ヘヘヘ・・・奥さん、いいブツが手に入りやしたぜ。
1985年に新潮文庫より刊行された伊藤政則著の、その名も『ヘヴィ・メタルの逆襲』。
絶版になって久しく、私が浪人時代にかりパクされて以来ずっと探し求めていた入手困難な稀覯書であった。
以前オークションで結構な値段で取引されてたが、この度帯付きのをお手ごろ価格でゲット。
1985年といえば、私はまだチェッカーズとか聴いてたメタルに介入する前の時代。
NWOBHMが猛威を奮いだし、アメリカでもL.A.メタルが台頭してきたまさにヘヴィ・メタル・ムーブメントが世界を席巻しつつある黄金期を迎えんとしていた頃だ。
本書は、70年代からハード・ロック、ヘヴィ・メタルの復興を待ち望んで止まなかった伊藤氏の、歓喜の叫びとも言うべき熱い想いがヒシヒシと伝わってくる渾身のメタル啓蒙書である。
私も多感期の中坊の頃に本書と出会い、伊藤氏のメタル愛熱すぎる文章に心打たれ、「メタルこそ真実である」という狂信的な理念に到達し、伊藤氏の言う「Keep The Faith(信念を保て)!!」という言葉を座右の銘とし、「メタル広めたる!!」という決意を心に誓ったものである。
(その後の時代に追従したブレまくりの私の人生はご存知の通りだ)
本書前半は、70年代のブリティッシュ・ロック黄金時代から70年代後半の衰退期、そして80年初頭のヘヴィ・メタルが復興に向かうまでの軌跡が、マスコミの怨みつらみと共に詳細に述べられていてかなり勉強になる。
特にブリティッシュ・ロック・シーンにおける黒魔術ブームのくだりはかなり興味深く、本書は私が70年代ハード・ロックに強い憧れを抱き、そしてオカルト趣味の傾向に走らせた原点的指南書でもあった。
そしてやはり、ハード・ロック、ヘヴィ・メタルはマスコミに敵視されやすく、「その歴史は賢者を装った愚か者たち(マスコミ)との血塗られた戦いの記憶である。」と伊藤氏は言う。
ま、私なんかも下敷きにメタルバンドのコラージュ写真を挟んだりしてて、教師やクラスの女子には白い目で見られてたし、親ともしょっちゅうケンカしてた。「ヘビメタヘビメタ」、「ウルサイだけの音楽」ってよく蔑まれてた。
でも今考えると、そういった偏見を持たれるのは仕方なかったのかな~って。
時代はMTV真っ盛り。アイアン・メイデンなどのド派手なライブパフォーマンスや、ツイステッド・シスターのアメリカンバカなPVがしょっちゅうお茶の間に流れてた。
現在のガテラルヴォイスが認知されるような時代ではなく、演奏力がなくてもそこそこのキャッチーさとヴィジュアルのこけおどしで十分通用する世界だったのだ。
でも、誤解されやすい音楽だからこそ、その苦渋を味わってきたミュージシャンたちの裏の素顔を知って欲しいと伊藤氏は切に願うのである。
本書の後半では、ランディ・ローズ、ロブ・ハルフォード、マイケル・シェンカー、スティーブ・ハリスなどの、そのミュージシャンたちと直に関わってきた伊藤氏だからこそ知りえる彼らの素顔やエピソードが紹介されている。
こういったミュージシャンたちの意外性や男気なんかも、メタルのひとつの魅力でもあったのだ。武勇伝とは裏腹に、彼らの奥ゆかしい素顔を知っていたからこそ、僕たちはあの頃、メタルにただならぬ憧れと敬愛の念を抱いたのであった。
本書には、このようなメタルバンドのお宝カラー写真がギッシリと満載されている。
AMERICAN UNKNOWN METAL BAND、“TSUNAMI”。彼らは今・・・・?
あと巻末には、伊藤氏が選んだメタル・アルバム50選が年代順に紹介されているが、こん中でよく聴いたのはせいぜい10枚くらいかな。
まぁ私がメタルに傾倒していったのは80年代後半であり、前半のはあんま通ってこなかったので、ピンとこないのも致し方ない。
今日の1曲:『ヘヴィ・メタルの逆襲』/ 人間椅子
1985年に新潮文庫より刊行された伊藤政則著の、その名も『ヘヴィ・メタルの逆襲』。
絶版になって久しく、私が浪人時代にかりパクされて以来ずっと探し求めていた入手困難な稀覯書であった。
以前オークションで結構な値段で取引されてたが、この度帯付きのをお手ごろ価格でゲット。
1985年といえば、私はまだチェッカーズとか聴いてたメタルに介入する前の時代。
NWOBHMが猛威を奮いだし、アメリカでもL.A.メタルが台頭してきたまさにヘヴィ・メタル・ムーブメントが世界を席巻しつつある黄金期を迎えんとしていた頃だ。
本書は、70年代からハード・ロック、ヘヴィ・メタルの復興を待ち望んで止まなかった伊藤氏の、歓喜の叫びとも言うべき熱い想いがヒシヒシと伝わってくる渾身のメタル啓蒙書である。
私も多感期の中坊の頃に本書と出会い、伊藤氏のメタル愛熱すぎる文章に心打たれ、「メタルこそ真実である」という狂信的な理念に到達し、伊藤氏の言う「Keep The Faith(信念を保て)!!」という言葉を座右の銘とし、「メタル広めたる!!」という決意を心に誓ったものである。
(その後の時代に追従したブレまくりの私の人生はご存知の通りだ)
本書前半は、70年代のブリティッシュ・ロック黄金時代から70年代後半の衰退期、そして80年初頭のヘヴィ・メタルが復興に向かうまでの軌跡が、マスコミの怨みつらみと共に詳細に述べられていてかなり勉強になる。
特にブリティッシュ・ロック・シーンにおける黒魔術ブームのくだりはかなり興味深く、本書は私が70年代ハード・ロックに強い憧れを抱き、そしてオカルト趣味の傾向に走らせた原点的指南書でもあった。
そしてやはり、ハード・ロック、ヘヴィ・メタルはマスコミに敵視されやすく、「その歴史は賢者を装った愚か者たち(マスコミ)との血塗られた戦いの記憶である。」と伊藤氏は言う。
ま、私なんかも下敷きにメタルバンドのコラージュ写真を挟んだりしてて、教師やクラスの女子には白い目で見られてたし、親ともしょっちゅうケンカしてた。「ヘビメタヘビメタ」、「ウルサイだけの音楽」ってよく蔑まれてた。
でも今考えると、そういった偏見を持たれるのは仕方なかったのかな~って。
時代はMTV真っ盛り。アイアン・メイデンなどのド派手なライブパフォーマンスや、ツイステッド・シスターのアメリカンバカなPVがしょっちゅうお茶の間に流れてた。
現在のガテラルヴォイスが認知されるような時代ではなく、演奏力がなくてもそこそこのキャッチーさとヴィジュアルのこけおどしで十分通用する世界だったのだ。
でも、誤解されやすい音楽だからこそ、その苦渋を味わってきたミュージシャンたちの裏の素顔を知って欲しいと伊藤氏は切に願うのである。
本書の後半では、ランディ・ローズ、ロブ・ハルフォード、マイケル・シェンカー、スティーブ・ハリスなどの、そのミュージシャンたちと直に関わってきた伊藤氏だからこそ知りえる彼らの素顔やエピソードが紹介されている。
こういったミュージシャンたちの意外性や男気なんかも、メタルのひとつの魅力でもあったのだ。武勇伝とは裏腹に、彼らの奥ゆかしい素顔を知っていたからこそ、僕たちはあの頃、メタルにただならぬ憧れと敬愛の念を抱いたのであった。
本書には、このようなメタルバンドのお宝カラー写真がギッシリと満載されている。
AMERICAN UNKNOWN METAL BAND、“TSUNAMI”。彼らは今・・・・?
あと巻末には、伊藤氏が選んだメタル・アルバム50選が年代順に紹介されているが、こん中でよく聴いたのはせいぜい10枚くらいかな。
まぁ私がメタルに傾倒していったのは80年代後半であり、前半のはあんま通ってこなかったので、ピンとこないのも致し方ない。
今日の1曲:『ヘヴィ・メタルの逆襲』/ 人間椅子