今年もあと数時間、この一年もあっという間に終わっちまった。
今年最後のしめくくり記事は、なんや映画の感想にあいなったわけだが、まぁ一昨日駆け込み鑑賞してきたばっかで、その作品がことのほか面白くて、こんな感情を揺さぶられたのは『カメラを止めるな!』以来かと思われる。
もう観終わった瞬間「ザッツ・エンターテイメント!!」と叫びたくなったくらい。
それは、エドガー・ライト監督の『ラストナイト・イン・ソーホー』というイギリス映画。
この作品、とくに話題になってたというワケでもなく、監督の名前も主演女優の名前も全然知らなかった。
まぁ洋画自体が昨年の夏に観た『エレファント・マン』4K復刻版以来で、すでに映画鑑賞に興味をなくしまくってる私がこの作品を観に行く気になったのは、長期休暇でヒマだったという他に、なんかフォローもしてない著名人のツイートが舞い込んできて、この作品を大絶賛していてなんとなしに面白そうだなと思ったからに過ぎなかった。
一番近いところで、MOVIX京都で上映されていたので、電車に乗って河原町は三条くんだりまで赴いた。
劇場に着いて、目的の映画のポスターを探したがどこにもなく、人気俳優多数出演の邦画ポスターが殆どのポスター枠を占めていた。
若者の洋画離れはいよいよ深刻化しているということなんだろうな。
レイトショーだったので客は4、5人くらいだと想定してたら、20人くらいだったかな、意外と入ってた。
男女半々くらい。みなだいたい一人身。
物語は、いきなり主人公の女の子が「サウンド・オブ・ミュージックかいな」みたいなノリでミュージカル風に登場するところから始まる。
そこでまず男性諸君は、この主演女優の無邪気なダンスとチャーミングな容姿に惹き込まれてしまうであろう。
バックで流れていた音楽は、どうやら60年代のイギリスで流行ってたと思しき懐メロナンバーで、この主人公エロイーズは、田舎でくすぶっているファッションデザイナー志望の女の子。
ロンドン・ソーホー地区にあるファッションカレッジに入学が決まり、オールディーズのレコードとポータブルアナログプレイヤーをカバンに詰め込んで下宿先に持ちこむほどの60年代カルチャーオタク。そこにまた好感を持ってしまうという。
ただ、彼女にはもうひとつやっかいな素質があって、それは見ちゃいけないものが見えてしまうという、第6感的な能力。
エロイーズは下宿先で、その部屋に住んでいたのであろうロンドンで歌手を目指していたサンディの夢を毎晩見続けることになるのだが、その夢の中で時には自分自身がサンディとなったりしてシンクロを繰り返し(ここでの鏡を使った万華鏡的映像トリックは見事というほかない)、60年代ロンドンの煌びやかなエンターテイメントの世界へとタイムスリップしていく。
この60年代イギリスのオールディーズをフィーチャーした目眩くスピード感溢れる一種ミュージカル仕込みの展開は、もう観ていて本当に心踊らされるものがあり、鑑賞者自身が60年代のスウィンギンロンドンを疑似体験させられてるかのような感覚を覚えるという、ある意味トリップムービーの様相を呈している。
もちろん私はイギリスのオールディーズには全く詳しくないが、ジョージ・ハリソンが80年代ソロで歌ってたこの曲ってカヴァーやったんやということは気づいた。
そのサンディの夢は、エロイーズの現実の世界でも影響を帯び始め、地味な存在だった彼女は、サンディと同じブロンドの60年代ファッション風のヘアスタイルにするなど、カレッジでもそれが逆に注目され、徐々に頭角を現し始める。
が、それと同時に奇妙なことも起き始め、どうやら昔のサンディを知ってるくさい謎の老人に付きまとわれるようになり、ここからクライムサスペンス要素も加わり始める。
やがて、憧れだった60年代ロンドンの華やかなエンタメ世界の夢には、顔を背けたくなるような裏の黒い部分も徐々に見えてくるようになり、それはいわゆる枕営業とか(男の論理が支配する世界とでもいおうか)そういった類のものだが、エロイーズがサンディを通して垣間見たものは、それよりもっと過酷な実状であった。
まぁこの部分がこの映画がR-15である由縁であろう。
そして、下宿先の部屋でサンディが巻き込まれた陰惨極まりない惨劇が、エロイーズの心を徐々に徐々に蝕んでいく。
まぁこっからはゾンビ映画ばりのホラー展開になるわけだが、ちょっとやり過ぎやろというくらいひつこくて正直ゲンナリさせられるんだが、結末は『ショーシャンクの空』ばりに見事。
最初から最後まで息をつかせない、もう本当にいろんな映画要素、そして現代にも通ずる業界への問題提起なども込められた感もある、且つ整合感をも伴った完成度の高いよくできた娯楽映画だと思う。
一番近い映画でいうと『パーフェクトブルー』ということになるのかもしれんが、個人的には『ムトゥ踊るマハラジャ』に通ずるテンコ盛りのエンターテイメント性を感じてしまった。
いや~、年の瀬の最後にいいもん観たなぁ~って感じ。
映画鑑賞前、四条通りで再びROBITくんを見かけて、そのパフォーマンスを観て幸せな気分になれたのもよかった。
(思わず投げ銭してしまった)
前回彼を見たのは確か今年の春、和田ラヂヲ先生のサイン会に行ったときだった。
なんかヴィジュアルが私の大好きなBUCKETHEADに似ているのもあって、親近感を感じるんだよなぁ。
握手を求めてきた女の子に消毒を施すROBITくん。
それではよいお年を。
今年最後のしめくくり記事は、なんや映画の感想にあいなったわけだが、まぁ一昨日駆け込み鑑賞してきたばっかで、その作品がことのほか面白くて、こんな感情を揺さぶられたのは『カメラを止めるな!』以来かと思われる。
もう観終わった瞬間「ザッツ・エンターテイメント!!」と叫びたくなったくらい。
それは、エドガー・ライト監督の『ラストナイト・イン・ソーホー』というイギリス映画。
この作品、とくに話題になってたというワケでもなく、監督の名前も主演女優の名前も全然知らなかった。
まぁ洋画自体が昨年の夏に観た『エレファント・マン』4K復刻版以来で、すでに映画鑑賞に興味をなくしまくってる私がこの作品を観に行く気になったのは、長期休暇でヒマだったという他に、なんかフォローもしてない著名人のツイートが舞い込んできて、この作品を大絶賛していてなんとなしに面白そうだなと思ったからに過ぎなかった。
一番近いところで、MOVIX京都で上映されていたので、電車に乗って河原町は三条くんだりまで赴いた。
劇場に着いて、目的の映画のポスターを探したがどこにもなく、人気俳優多数出演の邦画ポスターが殆どのポスター枠を占めていた。
若者の洋画離れはいよいよ深刻化しているということなんだろうな。
レイトショーだったので客は4、5人くらいだと想定してたら、20人くらいだったかな、意外と入ってた。
男女半々くらい。みなだいたい一人身。
物語は、いきなり主人公の女の子が「サウンド・オブ・ミュージックかいな」みたいなノリでミュージカル風に登場するところから始まる。
そこでまず男性諸君は、この主演女優の無邪気なダンスとチャーミングな容姿に惹き込まれてしまうであろう。
バックで流れていた音楽は、どうやら60年代のイギリスで流行ってたと思しき懐メロナンバーで、この主人公エロイーズは、田舎でくすぶっているファッションデザイナー志望の女の子。
ロンドン・ソーホー地区にあるファッションカレッジに入学が決まり、オールディーズのレコードとポータブルアナログプレイヤーをカバンに詰め込んで下宿先に持ちこむほどの60年代カルチャーオタク。そこにまた好感を持ってしまうという。
ただ、彼女にはもうひとつやっかいな素質があって、それは見ちゃいけないものが見えてしまうという、第6感的な能力。
エロイーズは下宿先で、その部屋に住んでいたのであろうロンドンで歌手を目指していたサンディの夢を毎晩見続けることになるのだが、その夢の中で時には自分自身がサンディとなったりしてシンクロを繰り返し(ここでの鏡を使った万華鏡的映像トリックは見事というほかない)、60年代ロンドンの煌びやかなエンターテイメントの世界へとタイムスリップしていく。
この60年代イギリスのオールディーズをフィーチャーした目眩くスピード感溢れる一種ミュージカル仕込みの展開は、もう観ていて本当に心踊らされるものがあり、鑑賞者自身が60年代のスウィンギンロンドンを疑似体験させられてるかのような感覚を覚えるという、ある意味トリップムービーの様相を呈している。
もちろん私はイギリスのオールディーズには全く詳しくないが、ジョージ・ハリソンが80年代ソロで歌ってたこの曲ってカヴァーやったんやということは気づいた。
そのサンディの夢は、エロイーズの現実の世界でも影響を帯び始め、地味な存在だった彼女は、サンディと同じブロンドの60年代ファッション風のヘアスタイルにするなど、カレッジでもそれが逆に注目され、徐々に頭角を現し始める。
が、それと同時に奇妙なことも起き始め、どうやら昔のサンディを知ってるくさい謎の老人に付きまとわれるようになり、ここからクライムサスペンス要素も加わり始める。
やがて、憧れだった60年代ロンドンの華やかなエンタメ世界の夢には、顔を背けたくなるような裏の黒い部分も徐々に見えてくるようになり、それはいわゆる枕営業とか(男の論理が支配する世界とでもいおうか)そういった類のものだが、エロイーズがサンディを通して垣間見たものは、それよりもっと過酷な実状であった。
まぁこの部分がこの映画がR-15である由縁であろう。
そして、下宿先の部屋でサンディが巻き込まれた陰惨極まりない惨劇が、エロイーズの心を徐々に徐々に蝕んでいく。
まぁこっからはゾンビ映画ばりのホラー展開になるわけだが、ちょっとやり過ぎやろというくらいひつこくて正直ゲンナリさせられるんだが、結末は『ショーシャンクの空』ばりに見事。
最初から最後まで息をつかせない、もう本当にいろんな映画要素、そして現代にも通ずる業界への問題提起なども込められた感もある、且つ整合感をも伴った完成度の高いよくできた娯楽映画だと思う。
一番近い映画でいうと『パーフェクトブルー』ということになるのかもしれんが、個人的には『ムトゥ踊るマハラジャ』に通ずるテンコ盛りのエンターテイメント性を感じてしまった。
いや~、年の瀬の最後にいいもん観たなぁ~って感じ。
映画鑑賞前、四条通りで再びROBITくんを見かけて、そのパフォーマンスを観て幸せな気分になれたのもよかった。
(思わず投げ銭してしまった)
前回彼を見たのは確か今年の春、和田ラヂヲ先生のサイン会に行ったときだった。
なんかヴィジュアルが私の大好きなBUCKETHEADに似ているのもあって、親近感を感じるんだよなぁ。
握手を求めてきた女の子に消毒を施すROBITくん。
それではよいお年を。