村のブログで宅配便 業者と提携、受付窓口手数料狙う(朝日新聞) - goo ニュース人口600人足らずの過疎の村、和歌山県北山村が宅配業者と手を組み、村が運営するインターネットのブログ上で宅配便の窓口代行サービスを9月に始める。ブログ会員になれば全国の誰でも配送料の割引が受けられ、村には業者から仲介手数料が入る。民間企業と連携したユニークな財源確保策として注目されそうだ。
北山村は、行政区域を奈良県と三重県に囲まれ、和歌山県とは陸続きになっていない「飛び地」の自治体。県内で最も高齢化が進んでいる。田舎暮らしに関心を持つ「仮想村民」を増やして村の観光促進につなげようと、村は今年6月にブログサイト「村ぶろ」を開設。会員数は6000人を超えた。
宅配便の専用ページ「村ぶろ宅配便」はこのブログ上に新たに設置する。北山村は、近畿圏に本社のある大手宅配業者と連携。会員が配送を希望する品目や個数、重量、配送先などを登録すれば、業者のスタッフが会員が指定した場所に集配に出向くようにする。同村が荷物の発着点かどうかに関係なく、配送料は通常より3~4割程度安くなるという。
当初3カ月間は近畿圏、三重県でやり取りする品目に限定するが、その後はサービスを全国に広げる。同村に入る仲介手数料は配送1件あたり100~200円で、村の財源に充てる。将来はブログ運営による広告収入と合わせて、村の年間予算の約10分の1にあたる年間収入1億円をめざす。
北山村は04年7月に合併協議から離脱。合併に頼らずに行財政改革などを進めて単独で生き残る道を模索している。最近では、特産のかんきつ類「じゃばら」の加工品販売で01年に始めたネット通販が好調で、村観光産業課は「特産品販売とともにブログ事業を村を支える収入源にできれば」と意気込む。