたとまではいかないが、荒削りな若さ溢れるパワー的なもんは伝わってきた。

で、15分押しでお目当てのREBEL7のライブが野外第二ステージにてシメヤカに開始された。
ライブ15分前はウドー音楽フェスティバルの再現かと思われるほどギャラリーがおらんかったのでどうなることやらと思ったが、マバラながらそれなりに人は増えた。
まぁ近隣の町民すら興味持たんようなローカルなイベントに、メジャーでもなんでもないようなバンドを、この悪天候の中わざわざ見にいこうかなんてことにはならないのだろう。



REBEL7は、今年メンバーの不祥事により解散を余儀なくされたCro-magnonの大竹重寿(dr)と金子巧(key)が結成したインプロヴィゼーションユニット。
まぁCro-magnonの延長線上的な方向性で、ベースのパートを時折キーボードで補うといった感じ。


彼らのジャジーでハイセンスな演奏は、この質素過ぎるイベントに多少の格調高さを添えていた。

REBEL7のステージが終わって、和束カフェみたいなところでとろろ昆布の茶そばを食す。


茶そばを食い終わって茶をすすってホッコリしていると、また第二ステージの方から演奏が聞こえてきたので見に行ってみると、AFNICAという女性シンガーを擁するバンドのステージが始まっていた。
まぁエゴ・ラッピンみたいな雑食系のオシャレバンドといった感じ。リズム隊がかなりシッカリしていてよかった。
この少なすぎる客の入りに臆することなく一体感を要求してくる、ポジディヴでなかなか元気なみなさん方であった。

この寂しいライブイベントにワヅカながら演出役を担ってくれた、謎のシャボン玉少女。 


後半につづく・・・・と思う。



今日の1曲:『Improv』/ REBEL7
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

紙ジャケの似合ういい女

2011年11月05日 | ♪音楽総合♪
ビル・ブラッフォードのソロ作品「Feels Good To Me」でゲスト参加して、味付け程度ながらなかなかのインパクトを残してくれたアネット・ピーコックさんのソロ作品「X-dreams」が、ディスクユニオン監修で紙ジャケリマスター化されていたことをを知り(リマスタリング担当は田中一郎さん)、すでに廃盤であったがヤフオクでゲットすることに成功した。

この作品は、72年にレコーディングされたもののお蔵入りとなった#1“ママの秘密料理”及び、74~78年にかけてレコーディングされた楽曲群を1つのアルバムとしてまとめて78年にリリースされたアネットのソロ第2弾である。
録音時期によってセッションメンバーが異なるため、スティーリー・ダン作品ばりの大人数からなるレコーディング・メンバーがクレジットされており、ビル・ブラッフォードをはじめ、日本有数のセッションベーシスト、クマ・ハラダ。カンタベリー人脈からはGILGAMESHのフィル・リーとジェフ・クライン、SOFT MACHINEのスティーヴ・クック、そのマシーン人脈からのサックス/フルート奏者レイ・ウォーレイその他と、プログレファンにとってはまさにヨダレものの豪華面子。

しかし、彼女のソロ作品だからビルのソロ作品と違ってわりと整合感のあるメロディアスな歌が聴けるのかと思いきや、どうやらトーキング・ヴォーカルっつーのは彼女の元々のスタイルだったのね。
ザッパ風アヴァンギャルドな1曲目“ママの秘密料理”からしてかなり起伏の激しいエキセントリックな彼女の歌唱に度肝抜かれた。
我が敬愛すべきドラマー、ビル・ブラッフォードは10分にも及ぶフリーキーな#2“Real & Defined Androgens”で参加しているようで、ソロ作品の時のようなシャープなプレイではなく、クリムゾンの時に近いわりと荒々しいドラミングを披露している。
個人的にはアネットがしっとりと歌う“This Feel Within”のジャジーな雰囲気がお気に入り。

いやしかし、アネットのこの自由奔放なヴォーカリゼーション、おそらく彼女のスキャンダラスな私生活が深く影響しているのだと思われるが、けっこうクセになりますね。
ほぼ定価と変わらない値段(定価\2940)で落札して、この作品果たしてどうなのかと半信半疑だったけど、アヴァンギャルドさと妖艶さをも併せ持つアネットの濃厚な歌声をタップリと堪能でき、なおかつ豪華ラインナップによる極上のセッションプレイも同時に楽しむことができるという、なかなかの掘り出し物であった。



今日の1曲:『Real & Defined Androgens 』/ Annette Peacock
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする