AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

AMASHINレコード大賞2012

2013年01月26日 | ♪音楽総合♪
さて、ようやく発表できる段となりました「AMASHINレコード大賞2012」。
2012年に発表された音楽作品のあましん的ベスト5選です。
もはや音楽が趣味とはいえないくらい新譜CD買ってないし、まだ聴けてないアルバムも何枚かあるんですが、今月中に発表しようと決めてたんで、むりやりねじこんだ感は否めません。
まぁ、毎年このベスト発表を楽しみに、この時期だけに当ブログに訪問してくださる方もいらっしゃるかもしれませんので、一応それなりのものを選んだつもりです。

ほな、いきまひょか・・・って、上の写真のオッサン、もう指さしてもうてるやん。

第一位
『The Idler Wheel is wiser than the Driver of the Screw
and Whipping Cords will serve you more than Ropes will ever do』
/ Fiona Apple


7年も待たされた上に、タイトル、アーティストのクレジットだけで3行も使わせてくれんだから、ほんっとにもう、彼女にはいつもヤキモキさせられる。
でも、そうやって振り回された分、出来上がった作品でちゃんと結果を出してくれるんだから、日本の洋楽雑誌などでほとんど取り上げられなくなっても、注目し続けた甲斐があったなって思えるんだ。
アコースティッキーかつパーカッシヴなバックサウンドに、これまで以上に生々しいフィオナのヴォーカルがのっかるというシンプルな構成。計算しつくされた完成度というより、落書き帳の上に気の赴くまま絵コンテで殴り書きした結果、偶発的に浮かび上がった抽象画のような作品(ん?ジャケットの説明してるだけか?)。
しかし、そこにはフィオナの音楽的教養の深さと、エモーショナルで痛烈な表現力が見事なバランスで同居しているのだ。

Left Alone



◆第二位:『photogenic』 / Salyu

昨年の小山田圭吾とのプロジェクトSalyu × Salyuでは、自分の声を素材としたアンビエントで実験的な手法で、万華鏡のような別次元の音世界を打ち出したのに対し、本作では再び小林武史氏のもとで、なんのタネも仕掛けもないSalyuとして、快活よく軽やかに歌を歌うことに徹しており、ここでまた彼女の歌メロの素晴らしさを実感できる。
春の訪れが待ち遠しくなるような、温かみのある捨て曲なしの良質なポップアルバム。

青空



◆第三位:『SUNKEN CONDOS』 / Donald Fagen

齢67歳にして、4作目となるドナルド・フェイゲンのソロ作品。
相変わらずキメの細かい極上のAORサウンド。その徹底した音作りは、スティーリー・ダン『彩』以降の諸作品となんら遜色ない。
一見地味な印象を持つ仕上がりだが、ビブラフォーンや管楽器の音色を実に効果的に配しており、やはり耳に極上の心地よさをもたらしてくれる。シンプルで繊細な楽曲群の中にも、どブルース調の“WEATHER IN MY HEAD”や、ファンクカヴァー曲“OUT OF THE GHETTO”等の楽曲がちょっとしたアクセントとなっていて、けっこうアクの強い部分も垣間見られる。歌も相変わらず不可思議な味があってやっぱ好き。ドナルド・フェイゲンはまだまだ健在である。

I'm Not The Same Without You



◆第四位:『LEGEND』 / Witchcraft

前作『錬金術師』の古色蒼然たるサウンドとスタイルに一発でハマり、その後の動向にも注目していたスウェーデンのWitchcraftの4thだが、サウンドがやけに分厚くなってしまったことに最初は戸惑いを覚えた。これって、近年の人間椅子のパターンやんけ!特にドラムがレイジ(ジャーマンのではない)ばりにパワフルになってる。まぁしばらく音沙汰ない内に何人かのメンバーチェンジもあったみたいで、為るべくして為った変化なのであろう。しかし、そこには単なる懐古趣味には終わらせない、強い意気込みも感じられるのだ。特にヴォーカルの表現力に、より一層の凄味が増した気がする。
70年代ブリティッシュハードロックスタイルを踏襲したストレートなリフ構成は相変わらずで、その中でも緩急つけた変則的な展開を織り交ぜつつ、楽曲の雰囲気作りを第一に考えた郷愁感や中世の終末思想的表現力には、やはり揺るぎなきセンスを感じないではいられない。個人的にはアメリカのTroubleの遺志を受け継ぐ重要な存在といっていい。

Deconstruction



◆第五位:『ぱみゅぱみゅレボリューション』 / きゃりーぱみゅぱみゅ

しかし、アルバムタイトルもアーティスト名も言いにくいなぁ、おい。スマホで音声検索できひんぞこれ。
ところで、マイフェイバリットナンバー“CANDY CANDY”のPVの構成って、ペナルティのコントを参考にしてるとしか思えないんだが。ほんと世の中なめてるよな。でも、そういうところが好きだったりする。

CANDY CANDY



今日の一曲:『灰色のカラス』/ 西田エリ
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

3Dライブ初体験

2013年01月22日 | しねしねシネマ
京都駅前のT・ジョイとかいうシネコンで、3年前不慮の追突事故で記憶障害を負ったディジュリドゥ奏者GOMAのドキュメント映画『フラッシュバックメモリーズ 3D』の舞台挨拶があるということをタイミングよく知ったので、観に行ってきました。
3D映画は数年前に観た『アバター』以来。こいつを観たときは、飛び出す絵本程度の3D効果に一体なんの意味があるのか?と失望感にかられたけど、今回は心から3D映画を楽しめたという感じだった。
(ちなみに、『アバター』のスタッフの弁当代くらいの製作費なんだとかw)

チケ代が少しは浮くかなと思って、アバター時購入させられた3Dメガネを持参したけど、まったくもって転用不可だった。
この劇場には、座席に3Dメガネホルダーまで完備されていた!つか、単なる荷物かけか?


本作品は、昨今けっこう上映されてきてる“映像ライブ”(最近でいうとツェッペリンの『祭典の日』)の様相を呈しており、終始、演奏者に3Dが施されたもの。
GOMA氏のライブは、ダブ・イベントで過去に何回か拝見しており、ディジュリドゥの演奏スタイルそのものはわりと地味な印象を受けたのだが、本映像では、どの楽器よりもボディの長さを誇っているだろうと思われる筒状のディジュリドゥが、画面からニュ~~~と突き出てきて、それがグルーヴィな音色とともに鑑賞者に迫ってくるという、この不可思議な臨場感は、生ライブではちょっと体感できない迫力だった。
バックを固めるリズム隊「The Jungle Rhythm Section」の躍動感あるリズムセクションも凄まじくカッコよい!メンバーをパっと見て、見覚えのあるミュージシャンが2名。ドラムは近年Coccoのバックで叩いていた椎野恭一氏。カウベル主体のパーカスを務めるのは、Little Tempoの田鹿健太氏だ。
圧巻の演奏が終わる度に、映画館であることを忘れて本能的に拍手してまいそうになったのは、きっと私だけではないハズ。

GOMA氏のこの度の記憶障害という苦悩は、我々健全な者にとっては計り知れないものだが、GOMA氏がディジュリドゥを無心に演奏する姿にはとてつもない生命力が溢れており、その躍動感あふれるパフォーマンスを、立体感を持って前面に映し出し、その背後に過去の記憶や、事故後、GOMA氏が衝動的に描き始めたというサイケデリックな点描アートがフラッシュバックするという、3D効果を疑似体験的かつアートフルに施したこの斬新なアイデアは、見事というほかない。


舞台挨拶後にサイン会も催され、個人的にはなんだかレコ発イベントのノリだったな。
パンフレットには、GOMA氏の事故後の直筆の日記や点描画、映画で使用されたメモリアル写真などが掲載されている。


ディジュリドゥという楽器に関して言及すると、オーストラリア大陸の先住民アボリジニの民族楽器で、シロアリに食われて筒状になったユーカリの木から作られる管楽器、ってのは今更説明するまでもないと思いますが、有名どころでは、ジャミロクワイのデビュー曲“いつになったら気づくんだい”のイントロで鳴り響いているアレです。
GOMA氏個人の作品は持ってないけど、私の所持してるものを紹介するなら、Likkle Maiさんの1stソロアルバム『Roots Candy』の1曲目“My Old Flame”で、GOMA氏のスピリチュアルなディジュリドゥの音色を聴くことができる。




フラッシュバックメモリーズ[3D]予告


オススメ度:★★★★

今日の一曲:『My Old Flame』/ Likkle Mai
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

備前・ザ・備前

2013年01月17日 | 名所ガイド、巡礼記
正月休み明けの三連休は、ここんところ恒例となった岡山遠征。
午後の旧練メンバーは全員本州の西日本に集中しているため、集合場所としては岡山が最適なわけであるが、岡山のメンバーの実家の別宅を一泊利用させてもらえるというメリットもある。
今回の集合場所にしていた岡山の中華料理屋の場所がわからんくて道に迷ったり、別宅に到着してから鍵を実家に忘れてきたことに気がついたりと、スムーズな運びとはならなかったが、いつもの学生気分のノリで(酒なしで)それなりに盛り上がったのではないかと。

一泊した後の帰りは、昨年同様、日生のかきおこコースかと思われたが、私が後部座席で眠り込んでいる間に備前カレーを食おうという話になっていた。
岡山の山々を背景に、寂れた場所にポツリとたたずむこ洒落た店であったが、どうやら事前にJ氏がネットでリサーチ済みの店であるようだった。

内装もとにかくお洒落。当然のことながら備前焼きの陶器が陳列されてある。う~む、よくわからんがマ・クベ大佐ならほっとかないぜ。


ピアノの上に日本人形が不気味にうずくまっているという猟奇的な部分も。


私はカレーといったらビーフなのであるが、備前の雰囲気を楽しむということで、普段ならぜったい注文しないシーフードカレーを選択。
海産物のトッピングを病的に嫌う私としてはかなりの挑戦であった。


和な趣きの箸とスプーン、カレーの上品なコクの旨み、トッピングには牡蠣もちゃんとのってて、こんなお洒落なカレーを召したのは初めてではないだろうか。J氏が気を利かせて人数分のコーヒーの無料券をプリントアウトして持参してきてくれたこともあり(この部分はお洒落じゃないが)、かなりまったりとした有意義なランチタイムを過ごせた。


お土産を買いに寄ったサービスエリアでは、浜田麻里の『ゴールデン★ベスト』がヒューチャリングされていた。


今日の一曲:『GOOD LIFE』/ FRANCIS DUNNERY
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

キップ・ウィンガー待望論

2013年01月11日 | やっぱりメタル!!
晦日にNHK総合で放映されていた、Perfumeの昨年行われたアジアツアーのドキュメント番組を見てたのだが、台湾でのリハーサル場面で、のっちの着てる黒のTシャツのバックにデフ・レパードのロゴみたいな字体で「CAN'T GET ENUFF」って文字がデカデカとプリントされてるのに「おや?」となって、次の場面でのっちが着てたのが、なんとWINGERの2ndアルバム『IN THE HEART OF THE YOUNG』のメタルTシャツであることが判明してア然となってしまった。
なんだ、バッド・カンパニーの方じゃなかったんだ。



しかし、まさか彼女がウィンガーファンだったとはね・・・・

ただ、私自身ウィンガーといったら、ジョージ・マイケルみたいなベーシストが、インカムつけて歌ってるぐらいのイメージしか持ちあわせてなくて、音源も所持していない。
こないだB!誌の整理をしてて、このアルバムが“今月のピック・アップ・アルバム”としてレビューされている号を発見したのだが、そこでの総合評価は芳しくないですね。ただ、レビュー者がこぞって言ってるのが「聴きやすいサウンドでありながら実は凄いコトをやっている」ということだった。
昔ちょっとだけバンド組んでたベーシストが(こいつなぜだかドリムシの「メトロポリス」のギターソロだけ完コピしとった)確かキップ・ウィンガーの崇拝者だったのを覚えているほか、午後連のJ氏がレブ・ビーチをやたらリスペクトしてたような気がする。噂によれば、ジョージ・リンチばりのテクニシャンなのだとか。J氏が熱中するわけだ。

あと、レコード屋で配布していたウィンガーステッカーは(私はタダならなんでももらう)いまだ大切に保存している。



ちなみに“CAN'T GET ENUFF”はこんな感じの曲。


なるほど、私が興味を持たなかったわけだ。

でも、のっちが好きだっていうんなら、私も今度アルバム聴いてみようかと思う。
だってのっちがいいって言うんなら、いいに決まってる!
のっちの好きなものを俺も共有したい!

的なこと書いたら、今度J氏に会うときマジで持ってきよるな・・・・
なら、私も彼に『Perfume Global Compilation』を持っていこう。



今日の1曲:『FAKE IT』/ Perfume
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Skeleton In The Closet

2013年01月10日 | 晒しな!日記
いやいや、晦日から無謀にも着手してしまった「クローゼット大改造計画」が想定以上に長引いてしまった。
開かず側のクローゼットの中とか、あれこれ掘り返してみた結果わかったことは、80%実用的でないものばかりだということ。まぁこれらのものが火事なんかで消失したとしてもなんら困ることはないし、惜しむこともないだろう。

まず、捨てれずにいたB!誌を半分くらい処分できた。B!誌に関しては、やっぱ80年代のはなかなか捨てる気にはなれんのだが、90年代以降のは躊躇なく捨てれた。この頃からのメタルバンドに対しての思い入れの薄さがわかるというものだ(つーかB!誌はほとんど姉が購読してた)。



あとは、埃まみれになった電化製品の箱、黄ばんで一生着ることのない衣類、カビだらけのビニ本などなど。上の棚からはMDのケースが大量に出てきて、これも全部処分した。だってMDはもともとケースに包まれてるものだからね。
しかしこんだけ処分しても部屋のゴチャゴチャ感は以前とほとんど変わらないのが悲しい。

仕分けするにあたって一番悩んだのが、こういったスターウォーズ関連の景品。せっかく当選したので捨てる気にもなれなくて、その辺に飾ってても埃まみれになるだけやし・・・
だいたいこいつら、映画の中と違って何の役にもたたんのですよ!



ま、今回大きな前進になったのは、長年放置してきたクローゼットの上の棚の傾きを修復できたことかな。いや、ここに引越してきてから程なくして支えの木が右下がりにずってきましてん。年々上に積み重ねてる物が徐々にずってくるわ、本は横倒しになるわで(トップのビフォアー写真参照)、触れるのも怖くて上のもんもよう整理できずにおりましてん。
年明けに日曜大工店でハンガーなどをかけるつっぱり棒みたいなんを買ってきて、それをつっかえ棒代わりにあてがったら上手いことハマりました。まぁ、以前にも試みたことあったんですが、つっぱり棒のサイズを間違えてショックで長年断念しておったんです。



DEAD ENDのCDが出てきたので整理しながら久々に聴いてみた。
う~ん、やはり当時からこの手のジャパメタは性に合わなかったみたいだ。



今回大掃除してみて思ったのが、私がもし不慮の事故や急病で死んでしまって、遺族の者達にこの部屋を物色された時のことだ。
まぁ健全な人にとっては、クソのはきだめも同然だろう。「僕の叔父ちゃんは、けったいな音楽のCDと怪しい書物とパイプのついた一つ目のロボットの人形に囲まれて孤独に死んでいった変人だったんだ」って、死者への敬意もクソもあったもんじゃないですよ!
来たるべき日に向けて、身辺の整理をしておかなくてはならない。


高校時代に、制服の懐に忍ばせていたライター付きデジタル懐中時計が出てきた。
たばこも吸わないくせにシャーロッキアンでも気取っていたのか。そりゃクラスで変人扱いされたわけだ。
ハハハハハ・・・・・・


って、ノスタルジックな感傷に耽ってるヒマはない!
お次はPCのデータの大移動だ!
あー、チャカポコチャカポコ・・・・・

今日の1曲:『SKELETON CIRCUS』/ DEAD END
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サーペンス・アルバム

2013年01月09日 | ルルイエ異本
今年は巳年ということで、ヘヴィメタルバンドの蛇的なジャケットを並べてみようかと思ったんだが、ホワイトスネイクのアルバム以外は、Y&Tの『MEAN STREAK』が思い浮かんだぐらいで、あれのアナログ盤どこいったか忘れた。
あ、そうだ!メタリカのブラックアルバムも確か蛇がトグロまいてるやつだったな、と思ったが持ってなかったことに気づいた。

さて、巳といえばやはり思い起こされるのが、世界各地で見られる蛇神崇拝のことである。
南米のアステカの神話の中にでてくる“ケツァルコアトル”という蛇神は、緑色の翼のはえた巨大な蛇で、人の姿をとることもある。言い伝えによれば人間に火を与えたとされる。
中国の太古の龍伝説にも、“伏義”と“女媧”という兄妹神がでてきて、頭は人だが、身体が鱗を覆っていた。易という占いの起源となる八卦も生み出し、やはり人間に火を与えたという。

しかし、中でも極めて偏執狂的なのが、アメリカは中央オクラホマの特定のインディアン部族の間で盛んな蛇神“イグ”信仰であろう。
イグは、“外なる神”の一柱であり、あらゆる爬虫類の始祖とされることもある。イグの眷属にあたる蛇を害する者を蛇に変え、おぞましい死を与える。ゼリア・ビショップの著作にある、オクラホマで蛇を殺した夫婦がイグによって呪い殺される話は有名だ。
そう、イグは子煩悩で知られる神性なのだ。
しかるがゆえに、蛇に敬意をもって接する限り、危害をもたらすことはない。それどころかイグの恩寵を受けた者には、絶大なる富が与えられるという。



現在では絶版となって、闇黒神話としてはすこぶる希少価値の高い朝松健氏が編纂したクトゥルーアンソロジー『秘神界』の“歴史編”と“現代編”の2冊を、昨年末にセットで入手することに成功した。
その“歴史編”の中に収録されている、末殿理央という作家が著した『蛇蜜』という物語がかなり興味深く、日本人が書いたとは思えないほど西洋的闇黒神話の雰囲気が出ており、構成力も豊かで読み応えがあった。
主人公が自分が“イグの仔”であるという、己のおぞましい運命に目覚めていく半生を追ったもので、まぁ言うなれば「インスマウスの影」のイグ版といったところであろうか。
この物語の中で、彼の父ジェイムズ・ジョンソンが著した『アメリカ大陸と東洋における蛇神崇拝について』というオリジナルの文献が出てきて、彼はミスカトニック大学付属図書館で、ルドウィック・プリンの『妖蛆の秘密』を読み耽っているうちにイグの蛇神崇拝のことに触れ、ある日突然中央オクラホマに旅立ち、数年後にひとりの息子をもうけて帰ってきたのだそうじゃ。その男の子は、一見普通の子であったが、予知能力に長けているほか、10月から12月にかけて異常な飢餓感に苛まれ、凶暴化し手がつけられないありさまだったという。
しかし、その男の子の予知能力のおかげで、ジェイムズは貿易事業で巨万の富を得たのだそうじゃ。
彼は息子アルバートに謎の手記を書き残して、ほどなくしてこの世を去った。

ああ、誉むべきかな蛇神イグ。その仔らに永久の栄えあれ!


で、なにが言いたいのかというと、今年は巳年ということもあるので、蛇を大切にしようということである。
とくにオクラホマでは何人も蛇を殺してはいけません。

さて、今宵はカテドラルの1st『この森の静寂の中で』に収められている宗教ナンバー“蛇眼”でも聴いて、蛇神イグの呪わしく甘美な蛇蜜に思いを馳せることにいたそうか。

大蛇の出現を待つ夜に
その魂をたたえる歌を、召還の呪文を
大蛇召還を待ち我らは改宗す




てな感じで、今年も自由奔放に何のためにもならないブログ記事を更新していく所存にございます。
謹んで、新春のお喜びを申し上げます。

今日の1曲:『Serpent Eve』/ Cathedral
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

銀杏祭(雨天決行)

2013年01月01日 | コンサート
日曜日、大阪市立大学でGINNAN ROCK FESTIVAL'09という邦楽バンドの音楽祭が催されていて、しかも入場料タダということで、ダメもとで友人サムソンを誘ってみたところ、意外にも快い返事が帰ってきたので共に見に行ってまいりました。
そういえば昔、ゆらゆら帝国をタダで見たのもこのイベントやったっけ。

出場アーティストはなかなか豪華で、まぁ私は小島麻由美さん目的で参加したのだが、その他曽我部恵一BAND、8otto、ワッツーシゾンビと、この三者はいずれもちょうど1年前の11月、FREE TIBETライヴで見かけたバンドたちだ。彼らは関西在住の仲良しバンドなのかな。

天気予報士が予報した通り、ライヴが開始される15時頃キッカリにドサブリ豪雨状態となっており、ホットドッグをむさぼり食いながら華やかな女子大生達を眺めて学祭気分を満喫するという、私の当初の思惑は完膚無きまでに打ち砕かれた。
靴もズボンもリュックまでグッチョグチョで、出店を巡回するなんて気分じゃなかった。

大学に着いても一向に野音の賑やかな演奏音などが聞こえてこなくて最悪の事態を予想したのだが、どうやら会場を急遽体育館に移動したみたいだった。
我々が会場に入ったのはちょうど小島さんのセットチェンジの時で、館内は湿気と人の熱気でむわ~~としていてこの季節なのに汗がダラダラと滲み出てきた。
さすがタダだけあって、この悪天候なのにかなりの動員数である。いや、麻由美ちゃんの人気が成せるのだと思いたい。

しばらくして小島麻由美さんのライヴがスタート。
いつものようにビッグバンド風の豪快なドラミングで始まり、1曲目はデビューシングル曲“結婚相談所”。このリズミカルな名曲に聴き入る幸薄そうな独身貴族オッサン2人組の図を想像するのはよせ。
“黒い革のブルース”“ラストショット!”“蛇むすめ”など、割と後期作品のナンバーが多かった。初期の名曲“パレード”が聴けたのはよかった。ラストの悲鳴じみたスキャットはかなりキてた。
今回はベース、ギター、ドラムという最小限のバンド編成で、フルセット時のゴージャス感がなくてちょっと物足りなかったが、タダなので文句は言えまい。
麻由美さんのライヴは久々だったが、ショウを坦々とこなしていくライブスタイルは相変わらず。曲が進むごとに歌唱に熱がこもっていくという感じもいつも通り。やっぱこの人は変わらないな。
ここで麻由美さんにクイーン・オブ・マイペースの称号を授けたいと思う。
小島麻由美の音楽を聴いた事のなかったツレも案外気に入ってくれて、連れてきた甲斐があったというものだ。

今回のトリはフジロックでもよく名前を耳にしてた“渋さ知らズ”で、ちょっと興味があったので覗いてみたが、前衛的なインプロバンドという感じで、ジョーンZを彷彿とさせるブラス音がピーヒャラ鳴り響く中、数人の白塗りの仮装した踊り子がトランスめいた舞踊を披露するというもので、好みは別として学園祭的には一番合ってるような気がした。
脚立の上で延々と巨大なバナナ棒を振り回してたネーちゃんがすごく気になった。
確かに渋さを知らないみたいだったなぁ。

明日はリアルきっず、ダイアンが登場!!



今日の1曲:『結婚相談所』/ 小島麻由美
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする