端布に恋した私

小さな端布を 縫い集めてつくるパッチワークは 
私の楽しい趣味の一つです。

かにまき汁

2022-10-26 | 食べ物

貧乏人は 困ったものです。

季節の移ろいを 食べ物で 感じています。

かにまき汁 えっ?

なんじゃ それと思われたお方 食通でないですね。

聞いて 聞いて。

私が 来年は一年生と 楽しみにしていたころ 母は帯を使って手作りの

鞄を作り 戦火の中 初めてのお転婆娘の入学を楽しみにしていました。

しかし 十万を超す人口の工場都市 いつ焼野原になってもおかしくない

状況でした。

若い父と母は 三人の幼い子供を抱え 長女の私だけでも……と

考えたようで 県南の山あいの 祖父母の家に預けられ 分校に入学したのでした。

川の水は 透きとおり 魚は泳ぎ 桜が満開の中 ペラペラの教科書も

親の心配も気にせず 一年生を楽しんでいました。

そん時 清流の川に仕掛けた竹かごの中に たくさんの蟹が入っていました。

庭の石うすに入れ 杵でつつけばつぶれ 味噌汁の中にいれていました。

その味を 忘れていましたら なんと生協のカタログに出ていたのです。

早速注文しました。

あの 一年生の夏休み日本は戦争に負けました。

空腹と敗戦の中 日本国民があの時 頑張ったから 今の日本があると 思っています。

この 「かにまき汁」は私にとって いろんなことを思い出す味です。

父も母も 見送った今 色々な思い出も 一緒にすする「かにまき汁」です。

コメント
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