十数年前のミスを蒸し返す --「給料3分の1か、退職か」雇用漂流の現場【3】(プレジデントオンライン) - goo ニュース
(前略)
「5年前、ボーナスを貰うために呼ばれた社長室で、十数年前の仕事のミスを蒸し返されたんです」
すでに記憶もあやふやな些事を社長が持ち出した理由は、言うまでもなかった。
「『これ以上いっしょに仕事はできない』と。『辞めろ、ということですか』と聞き返したら、『ああ、そういうことだ』」
総務部にいた社長夫人に手招きされ、職場の片隅で、「自己都合(退職)にして」「そのほうが、次が決まらなかったときに失業手当が多く貰えるわよ」「あなたにとっていいことだから」と諭された。
「そういうことを全然知らなくて、言われた通り退職届を出しました」
500万円貰えるはずだった退職金が、3割減の約360万円に激減。帰省して転職を報告したら、「何でそんなことをしたんだ」と言われ、そこで初めて気づいた。自治体労働局の紛争調整委員会に申請書を出し、会社と争った。
「会社側とは別々に聴取されました。『向こうは“彼は自己都合の退職届を自主的に出してきました”と言ってるぞ』と言われた」
申請は却下された。退職金は30万円追加されたものの、本来受け取れた額にはほど遠い。
「幸か不幸か、辞めてから2週間ほどで転職先が決まっていたので、それ以上もめたくなかった」
(以下略)