あちこち 出歩くなと お上に警告されてもこんなに晴れ渡った 皐月の空を眺めていると
むなしくなってしまいます。
ミシンを動かしても マスクばかりでは面白くありません。
そうだ 断捨離だと家の中をかたずけ始めました。
タンスの引き出しの中から 古い葉書が出てきました。
実家の父からの45年前の 葉書です。
晩夏のあいさつと 東京から弟一家が我が家を訪ねた時の お礼の葉書です。
何度も何度も お礼の言葉が 書いてあります。
私の 記憶では田舎の不便さと 家族間の不満を 父に長々と手紙を書いていました。
そのことには 何にも触れず さりげない葉書の文面です。
父の 親としての思いやりは何にも書いてないのに 細い字の文面からは 「お前の人生自分で決めたのだから 頑張れ」 との思いがあふれています。
母が47歳で 逝き 高校生の弟と二人だった父のほうが 私の応援を待っていたはずなのに
若いころは 自分のことだけしか 眼中にありませんでした。
筆まめだった父からは たくさんの葉書や封書がありましたが 今この葉書しか残っていません。
電話やメールが幅を利かせ 便りを書くこともなくなりましが 離れて住む同窓生に 手紙でも書いてみるかーと 思った午後でした。