実を言うと、私は手塚治虫マンガ大好きの手塚コレクターなんです。
古本屋に行ったらなにか掘り出しモノはないかと、手塚治虫コーナーは必ずチェックします。
なんせ手塚マンガってのは、子供向けから大人向けまで、多種多様なジャンルに渡って何百作品と存在していて、とても全てを集めきれるものではありません。
まぁ手塚作品ってアタリハズレも激しいんだけど、その他の人気マンガ家なんて1作品当てて10年連載続いたらそれで十分名声を得てカッコつく感じだけど、手塚先生の場合はそんなもんより内容濃くておもしろい大傑作がゴロゴロと存在していて、それが割りかし一般的には知られてないマイナー作品であったりするんです。
ただ、最近はもう手塚治虫の名作と呼ばれる作品はほとんど集めきってしまった感があって、その情熱も10代~20代の頃と比べて随分冷めてしまってきてる。
ところが先日、普段あまり立ち寄らない古本屋ブックマーケットにふと入ってみると、見慣れない背表紙の手塚本が私の目に飛び込んできた。
それは『フースケ』であった。
この作品は手塚先生が大人向けに書いた“ナンセンス漫画”と呼ばれる部類のもので、長谷川町子の『サザエさん』や、サトウサンペイの『フジ三太郎』のような、新聞などに連載されてる4コママンガみたいな諷刺画のような絵のタッチで描かれている手塚先生の漫画の中でも少し特殊なテイストの作品(他には『人間ども集まれ』『上を下へのジレッタ』もこの部類)。もちろんおなじみヒョウタンツギも登場する。
『フースケ』は手塚先生の没後、文春文庫からビジュアル版で新たに刊行されていて、私はそれを所持していた。
今回見つけたのは奇想天外文庫から出版された初版本で、当時は定価280円のモノ。
状態も良好で普通ならもっと高値がつきそうなものだが、320円で売られててそらもう即購入ですわ。
なんつっても私の所持してたビジュアル文庫版の味気ない表紙に比べて、こっちはセンス溢れるナンセンスカヴァーが使用してあり、一話一話にもちゃんと表紙がついている。
そしてなにより私を喜ばせたのが、ビジュアル版には収録されていなかった未読のエピソードが一話あったこと!
(まぁビジュアル版の方はこっちより四話ほど多く収録されてあるけど)
「2.11事件」というタイトルで、弥生時代が舞台の物語。
卑弥呼みたいな人物がでてくる。これは『火の鳥 黎明編』がモデルとなってるのかな?
巻末にある手塚先生の「ボクとオンナのマンガ」というあとがきによると、いつも小松左京に「手塚サンは、オトナのオンナが描けんなぁ」と言われてコンプレックスを持っていたのがあったのと、自分は男である以上女の気持ちが描けないので、女をマトモに描かずなにか別の生き物(例えば馬や猫や家)におきかえて男の目線で女をこの『フースケ』で描いたのだという。
たしかにこのマンガでは、異常性欲にトチ狂って凶暴化した女とか、性器だけのクリーチャー、家一軒そのものがオンナみたいなものが描かれている。
それはモテない男から生まれる妄想なのか、願望なのか。これが手塚治虫先生自身の妄想だとしたら、かなりのヘンタイマンガ家だ。
手塚治虫の劇画タッチの大人向けの短編モノには、もっとドぎつい変態性溢れる物語がいくつもあるが、この『フ―スケ』はそれらをポップかつブラックジョーク風にしたってところだろうか。
ちなみに、この「ナンセンスのセンスを極める」奇想天外文庫からは『すっぽん物語』という手塚作品も出版されているみたいなので、これも是非手に入れたく思っている。
古本屋に行ったらなにか掘り出しモノはないかと、手塚治虫コーナーは必ずチェックします。
なんせ手塚マンガってのは、子供向けから大人向けまで、多種多様なジャンルに渡って何百作品と存在していて、とても全てを集めきれるものではありません。
まぁ手塚作品ってアタリハズレも激しいんだけど、その他の人気マンガ家なんて1作品当てて10年連載続いたらそれで十分名声を得てカッコつく感じだけど、手塚先生の場合はそんなもんより内容濃くておもしろい大傑作がゴロゴロと存在していて、それが割りかし一般的には知られてないマイナー作品であったりするんです。
ただ、最近はもう手塚治虫の名作と呼ばれる作品はほとんど集めきってしまった感があって、その情熱も10代~20代の頃と比べて随分冷めてしまってきてる。
ところが先日、普段あまり立ち寄らない古本屋ブックマーケットにふと入ってみると、見慣れない背表紙の手塚本が私の目に飛び込んできた。
それは『フースケ』であった。
この作品は手塚先生が大人向けに書いた“ナンセンス漫画”と呼ばれる部類のもので、長谷川町子の『サザエさん』や、サトウサンペイの『フジ三太郎』のような、新聞などに連載されてる4コママンガみたいな諷刺画のような絵のタッチで描かれている手塚先生の漫画の中でも少し特殊なテイストの作品(他には『人間ども集まれ』『上を下へのジレッタ』もこの部類)。もちろんおなじみヒョウタンツギも登場する。
『フースケ』は手塚先生の没後、文春文庫からビジュアル版で新たに刊行されていて、私はそれを所持していた。
今回見つけたのは奇想天外文庫から出版された初版本で、当時は定価280円のモノ。
状態も良好で普通ならもっと高値がつきそうなものだが、320円で売られててそらもう即購入ですわ。
なんつっても私の所持してたビジュアル文庫版の味気ない表紙に比べて、こっちはセンス溢れるナンセンスカヴァーが使用してあり、一話一話にもちゃんと表紙がついている。
そしてなにより私を喜ばせたのが、ビジュアル版には収録されていなかった未読のエピソードが一話あったこと!
(まぁビジュアル版の方はこっちより四話ほど多く収録されてあるけど)
「2.11事件」というタイトルで、弥生時代が舞台の物語。
卑弥呼みたいな人物がでてくる。これは『火の鳥 黎明編』がモデルとなってるのかな?
巻末にある手塚先生の「ボクとオンナのマンガ」というあとがきによると、いつも小松左京に「手塚サンは、オトナのオンナが描けんなぁ」と言われてコンプレックスを持っていたのがあったのと、自分は男である以上女の気持ちが描けないので、女をマトモに描かずなにか別の生き物(例えば馬や猫や家)におきかえて男の目線で女をこの『フースケ』で描いたのだという。
たしかにこのマンガでは、異常性欲にトチ狂って凶暴化した女とか、性器だけのクリーチャー、家一軒そのものがオンナみたいなものが描かれている。
それはモテない男から生まれる妄想なのか、願望なのか。これが手塚治虫先生自身の妄想だとしたら、かなりのヘンタイマンガ家だ。
手塚治虫の劇画タッチの大人向けの短編モノには、もっとドぎつい変態性溢れる物語がいくつもあるが、この『フ―スケ』はそれらをポップかつブラックジョーク風にしたってところだろうか。
ちなみに、この「ナンセンスのセンスを極める」奇想天外文庫からは『すっぽん物語』という手塚作品も出版されているみたいなので、これも是非手に入れたく思っている。