AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

疫魔交響曲第二番煎じ

2014年04月30日 | やっぱりメタル!!
連休をダラダラと過ごして気づいたら、もいくつ寝るとCARCASSのライブやないけ!
年始に購入した新譜もあんま聴いとらんぞ。
えらいこっちゃえらいこっちゃ。

17年振りに作製されたCARCASSの6thアルバム『SURGICAL STEEL』。
なんでもB!誌では昨年のベストアルバムのチャンプに輝いたんだって?
確かに、あれだけブランクが空いているにも関わらずここまでブルータルでクオリティの高い楽曲を用意できるっつーのはスゴいと思うし、メタル作品としても実に完成度が高い。
さすがはデスメタルという、通常のメタルファンから忌み嫌われていた音楽をメインストリートに押し上げた実績を誇るレジェンドメタルバンド!まさに『HEARTWORK』から入ったメタルファンの期待に見事に答えた作品といってよいだろう。

ただ、ジェフにしてもビルにしても、あの頃のような不健全かつ志高き熱意を持って本作に挑んだのかというと、そういう風には感じられんのよね。なんとなくビジネスという割り切った感が見え隠れする。
手術器具を並べたてるという昔のデザインを流用しただけのジャケットにしたって「3rdと4thを掛け合わせたようなもん作っときゃウケるんじゃね?」みたいな安易な姿勢がなんとなく見てとれんのよ。
SLAYERの『CHRIST ILLUSION』を聴いた時にも同じようなもの感じたが、4th『HEARTWORK』の栄光を再び!っていう腹黒い意図(それこそまさに「腐ったはらわた」だ)が丸見えなのよね。それでいてその当時の研ぎ澄まされた絶妙な楽曲センスはすでになくて、結局二番煎じ、あるいは流用品に過ぎなくなるという。
4th『HEARTWORK』収録の“CARNAL FORGE”は、CARCASS屈指の名キラーチューンであるが、このタイプの楽曲が本作に多く見受けられた。しかし、残念ながら“CAENAL FORGE”以上、あるいは同レベルに達している名曲は皆無であった。いかにもハートワークなメロディライン、ブラストビートもなんだか押しつけがましい。

日本の配給会社が考えたこれみよがしの邦題も、これまた白々しい。
初期の対訳を手掛けた秋山幸子さんのセンスの足元にも及んでいない。


私は初期のゴアなCARCASSしか認めない!!っていう変態グラインド野郎ではないし、それ以降の整合感のあるCARCASSも好きだ。
ただ、もう3rdアルバムからそうだったとも言えるかもしれないが、今のCARCASSに「リヴァプールの残虐王」という悪名は当てはまらないように思う。


でも、5年前の大阪単独公演もとても楽しかったので、明後日のライブも行ったら行ったでそこそこ楽しめると思うので、秋山さんのトチ狂ったような対訳を朗読しながら内蔵コラージュの写真でもみて、気持ちを高めときたいと思っております。





今日の1曲:『Unfit For Human Consumption』/ CARCASS
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4D体験

2014年04月20日 | コンサート
昨年の東京国際映画祭で話題をかっさらった、事故によって「高次脳機能障害」を負ったミュージシャンGOMAが復活していく様子を追ったドキュメンタリー映画『フラッシュバックメモリーズ3D』。
私自身、京都の映画館に舞台挨拶見に行って、3Dだからこそ味わえる独特の臨場感と、GOMA&The Jungle Rythm Sectionの圧巻のパフォーマンスにひどく感銘を受け、いつか生でみなければという思いを抱いていたところ、今度はその映像に合わせて生ライブで完全再現させるという画期的な企画を、しかも梅田のライブハウスでやってくれるというのだから、これはもうまさにうってつけであった。
映像はもちろん3Dなので、3Dメガネをかけて生演奏を体感する、いわゆる4D?という、想像もつかぬものすごーく未知の領域の企画だった。



GOMA氏がMCで言っておられたが、映画館の3Dシステムには規制があって、これ以上の3D効果を出してはならないという制約があるのだそうだ。で、今回はライブ会場とかでも3D効果を出せる移動式最新システムを導入しており、制約もないので、映画館の3D効果よりさらに拡張されたものとなってるとのことだった。
ただ、映画を見てた時は、3D映像だからこそ味わえる普通の生ライブとはまた違った不可思議な臨場感と迫力を体感できて面白いなと思ったのだが、今回のライブでは生バンドがそこにいるわけで、正直3Dである意義はそれほど見いだせなかった。それよりスクリーン上の演奏者と、ステージ上の演奏者とタイミングや音がちゃんと合ってるのかという緊張感の方がデカかったかな。

映画館と違ったのは、生バンドだからこそ味わえる高揚感と、やっぱオールスタンディングだからリズムに合わせて踊り騒げるってこと。実際会場は想定以上の盛り上がりをみせており、もうそこは躍動感しか存在しないハイな空間となっててこれぞライブ!って感じだった。ミュージシャン側は大変だったろうけど、スクリーンの映像とバンドの音が合ってるのかなんて正直どうでもいいことだった。
とはいえ、何回も映像を見て曲が入るタイミングを計ったのか、パーカスの田鹿氏がカウベルを打ち込む出だしのタイミングなどは絶妙であり、いい緊迫感があった。
あと、GOMA氏のクネクネダンスを生で見れたのもよかった。映像以上にクネクネしてた。

そして、アンコール。もちろん映像はなくここは4Dとか関係なく3Dメガネも外して普通のライブを楽しむ時間である。GOMA氏の長くて感慨深いスピーチの後、新曲が披露された。
GOMA氏は関西出身で不思議とこっちでの記憶は残っているらしくって、楽器の感触と同じくやっぱ生まれ育った土地の感触は頭に染みついてて(まぁ関西弁も覚えているわけやしね)、脳のしくみってのはまだまだ未知数だなんてことをおっしゃられていた。


今回の企画を象徴する「フラッシュバックメモリーズ」3DTシャツを購入。
オマケで付いてた3Dメガネをかけて見ると、GOMA氏の絵をデザインしたプリント柄が立体的に浮かび上がってきて、も、サイコー

(注)この写真ではメガネをかけても3D効果は確認できません。


ドキュメンタリー映像も、今回改めて見てやっぱこみ上げるものがあって、構成といいよく出来た作品だ。
今回のライブで初めてみた方は、もう一度映像だけで集中して鑑賞することをオススメしたい。

こんな企画もあるそうなんで。

『フラッシュバックメモリーズ』 3D TRIP !!~移動式3D上映&GOMAソロLIVEツアー~開催決定!




今日の1曲:『OMOTIN』/ GOMA&The Jungle Rythm Section
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ゆかさんミホさん、再び。

2014年04月13日 | ♪音楽総合♪
本田ゆかとハトリミホによるガールズユニットCIBO MATTOが、今年になって15年の沈黙を破り新作『HOTEL VALENTINE』をリリースした。
私は後追いだが、お気に入りの女子ユニットだったのでもちろん躊躇なく購入。

2011年のアメリカで行われた東日本大震災の被災地支援チャリティーライブイベントでチボがライブ復帰したという情報を得て、新譜を出すことまでは予想してなかったが、これはひょっとしたら日本でもライブやってくれんちゃうかなーっと密かに期待してたんだが。
彼女らはもちろん生粋の日本人だが、デビュー当時よりアメリカを活動拠点としており、日本ではあまりライブをやってくれてない印象がある。
チボ・マット解散後、本田ゆかさんはソロやオノ・ヨーコのアルバムのリミックスを手掛けたりと、プロデュース業を中心に活躍し、ミホちゃんは、デーモン・アルバーンのプロジェクトGollirazに参加したり、スモーキーとタッグを組んでワールドミュージック的な音楽をやったりと、やはり海外中心の活動をしていて、日本ではあまり目立った情報は入ってこなかった。
そして、それぞれ大物ミュージシャンとのプロジェクトで数々の経験を積んで、満を持して(って待たせすぎー)彼女らが再びタッグを組んだんだから、否が応でも期待しちまうってわけですよ。


前半からかなりいい感触を受けた。ああ、ハトリミホちゃんの研ぎ澄まされたあのキュートな歌声はいまだ健全だなって安心した。
とくに、#3「10TH FLOOR GHOST GIRL」なんてミホちゃんの魅力が爆発しており、ドストライクって感じ。



全体的には1st『VIVA! La Woman』の感覚を意識した仕上がりで、#2「DEJA VU」の構成やミックスなんてモロである。
当たり前だがサウンドプロダクションはそれなりに向上しており、昔みたくツギハギ的な、いい感じのドラッギーなチープさはない。プログラミングも木目細かに作り込まれていて洗練されている。まぁこの辺は機材の発展によるところが大きいのだろう。
ただ、技術が進歩しようがチボ・マットの遊び感覚のウィットに富んだ楽曲センスは昔のまま。
本作は、「ホテルの廊下を忍び歩くゴーストとのラブストーリー」という、二人がイマジネーションで作った映画であり、その(映像の存在しない映画の)サウンド・トラックのようなものをコンセプトにしているとのこと。
昔は自由奔放に食いもののことしか歌ってない印象が強かったが、テーマも少しオシャレになって、ああ、彼女らも大人になったんだなぁって、それが少し寂しい様な。
1st聴いたときも思ったんだが、私はミホちゃんのウィスパーヴォイスよりも、キュートかつ破天荒なラップの方が好きなので、後半のダラダラした感じは正直退屈だった。
アクセントとして「BIRTHDAY CAKE」みたいなパンキッシュな楽曲も聴きたかったと思うところだが、あのような曲は当時の若い感性だからこそ成立した曲で、もう彼女らも熟女と呼ばれる年齢に達したのだし、そういうの要求するのはヤボってもんだ。オメーだっていい歳のオッサンだろが。


あと、日本盤には、2曲のボーナス・トラック「FRONT DESK」「PARTY TIME FEELING」が収録されている。
「FRONT DESK」は客とホテル従業員との電話でのやりとりのコントだが、本田ゆかさんが日本語でしゃべる声が聴けるのはかなり貴重。ミホちゃんのやる気のない接客もグー。
「PARTY TIME FEELING」だが、この作品には、坂本龍一や小山田圭吾らがゲスト参加してるってのを聞いていて、本作に対する期待度を高くしていたのだが、サウンド面ではなく、この曲でのバックから聞こえてくる飲み会コントのしゃべり声で(これがけっこうザーとらしい)参加してはるだけやったんね。


つーか、いつの間にかチボ・マット来日公演決まってたようで。しかも来月って、急すぎるやろ。
平日の恵比寿のみとかムリすぎる・・・
http://www.creativeman.co.jp/artist/2014/05cibomatto/

あと、盆にもくるそうで。これまた東京ブルーノートのみで、この時期の遠征はちと厳しすぎる。
ついでにサマソニ参戦とかありえそう。
http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/cibo-matto/


おしい・・・





今日の1曲:『MFN』/ CIBO MATTO
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火の鳥ジャンキー

2014年04月12日 | 二酸化マンガ
『火の鳥』のガシャポンフィギアシリーズ全7種(未開封)を、ヤフオクでゲット。
ヤッター!シーユーノアラマンチェ!

しかしみなさんは、上の写真を見て「ええ歳こいたオッサンが、何を稚拙なガチャガチャフィギアを並べてよろこんどるんや?」と、首を傾げていらっしゃるのではないか。
確かに手塚治虫マンガに興味のない人にとっては、これらのフィギアには何の魅力も感じないだろう。
私がワンピースのキャラクターのTシャツを着たええ歳こいたオッサンとかをみて、眉をしかめるのと一緒だ。
たしかにヴィジュアル重視のアニメが主流である今時の若者にとっては手塚マンガの絵のタッチなどはレトロすぎでピンとこないだろうし、私とて手塚治虫描くキャラクターのヴィジュアルにそれほど惹かれているというわけではない(愛着はあるが)。
手塚治虫作品の魅力は、ズバリその人物描写にある。劇中に登場する人物がひとりひとり個性豊かで、とても魅力的に描かれているのだ。
『火の鳥』の鳳凰編に出てくる我王などは、その最たるものだろう。手塚治虫ファンの間では、ひょっとしたらブラック・ジャック以上に人気の高いキャラクターかも知れない。

我王


ならず者の殺人鬼だった我王が、良弁僧正に才能を買われ彼に命じられてそこらに転がっていた切り株に己の怒りをぶちまけて彫りあげた我王の第二作『切り株』。カッコよすぎ!


これって、シークレットアイテムだったのね。
ちゃんとガシャポンで引き当てた人のその時の喜び様は如何ほどだったろう・・・


東大寺大仏殿うしろの北倉におさめられたという鬼瓦もいい味出してるね。
この殺気・・・邪悪の目じゃ・・・・恐怖の叫びが聞こえるようだ。



はっきり申しまして、手塚ファンの間で、一番の人気ロボキャラといえばアトムなんかじゃなく、間違いなくこのロビタですよ(U-18っていう意見もあるけど)。



正直いって、欲しかったアイテムは上の3体だけ。あとは地味すぎるというか・・・
まぁ手塚作品を読まん人には「上のロボットもたいがい地味やろ!」ってつっこまれてるかもしりませんけど。
いや、『火の鳥』の復活編読んだらわかるんだよ!彼ほど複雑な心を持った人間くさいロボットはいないんですから。それに彼は、チャンバラとか昔の遊びをよく知ってるんですよ!

しかし、このフィギアをプロデュースした株式会社「奇譚クラブ」って、無謀というか、キャラクターチョイスがマニアックすぎ!我王の切り株とかはセンスよすぎで手塚ファン泣かせだが、ハレルヤをガシャポンで当てた人のその時の微妙な心情を想像すると、タハハ・・・と乾いた笑いしかでてこない。伊吹丸とか、矢の刺さり具合なんか絶妙なんだが太陽編での霊界大戦争でちょろっと顔を出しただけのキャラをよー採用したなぁ・・・・


ってゆーか・・・キミらだれーーーーーー!!??


なんと『火の鳥』全編を精読してるはずの私が、上の写真のキャラを全く覚えてなかったのだ!見るからにインパクトの強いこんなキャラどもを、この私が覚えてないはずはない!
カプセルに同封されていた冊子によると、どうやら望郷編に出てくるキャラらしく、私は角川文庫の『火の鳥』のマンガ本をひっぱりだしてきて何度も何度もページをめくって確認してみた。
やはり出てこない。こんなバカなことってあるかーーー!!

と思ってググってみると、どうやらいくつかの出版社から刊行されてる『火の鳥』シリーズの望郷編は、角川文庫版のと、講談社/朝日ソノラマ版のとでは、内容が大幅に変更されていることが判明した。



上のフタマタの種族は、どうやら極寒の惑星に住むスロン人なるものらしく、講談社/朝日ソノラマ版には登場しているらしい。タコみたいなのは実は彼(ら?)が身に着けていた防寒着とのこと。
カプセルに封入されていたフィギアを一瞬見て「なんかヤバいな」と感じたのだが、このスロン人の異質な形態は、『ブラック・ジャック』でも取り上げられたこともあるシャム双生児(第4巻収録の『2人のジャン』参照)を彷彿とさせている。このスロン人の容姿が後出(1984年刊行)の角川の倫理審査にひっかかり、手塚先生に新たに別ヴァージョンを描くよう依頼して出版されたのではないか?ということが、なんとなく想像できる。
私は、この角川文庫の望郷編がオリジナルだと今まで信じてきた。
つまり、20年間もずーーーーっと、ダマされ続けていたってわけ!
不覚・・・・なんたる不覚・・・・・


その事実を知った私はすぐさま家を飛び出し、近所のブックオフへとかけこんだ。
しかし、ここでは私が探し求めていたアイテムは、何一つ得ることはできなかった。
この支店はなんと手塚資料の乏しいことか・・・・
私はただ、雄雌単体種族スロン人の生態について知りたいだけなんだ!


こうなりゃ、近年より刊行されている講談社の『手塚治虫文庫全集』ヴァージョン、あるいは朝日ソノラマ版の大判サイズのを正規の値段で購入するほかないのだろうか・・・
しかし値段が高いんだよなぁ~、1000円以上はするし、どうしようか・・・・

ここはひとつ、“偉大なる母”ハレルヤにお伺いをたててみるか。


「ピュピュピューッピューッ私の計算ではガリガリ戦争以外にガリガリありませんっガリガリ・・・
計算どおり実行おしーーッ!!ヅーヅーヅーブーブー」


どっひー


今日の1曲:『Hallelujah』/ Happy Mondays
コメント (8)
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