あの青い空のように

限りなく澄んだ青空は、憧れそのものです。

虹は あこがれ

2011-10-02 20:23:29 | インポート

先日,虹を見ました。立ち上がり部分しか見えず,一本の柱のように直立する形でした。ただ,七色を構成する一つ一つの色がとても鮮明に見え,その色の違いが実に調和した美しさを醸し出していました。半円の完全な虹も見たことがありますが,不完全な形であっても虹の持つ魅力を十分に表現していました。見えないところがあるため,かえって想像力が刺激されるような感じさえしました。

立原えりかさんの童話に,「虹を取りに行った男」という作品がありました。ストーリーは,虹に魅せられた少年が虹を取りに出かけ,そのまま何十年ももどらなかったものの,ある町の道端で年老いた姿で虹のかけらを売っていた というものだったように記憶しています。

それだけ,虹はたくさんの年月をかけなければたどりつけない遠い所にあったのでしょう。あこがれという思いと同じように。たどりつこうとしてもたどりつけないもの。遠くにあるからこそ,むしょうに求めたくなるもの。虹は,あこがれを追い求めていた青春時代の自分を思い出させる存在でもありました。

学芸会の劇の台本として書いたものに『空からの落し物』というものがありました。その劇では,虹が大切な役割を担っています。あやまって落とした空の国の大切な宝物(季節の色を塗りかえる大筆)を取り戻すために,雨たちが地上に派遣されます。その雨たちが虫たちの助力を得て何とか大筆を取り戻し空の国に帰る時に,虹の道を通ります。虹は,地上と空の国をつなぐかけ橋のような存在でもあったのです。

「きよちゃんの冒険」<雨の国への冒険>という子ども向けに書いた童話では,あわてて地上に降りた雨たちをかさですくって助けてあげて,そのお礼に雨の国に招待されたきよちゃんが地上に帰る手段として使ったのが虹でした。雨の国に出かける時にはメリーポピンズのように傘を使い,地上に降りる時には虹のすべり台を使います。ここでも,虹は地上と空の国とをつなぐ大切な存在でもあったのです。

子どもたちには,いつも夢を求めるハートを大切にしてほしい。そんな願いもあって劇の台本や童話を書いたように思います。

虹は,私にとっては今でも変わらぬ 遠いあこがれのような存在に思えます。

歳を重ねても 絶えず 夢を追い求める 若々しいハートを いつまでも大切に持ち続けたいものだなと思っています。

コメント
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