ディジュリドゥ奏者GOMA氏の個展が今月上旬大阪で開催されてたので初に行ってきた。
今回の個展のテーマは『再生』。
2009年、追突事故に遭い「外傷性脳損傷」と診断を受けた2日後から、突如衝動的に点描画を描き始めたGOMA氏。
事故当時、生死の境をさまよっていたGOMA氏が、意識を失ったままの世界で見た“ひかり”。
彼の描く点描アートは、その臨死体験がもとになっているといわれる。
ディジュリドゥが格別好きな楽器というわけでもなく、点描アートは美しいとは思うが、原画を見たいと思うほど美術に興味を持ってるわけでもない。
ただ、音楽とアートを見事に両立させるミュージシャンには昔から強く魅かれる傾向にあり、まずVOIVODがそうだし、自らアルバムジャケットを描くCoccoと坂本慎太郎にいたっては各々原画展にも足を運んだ。
だから今回も無視することはできなかった。
しかもGOMA氏の場合、「脳損傷」がその画の才能を突如引き出したという特殊なケースで、興味をそそられずにはいられなかった。
PINE BROOKLYNという福島区の辺鄙なところにあるギャラリーで、メチャメチャ迷った。
普段用のない所やからなぁ。
展示期間中GOMA氏が在廊してるとのことだったが、私が訪れた時には不在だった。
女性の方とずっと携帯ゲームやってる女の子が受付にいた。おそらくGOMA氏の妻子だろう。
純白の壁に、GOMA氏の主に「ひかり」をテーマとした点描画が数点展示されてあった。
似たようなものが多かったが、赤、青、ピンクと、色とりどりで見てて飽きることはなかった。
画廊には、GOMA氏奏でるディジュリドゥの仏教的なダブミュージックが流れており、点描の神秘的なアートとのシンクロ感がハンパなく、見事スピリチュアルな空間を演出していた。
この作品のみ撮影OKだったので。これは蓮っぽいからやはり仏教的な何かを感じさせる。
無数の点で描かれたこの神秘的グラデーション感覚は、実物を目の当たりにするとほんと驚異的。
私のような凡人からすると、本当に気の遠くなるような作業でまず真似できるものではない。
そして、今回は『再生』がテーマということで、自分の身を焼いてはまた再生を繰り返す手塚治虫の『火の鳥』を点描で表した作品が数点展示されてあった。
2010年にGOMA氏が初めての個展を東京の青山で開催した時に、ギャラリーに訪れた手塚治虫のご息女るみ子さんと面会し、その出会いが今回の『火の鳥』を描くことに繋がったらしい。
今年2月にNHKのEテレでも放映されていたGOMA氏を特集した『Reborn~再生を描く~』で、るみ子さんがGOMA氏に直接『火の鳥』の作品を依頼するシーンがあって、「手塚治虫のではなく、GOMAさんなりの『火の鳥』、GOMA編を描いて欲しい」というようなことをおっしゃってた気がする。
私はこのシーンを見て、思わず火の鳥の『鳳凰編』で、橘諸兄が茜丸に鳳凰の彫刻を彫るよう依頼(というか命令)するシーンを思い浮かべてしまった。
いや、もちろんこんな横柄なやり取りではないけれど。
GOMA氏自身も、唯一家に全巻そろっている漫画が『火の鳥』だったらしく、事故後読み返してみて、特に『復活編』で、主人公がひかりに導かれるという自分と同じような臨死体験のシーンが出てきて驚いたという。
2482年、主人公のレオナ宮津がエア・カーから墜落死する場面から物語は始まる。
手塚流のサイケなアートタッチでレオナが死の世界をさまようシーンが描かれている。
光はまねくように少年のからだをひきよせた。
それは死の国からの出口だったのだ(『火の鳥 ~復活編~』より)。
画廊のBGMでかかってて、思わずその場で衝動買いしたGOMA氏のソロ作品のベスト盤的なセレクト集?
『YOU ARE BEAUTIFUL』
画廊で聴いてて、タブラのダブがかった音色が非常に気持ちよかったので、これはヒーリングミュージックとしてもとても機能するなと。
シタールやアコギ、エレキギターなどの弦楽器、指ピアノなど、空間をスピリチュアルな雰囲気に彩る音色がフンダンに散りばめられており、特にインドネシアのガムランゴングの音色が楽曲にとてつもない仏教的シャンバリズムを与えている。
GOMA氏のディジュリドゥはそれほど前面に押し出されてはおらず、どちらかというとそれらのサウンドに寄り添うというか、脳髄をやさしくバイブさせるような役割を担っている。
いや、いい作品である。
ちなみに来月のGWは、日比谷野外音楽堂でROVO主催のGOMA & The Jungle Rhythm Section、そして坂本慎太郎氏も出演するMDTフェスなるものに、幸運にも見に行く手筈が調っている。
そういや確かROVOも『火の鳥』をテーマとした曲を演っていたっけ。
こりゃきっとステージ上でとてつもないコスモゾーンが生まれるに違いない!
今日の1曲:『Rainbow Serpent』/ GOMA
今回の個展のテーマは『再生』。
2009年、追突事故に遭い「外傷性脳損傷」と診断を受けた2日後から、突如衝動的に点描画を描き始めたGOMA氏。
事故当時、生死の境をさまよっていたGOMA氏が、意識を失ったままの世界で見た“ひかり”。
彼の描く点描アートは、その臨死体験がもとになっているといわれる。
ディジュリドゥが格別好きな楽器というわけでもなく、点描アートは美しいとは思うが、原画を見たいと思うほど美術に興味を持ってるわけでもない。
ただ、音楽とアートを見事に両立させるミュージシャンには昔から強く魅かれる傾向にあり、まずVOIVODがそうだし、自らアルバムジャケットを描くCoccoと坂本慎太郎にいたっては各々原画展にも足を運んだ。
だから今回も無視することはできなかった。
しかもGOMA氏の場合、「脳損傷」がその画の才能を突如引き出したという特殊なケースで、興味をそそられずにはいられなかった。
PINE BROOKLYNという福島区の辺鄙なところにあるギャラリーで、メチャメチャ迷った。
普段用のない所やからなぁ。
展示期間中GOMA氏が在廊してるとのことだったが、私が訪れた時には不在だった。
女性の方とずっと携帯ゲームやってる女の子が受付にいた。おそらくGOMA氏の妻子だろう。
純白の壁に、GOMA氏の主に「ひかり」をテーマとした点描画が数点展示されてあった。
似たようなものが多かったが、赤、青、ピンクと、色とりどりで見てて飽きることはなかった。
画廊には、GOMA氏奏でるディジュリドゥの仏教的なダブミュージックが流れており、点描の神秘的なアートとのシンクロ感がハンパなく、見事スピリチュアルな空間を演出していた。
この作品のみ撮影OKだったので。これは蓮っぽいからやはり仏教的な何かを感じさせる。
無数の点で描かれたこの神秘的グラデーション感覚は、実物を目の当たりにするとほんと驚異的。
私のような凡人からすると、本当に気の遠くなるような作業でまず真似できるものではない。
そして、今回は『再生』がテーマということで、自分の身を焼いてはまた再生を繰り返す手塚治虫の『火の鳥』を点描で表した作品が数点展示されてあった。
2010年にGOMA氏が初めての個展を東京の青山で開催した時に、ギャラリーに訪れた手塚治虫のご息女るみ子さんと面会し、その出会いが今回の『火の鳥』を描くことに繋がったらしい。
今年2月にNHKのEテレでも放映されていたGOMA氏を特集した『Reborn~再生を描く~』で、るみ子さんがGOMA氏に直接『火の鳥』の作品を依頼するシーンがあって、「手塚治虫のではなく、GOMAさんなりの『火の鳥』、GOMA編を描いて欲しい」というようなことをおっしゃってた気がする。
私はこのシーンを見て、思わず火の鳥の『鳳凰編』で、橘諸兄が茜丸に鳳凰の彫刻を彫るよう依頼(というか命令)するシーンを思い浮かべてしまった。
いや、もちろんこんな横柄なやり取りではないけれど。
GOMA氏自身も、唯一家に全巻そろっている漫画が『火の鳥』だったらしく、事故後読み返してみて、特に『復活編』で、主人公がひかりに導かれるという自分と同じような臨死体験のシーンが出てきて驚いたという。
2482年、主人公のレオナ宮津がエア・カーから墜落死する場面から物語は始まる。
手塚流のサイケなアートタッチでレオナが死の世界をさまようシーンが描かれている。
光はまねくように少年のからだをひきよせた。
それは死の国からの出口だったのだ(『火の鳥 ~復活編~』より)。
画廊のBGMでかかってて、思わずその場で衝動買いしたGOMA氏のソロ作品のベスト盤的なセレクト集?
『YOU ARE BEAUTIFUL』
画廊で聴いてて、タブラのダブがかった音色が非常に気持ちよかったので、これはヒーリングミュージックとしてもとても機能するなと。
シタールやアコギ、エレキギターなどの弦楽器、指ピアノなど、空間をスピリチュアルな雰囲気に彩る音色がフンダンに散りばめられており、特にインドネシアのガムランゴングの音色が楽曲にとてつもない仏教的シャンバリズムを与えている。
GOMA氏のディジュリドゥはそれほど前面に押し出されてはおらず、どちらかというとそれらのサウンドに寄り添うというか、脳髄をやさしくバイブさせるような役割を担っている。
いや、いい作品である。
ちなみに来月のGWは、日比谷野外音楽堂でROVO主催のGOMA & The Jungle Rhythm Section、そして坂本慎太郎氏も出演するMDTフェスなるものに、幸運にも見に行く手筈が調っている。
そういや確かROVOも『火の鳥』をテーマとした曲を演っていたっけ。
こりゃきっとステージ上でとてつもないコスモゾーンが生まれるに違いない!
今日の1曲:『Rainbow Serpent』/ GOMA