さて、前回クトゥルー神話における暗黒星ユゴス、および<ユゴスよりのもの>の実態について触れたので、ついでといってはなんですが、私が数年前に入手したユゴスにまつわるとっておきの文献をご紹介しようかと。
それは、上写真の丸尾末広氏描くアヴァンギャルドな表紙画の『アリエス』という、怪奇漫画アンソロジー本とでも言うのでしょうか。
本書は、青林工藝舎出版の月刊マンガ誌『アックス』、その初の増刊号(2001年発行)とのこと。
表紙めくると、こんな感じ。まぁサブカル本ですわな。
マンガを中心に、イラスト、コラム、小説なども掲載されている。
丸尾末広、大越孝太郎などのガロ系マンガ家による短編の他、官能小説家の睦月影郎先生まで文章を寄せていて、うそかまことか、青年時代、夢野久作の小説を読んで自慰行為に及んでいたことを告白するという変態性欲的なコラムは、なかなか私の理解の範疇を超えるものがあり大変興味深かった。
まぁ大部分が、女体、残虐、エロス、レトロ・・・な作風のマンガが占めており、こういう分野に関しては中途半端でウブな私が、なぜこの本格的変態アンソロジー本を購入したのかというと、やはり谷弘兒氏の短編が本書に掲載されており、それが読みたかったからに他ならない。
突如谷弘兒の画のことが気になりだし、まんだらけやネット上でとり憑かれたかのように彼の作品を漁りだしたのは、ちょうど5年前くらいのことであったか。
そんな最中、SNS上で発見し心騒がされたのが、下の【画C】であった。
それは、目玉をもつ菌類に似た形状の頭部を生やしたウミユリ状のグロテスクな寄生物が、人の体内から突き出てきているというおぞましく、ただ不思議と見ていてウットリするような芸術性をも持ち合わせた、世にも奇妙な画であった。
このSNSの投稿者は、谷弘兒先生によるクトゥルー画であるという事以外には、何も情報を書いておらず、この画がちょっとした挿絵なのか、またはクトゥルー神話短編の一場面なのか、全然わからなかった。
それでも、どこで情報を入手したのか忘れてしまったが(投稿者本人に直で聞いてはいない)、この画が谷弘兒先生の『悪夢に棲む影』という短編の一場面であることを突き止めるに至った。
ただ、どうやら谷先生の単行本、作品集には収録されてない短編で(谷先生の場合、そういうの多いだろうな)、その作品が青林工藝舎出版の月刊マンガ誌『アックス』の増刊号である『アリエス』に掲載されていることを突き止めるには、そう時間はかからなかった。
トビラ絵からしてこれ。もっサイコーー!
寝ても覚めても、男は奇妙な悪夢にうなされ続けていた。
【画A】
そこで男は、谷マンガではお馴染み、精神科医(心霊生理学者)キルケ博士に助けを求める。
(キルケ博士に関しては、『怪人・蠅男/妖夢の愛液』を参照)
【画B】
【画C】
突然刑事らが、イカサマ医療違法行為の現場を押さえたと乗り込んでくる。
だが、キルケ博士はこう警告する。
「ユゴス星の超知性体が人類に侵入し始めている」と!
「彼の心霊器官(?)に超知性体が侵入して、心霊レベルの狂気をひき起こしている」と!
この心霊的脳内映像の正体は、ホラー映画のビデオテープだった!?
2001年頃といえば、DVDがそろそろ出だしてきてはいたが、まだまだVHSが主流の時代であったかと。
ロジャー・シーマン監督というのは実在するのだろうかとネットで探ったが、出てこなかった。
気になるな。
キルケ博士はその後、2人の刑事によって乱暴に連行されるのであるが、その連行のされ方がエロ漫画的。
そして、悪夢にうなされてた男は、そのまま・・・・
【画D】
「こいつがユゴスのやり方~~♪」などとマッチのヒットナンバーに合わせて歌ってる場合ではない!
もうすでにユゴスよりのものの人類への侵略は、精神レベルで始まっているのかもしれないのだから・・・
とまぁ、わずか12ページの谷弘兒短編のために本書を購入したわけですが、全体的な装丁も豪華で素晴らしく、その値打は十二分にあったと思う。
やっぱり谷先生の画力は異次元レベルだね。
それにしても、ユゴスものも執筆なさっていたとは・・・さすが!
もっともっと、もっともっと谷弘兒クトゥルー神話が読みたい!
それは、上写真の丸尾末広氏描くアヴァンギャルドな表紙画の『アリエス』という、怪奇漫画アンソロジー本とでも言うのでしょうか。
本書は、青林工藝舎出版の月刊マンガ誌『アックス』、その初の増刊号(2001年発行)とのこと。
表紙めくると、こんな感じ。まぁサブカル本ですわな。
マンガを中心に、イラスト、コラム、小説なども掲載されている。
丸尾末広、大越孝太郎などのガロ系マンガ家による短編の他、官能小説家の睦月影郎先生まで文章を寄せていて、うそかまことか、青年時代、夢野久作の小説を読んで自慰行為に及んでいたことを告白するという変態性欲的なコラムは、なかなか私の理解の範疇を超えるものがあり大変興味深かった。
まぁ大部分が、女体、残虐、エロス、レトロ・・・な作風のマンガが占めており、こういう分野に関しては中途半端でウブな私が、なぜこの本格的変態アンソロジー本を購入したのかというと、やはり谷弘兒氏の短編が本書に掲載されており、それが読みたかったからに他ならない。
突如谷弘兒の画のことが気になりだし、まんだらけやネット上でとり憑かれたかのように彼の作品を漁りだしたのは、ちょうど5年前くらいのことであったか。
そんな最中、SNS上で発見し心騒がされたのが、下の【画C】であった。
それは、目玉をもつ菌類に似た形状の頭部を生やしたウミユリ状のグロテスクな寄生物が、人の体内から突き出てきているというおぞましく、ただ不思議と見ていてウットリするような芸術性をも持ち合わせた、世にも奇妙な画であった。
このSNSの投稿者は、谷弘兒先生によるクトゥルー画であるという事以外には、何も情報を書いておらず、この画がちょっとした挿絵なのか、またはクトゥルー神話短編の一場面なのか、全然わからなかった。
それでも、どこで情報を入手したのか忘れてしまったが(投稿者本人に直で聞いてはいない)、この画が谷弘兒先生の『悪夢に棲む影』という短編の一場面であることを突き止めるに至った。
ただ、どうやら谷先生の単行本、作品集には収録されてない短編で(谷先生の場合、そういうの多いだろうな)、その作品が青林工藝舎出版の月刊マンガ誌『アックス』の増刊号である『アリエス』に掲載されていることを突き止めるには、そう時間はかからなかった。
トビラ絵からしてこれ。もっサイコーー!
寝ても覚めても、男は奇妙な悪夢にうなされ続けていた。
【画A】
そこで男は、谷マンガではお馴染み、精神科医(心霊生理学者)キルケ博士に助けを求める。
(キルケ博士に関しては、『怪人・蠅男/妖夢の愛液』を参照)
【画B】
【画C】
突然刑事らが、イカサマ医療違法行為の現場を押さえたと乗り込んでくる。
だが、キルケ博士はこう警告する。
「ユゴス星の超知性体が人類に侵入し始めている」と!
「彼の心霊器官(?)に超知性体が侵入して、心霊レベルの狂気をひき起こしている」と!
この心霊的脳内映像の正体は、ホラー映画のビデオテープだった!?
2001年頃といえば、DVDがそろそろ出だしてきてはいたが、まだまだVHSが主流の時代であったかと。
ロジャー・シーマン監督というのは実在するのだろうかとネットで探ったが、出てこなかった。
気になるな。
キルケ博士はその後、2人の刑事によって乱暴に連行されるのであるが、その連行のされ方がエロ漫画的。
そして、悪夢にうなされてた男は、そのまま・・・・
【画D】
「こいつがユゴスのやり方~~♪」などとマッチのヒットナンバーに合わせて歌ってる場合ではない!
もうすでにユゴスよりのものの人類への侵略は、精神レベルで始まっているのかもしれないのだから・・・
とまぁ、わずか12ページの谷弘兒短編のために本書を購入したわけですが、全体的な装丁も豪華で素晴らしく、その値打は十二分にあったと思う。
やっぱり谷先生の画力は異次元レベルだね。
それにしても、ユゴスものも執筆なさっていたとは・・・さすが!
もっともっと、もっともっと谷弘兒クトゥルー神話が読みたい!