双子の高校生姉妹が,進路に悩み,自殺したというニュースがありました。まだ若く未来のある若者が,なぜ死を選んだのか?どんなことにどれだけ苦しみ悩んだのかはわかりませんが,若く尊い命が二つも失われたという事実は確かなことで,とても悲しいことです。
誰もが,命をもって生まれたのには理由があります。それは,この世に必要とされた存在だからです。だからこそ,命が尽きる時までこの世に生きて在り続けることが大切になってくるのです。
自ら命を断つことは,許されないことです。なぜなら,この世に必要とされた役割を十分に果たしていないからです。命は,その役割が果たされる時まで与えられているのです。
その役割とはなんでしょうか。命ある人の数だけ役割があり,その内容もその人しかできないものなのです。役割は,決して一つではなく,一生をかけてその人が果たすすべてのことです。
人間だけではなく,この世に存在するすべてのものに,必要とされる理由と役割があります。その人やそのものだけしか果たすことのできない役割があり,その存在の理由があるのです。
必要とされた命を,その持ち主の意志で勝手に断つことは許されないことなのです。断たれた命の代わりとなる命は,存在しないからです。
命は多くの命とかかわることで,つながることで,支え合うことで,お互いに輝きを増します。かけがえのない命同士だからこそ,それぞれの色と光を発しながら輝き合うのです。
一つの命が消えると,色と光も消えてしまいます。その周りの命も,消えた分だけ色と光を失ってしまいます。命ある限り輝き続ける存在であること,そのことも大切な役割の一つなのです。
自殺した姉妹には,お母さんと弟がいたとのことです。残された家族は,深い悲しみの中にあることと思います。生きていればこそ,悩みを乗り越え,新たな希望を見出すことができたはず。これからという限りない未来を持った若者だからこそ,その死がとても痛ましく残念です。必要とされて生まれてきたのに,その役割を十分に果たさないで,あの世へ旅立っていったのですから。誰もその代わりとなって役割を果たすことはできないのですから。