2021 秋
犬山の「珈琲ふう」で豊田勇造さんのライブのライブレポの続き
休憩挟んで第2部のレポをば…だらだらと
今日はPAなし、マイクなし、スピーカーなしのライブですけど、一番奥の方にいてる方は聞こえてますかね…と声を掛け、聴こえてます!と声が返ってくると
勇造さん嬉しそうにギターを奏で、さらに音を歪ませ、この「キューン」という音も聞こえますかね…と笑いながら
「ギターが好きで…好きで…」と呟きながら
また音を歪ませてギターを響かせ
「これ、好きやねん!」と勇造さん
そんなブルースっぽいフレーズ
そして勇造さんの佇まいが…
孤高のブルースマンそのものに見える!!!
そんな雰囲気を全面に醸し出しての
「高野グランドマンションのブルーズ」
歌ってる途中に、歌詞を間違えたと…「女」が「男」でした…と照れ笑いを浮かべながら、訂正しつつ歌い続ける勇造さん
♪お前に会いに行く 会いたい 会いたい~
そんな気持ちが直球で伝わってくるブルース
♪本当は高野の交差点じゃなくて、今は仁和寺の近くなんですけど お前に会いに来た~
と歌いながら
間奏のこれぞ、ブルースともいえる
ギターを奏でる鮮やかな指の動き
サビは…声が裏返りそうになるほど吠えて
曲の終わりに近づいた時
勇造さん「途中で飛ばしてしまったフレーズがある…♪1年ぶりの「ふう」ライブに来てくれたみんなに会いに来た~というのを飛ばしました~と言って
ギターを掻き鳴らす勇造さん…めちゃめちゃかっこいい!!
「ある朝高野の交差点近くを兎が飛んだ」
長い語りから展開されるこの歌
勇造さんならではの
詩的な世界
語りの歌詞の中では、兎と会話する勇造さんといった
なんかメルヘンとも思える
摩訶不思議な世界観
そのままの流れで蠢くようなギターのカッティング、そしてリズムにのせて勇造さんが語る…
「いつもツアーの時に持ってくる手帳があって、そのポケットのところに1枚の写真を入れている…その人が書かはった詩を自分で訳した歌を歌いたいと…その人の名前は「ダライ・ラマ」さん、歌のタイトルは「THE PARADOX OF OUR AGE」…訳すと「俺たちの時代の矛盾」と語って
「THE PARADOX OF OUR AGE」
鋭いギターカッティングからくる乾いたギターの響き…歌からは、まさに、世の中の「矛盾」に対する熱さ、激しさが伝わってくる
たとえば、たくさんの薬が健康を損なうなど、生きていく中で感じる「矛盾」を飾らない言葉で歌い上げる…
時代はファーストフードのよう…その結果、便利なのに、忙しくなっているとか、感じる矛盾を等身大の言葉で…
そして、耳を傾けてると、今、まさに勇造さんが感じている国策の矛盾をも歌っているかのよう
蠢くようなギターのサウンドが、その世界観をより醸し出す…
いやあ、「ダライ・ラマ」も素晴らしいけど、勇造さんも素晴らしい!!!
さっきタイに行ってへんのですかって訊かれたけど、去年の3月の後半に帰ってきて以来、タイには行ってないと
来年の夏くらいには行けるのかなと思っているけど、1年半、タイに行けへんかったら最近家の中でしゃべるのはタイ語で…と笑わせる勇造さん
そしてタイの唄を歌ってタイに行ったつもりになっていると
「チャオプラヤ河に抱かれて」
~働いて飯を食い 夢を見て旅に住む
メーナム・チャオプラヤ河に 抱かれてアジアの子供に帰りはじめる~
~働いて飯を食い 夢を見て旅に住む~
このフレーズが心につき刺さったんだよね…
もちろん、この曲を初めてきいたのはウン十年前のことだから、フレーズが心につき刺さったのは、ウン十年前のことだけど、今聴いても心に沁みる!沁みる!
アジアの広さ、さらには自然の心の広さも感じられる壮大さが感じられる歌
ハーモニカの響きがより旅愁感を醸し出す
♪何かも包み込む 母の胸のような ふっくらと盛り上がる 夜の河~
この表現方法、つくづく勇造さんは詩人だなって思う
ここで、オープニング・アクトで歌ってくれた飯田から見えた人に声をかけ一緒に歌って欲しいと
「さあ、もういっぺん、「大文字」、自分の部屋でよく歌っていました」と
まさに勇造さんの名刺代わりの代表曲
「大文字」
♪さあもういっぺん さあもういっぺん 火の消える前に~
京都で大文字の送り火をバックに行われた
イベントコンサート
観客はノレル、ロックのブルースバンドを期待していたところに
ギター1本で登場した
勇造さんに…罵声が嵐のように飛んできた
しかし勇造さんは唄うのを止めなかった…
その時の…歌い続けること…
歌への熱い想い…を
気持ちを吐き出すかのように…歌っている歌だと思うんですけど…
♪さあもういっぺん さあもういっぺん 火の消える前に~
このフレーズが
心に沁みるんですよね!!
仕事でうまくいかないとき
恋愛もしかり…
蹴躓いた時…
ふとこのフレーズに勇気づけられるというか…
聴くもの…おのおのが…心の中で思っている
「さあ、もういっぺん」を共鳴させて
まさに…歌に魂が入っているかのような
感動的な1曲…
この曲を聴けば…
まだまだこれからも、多くのみなさんが勇造さんにハマっていくのでしょうね…
「さあ、もういっぺん」のサビはお客さんと大合唱!
「この瞬間を待ってたぜ!」とのお客さんからの声に
勇造さん「俺もこの瞬間を待ってました」と笑わせる
「レター・トゥー・ミー」という歌を最後に、タイトルは自分への手紙だけど、本当はみんなの手紙でもあると
「レター・トゥー・ミー」
新曲なのにどこか懐かしい…そうか、ベースはブルース・スプリングスティーンの曲だったのね…と以前、勇造さんから訊いた話を思い出しつつ
歌詞から伝わってくる温かさ
こんなコロナ禍であっても、、いや、だからこそ、人との繋がりが大切だという想いが唄から伝わってくる!!
今、現時点での豊田勇造さんの想いがストレートに過去を振り返りながら綴られる…歌詞がストレートに心に沁みる!沁みる!
これにて本編終了…
当然、鳴りやまぬ拍手!拍手!!拍手!!手拍子!手拍子!手拍子!に応えて
UN
こうしてライブができることの嬉しさを重ねて「「小さなライブハウス」という歌を」と
「小さな町のライブハウス」
旅から旅
全国を歌いながら廻っている
ツアーミュージシャン
勇造さんならではの歌
勇造さんの旅の想いが等身大で綴られる…
やっぱ…大切に思っていることが…嬉しく感じているのが
そこで…出会う…関わり合う人たちなんだな…ということが
ストレートに伝わってくる
私にとっても
勇造さんを観に行ったことのあるあの街…この街のことが
(具体的には、津市とか足助とか岡崎八曜舎のことが)心に鮮やかに浮かびあがる…
歌い終えて勇造さん
「あらためて「ふう」さんに大きな拍手を」と重ねて、「ふう」のオリジナル記念Tシャツの紹介をもして
最後にもう1曲だけと
割と京都の自宅にいることが多くて、コロナ禍がどれだけ続くかわからないけど、一つだけ自分と自分で約束をしたことがあって…それは、スライドギターの奏法を練習しようと思って、ウイスキーのボトルネックのところとか、ウォッカの瓶のところ、これに糸を巻いてホイルを巻いて、火をつけたらポキンと折れたりするらしい…切り口がギザギザなので、その危ないところをペーパーでこすって、黒人のブルースマンは、それを使って弾いている…ボトルネック奏法とかスライドギター奏法とか言うけど、これを必ず1日、5分でも10分でも練習しようと思ってそれだけを毎日やってたそうな
京都に拾得というライブハウスがあって、そこにテリーというオーナー、マスターがいて、こないだライブをしに行ったときに、このボトルがあって、ちょっと貸してもらって、やってみたら、ちょうどいい重さでいい長さで、高かったやろって訊いたら、ニヤニヤしていて、3千円、あるいは5千円するかなと思って聞いてみたら、160円やったと…どこで買ったか聞いたら「コーナン」という店、いろんなものを売ってるところ、そこで売ってるこれは水道管をジョイントするもの、楽器やで買ったら何千円もするものが、テリーが160円だったというので、早速買いにいったそうな…
行ったら150円で売ってたと…レジの女の人に、これ何しはるんですかと訊かれたそうな…水道工事の人にはみえへんので…いや、ギター弾くんやと答えたとそんなエピソードを最後に語って
ブルースの曲調で、勇造さんのボトルネック奏法がクローズアップされる
新曲「いつか」
このコロナ禍で振りまわされた、その等身大の気持ちがストレートな歌詞で綴られる
旅をしたい!でもいけないそんな葛藤、旅へ願望
♪いつかこの長い夜が更けたら ギターをもって風まかせ この広い世界を旅したい~
コロナがやってきてから、まだタイには行けていないと言ってた勇造さん!歌をきいてると、行ったことのないタイ国の風景が心象風景に描かれるよう…
行ったことのないタイ国へ思いを馳せれる素敵な曲でした…
いやあ勇造さんの佇まいが、この犬山の「ふう」にマッチしてて
めちゃめちゃイイ感じで…
秋を感じながら、勇造さんの歌…
一言で申せば「ふう流だなあ」…「ふう」さんだけにね…笑
そんな犬山の喫茶「ふう」のマスター小川さんと、いつもお世話になっている各務原 「ミュージックルーム 6-21」のオーナー、佐伯さんと
勇造さんと…