AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

暴走アイドル

2012年10月27日 | まったり邦楽
ブックオフの500円コーナーで見っけっちゃったのですかさず購入しちまった。
山瀬まみ89年作のアルバム『親指姫』。

いやいや、最近Perfumeとかきゃりぱみゅとかにハマってるらしいからさもありなんと思いたいが、いくらアイドルブームとはいえ、こんな20年前のイロモンめいた作品に手を出すとは、アンタいくらなんでも血迷い過ぎやろ!と、愛想つかされるかも分かりません。
でも、以下の釈明を聞いてもらえば、多分納得していただけるかと。

この作品、なんと全ての編曲を横関敦と三柴江戸蔵が担当しておるのです。
そして!2曲のみだが、DOOMの諸田コウ氏がフレットレスベースで参加しておるのですよ!
この面子を聞いて買うなという方が無理と違いますやろか?
作曲には奥田民生、矢野顕子、デーモン小暮など、贅沢すぎる著名なアーティスト陣が名を連ねている。
ラスト曲“恋人よ逃げよう 世界はこわれたおもちゃだから!”は、タイトル見ても分かるとおり筋肉少女帯の面々がプロデュースしている。

とにかく、アイドルくずれ歌手のパッパラパーソングに、不必要なほどの演奏力が投入されている。
横関敦のジェットフィンガーは全編に渡って炸裂しているし、随所で三柴江戸蔵の超絶ピアノも聴くことができる。
#6“I WANT YOU”、#8“YAMASEの気持ち”では、諸田コウ氏のあの歪んだブッ太いフレットレスが加わって、当時日本でトップクラスの御三方の極上プログレハードな演奏が堪能できる。
(この御三方は、1年後横関敦のソロアルバムで再集結している。)



まぁあの鼻づまりぎみのしゃべり方からなんとなく想像はできたけど、歌はなかなかのヒドさである。いや、モーレツというべきか。
山瀬自身が作詞した“芸能人様のお悩み”の歌詞内容にも顕れているが、彼女の当時のアイドルとしての迷走感、ヤケクソ感が、このパンキッシュなヴォーカリゼーションに込めてビチグソのごとくブチまけられている。
とにかくこのカイ・ハンセンばりの暴走感は、せっかくの演奏力を無にしてしまうほどの破壊力だ。

でも、エディのアヴァンギャルドなピアノ伴奏がフューチャーされた#5“ヒント”でのヴォーカルの感じなんかは戸川純を彷彿とさせるものがあり、この路線でいけばかなりディープな世界を追求できたんじゃないかと。
ラストの筋少ソングなんかも、オーケン以上にこの歌の世界観をうまく表現できているかと思われる。

まぁ演奏陣が凄いからといって、真面目なハードロックファンが無理して聴くシロモノでもないかな。



今日の1曲:『恋人よ逃げよう 世界はこわれたおもちゃだから!』/ 山瀬まみ
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角割れ・袖付き・4枚羽根。

2012年10月25日 | ミノフスキー粒子
私は一応ガンダムファンであることを自負してはいるが、まともに見てたのはファーストガンダムくらいで、Zガンダムもレンタルで一通り見ただけで、『0083』は劇場版のみ、あとは『逆襲のシャア』くらい。
『ZZ』も『ポケットの中の戦争』も『第08MS小隊』もまだ通ってない。

で、いつの間にか劇場上映が始まっていた『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』だが、レンタルでようやくエピソード4まで漕ぎ着けた。
このシリーズは、『逆襲のシャア』から3年後の話。ラプラス戦争と呼ばれるらしいが、第3次ネオ・ジオン戦争と捉えていいのかな?
今回のガンダム機には「ニュータイプ・デストロイヤー」とかいう、なにやらおっとろしいシステムが組み込まれてるとかいないとか。
一巻ごとのトータルタイムが1時間弱と、とても短いゆえ、エピソード1を見終わった時は「はぁ?」ってなったけど、エピソード2、3と進むごとに面白くなっていき、早く続きが見たくて仕方がない今日この頃なのであるが、現在レンタル棚に置かれているのはエピソード4まで。

しかし、今回のシリーズは話がけっこう込み合ったものとなっていて、次のエピソードを見るのに半年ぐらいブランクが空くのでキーワードや内容をけっこう忘れてて、過去のをまた見返してやっと理解できるという。
あと、登場人物の名前が全然覚えられん。スッと出てくるのはバナージ・リンクス(これがまたクワトロ・バジーナとこんがらがってややこしい)とミネバ・ザビ(普段はオードリー・バーンという偽名を使っている)くらい。
シャアの再来と言われる(というか多分シャア)フル・フロンタルなんて、歯ミガキ粉の商品名かと思ったもん。

ガンダムシリーズの基本パターンといえば、民間人だった少年少女たちが戦争に巻き込まれていくといった青臭いセンチメンタル展開が多いが、今シリーズもその例外に漏れない。
ただ、今回はミネバ・ラオ・ザビが大々的にフューチャーされ、これが中々の役どころを担っており、クェス・パラヤみたいなチャラチャラしたキャラではなく、ザビ家の血筋を持つ唯一の継承者たる凛とした佇まいは、物語に絶大な緊張感をもたらしている。
さすがはドズルの忘れ形見である。

1年戦争時、ドズルは妻ゼナと娘ミネバをソロモンからカプセルで脱出させ、戦死する。
「私は軍人だ。ザビ家の伝統を創る軍人だ。死にはせん。行け、ゼナ、ミネバと共に!」(涙)


しかし今回のスタッフはかなり気合が入っておまんなぁ。
アニメーションの精度の高さもさることながら、なんつってもモビルスーツ(以下MS)のメカニックデザインが秀逸である。
ジオンのMSなどは、ファーストMSの面影を残したものが殆どで、“4枚羽根”と呼ばれるサイコミュタイプのMSクシャトリヤのルックスなんてほとんどゲルググだ。
それにしてもだ。あまりといえばファーストファンに媚を売りすぎでないかい?
フル・フロンタルの仮面からしてかなり胡散臭いものを感じていたが、シャアの使い古しのフレーズが飛び出したときは思わず吹いてもーた。いや、視聴者をナメとるのかと。
こりゃブライトさんの「なにやってんの!」も後に出てくるな。

いや、でもエピソード4の冒頭でのMS地上戦には非常に興奮させられた!
ザク・スナイパーとか、ゾゴッグとか、プラモでしか見たことのないヴァリエーションタイプのMSが惜しげもなく投入されておるのだ!
ザク・キャノンなんて、ドリームキャストのソフト『機動戦士ガンダム外伝』で動いてる姿を見て以来だ。

    

今回なんといっても嬉しかったのが、ジュアッグが大活躍していたこと。
ジュアッグは私が小学生の時作った最初の1/144サイズのMSであったと思う(当時は色を塗るのが面倒くさかったので1/100派だった)。多分。


やっぱあの指先の穴からロケットランチャーが出るんだ。しかも胸からもメガ粒子砲が飛び出すなんて、すんごい火力だね。最後ビーム・ジャベリンみたいなんでやられちゃったけど。
これ多分、スタッフたち自身がアニメーションで動かしてみたかっただけとちゃうやろか。
自分たちで自分たちの夢叶えたんだよ、きっと。

いや、でも、今後もワクワクするね。

今日の1曲:『大迷惑』/ ユニコーン
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運指が見たいねん

2012年10月23日 | ♪音楽総合♪
まだかまだかと待ちわびてた上原ひろみのトリオ・プロジェクトのライブDVD『Hiromi LIVE IN MARCIAC』がやっと届きました。
昨年フランスのマルシアックで行われたライブの模様が収録されており、昨年の11月下旬に見にいった大阪公演では、各パートの音のバランスも悪かったし、2階席であんまり視覚的な興奮も得られずなんか物足りなかった私としては、本作は心待ちにして止まなかった映像作品。
やっぱこの手の音楽はドアップで指先を見たいんすよ!
まぁ何曲かは編集カットされてるし、サイモンのカチっていうミスショットがはっきりわかってしまうというデメリットもあるけど。
いや、でも様々なアングルからの上原さんの鬼気迫る鍵盤さばきと、ピックホルダーにもなるアンソニーの下唇の粘着性はやっぱ驚異的ですよ!

今回は1000円代と安価なUS盤を購入したわけですが、実は昨年ライブをみた後に先行予約申し込み用紙をもらってて、独占先行予約期間内に申し込めば特典として、本編未収録曲1曲入りDVDと、上原ひろみ直筆サイン入りジャケットまで付くっちゅーのに魅かれて、もう申し込み寸前までいっておりました。
まぁ商品が2月中旬ごろに届けられて早く鑑賞できるというのも魅力でしたし。
しかし、冷静に考えてみるとですな、サイン付きの1曲入りDVDに3000円も払うのかって考えると、なんか割りにあわないような気がしてきたんですねぇ。
いや、サインとかに値段はつけられないとは思うんですが、サインっていうものは直でしてもらわんと実感できないもんやし。

本作でおもろかったのが、20分のヨーロッパツアーのドキュメント特典映像。
ウィーンの会場で上原さんが現地の調律師に英語で説明していると、「ワタシ英語ハナセマセン」と返されてた。
あと、ツアーバスの中で上原さんがアンソニー・ジャクソンに「余は満足じゃ」という日本語のフレーズを一生懸命教えとった。上原さんとアンソニーとのコントは相変わらずおもしろい。
このドキュメント映像は、日本語と英語両仕様となっていて、これといった差別化も施されてないのに、輸入盤より3000円以上も値段が跳ね上がる日本盤を買うメリットってなんだろう?って思う。


そういえば、昨年のAMASHINレコード大賞のベスト3にランクインしたアルバムのツアーライブDVDはこれで全て買い揃えたことになるな。



今日の1曲:『Now Or Never』/ Hiromi THE TRIO PROJECT
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ひとりでできた。

2012年10月17日 | まったり邦楽
昨年制作されたsalyu × salyuのアルバム『s(o)un(d)beams』での仕事ぶりにいたく感銘を受け、小山田圭吾氏個人の作品も聴こやないかと、中古屋でコーネリアスの最高傑作と誉れ高い2001年作の『POINT』を入手。

リリース当時から折り紙つきの評判を得ていた話題作で、まぁその時はこの作品に全然気が回らなかったんだが、やはりなんとなく想像してた通りの構築しつくされたアンビエントなエレクトロサウンドが詰め込まれていた。
小山田氏が自身で奏でた楽器音をエフェクト加工し、丁寧につないでいくという、いわゆるひとり録音モノで、スピーカーから溢れ出すこの尋常じゃないほどの立体的音像は驚異的というほかない。
水のほとばしり音、鳥のさえずりループなど、どれもとてつもないヒーリング効果があって、聴覚を強く刺激し脳内に響いてくる。
“I Hate Hate”では、スレイヤーばりのディストーションリフが展開したりと、やはりメタル(あるいはハードコア)を通過した人なのであろうという小山田氏のちょっとしたルーツを窺い知ることもできる。

ただ、salyu × salyu同様にこの作品にハマったのかというと、そういうワケでもなくて、ヴォーカルを含め小山田氏固有のこのさわやかポップ感はちょっと自分の趣味ではない。
あまりにも個人的でアッサリしすぎてるというか、もうちょっと多方面からの要素をかりてカラフルな作風に仕上げてくれた方がよかったかも。

エフェクトが掛かりすぎていて小山田氏本人が歌っているのかどうかはよく知らないが、結局本作で一番シックリきたのは、ボサノヴァ曲“Aquarela do Brasil”のカヴァー。




今日の1曲:『Brazil』/ Cornelius
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ドラ・ムンド

2012年10月12日 | ♪音楽総合♪
明日から2日間、東京の有明とかいう所で、窮極の大型打楽器イベント『ドラム・マガジン・フェスティバル2012』が開催される。
まぁドラムをかじっていたとはいえ、私はお気に入りのドラマーを追っかけるほど熱心なドラムフリークではない(ドラム・マガジンも人生で一度しか買ったことがない)のだが、今回の面子にはかなり心動かされてしまった。
といっても2日目のアーティスト2名だけだが。
この二人のドラムプレイを日本で同時に拝めるなんて今後もうないと思うので、思い切って東京まで出向こうかと思ってたのだが、もう今からじゃ遅いよな。
この日はテリー・ボジオさんもトリで出演するのだが、もう2回見てるし今後もなんぼでも見れるだろう。今週も大阪に来てたしね。

私の本命は以下のドラマーたち。

先々月のドラム・マガジンの表紙も飾ったジョジョ・メイヤー氏。
典型的なジャズ畑出身のセッションドラマーだが、出会いはデヴィッド・フューズ・フュージンスキーが率いてた窮極のファンクバンドSCREAMING HEADLESS TORSOSの1stでだった。



もう一発目のスネア音から一目ぼれしてしまった、まさに私の憧れのドラマーのひとり。
柔軟性に富み、与えられたキット、楽曲の中で的確にスティックをさばく、“クール”という言葉がよく似合う職人肌のドラマー。
まぁ憧れとかいいつつ、結局彼参加のアルバムはトーソズの1stしか聴けてないのだが。
いや、この1枚で十分彼の凄さがわかると思う。

この映像を見ていただければ、必ずしも太ってるヤツがドラマーに相応しいとは限らないことが分かっていただけるかと。



そして、大本命はやはり今世紀最大のプログレドラマーとの呼び名も高い、英国のプログレバンドPORCUPINE TREEで叩いてるギャヴィン・ハリソンでしょう。
ロバート・フリップ翁に見初められ、一時期キング・クリムゾンにも在籍していた。
木目細かな小手技から、ダイナミックさまで持ち合わせた正確無比の出来すぎドラマー。ライブ映像みとったら、超絶すぎて思わず笑ろてまうほどだ。

PORCUPINE TREE LIVE DVD『Anesthetize』


ツーバスとフィルインとのコンビネーションが絶妙で、タメを存分に利かせた重量感のある独特の演奏スタイルはメタルドラマーと呼ぶには繊細すぎるし、ロックドラマーと呼ぶには手数が多すぎる。
バンド自体、ジャンル的に微妙な立位置(プログレッシヴ・メタルとも違う)であるがゆえ、振り幅の狭い日本人には認知度が低くなかなか来日しない。
よってこういったドラムフェスでしか彼のプレイを拝めないのがもったいなすぎる。
個人技でも十分見せれるドラマーだが。

Gavin Harrison at PASIC 2008_ Slippin Away



いや~記事書いてたらますます行きたくなってきた。
大阪でも開催してくれたら一番よかったんやけども。
来週の火曜には、よりによって1日目組のドラマーさんらが大阪で演るらしいけど。
うーん、やっぱ俺の人生って思いどうりにいかねぇな。




今日の1曲:『Anesthetize』/ PORCUPINE TREE
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今から学ぶデス。

2012年10月07日 | やっぱりメタル!!
毎日毎晩紙ジャケリマスター三昧!

さて本日の紙ジャケは、個人的にDEATHのアルバムの中で長年鬼門となっていた5th『INDIVIDUAL THOUGHT PATTERNS』。

1991年に3rd『SPIRITUAL HEALING』ですでに日本盤デビューを果たしていたDEATHだが、次作『HUMAN』で再び輸入盤のみのリリースとなり、本作もリリース当時は同様の扱いであった。
しかし、B!誌レビューの影響か、デスメタルの認知度が上がったせいか、日本で『INDIVIDUAL~』に対する評価が徐々に高まり、DEATHの認知度もグッと上がって、本作は「DEATHの最高傑作!」「テクニカル・デスメタルの最高峰」とまで称されるようになり、後にめでたく日本盤化も実現した。

まぁメンバー編成をみても、KING DIAMONDのアンディ・ラロック(g)、元DARK ANGELのジーン・ホグラン(dr)、SADUSのスティーヴ・ディジョルジオ(b)という、アメリカのその道の猛者どもが集結した、いわゆるスーパー・バンドの様相を呈している。
全10曲でトータルタイムが40分にも満たないが、そこに詰め込まれた情報量は膨大で、息もつかせぬほどの目まぐるしい展開と、溢れんばかりの演奏力が注ぎ込まれている。




ただ、そんな世間の評判にもかかわらず、なぜか私は本作に馴染むことができず長年忌避しつづけてきた。
本作は、とにかく全体的に音のバランスが悪いように思えた。
ジーンのツーバスがやたらと全面に打ち出され、流れに関係なく暴走しているように聴こえ、自由奔放なディジョルジオのフレットレスベース音が真水に注いだ油のように浮いており、全く楽曲に溶け込んでないように感じた。
よって楽曲の輪郭というものが全く頭に入ってこず、何をやっとんのかいな?と理解に苦しんだ。
ま、小生がまだ初期のオドロオドロとしたDEATHの感覚を引きずっておって、ますますテクニカル指向に突き進むDEATHの変革についていけてなかったというのもある。

今回のリマスター処理によって、本作品のバランス面での欠点が見事に改善され、楽曲の輪郭が頭に入ってくるようになった。そして「相変わらずディジョルジオの自己主張が激し過ぎるな」と思いつつも、「DEATHの作品に駄作なし!」という確信に至った。
やはり耳を惹くのは、複雑でテクニカルな楽曲の中でもキラリと光るチャックの理にかなった流麗なるメロディセンスである。楽曲をドラマティックに彩るシンセ効果や、この叙情的なメロディ運びはやはり日本人好みなのかもしれない(但し、決してメロデスとは違う)。

といったワケで現在、今さらながらこの作品を非常に楽しんでいる。


DEATHを好きで本当によかった。

DEATHに会えて本当によかった・・・・・・・・


って、J-POPの歌詞によく出てくる安っぽいフレーズでしめくくってしまい、誠に面目ない。


最後のチャックの爽やかな笑顔がなんかいい・・・・


今日の1曲:『The Philosopher』/ DEATH
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オー!エクスパンデッド!

2012年10月03日 | ♪音楽総合♪
これは最近落札したアイテムの中でもかなりの掘り出しもん。

COLOSSEUM Ⅱの1st『STRANGE NEW FLESH』紙ジャケリマスター盤である。
以前の記事ですでに紹介済み(テイチク盤)の作品であるが、今回入手したのは、単に紙ジャケリマスターなだけではなく、“エクスパンデッド・エディション”であるということ。
「エキスパン・・エディションって、なんやねん?」とのご質問があるかと思われますが、2枚組み仕様でなんと、CDをまたいで計13曲もの未発表音源が詰め込まれていることから、おそらく“超テンコ盛り盤”、あるいは“贅沢盤”とかいう意味ではないかと。
すでに廃盤だったので、これをかなりのお手ごろ価格でゲット出来たのは奇跡というほかない。
う~ん、今年の運をすべてこれに使い果たした感がある。

この第一期COLOSSEUM Ⅱは、ジョン・ハイズマン(dr)をはじめ、ゲイリー・ムーア(g)、ニール・マーレイ(b)、ドン・エイリー(key)と、錚々たるメンバーが集結したいわゆるスーパーバンド。
本作はそんな各技巧プレイヤー達の超絶テクバトルを余すことなく堪能できるゴージャスな内容となっている。とくに1曲目のインストナンバー“Dark Side of The Moog”は、ジャズ・ロック史上に残る名曲。これだけでもノックアウトされること必至だろう。
ジョニ・ミッチェルのカヴァー#2“Down To You”や、ファンキーな#3“Gemini and Leo”などのキャッチーな歌モノもあるが、基本的には長尺のインストゥルメンタルに無理やり歌を乗っけたようなきらいがあって、マイク・スターズの暑苦しいハイトーンヴォーカルがやっぱりジャマに感じる。
それは、Disc-1のボートラ残り3曲でもいえる。1stレコーディング前のデモ音源で、3rdでゲイリーがVoを担当していた“Castles”のマイク・スターズVer.が聴けるのは貴重かと。

まぁ本編6曲だけでも密度の高い内容量で、すでにDisc-1の段階でお腹いっぱいすぎて2枚目は明日に持ち越したくなるが、Disc-2もその濃密度は凄まじい。

まず、2ndレコーディング前のデモ音源が7曲収録されており、うち3曲が未発表曲。これらを今回蔵出ししてくれたのは本当にありがたかった。
#1“Night Creeper”は、コロシアムでゲイリーが歌う曲の中では一番ハマっていると思う。#2“The Awakening”でのドン・エイリーの独壇場ともいえるキーボードワークも秀逸。#3“Siren Song”では、トーキングモジュレーターを導入するなど、デモの段階で様々な試みを実践しているゲイリーの貪欲さも垣間見られる。
4~6のデモ段階では、マイク・スターズ、そしてニール・マーレイが脱退し、ベースがジョン・モールに交代しているとのことだが、実質ボートラ内でマイクが歌っているのはライブ含めて4曲で、2ndデモの段階ですでに全く関与しておらんかったのではないかと。
ラスト3曲のライブ音源も音質はまぁまぁで、ライブアレンジ力もさることながら、彼らの演奏力の凄まじさが実感できる。“The Awakening”でのゲイリーVSドンのバトルは、ライブでますます熾烈さを増している。

いやいや、まさにエクスパンデッド!?

もーお腹ポンポン!




今日の1曲:『Down To You』/ COLOSSSEUM Ⅱ
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