いつも 昼食を済ませると 気合を入れて 近くのプールへ水中ウォーキングに出かけます。
もう17年も続けていますが 痩せません。
しかし近頃は 寄る年波を自覚して プールがお休みの 日曜日や祭日は 気まぐれに 町の温泉に 方向を変えることがあります。
先日 温泉で 浴室まで杖を頼りの おばあさんを見かけました。
ゆっくりと歩かれるその姿は 間違いなく 長い人生の ご苦労がわかります。
おしやべな私も こんな時は黙って 見守ります。
私も 心地よく温まり 売店の前の椅子に 腰かけて一休みしていると 向かいの椅子に あの高齢のおばあさんが 一休みしておられます。
すると 離れたところに 座っておられた ご主人と思われるおじいさんが 飲み物の自動販売機の前に 立たれました。
コインをどうにか確かめて 入れられましたが 買い方がわからないようです。
この自販機 色々な飲み物が セットしてあり 番号を確認して押して 出てくる式の 自販機なのです。
おばあさんに 何がいいか 訪ねて コーヒー牛乳を 買いたいのですが それがわかりません。
見かねた 売店の女性が 手伝って コーヒー牛乳は おばあさんのテーブルの前に 届きました。
そしておじいさんも 同じように ボタンを押して コーヒー牛乳を ゲット。
美味しそうに 飲んでおられました。
二人の間に 何の言葉も ありません。 なんの言葉もいりません。
お二人の 言葉は 私には 十分すぎるほど 伝わってきます。
それを 見ていた私 長年連れ添ったご夫婦 近頃めっきり 老いていく我妻を せめて温泉にでも 連れて行こうと 渋る妻を
誘って見えたに 違いない 日ごろ優しい言葉の一つも かけたくても 照れくさい昔の人間 それは言えません。
二人で のどを潤すと 静かに 立って 玄関へと 向かわれました。
ほんわかした気持ちの 私もコーヒー牛乳で のどを潤し 帰宅した日曜日の午後でした。